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P「世にも奇妙なアイドルマスター」【前編】

元スレ
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1 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:00:07.33 GDvymG8s0 161/462

夕方ぐらいに落ちたけど、真編を思いついたので投下します。保守と未来同窓会を書いてくださった方、ありがとうございました。

「もし自分が今いる世界とは別に、もう1つ世界があるとすれば? パラレルワールドというのは、古くからSF界隈で良く使用されます」

「そこにいる私はいったいどんな人間なのでしょうか?」

「おっと、ここに二つの世界があります」

「片方はアイドルとして、毎日を目まぐるしく過ごす彼女」

「そしてもう一つの世界は……。おや、これは興味深そうですね」


(嬉しくない!)

最強アイドルNo.1!!

(こんなの望んでない!)

男装の似合うアイドルNo.1!!

(ボクだって可愛い服を着たいんだ!!)

王子様アイドルNo.1!! (男女混合)

「ボクはお姫様になりたいんだあああああ!!」

2 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:05:45.39 IoyoyrM90 162/462

伊織「ああっ! 五月蠅いわね!」

「だって王子様No.1だよ!? そんなの全然嬉しくないよ!」

伊織「あら、良いじゃない。何も貰えないよりかはマシよ。それに1位なんだから誇って当然じゃないの?」

「そりゃ嬉しくないってことはないけどさ、ボクだって可愛い服を着たいんだよ? ほらっ、シャンシャンプリプリってした服をさ!」

伊織「その擬音がまずかわいくないわよ」

「はーあ、プロデューサー、仕事を取ってくるのは嬉しいんだけど、全然アイドルって感じじゃないんだよなぁ」

伊織「まああんたには可愛さよりも格好よさを求めてるでしょうしね」

「ボクだって本気出せば可愛いんだけどな……」

伊織「残念ね。生まれる時代を間違ったとしか言えないわ」

「えー。そこをなんとか出来ないの?」

伊織「私に何を求めているのよ」

4 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:10:15.73 IoyoyrM90 163/462

「はぁ……、なんでボクはこう女の子らしくなれないかなぁ。それもこれも父さんが……」

「ホント、朝起きたらどこかの国のお姫様になってました! ぐらいのサプライズがあってもいいと思うんだけどなぁ」

「あっ、流れ星! お姫様になりたいお姫様になりたいお姫様になりたい!!」

「ふぅ、言い切るのは大変だな……」

「ああもう寝ちゃおっと。せめて夢の中では格好いい王子様と……」

王子『プリンセスマコリン、君を迎えにきた!!』

『ああっ、麗しの王子様! 私を早く攫って~』

「うふふ……」

「はっ! これじゃあ小鳥さんと一緒だ!! お休み!!」

「Zzz…」

6 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:16:09.89 5a7HcmxY0 164/462

??「――様、――様!!」

「んん? もうこんな時間? あれ、ここどこ?」

??「起きられましたか、姫君。さぁ、朝食の時間ですぞ」

「え? 姫君? えーと、これドッキリ?」

??「はて、ドッキリとは何のことでしょうか?」

「あのー、すみません。ボクこんなところで寝てましたっけ?」

??「ボク!? ひ、姫君殿……。今自身のことを何と……」

「へ? ボク?」

??「ら、ら、ら、乱心じゃー!! 我らが姫君がボクとなど男言葉をー!!」

「ちょ、ちょっと! 髭のおじさん、話が見えないんだけど!!」

??「ひ、髭のおじさん!? 姫君殿、何か悪いものでも食べられましたか?」

「そのつもりはないけど……。そもそも姫君殿って、ボクのこと?」

??「な、なんと言うことだ……。姫様は記憶を失ったというのか……」

7 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:23:03.12 5a7HcmxY0 165/462

「えーと、姫様? 言われてみればこの部屋、映画のお姫様が住んでそうな部屋だけど……」

??「まさか例の魔術とやらが原因か!? あの魔道士とやら、姫様の信頼を得て魔術の手ほどきをしていると聞いてたが、まさか姫様の記憶を奪うとは……」

「あのー、どういうことですか?」

??「どうもこうも有りませぬ! よろしいですか、あなた様は我が国、ヒラタ王国正統後継者、プリンセス・マコリンですぞ!!」

「ははっ、また変な夢見ちゃったかな……。寝よ」

??「マコリン姫! 二度寝は健康によくありませんぞ!」

「ははは……、夢じゃないや」

『プリンセス・シンドローム』 菊地真

9 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:29:08.82 8MgY5+6x0 166/462

(髭のおじさん、タカーギが言うにはこうだ)

(ここは王政を敷いている国家、ヒラタ王国。妙に和風な名前なのは突っ込んだらダメなのかな)

(そしてボクは、ここの王女、プリンセスマコリンその人だという。うん、ボクの妄想のまんまだ)

(中世の王国のお姫様になるなんて、どこの少女マンガ!?)

タカーギ「姫君殿、思い出されましたか?」

「あはは……、まだ混乱しているや」

タカーギ「お労しい……。このような下賤なしゃべり方になるとは、全く! 次奴を見たら斬首刑に出してやる!」

「ざ、斬首刑……? それって、ギロチンだよね?」

(とまあ元いた日本とはかけ離れた、まるでベル薔薇の世界だ。そんな世界に、ボクは姫としてやってきた)

「じゃあ元いた姫はどうなるんだろ? まぁ気にしてても仕方ないか」

12 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:37:36.62 IoyoyrM90 167/462

(今はこのお姫様生活を楽しまなくちゃ!)

タカーギ「マコリン様! そのように激しく動かれたら、お召し物が……」

「良いの良いの! ボクこんな服を着たくてアイドルになったんだから!!」

(プリンセスには悪いけど、海外旅行と思って楽しませてもらうよ!!)

朝食

「こ、これが朝食……。我が家の味がかすんで見えるよ……」

シジョー「お気に召していただき、私も鼻が高いです」

(なんの映画だっけ? そうだマリーアントワネット! まるで映画の中に入ったみたいだ!)

ヒビーキ「プリンセス上機嫌だぞ」

ミキィ「いつも元気なかったから、少し新鮮かも」

「美味い! もう一杯!!」

13 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:42:01.91 IoyoyrM90 168/462

タカーギ「マコリン様! レディーとしての自覚が足りませぬぞ!」

「えー、ダメ?」

タカーギ「歴代我が国の妃様方は、それはもう優雅に毎日を過ごしておられました。 クイーンヒロリンの跡を継ぐ者として、自覚を持って頂きたいものですな」

「はーい」

(口うるさい老執事、漫画みたいだ!)

ヒロリン「あら、マコリン。今日は元気ね、ふふっ、見てるこっちまで元気になってきそうだわ」

タカーギ「女王陛下! 無理に降りて来られなくとも……」

ヒロリン「たまには運動をしなければ、病も良くはなりません。
それに、こんなに活き活きとしたマコリンは実に久しぶりです。良き知らせが来る前触れやもしれませんよ」

(この人がクイーンヒロリン! オーラがすごいよ……。伊織なんて目じゃないや)

「母上、このマコリン、いつまでも母上にご迷惑をかけるわけにはいきませんわ。これからは少しずつ自立していこうと考えている次第でございます」

ミキィ「なーんかプリンセスの口調変だね」

ヒビーキ「いつもは教養を感じるんだけどなぁ」

16 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:45:58.68 8MgY5+6x0 169/462

ヒロリン「うふふ、それではその時が来るのを……ゲフッ! ゲフッ!」

タカーギ「ヒ、ヒロリン様!? い、医者を呼べ! 国一番の医者だー!!」

ヒビーキ「はっ」

ヒロリン「いいえ、もう遅いのです……」

ミキィ「女王様……」

タカーギ「しかし! 生きることを諦めるなと先の大戦で演説なさったのはヒロリン様自身ではありませんか!!」

ヒロリン「ふふっ、自分に跳ね返ってきちゃったわね……。でも、私はもう思い残すことはないわ。マコリンのあんな笑顔、見れただけで十……、分……」

タカーギ「陛下ー! 陛下ああああ!!」

(え? クイーンヒロリン崩御しちゃったけど……)

17 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:53:14.80 8MgY5+6x0 170/462

タカーギ「このヒラタの地に生きる者たち! 富める者、貧しき者、全ての者に告ぐ!
たった今、我らが平和の象徴、クイーンヒロリンが天へと旅立った。
陛下の涙は、我々に恵みの雨を降らし、陛下の笑顔は眩いばかりの光となるだろう! 陛下は我々の心の中で永久に生き続ける!」

タカーギ「そして今、王女マコリンが、新たな女王となり、この国に繁栄と平和をもたらすだろう!」

タカーギ「祝福せよ! 今この場に、新たな王女が誕生することを! 先代の遺志を継ぎ、私たちを照らし導くことを!!」

「あわわわわ……」

(プリンセスどころじゃない! これじゃあクイーンだよ!!)

(はっ、もしかして……)

『あっ、流れ星! お姫様になりたいお姫様になりたいお姫様になりたい!!』

「紛れもなくこれだー!!」

ヒビーキ「プリンセス,いやクイーン。民衆が待っておりますぞ!」

ミキィ「この国の新たなる女王の誕生を皆待ち望んでいるの!」

「に、逃げれないよね……」

20 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 00:59:36.38 8MgY5+6x0 171/462

民衆『ざわ……、ざわ……』

タカーギ「さあ、クイーン。皆が待っておりますぞ」

(もうこの人記憶喪失とか忘れてるよね……。はぁ、やるしかないんだ!)

「た、ただ今ご紹介に預かりました、マコリン・ドゥ・ヒラタでしゅ!」

(噛んでもうたー! って普通に日本語で話してるけど、それで良いのかな?)

民衆『……』

(ノーリアクションですか。そりゃ笑ったら殺されるよね……)

「先代の姫はこの国に恒久の平和をもたらし、我々を常に導いてくださりました。
正直、ボ……、私がクイーンという神聖にして偉大なる地位についてよいものかとも思いますが、私はここに誓います!
ヒラタ王国の新たな発展と平和を、この国すべての者と作っていくことを!」

民衆『……』

(やっぱ、少女マンガの真似じゃ幼稚……)

民衆『わあああああ!!』

「え? なにこれ、成功したの?」

21 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:02:58.21 IoyoyrM90 172/462

民衆『ヒラタ王国万歳! クイーンマコリン万歳!』

「う、上手く行ったのかな……」

民衆『マコリン! マコリン! マコリン!!』

「呼び捨て!? で、でもこの昂揚感……。ライブみたいだ!!」

「みんなー、良くなりよー!!」

「まっこまっこ」

「りーん!!」

民衆『……?』

「や、やってもうた……。いつもの癖で……」

子供「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

老婆「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

「え?」

25 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:09:54.20 IoyoyrM90 173/462

商人「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

衛兵「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

ONOSAKA「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

医者「まっこまっこりーん、まっこまっこりーん」

民衆『まっこまっこりーん! まっこまっこりーん!!』

「み、みんな……。それじゃあもう一回! せーの!」

ヒラタ王国『まっこまっこりーん!!』

??「な、なによあれ……。クイーンヒロリンが崩御したと聞いて駆けつけてみれば、マコリンってあんな奴だったかしら?」

??「邪教みたいです!」

??「あら、難しい言葉知ってるわね、ヤヨ」

ヤヨ「これイオリン様が教えてくださった言葉ですよ?」

イオリン「イオリンで良いわよ。様だなんて。あんたと私の仲じゃない」

ヤヨ「イオリンちゃん、えへへ~」

イオリン「まぁ良いわ。同盟国である以上、攻撃する気は更々ないけど、そっちが売るのなら、こっちはいくらでも喧嘩を買うわよ」

27 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:16:49.99 IoyoyrM90 174/462

(ボクもこれで王女様! いや、女王様と言った方が正しいんだけど、なんか嫌だよなぁ)

(でも……、可愛い服を着て、皆にチヤホヤされて、すっごく気分が良いな!)

「お花畑でしゃらんら~ん」

タカーギ「マコリン様! どちらに行こうとしておられるのですか!!」

「え? お花畑でちょうちょさんと井戸端会議を……」

タカーギ「何を言っておられるのですか! 今日は隣国のクギュ帝国からプリンセス・イオリンとの会談の日ですぞ!」

「え? 初耳……」

タカーギ「うむ……。まだ完全に記憶を取り戻しているわけじゃなさそうですな。クギュ帝国は、近隣国では最大の軍事国家です。
現在私たちのような小国が平和を保っているのも、クギュ帝国の保護があってこそ。くれぐれも、無礼の無いように」

「イオリン姫ってことは……、伊織っぽいのが来るんだよね。いつも通りにしてたらいっか」

28 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:22:34.14 8MgY5+6x0 175/462

イオリン「久しぶりね、マコリン。女王生活はどう?」

ヤヨ「お久しぶりでございます!」

「ははっ……、思ってたのと違うなぁって感じだよ」

イオリン「? どういうこと? アンタずっと先代を見てきたんじゃないの?」

「ほ、ほらっ! 理想と現実ってやつ!? いざ女王となると、想像していたよりもきつくて……。
母上をますます尊敬したくなるよ」

イオリン「うーん、何かしらこの違和感は……。マコリンと話してるはずなのに、マコリンじゃない誰かと話してるみたい」

ヤヨ「男子三日会わざれば刮目して見よ! です」

イオリン「使い方間違ってると思うし、マコリンは女よ?」

ヤヨ「そうですね!! なんか今のマコリン様、男らしいかなーって」

(男じゃないって!! ボクは、いやボクって言ってる時点でグレーゾーンだけど!! とにかくボクはプリンセスなの!!)

イオリン「まあ何でもいいわ。まっ、せいぜい頑張りなさい。期待しといてあげるわ」

(こっちの伊織は割と素直だなぁ)

29 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:27:31.83 8MgY5+6x0 176/462

(それから何日か過ぎ、女王生活もそれなりに慣れてきたんだ)

「はぁ……」

タカーギ「どうしましたか、陛下。ため息を吐くと幸せが逃げますぞ?」

(きらびやかな舞踏会、贅沢な食事、街に出て民衆とのふれあい、そんなものを期待していたけど、実際はそんな華やかなものじゃない)

「地道だなぁ」

(周りには無条件でしたがう者たち、欲しいものは手に入り、満たされ過ぎているぐらいなんだけど……)

「なーんか楽しいことないかな……」

(以外にも、プリンセス生活は飽きが来るのが早かった)

「退屈だなぁ……」

31 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:34:53.92 8MgY5+6x0 177/462

(そんなある日のこと……)

「~♪」

「だーん!!」

「退屈だ……。いくらダンスの練習しても、社交ダンスには繋がらないからな……。歌う機会もないし、踊る機会もない……」

「あっ、そうだ! 良いこと思いついた! 無ければ作ればいいんだ! 幸いコロッセオは昔の名残であるし、歌って踊る祭りを作ろう! タカーギ!!」

タカーギ「どうなさいましたか、マコリン様」

「ボクは考えたんだ。この国の発展に繋がるものを。そして思いついたんだ、コロッセオを借りて歌合戦をしようと!」

タカーギ「歌合戦ですか? 急にまたどうなさいましたか?」

「歌は文化の神髄ってプロデューサーも言ってたし、貧富の差もなく参加するようにしたら良いんだよ。国民の士気アップにも繋がるよ!」

タカーギ「ふむ、歌合戦による文化的発展ですか……。先代の時も案がありましたが、先代の病とともに流れてしました」

「それを娘が引き継ぐ、変なことはないはずよ?」

33 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:41:49.68 IoyoyrM90 178/462

タカーギ「そうと決まれば手配しましょう! 皆の者、これより国民へと通達せよ!!」

「ふぅ、ようやく国の主っぽいこと始めたかも」

(その日のうちに、歌合戦の話題は広まっていき、国内は盛り上がっていった)

ハルカッカ「今日のために練習したから、負けないよ!」

ミンゴス「私には歌があればいいの。今の女王には感謝するわ」

アーミン「んっふっふ~」

マーミン「優勝は貰っちゃうよ~」

「へへっ、勝つのはボクだけどね!!」

イオリン「女王自身が出るの? 審査員の票独占しちゃうんじゃないの?」

ヤヨ「だから私たちが審査するんですよ~」

「そ-ゆーこと。ボクだって出来レースはいやだもん」

イオリン「まあ精々私たちを楽しませることね」

34 : オチは決めてるけど、そこに行くのが難しいや - 2012/05/04(金) 01:48:33.40 IoyoyrM90 179/462

ハルカッカ「1番ハルカッカ、歌う曲は太陽の嫉妬! ぼえー!」

ミンゴス「2番ミンゴス、歌う曲は蒼い鳥。んあー!」

アーミン「3番、アーミンと」

マーミン「マーミン! 曲は前向き!」

(民たちの歌により、会場はヒートアップ! やっぱりこれは成功したんじゃない?)

「ラスト、マコリン! 歌う曲は、エージェント、夜を往く」

民衆『まっこまっこりーん!!!』

「あはははは! クイーンライフ最高!!」

(ほんの退屈しのぎのつもりだったけど、思いの他盛り上がったみたいだ!)

ミンゴス「私が……、一等賞ですか!?」

(負けたのは悔しいけど、まあオーディションの感覚を取り戻せてよかったな!!)

35 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 01:53:35.53 Jg5I1nOz0 180/462

「暇だなー」

(歌合戦は大きな盛り上がりを見せたけど、どうもそれ以上に盛り上がる物が見つからないや……)

「偶には本でも読んでみようかな。この国の歴史ってあまり知らないし」

タカーギ「陛下! どちらに行こうとしているのですか!?」

「偶には勉強しようと思ったの! 毎回毎回外に行くと思ったら大間違いだよ!」

タカーギ「それは失礼いたしました!」

「あんま信頼されてないのかな……。クイーンヒロリンが素晴らしすぎたってのもあるんだろうけどさ、なんかショックだな」

「色々本があるな……。歴史書歴史書っと」

38 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:00:39.68 IoyoyrM90 181/462

「えーと、なになに? ピヨピヨが記した耽美な男性同士の……、この世界でも小鳥さんは腐ってるのか……」

「ん? なんだろこの分厚い本。えーと、ヒラタ残虐物語? な、なんだか怖そうな本だね……」

「……、でも内容気になるかな。ちょっとだけ、ちょっとだけだからね!」



「うっ、これは中々……。昔はコロッセオで決闘をしていたんだね。それが王族の楽しみだった、か。今でいうプロレスみたいなものかな?」

「最強を決めるか……。うん、ちょうどいい暇つぶしになるかも!!」

「タカーギ! タカーギはおらぬか!?」

(おらぬかって……)

タカーギ「はっ、ここに」

「最強の者を決めるための大会を開きたいんだけど……」

39 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:04:49.90 IoyoyrM90 182/462

タカーギ「最強の者? まさか決闘を再開するおつもりではないでしょうな!?」

「ちょっと違うよ! ちゃんと鎧を着てさ、安全な剣でやるんだよ! 平和な国とはいえ、何時どこと戦争が起きるか分からないでしょ?
そのためにも日々の鍛錬が必要なんだって!」

タカーギ「むむ……、そう言われると必要な気もしてきますな」

「でしょ? 天下一武道会だって。これは盛り上がるぞ~! ボクも参加しよっと!」

タカーギ「なりませぬぞ! 万一のことがあれば、私は先代陛下に顔向けできませぬ!」

「大丈夫だって。ボク鍛えてるからさ」

(することがシャドウボクシングいぐらいだもんな。そろそろ体動かさないと、鈍っちゃいそうだし)

タカーギ「むむ、ではくれぐれもお気をつけて」

「心配性だなぁ」

41 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:09:04.41 8MgY5+6x0 183/462

天下一武道会

男A「だああ!!」

男B「チェストオオオ!!」

「ヒュー、皆鍛えてるんだね。ボクも負けてられないや! やぁ!」

ONOSAKA「ぐふっ!」

イオリン「あ、あんたそんな強かったかしら?」

「鍛えてるんだって。結構暇だしさ」

ヤヨ「ぶとー派ですね」

「この調子で、どんどん行っちゃうよ!!」

44 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:13:09.56 5a7HcmxY0 184/462

「まっこまっこ……」

観衆『りーん!!』

最強の男「げふっ!!」

「あーあ、あまり手ごたえ無かったなぁ」

イオリン「アンタが強すぎるのよ」

ヤヨ「あっとゆうまでした!」

「うーん、なんかいまいち上がりきれなかったなぁ。ボクが強すぎたのかな……、女の子としてはちょっとショックかな?」

イオリン「あんたホントにマコリン? 私の知ってるマコリンはもっとこう深窓の令嬢って感じだったわよ?」

「イメチェンだよ、イメチェン」

イオリン「なんだかねぇ……」

(それでも退屈だな……)

46 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:21:44.73 5a7HcmxY0 185/462

(そうだよ、所詮は死なないって分かってるから熱くならないんだよ。でも国民を殺したら後々大変なことになりそうだしなぁ……)

「そうだ、良いこと思いついた。その前に、この国にあるのかな、牢獄」


牢獄

「薄暗いなぁ……」

(平和な国とはいえ、悲しいかな、犯罪は普通に起きる。その全てに先代は涙を流したみたいだけど、
ボクには全部関係ないことみたいに思えてそうでもない)

「ははっ、これはこれは……」

囚人「あああ……」

「活きのいいのがたくさんいるじゃん」

囚人「おいあんた、ここから出してくれるのか?」

「あんたってこれでも女王……、もしかして先代の死を聞いてないのかな? まあ何でもいいや」

49 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:26:05.29 5a7HcmxY0 186/462

「ねえ、ここから出たいかい?」

囚人「当然だ! 女王の奴、戦争犯罪人として俺たちを牢に入れたんだ! こちとらほとんど殺してねえのによ!!」

「へー、人を殺したいんだ。叶えてあげようか?」

囚人「何?」

「あっ、でも国民はNGね。まっこまっこりーんしてくれるし。だから……」

囚人「俺たちに何をさせる気だ?」

「うーん、暇つぶし?」

囚人「ああ?」

「ボクにとっての暇つぶしだよ。ボクを楽しませたら、逃がしてあげる」

「なーんかさ、退屈なんだよね……」

50 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:31:48.22 Jg5I1nOz0 187/462

「毎日毎日同じことの繰り返し。たまにイベントもするけど、それもなんか飽きちゃった」

「お姫様ってさ、思ったよりつまらないもん。アイドルのままの方が良かったかな」

「でも女王の立場だから出来ることも有るんだよね」

囚人「女王だと?」

「そっ、現女王マコリン・ドゥ・ヒラタ。先代はもうこの世にいないよ」

囚人「チッ」

「まあまあ、そんな悔しそうな顔しないでよ。ボクはとっても優しい女の子だから、皆にチャンスをあげる」

囚人「チャンスだぁ?」

「娑婆に出してあげるんだよ。でもその代り……」

囚人「な、なんだ……?」

53 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:38:28.61 5a7HcmxY0 188/462

トラ「ガルゥ!!」

囚人「ひ、ひぃぃぃ!!」

「あははは! さっきまでの威勢はどうしたの? 戦争がしたかったんでしょ? 折角人よりも強いトラを用意したのに。思う存分やりなよ、見ててあげるからさ」

囚人「た、助け」

トラ「ガウッ!!」

「あーあ、あっけないなぁ。んじゃ次の方、逝ってみよー!!」

囚人「あ、ああ……」

「逃げても駄目だって。娑婆に出してあげないよ? ほら、別れた恋人が待ってるんでしょ?」

囚人「う、うわああああ!!」

トラ「ギャアアウ!!」

囚人「ぐわああああ!!」

「あははは! これだよ、これ! 見ててすっごく楽しいや! はい次の方どうぞ~」

57 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:45:27.19 5a7HcmxY0 189/462

タカーギ「陛下、最近上機嫌ですね」

「そう? へへっ、そう見えちゃうか。ちょっと新しい余暇を見つけてさ」

タカーギ「ふむ、趣味を広く持つことは素晴らしいことです。先代も様々な趣味を……」

(表では名君、裏では暴君……、すっごくドキドキするや!! 最初と思ってたお姫様像とかけ離れてるけど、こっちの方が楽しい!)

「それじゃあ、ボクは町の方へと繰り出すよ。国民はみな財産だしね。ボクは常にみんなと近い女王でいたいんだ」

タカーギ「ま、マコリン様……。立派に成長して……」

「わっ、泣かなくてもいいじゃん。大袈裟だなぁ、もう」

(さーて、ボクをドキドキさせてくれる良い男いるかなーっと)

タカーギ「ううむ……」

59 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:52:07.10 Jg5I1nOz0 190/462

子供「マコリン様ー!」

「ははっ、みんな元気だね。ボクも元気になってきそうだ!」

ハルカッカ「マコリン様最近よく町に来られるよね」

ミンゴス「先代もそうだったし、この国の王族は庶民の味方なのよ。素晴らしいことだわ」

アーミン「まっこまっこ」

マーミン「りーん!」

民衆『まっこまっこりーん!!』

「へへっ、照れちゃうなぁ」

(皆がチヤホヤしてくれる。誰も僕を真王子だなんて言わない! なんて素敵な世界なんだろ。
後は暇つぶしが効率的にできたら文句はないんだけどね)

61 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 02:57:53.26 5a7HcmxY0 191/462

「良いよ良いよ! もっと激しく行っちゃって!」

囚人「うらぁ!」

トラ「グルル……」

「うんうん、もっとボクを笑顔にしてよ!」

囚人「おらぁ!!」

トラ「ぐわあ!!」

「パーフェクトだよ!! 凄いや、ホントに虎に勝っちゃったよ!」

囚人「な、なぁ……。これで俺を外に出してくれるんだよな!?」

「嘘は吐かないよ。どことなりと、お好きにどうぞ」

囚人「あ、ありがてぇ! ありがてぇ!!」

「もう捕まるなよ~」

「あーあ、虎退治もこれでお終いか……。やることなくなっちゃった。他にないかな……」

「……ティンと来た!!」

64 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:04:31.33 8MgY5+6x0 192/462

「~♪」

「ギロチンマコリンクビチョンパ~♪ 一思いにザンネック~♪」

(囚人に問題を出して、解けなかったらギロチン、名付けて地獄クイズ!! さーて、絶対解けない問題考えないと……)

タカーギ「マコリン様、よろしいでしょうか?」

「タカーギ? どうしたの?」

タカーギ「いや、マコリン様にも伝えておかなければと思いまして」

「?」

タカーギ「隣国の辺境の村で、先日脱走した囚人が村人を斬ったとの報告がありまして」

「!? それはまずいね……」

タカーギ「ええ、非常にまずいです。よりによって、斬られた子供というのが」

タカーギ「皇女イオリンの付き人、ヤヨだったんです」

「え?」

66 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:09:22.00 Jg5I1nOz0 193/462

タカーギ「クギュ帝国は、この事態を重く受け、我々に2つの選択肢を用意してきました」

「セ、選択肢?」

タカーギ「ええ、一つはクギュ帝国との同盟解除、並びに宣戦布告です」

「ちょ、ちょっと! イオリンがそんなことを言ったっての!?」

タカーギ「ええ、そう伝達されました。そしてもう1つの選択肢ですが……」

「それは……」

タカーギ「女王マコリンの公開処刑です」

「へ? いまなんっていった?」

イオリン「公開処刑よ!! この偽物!!」

「い、イオリン!?」

イオリン「違和感しか感じなかったけど、例の1件で確信したわ。あんたは私たちの知っているマコリンじゃないわ」

69 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:16:42.71 IoyoyrM90 194/462

「どういう……」

イオリン「脱走囚が吐いたわよ。女王を楽しませたら娑婆に出す、それで何人もの囚人があんたの暇つぶしで殺されたって」

「あ、あの野郎……」

イオリン「それですぐ罪を犯しちゃって。救いようのない馬鹿ね。幸いヤヨは一命を取り留めたけど、それは私たちへの宣戦布告と捉えたわ」

「違う! それはあいつがしたことじゃないか!!」

イオリン「そいつを解放したのは誰よ!! 目の前のあんたでしょ!!」

「ち、違う! ボクじゃない!!」

イオリン「知ったこっちゃないわ。ねえ、アンタにひとつ教えてあげる」

イオリン「本物のマコリンは、かなりの音痴なの。それに……、」

イオリン「いくら退屈だからって、人を殺すような愚か者じゃなかったわ」

タカーギ「失礼いたします、陛下」

「タカーギ! お、お前ボクを売るのか!?」

タカーギ「それがこの国を守る方法なんです」

「は、放して! 放してよ!」

70 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:20:15.51 IoyoyrM90 195/462

公開死刑場

「違う! ボクは悪くないんだ! 殺されるべきはボクじゃない!!」


ハルカッカ「……」

ミンゴス「……」

アーミンマーミン『……』

シジョー「……」

ヒビーキ「……」

ミキィ「……」

「ほ、ほらっ! いつものやればさ、ほら! まっこまっこ」

観衆『死ーね! 死ーね! 死ーね!!』

「そ、そんな……」

73 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:26:15.42 5a7HcmxY0 196/462

イオリン「なーに、心配することはないわ。痛みは感じず、あの世に行けるわ。
本物のマコリンがどこに行ったか知らないけど、だからってアンタが生きていていい理由にはならないわ」

「た、助けてよ! みんな助けてよ!!」

イオリン「本当に、残念な結果よ。ヒラタの王政は終わり、うちの領土となるわ。安心して、差別はする気もないし、今以上の生活を保障するわ」

観衆『わああああああ!!』

「ボクは女王だぞ! 助けろよ! ボクをたすけムグッ……」

(前が見えない……。布かぶせられたの?)

イオリン「最後に言い残すことは?」

「……まっこまっこりーん」


観衆『わあああああああああ!!!』

76 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:29:11.21 5a7HcmxY0 197/462

伊織「ん? どうしたの真」

「え? なんでもありませんわ」

伊織「はぁ……、なんかその喋り方調子狂うわね」

「これが自然体ですことよ?」

やよい「なんか上品です! お姫様みたい」

「あら、私これでもお姫様ですことよ?」

伊織「こら、やよいに変なこと吹き込まないで」

「おーい、そろそろオーディション始まるぞー」

やよい「いきましょう」

伊織「そうね」

「ええ、華やかに、ね」







「退屈はもう勘弁よ」

77 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 03:31:32.97 5a7HcmxY0 198/462

「平行世界の2人は、境遇も願いも真逆でした。片方はお姫様になることを願い、片方は退屈からの脱却を願いました」

「退屈と分かってるのに、戻りたいなんて人はいませんよね?」

世にも
奇妙な
アイドルマスター



1 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 22:51:59.88 IoyoyrM90 199/462

「誕生日と言いますと、あなたは何をプレゼントされましたか?
ケーキ? ゲーム? それとも思わぬサプライズでしょうか?」

「その一方で、年をとると望まぬ義務も与えられます。年金、返ってくるのでしょうか?」

「おや、この物語の主人公も、もうすぐ15になるようですね……。彼女が貰ったもの、それは奇妙な世界へのパスポートでした」

4 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:02:00.36 IoyoyrM90 200/462

5月5日 水瀬邸

使用人『伊織お嬢様、15歳のお誕生日おめでとうございます!!』

兄A「おめでとう、伊織」

兄B「お前もこれで15か」

お父様「ああ、立派に成長して……、私も嬉しいよ、伊織」

伊織「ありがとう、みんな」

お父様「15というと、昔ならすでに成人だな」

伊織「お父様、いつの時代の話? この平成の世には元服なんてないわよ」

お父様「うむ……、冗談を真顔で返されると悲しいものがあるな……」

兄A「しかし、15となると……」

兄B「ああ、始まるな」

伊織「お兄様? 始まるって何の話?」

お父様「ああ、我が水瀬家は、代々15になるとある義務を背負うことになる」

5 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:06:41.67 Jg5I1nOz0 201/462

伊織「義務? 初耳よ?」

お父様「それはまだ早かったからな。しかしだ、伊織も15歳だ。これは息子だろうが娘だろうが関係ない。いわば我々に課された、義務だ」

伊織「ゴメンナサイ。全く話が読めないんだけど……」

お父様「持つ者は持たぬ者に対して、義務を背負う。それでこの世はバランスよく回っているのだ」

伊織「は?」

お父様「高貴には、義務を」

兄A「高貴には義務を!」

兄B「高貴には義務を!!」

使用人『高貴には義務を!!!』

伊織「ど、どういうことよ?」

『Noblesse oblige』 水瀬伊織

8 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:23:18.97 5a7HcmxY0 202/462

伊織「はぁ……、さっきの朝食はなんだったの?」

伊織(高貴には義務を? なによそれ。伊織ちゃんは三大義務に応えてるわよ!
にしても私以外全員知ってたって言うのは気に食わないわね)

伊織「あら?」

子供「うわーん! 風船が木に引っ掛かったよー!! 誰か取ってよー」

伊織(風船ぐらいで泣かなくていいじゃない。諦めて新しいもの買いなさいよ)

ドドドドンッ!

伊織「へ?」

??「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

伊織「え、ちょ、ラガーマン!?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

10 : hayabusa.2chとかいうのがうざい - 2012/05/04(金) 23:27:36.27 5a7HcmxY0 203/462

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

子供「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「な、なにこれ? コントの撮影?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたには風船を取る義務がございます」

伊織「は、はぁ!? 義務って何よ義務って!! もしかして今朝の奴!? 意味が分からない……」

ラガーマン「高貴な身分を持つ者は、持たぬものに義務を果たさなければなりません」

伊織「どきなさいよ! 私は先に行かなきゃ……」

ラガーマンズ『高貴には義務を! 高貴には義務を!!』

伊織「か、壁が出来ている……」

12 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:31:26.57 5a7HcmxY0 204/462

伊織「あの暑苦しい中に入る気にはならないわ……」

子供「うわーん! うわーん!!」

伊織「ああ、もう! 分かったわよ! 取ればいいんでしょ、取れば!! ちょっと待ってなさい!」

子供「うぇ?」

伊織「っと……、木登りなんて猿みたいな真似初めてよ……」

伊織「はい、取ってあげたわよ」

子供「ありがとうお凸のお姉ちゃん!」

伊織「誰が凸のお姉ちゃんよ!!」

ラガーマン「義務は果たされた! 撤収!!」

伊織「あっ、待ちなさいよ! 行っちゃったわ……。どういうことよ。ノブリスオブリージュ?」

伊織「つまりはなに? 私が庶民に義務を果たせってこと?」

15 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:35:58.96 5a7HcmxY0 205/462

伊織「ってこんなことしてる場合じゃないわ。事務所に行かないと。今日はたんまりプレゼントをもらうわよ!!」

765プロ

春香「伊織、誕生日おめでとう!」

やよい「おめでとうございますー!」

伊織「まっ、今日ほど素晴らしい日はないわね」

「え? 今日はこどもの日でしょ?」

伊織「あんたね……」

「ははっ、冗談だよ! 誕生日おめでとう!」

伊織「分かってるならいいのよ、分かってるなら」

「おっ、伊織か。15歳の誕生日おめでとう。誕生日で悪いけど、今日は仕事が詰まっているぞ」

伊織「売れっ子だから仕方ないわね。さて、今日の仕事は……」

雪歩「きゃああああああ!!」

16 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:38:42.77 5a7HcmxY0 206/462

「雪歩!? どうしたの……、で、出たぁ!!」

伊織「騒がしいわね、何が出たのよ……」

「チャオ」

伊織「Gじゃないの。プロデューサー、一思いに殺しなさい」

ドドドドンッ!

伊織「え?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

プロデューサー「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「ど、どこから出てきたのよ!」

雪歩「お、男の人……」フラッ

17 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:44:30.60 8MgY5+6x0 207/462

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはGを抹殺する義務があります」

伊織「ぎ、義務ですって!? ってあんたたち一体なんなのよ! 窓から入ってきて、不法侵入じゃない!」

ラガーマン「高貴な身分を持つ者は……」

伊織「分かってるわよ! だからあんたらはなんなの!?」

ラガーマン「義務が果たされぬ場合、あなたから特権をはく奪します」

伊織「へ? どういうことよ」

ラガーマン「水瀬の子じゃなくなる、という意味です」

伊織「なんでそうなるのよ!」

ラガーマン「それが。特権階級を持つ者の義務です」

ラガーマンズ『高貴には義務を! 高貴には義務を!!』

伊織「うう……、あんな気持ち悪い物体、近づきたくないけど、これ以上いられると酸素がなくなっちゃいそうね……」

伊織「そーっと、そーっと」

「チャオ☆」

伊織「チェストー!!」

19 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:48:59.34 IoyoyrM90 208/462

「チャ、チャオ……」チーン

伊織「や、やったわよ……」

ラガーマン「……」

伊織「な、なんで黙るのよ!!」

ラガーマン「あっちあっち」

伊織「え?」

G2「りゅんりゅん」

伊織「……」シュー

G2「ぎゃおおおおん!」

ラガーマン「義務は果たされた、撤収!」

「な、なんだったの今の?」

伊織「知らないわよ!!」

雪歩「に、にくだるまですぅ……」

「あーあ、トラウマっちゃったか」

21 : 以下、名... - 2012/05/04(金) 23:54:04.67 5a7HcmxY0 209/462

伊織「はぁ……、どっと疲れちゃったわ……」

「おーい、伊織ー。仕事に行くぞー」

伊織「分かったわよ、今行く」

伊織(誕生日なのに、何よこの超展開の連続は……)

「それじゃあ、まずは……」

伊織「はぁ……、これを死ぬまでしなきゃいけないの?」

「何言ってんだ?」

伊織「何でもないわよ!!」

「わっ、そうカリカリするなって」

伊織「そういうつもりじゃないわよ」

伊織(何でラガーマンだとか聞きたいことは山ほどあるけど、一体全体どうなってるのよ)

23 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:00:29.71 sPxdux1b0 210/462

車内

伊織「で、今日の仕事は何よ?」

「まずはバラエティだな。芸人が多く集まる番組だから、色々学べるものがあるんじゃないか?」

伊織「別に学びたいと思わないわよ」

「で次は女子ボクシングのレポートだな」

伊織「女子ボクシング?」

「オリンピック出場目指して某芸人が頑張ってるからな。最近ブームになってるんだとさ」

伊織「まあダイエットには良さそうね」

「それで次は密着取材、バッグドラフト。消防署に取材だ」

伊織「その企画バッグドラフトって言いたいだけでしょ? 洒落になんない名前ね」

「まあ昼飯を食う時間もあるが、なかなかハードだからな。今日1日頑張ってくれ」

伊織「分かってるわよ」

24 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:06:35.23 6eLrHA2W0 211/462

バラエティ番組

司会者「アツアツ!! おでんリアクション対決!!」

芸人A「ヤバイヨヤバイヨ! ぐつぐつしてんじゃん!」

芸人B「訴えるぞ!!」

伊織「わぁ、すごく熱そうですねぇ。みなさん頑張ってくださいねぇ」

伊織(この茶番いつまで続ける気よ)

司会者「ほら伊織ちゃんも応援してんだからさ! さっさといこうよ!!」

伊織(まったく、この人たちから何を学べるって言うのよ……)

芸人A「じゃあ俺がやるよ!」

芸人C「俺が俺が!!」

芸人D「俺だよ!」

伊織(様式美にもほどがあるでしょ……)

ドドドドンッ!

伊織「え!?」

28 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:16:38.05 6eLrHA2W0 212/462

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

司会者「ノブリスオブリージュ!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

伊織「ちょっと! 何撮影中に乗り込んできてるのっよ!!」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはこの空気の中で、『じゃあ私が』と言う義務がございます」

伊織「はぁ!? 芸人の仕事をしろって言うの!?」

ラガーマン「ええ、それが義務ですので」

伊織「そんな義務初めて聞いたわよ!」

ラガーマン「ええ、私どもも初めてです」

伊織「もう何が何だか分からないわ……」

ラガーマン「持つ者は、持たざる者への義務が……」

伊織「何度目よそれ!!」

29 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:18:04.16 6eLrHA2W0 213/462

伊織「第一! アンタらには私に説明義務があるんじゃないの!?」

ラガーマン「のヮの」

伊織「とぼけんな!!」

ラガーマンズ『のヮの』

伊織「あんたらもするの!?」

芸人ズ『のヮの』

伊織「私にもしろって言うの!?」

伊織「ってアツアツおでんなんて芸人の義務じゃないの!?」

ラガーマン「水瀬様、彼をご覧ください……」

伊織「へ? 芸人B? リアクション芸の大御所じゃないの」

32 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:24:49.27 sPxdux1b0 214/462

ラガーマン「ええ、誰に聞いてもそう答えるでしょう」

伊織「分かってるなら邪魔しない方がいいじゃないの」

ラガーマン「しかし、彼は持たざる者なのです」

伊織「は?」

ラガーマン「こちらをご覧ください」

伊織「ちょ、勝手にテレビが……」

ノブオリ劇場 芸人B、リアクションの宿命編

ラガーマンA『俺がやるよ』

ラガーマンB『いやいや俺が……』

ラガーマンC『俺がやるよ!』

ラガーマンズ『どうぞどうぞ』

ラガーマンC『チクショー!!』

伊織「全部あんたらが演じるの!?」

34 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:31:40.62 sPxdux1b0 215/462

ラガーマンC『や、やめろ! 熱いって死ぬって! 熱っ!!』

ラガーマンズ『わはははは!!』

ラガーマンC(そう、俺がリアクションを取ることで笑いが生まれる……。辛くても耐えるんだ!! 生活のためだ)

伊織「な、なんなのよこれ……」

ラガーマンC『ただいま! 今日も帰ったぞー』

ラガーマンD『おかえり、お父さん!!』

ラガーマンE『おかえりなさい、あなた』 

伊織「子役も奥さん役もラガーマンじゃない!!」

ラガーマンC(俺は幸せなんだから……)

35 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:38:00.43 sPxdux1b0 216/462

ラガーマンF『しかし、彼のリアクション芸は、息子を傷つけることになるのでした』

ラガーマンC『ただいま、帰ったぞ』

ラガーマンD『……』

ラガーマンC『どうした? ほっぺの傷』

ラガーマンD『知らないよ! お父さんなんかピラニアに食べられて死んじゃえ!!』

ラガーマンC『ど、どうしたんだ!?』

ラガーマンE『あなた、少しいいかしら?』

ラガーマンC『なんだ?』

ラガーマンF『妻が話す内容は、彼を深く傷つけたのでした』

伊織「なんか雲行きが怪しくなってきたわね」

39 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:43:29.75 sPxdux1b0 217/462

ラガーマンE『Dが学校で虐められてるみたいなの』

ラガーマンC『なんだって!?』

ラガーマンE『ほっぺの傷、アツアツおでんを受けてできた傷なの……』

ラガーマンC『そんな……』

伊織「えっ?」

ラガーマンD『やめてよぉ!』

ラガーマンG『あははは! こいつの父ちゃん芸人なんだぜ!』

ラガーマンH『お前もアツアツおでん食えよ!』

ラガーマンD『熱いよー! 誰か助けて……』

ラガーマンズ『わははははは!!』

伊織「なんか洒落になんないわね……」

42 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:51:15.69 GKaIbN1o0 218/462

ラガーマンF『彼は考えました。このまま息子を傷つけてまで、アツアツおでんを食らうべきか、おでんを辞めて貧しい生活に戻るか――』

ラガーマンC『俺はリアクション芸人をやめるぞー!』

ラガーマンF『彼は芸人を辞める決意をしました、しかしテレビはそれを赦しませんでした』

ラガーマンI『はぁ? 辞めたい? 冗談じゃないよぉ!』

ラガーマンJ『アンタが辞めたら誰がアツアツおでん食うの? アツアツおでんはな、アンタの義務なんだよ』

ラガーマンC『そ、そんな……』

プツン

伊織「ちょ、中途半端で終わらないでよ! 続き気になるじゃない!」

ラガーマン「続きは今です。もし、彼の義務を肩代わりする人がいれば、それは幸せなことでしょうね」チラッ

伊織「な、何で私を見るのよ」

ラガーマン「彼はアツアツおでんの痛みを伝える力がありません。しかし、アイドルであるあなたなら……」

伊織「え? なに? アツアツおでんやめたいの?」

44 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:54:41.20 GKaIbN1o0 219/462

ラガーマン「高貴には義務を。水瀬伊織様、あなたには彼を、家族を、リアクション芸人たちを救済する義務がございます」

伊織「ぎ、義務なの……?」

ラガーマンズ「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

伊織「……」

芸人A「じゃあ俺はやるよ!」

芸人C「ここは俺が!」

芸人D「いやいや俺が!!」

伊織「わ、私が!!」

芸人ズ『どうぞどうぞ!!』

伊織「死んだら恨んでやるわ!!」

45 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 00:58:45.09 GKaIbN1o0 220/462

芸人B「あ、あんた……」

伊織「ノブリスオブリージュよ。高貴な者には、義務を――」

芸人A「あーん」

伊織「あーん!!」

伊織「あっつちゃぁああああああああああ!! あづいあづい! あづいわあああああ!!」

「伊織……、強く生きろ!!」

芸人B「あ、ありがてぇ……」

ラガーマン「こうして、世界からアツアツおでんがなくなったのです――。撤収!!」

伊織「ひりひりふるわ……」

48 : 上の芸人CはBですね - 2012/05/05(土) 01:06:12.00 omaxPBq10 221/462

「良く頑張ったな、次は女子ボクシングだぞ」

伊織「じょ、女子ボクシング……。今度はなんの義務が来るのよ……」

伊織(今思うと、義務は持たざる者のが来るのよね。風船の子供は背が足りなくて、雪歩真はGが怖い)

伊織(芸人Bはアツアツおでんの危険性を世間に広めることげできなかった。じゃあ次は?)

女子ボクシングジム

ボクサーA「ワンツー! ワンツー!!」

「オリンピックを夢見て、サンドバックに己の拳をぶつけているんだ」

伊織「せいが出るわね」

ボクサーB「いくでぇ」

ボクサーC「はいっ!!」

49 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:15:24.83 GKaIbN1o0 222/462

トレーナー「それじゃあ実戦形式で行きましょう。ボクサーBとボクサーD、来なさい」

ボクサーB「なんや、アンタか。七光り」

ボクサーD「うう……、好きでやってるのじゃないのに……」

伊織「なんか雪歩みたいな子ね。なんでボクサーをやってるのかしら」

ドドドドンッ!

伊織「え? まさか……」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

トレーナー「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

伊織「も、もう読めてきたわ……」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはボクサーDの代わりに、試合に出る義務がございます」

伊織「やっぱり!!」

51 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:22:27.59 GKaIbN1o0 223/462

ボクサーB「なんや、凸が出るんか?」

伊織「凸言うな!! 今度は何でよ!! ていうかなんとなく理由はわかるんだけど……」

ラガーマン「ラガーマン劇場を……」

伊織「いらないわよ!!」

ラガーマン「ボクサーDの父は偉大なるボクサー、母もボクササイズ事務所を経営しています。故に彼女はサラブレッド」

伊織「で、あの雪歩擬きには何がないのよ?」

ラガーマン「彼女には力がありません。そして、高貴な者は、率先して争いに出なければいけないのです」

伊織「な、なんでこんなことに……」

ボクサーB「ええ顔してるやん。んじゃ行くでー」

伊織「ちょ、ちょっと手加減をして……」

ボクサーB「そんなん知らへん」

「伊織いいいいい!!」

53 : オチは決まってる。でもそこに行きつくのが若干カオス - 2012/05/05(土) 01:31:07.94 omaxPBq10 224/462

ボクサーB「はぁ……、はぁ……。自分やるやんか。顔面狙っても当らへん」

伊織「ぜぇ、ぜぇ……。当たり前でしょ! こっちはアイドルなのよ! 商売道具に傷つけるわけ行かないでしょ!」

ボクサーB「減らず口を……」

ラガーマン「カンカンカンカン!! タイムアップ!」

伊織「ぜぇ……」

ボクサーB「はぁ……」

ラガーマン「10対3。勝者、ボクサーB!」

ボクサーB「まあ素人やのによくやったやん」

伊織「な、なんでこうなったの……」

ボクサーD「あ、あの! ナイスファイトでした! わ、私ダメダメですけど、勇気が出ましたぁ! ありがとうございますぅ!」

伊織「が、頑張りなさい……」

ラガーマン「撤収!!」

54 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:36:02.45 omaxPBq10 225/462

伊織「つ、次は……」

「消防署に密着取材だ。少し距離があるから、寝てていいぞ」

伊織「そうするわ……。散々な誕生日よ……」

「お休み、伊織」

伊織「おやすみなさい……」

「はぁ……、2人で祝いたかったんだけどなぁ。伊織の誕生日」

伊織「Zzz…」

「ほっ、聞こえてないか。担当アイドルにこんな感情を持つなんて、俺はプロデューサー失格だな」

伊織「Zzz…。この変態プロデューサー……」

「さてと、飛ばしますかね」

56 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:40:22.01 GKaIbN1o0 226/462

消防署

伊織「消防車にも乗れるのね。こんなに赤いのには理由があるのですかぁ?」

隊員「外国から輸入した蒸気ポンプや消防車が赤であったことから、わが国でも赤色としたというのが一般的な理由のようです」

伊織「あれ? あまり詳しくは分からないみたいですねぇ」

隊員「それに、赤色は注意をひく色であること、炎の赤を連想させ警火心を起こさせるなども理由の一つに数えられるでしょう」

伊織「勉強になりますぅ」

「猫被ってるいおりんマジ最高」

隊員「すみません。無線が……。何!? 火事だと!? すぐ行きます!!」

伊織「火事ですって!?」

「俺たちも急ごう!」

伊織「ええ、密着取材だからね」

57 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:46:14.73 GKaIbN1o0 227/462

現場

野次馬『火事だー! 逃げろー!!』

伊織「現在必死の消火活動を行っています。私たちは外から見守るしかありません」

「ケホッ、ケホッ……。ここまで煙が来たのか……」

伊織「熱くて仕方ないわ……」

隊員「全員救助できたか!?」

母親「いやああ! まだ私の息子が!」

息子「うううう……」

隊員「救助急げ! うわっ!!」

隊員「なんてことだ……、燃えた木材が落ちてきて入れそうにないぞ!」

母親「そんな! お願いです! 息子を! 息子を助けてください!!」

隊員「全力を尽くします! しかしあれじゃあ大人が入れそうにないぞ……」

伊織「……え?」

ドドドドンッ!

59 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 01:54:35.82 sPxdux1b0 228/462

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

隊員「ノブリスオブリージュ!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

伊織「火事現場には暑苦しすぎるでしょ……」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたには大人に変わって子供を救助する義務がございます」

伊織「は、はぁ!? 私が行くの!?」

ラガーマン「火の手が弱まらない以上、少年を助けることが出来るのは、身長的にもギリギリ可能な、水瀬伊織様だけでございます」

伊織「そ、そんなのが義務って言うの!? 私だって人よりお金持ちで生まれただけよ! これは遠まわしに死ねって言ってるようなもんじゃない!」

「伊織……」

ラガーマン「では、御自分の義務を放棄すると」

伊織「死ぬなんて義務、あるわけないわ。勘当したければすればいいわ」

息子「たす……、けて……」

母親「だ、誰でもいいから! 助けてください!」

63 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:00:39.51 omaxPBq10 229/462

伊織「ほんと、最悪の誕生日よ……」

息子「熱いよ……」

母親「いやあああ!!」

伊織「……チッ」

伊織「服を貸しなさい」

隊員「は、はい!?」

伊織「服を貸せって言ってるのよ!! 聞こえなかったの?」

隊員「し、しかし民間人に……」

伊織「あの子を助けれるのは私だけなんでしょ? 良いわ、義務なんだから」

「伊織!!」

伊織「安心して。私がそう簡単に死ぬように見える?」

「お前……、いくのか?」

64 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:02:57.94 omaxPBq10 230/462

伊織「仕方ないでしょ? 早くしなさい。さもないと死ぬわよ」

隊員「女性隊員用の服をどうぞ!!」

伊織「にしても重いわね。命令よ、着せなさい」

「ああ!」

伊織「ねえ、プロデューサー」

「なんだ?」

伊織「私が無事に帰ってきたら、アンタの伝えたいこと、何でも言っていいわよ?」

「ま、まさか……」

伊織「にひひ! さあ、見てなさい。高貴なる者の義務を!!」

ラガーマン「高貴には義務を!!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

68 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:08:17.38 omaxPBq10 231/462

伊織「待ってなさい、今助けるわよ……。ック、熱いわね!!」

息子「う、うう……」

伊織「足が挟まってるの? 今こじ開けるわ!! んしょ、んしょ! こんな仕事、真にさせなさいよ!」

伊織「ふぅ……、これで動けるわよね。今負ぶっていくわ……、キャ!!」

伊織「う、ウソ……。火の手が強くなってる!? これじゃあ出れないじゃない!! 熱い……」

伊織「あ、あついわ……。ごめんなさい、プロデューサー。わたし、もう……」





ドドドドンッ!

70 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:15:26.10 6eLrHA2W0 232/462

――! 目を覚ましてくれ伊織!!

伊織「ん。んん? ここは天国?」

「伊織いい!!」

伊織「な、なにすんのよ! この変態プロ……デューサーなの?」

「あ、ああ! 俺がわかるのか!?」

伊織「わたし、助かったの?」

「ああ、助かったんだ。あの子供も入院してるぞ」

伊織「死んだと思ったのに……。どうして?」

「ああ、それだがな……」

兄A「よっ」

兄B「元気そうじゃん」

お父様「そうみたいだな。無事で何よりだよ」

伊織「お兄様に、お父様?」

71 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:21:08.96 sPxdux1b0 233/462

「分かってなさそうだから言っとくと、この3人が伊織を助けたんだ」

伊織「え? あの場にいなかったのに……。どうして?」

兄A「ああ、それはだな」

兄B「ノブリスオブリージュ!」

お父様「高貴な者には義務があるのだよ」

ラガーマンズ「うっす!!」

伊織「な、何よそれ。私が出る必要なかったじゃない……」

「いや、そんなことないぞ。お前が子供を助けたんだ。あと少し救助が遅れたら、子供は死んでいたそうだ」

お父様「良くやったな、伊織。私はお前が誇らしいよ」

伊織「お父様!!」

お父様「よしよし、怖かっただろう?」

兄A「伊織、お前が庶民に義務があるなら、」

兄B「俺たちは大事な妹に義務があるんだよ」

伊織「うわあああん! 馬鹿よ! みんな馬鹿よ!!」

74 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:26:02.64 sPxdux1b0 234/462

 1年後

ドドドドンッ!

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

「ノブリスオブリージュ!」

ラガーマンズ「高貴には義務を!!」

やよい「わわっ! 良い男がたくさん来ました!」

伊織「はぁ……、今度は何よ?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたは高槻やよい様に変わり――」

伊織「バンジージャンプをしろって言いたいの?」

ラガーマン「その通りでございます」

伊織「だと思ったわよ……。やよい、紐貸して」

やよい「え? でも伊織ちゃんは……」

伊織「ノブリスオブリージュよ。だから、」

伊織「アーイキャーンフラーイ!!」

ラガーマン「撤収!!」

75 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:30:43.22 sPxdux1b0 235/462

伊織「はぁ、もうクタクタよ……」

「ご苦労さん。はい、飲み物」

伊織「助かるわ……。100%、分かってるじゃない」

「当然だろ? 俺は伊織が欲しいものに応える義務を持ってるんだからな」

伊織「出来れば私の義務も肩代わりしてほしいわね」

「そ、それは勘弁かな……」

伊織「覚悟しなさい。どうせあんたも背負うことになるんだから」

「へ? どゆこと?」

伊織「去年の誕生日、あんたに言ったわよね? アンタの伝えたいこと、何でも言っていいわよって」

「あっ……」

伊織「まあバタバタしてたから、私も忘れてたんだけど」

77 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:36:28.68 6eLrHA2W0 236/462

伊織「ねえ、今なら聞いてあげてもいいわよ? ほら、今日で私16だし」

「え、えっとだな……。誕生日おめで」

伊織「へたれるんじゃないわよ! こっちだって緊張してるんだから……」

「あ、ああ。そのあれだ……。伊織が好きなんだ! 意地っ張りで、なんだかんだ言いつつ優しい伊織が大好きなんだ!」

伊織「なんだかんだって何よ。まっ、そこまで情熱的にアプローチされたら、応えてあげようかしらね?」

伊織「一生私といなさい。それがあんたの義務よ」

「じゃあ伊織は俺といてくれ。それが伊織の義務だ!!」

伊織「にひひ! 覚悟しなさいよ? めいっぱい愛しちゃうんだから!!」

80 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:42:03.02 sPxdux1b0 237/462

「義務は人を縛りますが、それは自由の裏返しでもあります。その義務の中、私たちは生きてい」


ドドドドンッ!


「おや、まだ終わってなかったみたいですね」




伊織「え?」

ラガーマン「高貴には義務を! 高貴には義務を!!」

春香「ノブリスオブリージュ!!」

アイドル達「高貴には義務を!!」

伊織「え? ちょっと、なに、これ? なんでみんないるの?」

ラガーマン「水瀬伊織様、あなたにはプロデューサーをアイドルで共有させる義務がございます」

伊織「は?」

81 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:47:49.96 omaxPBq10 238/462

ラガーマン「ですから、プロデューサーを持たぬ者、13人とプロデューサーを共有する義務が……」

春香「高貴には義務ですよ、義務!」
千早「高貴には義務を」
美希「高貴には義務をなの!」
亜美真美「ノブオリ~!」
雪歩「高貴には義務ですぅ!」
「高貴には義務を!」
やよい「たかきにぎむです!!」
律子「高貴には義務ね」
あずさ「高貴には義務がいりますね~」
「高貴には義務だぞ!」
貴音「高貴には、義務を」
小鳥「高貴には義務ピヨ!」

伊織「そんな義務いらないわよおおおおおおお!!!」

――

「14股ですか、うらやましいなぁ」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

90 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 02:59:13.99 omaxPBq10 239/462

「食事は大勢で食べる方が好きですか? それとも誰にも邪魔されず一人で食べる方が好きですか?」

「食事は緩やかにおこなわれ、自らを再発見する。そんなことを言った人がいます」

「誰かって? 誰でしょうね」


貴音「お腹がすきました……。どこかにらぁめん屋は……。いや、この際何でも……」

貴音「はて、あそこにお店がありましたか?」

『孤高のグルメ』 四条貴音

94 : 流石に今回は元ネタあります - 2012/05/05(土) 03:07:19.65 omaxPBq10 240/462

貴音「たのもう!」

店主「おや、いらっしゃい」

貴音「おひとりで」

貴音(お昼時と言うこともあってか、お客さんはたくさんいますね。
高校生のあべっく、すーつの似合う殿方、走り回る子供。新しいお店でしょうか?)

ラジオ『さてここで代打の原、このチャンスを活かすことが出来るか!?』

店主「はいお冷置いとくね」

貴音「ありがとうございます」

貴音(さて、めにゅーはいかがでしょうか? 50品目、良くある定食屋ですね。らぁめんがないのが残念ですが、まずはこれを頼みましょう)


95 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:15:08.79 sPxdux1b0 241/462

貴音「親子丼をお願いします」

店主「はいよ」

貴音「ふむ、注文して4分、非常に速いですね。それでは、いただきましょう」

貴音(プリプリのお肉、トロトロの卵が私の口に広がります。まるで羊水に使った赤子のように、肉は卵によって守られています。
仲睦まじい親子の姿がありありと目に浮かびますね。悲しいかな、彼らはその人生、いや鳥生を全うすることが出来ませんでした。
私たちは命を食べている、それは忘れてしまってはいけませんね)

貴音「御馳走様でした」

店主「おっ、早いじゃない姉ちゃん! 勘定かい?」

貴音「いえ、生姜焼き定食を」

店主「まだ食うのかい? んじゃ作るよ!」

貴音「あと、お冷を」

97 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:22:00.19 6eLrHA2W0 242/462

店主「はいどうぞ!」

貴音「いただきます」

貴音(生姜の香りが食欲をそそりますね。ふむ、このたれも興味深い。市販のそれとは違いますね。
しかし残念なところがあるなら、小麦粉をかけ過ぎたのでしょう。味が少々強いですね。
しかし、箸が進む、箸が進む……)

貴音「御馳走様でした」

店主「んじゃ勘定だけど……」

貴音「はんばーぐ定食を」

店主「え?」

貴音「はんばーぐ定食です」

店主「ま、まだ食べるのか? まあお金払ってくれりゃ何でもいいんだけどよ……」

貴音「あと、お冷を」

99 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:28:33.19 6eLrHA2W0 243/462

店主「はいどうぞ」

貴音「いただきます」

貴音(はんばーぐ。響が言うにはこれを嫌いな子供はいないそうですね)

子供「ブーン!! ブーン!! あっ、おばさんハンバーグ食べてる! もーらい!」

貴音「はっ!」

子供A「え? 箸が箸で止められた!?」

子供B「左手で食ってやがる!」

貴音(ふむ……、いささか不便ですね。しかし、食事だけは譲れません。私の理想、それは誰にも邪魔されない静かな食事)

貴音(はんばーぐの焼き加減は良好、いい具合に焦げ目がついて、視覚としても美味しそうです)

子供B「なあ、もう行こうぜ?」

子供A「は、放してくれよ!!」

貴音(右手がプルプルしますが……。ふむ、でみぐらすですね。オロシもあったのですね)

101 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:32:14.13 6eLrHA2W0 244/462

子供B「なあ、もうお箸放したらどうだ?」

子供A「そうするぜ! あばよおばさん!!」

貴音「ふぅ……」

貴音(子供は宝と言いますが、いかんせん過保護が過ぎるのではないでしょうか?
両親の教育が精進しますことを願っております)

店主「じゃあ会計を」

貴音「店主殿、この店一番のおすすめはどちらでしょうか?」

店主「へ? うちはこの昔懐かし定食ってのがあるけど」

貴音「では、それを頂きましょう」

店主「ま、まだ食うの?」

貴音「それと、お冷をお願いします」

店主「お、おう……」

貴音「楽しみでございます」

103 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:37:08.41 6eLrHA2W0 245/462

貴音「これが昔なちゅかし……。失礼、昔懐かし定食ですか」

貴音(なるほど、派手さこそはございませんが、どこか家庭の味に近しいものがありますね。目玉焼きですか……)

「はぁ!? なんでお前はソースかけるんだ!? 普通醤油だろ? そんなんだから765プロに落ちるんだよ!」

「何言ってんのよ! 目玉焼きにはソースよ! 醤油なんかかけるから、961プロに落ちんのよ!」

貴音「塩をかけましょう……」

男女『やいのやいのやいの!!』

店主「また始まったよ……。何で毎回ここで喧嘩するかな……」

貴音「……この、痴れ者が!!」

店主「!?」

男女『!?』

105 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:45:42.54 sPxdux1b0 246/462

貴音「目玉焼きに醤油かそうすで揉めるとは……、なんと小さなことよ!! お店に迷惑と思わないのですか!?」

男女『うっ……』

店主「あ、あの姉ちゃん。俺は気にして……」

貴音「相手の好みも受け入れず、それどころか乏しめ合う。なんと愚かなことよ!! あなた方は、永遠の愛を誓うのは不可能でしょう」

「だってこいつが……」

「悪いのはあんたよ!」

貴音「なぜ自分の好きではなく、嫌いをぶつけ合うのですか!! 何が嫌いかじゃなくて、何が好きかで自分を語りなさい!!」

貴音「恥を知りなさい!!」

男女『は、はいっ!!』

「その、たまにはソースもかけちゃおうかな」

「そうね、たまには醤油も悪くないわね」

貴音「目玉焼きにはしんぷるな塩が一番です」

店主「その、助かったよ。あの2人、いつも目玉焼きに醤油かソースかで揉めてたんだ」

貴音「店主、鉄火丼定食を」

店主「俺の話スルー!?」

107 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 03:55:16.63 GKaIbN1o0 247/462

貴音「ついでにお冷頂けますか」

店主「は、はぁ」

貴音(マグロの赤身にまよねーず入りつけだれをかけたのでしょうか? まるでとろのようですね。食が進みます)

貴音「御馳走様でした」

店主「じゃあお会計を」

貴音「ういんなあ炒めと豚汁を。それとお冷を」

店主「は、はい」

貴音(ふむ、ういんなあ炒め、給食のようですね。一方で豚汁、胡麻を入れたのか、香りと味に深みがありますね)

店主「会」

貴音「おにぎりを」

店主「」

貴音「それとお冷をお願いします」

110 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:02:01.88 GKaIbN1o0 248/462

すうつの似合う男「お、おい……。あの娘どれだけ食う気だ?」

「まだ食っていくぜ」

「ま、まさか……。あの人、全料理制覇する気!?」

貴音「から揚げ定食を」

店主「へ、へい!」

貴音「それと……」

「お冷、だろ?」

貴音「はて? どうして分かったのでしょうか?」

店主「お待ち!!」

貴音「いただきます」

貴音(ふむ……、妙に騒がしくなってきましたね。なにか面白いいべんとでも行われているのでしょうか?)

貴音「御馳走様。次は鳥南蛮定食を」

「そしてお冷! だよね?」

貴音「よしなに」

112 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:09:53.00 6eLrHA2W0 249/462

子供A「あのおばさんまだ食ってるぜ!」

子供B「全部食うのかな? みんなにも知らせてこようぜ!!」

ざわ…っ、ざわ…っ

貴音「かきふらい定食を。そしてお冷を」

店主「お待ち!」

貴音「焼き魚定食を」

「アンドお冷だぜ!」

店主「お待ち!」

店主(や、やべえ……。手がプルプルしてきたぜ。でもな、この娘の幸せそうな顔を見るとな、俺が作らなきゃって思うんだよな)

貴音「ふむ……」

「なあ男今何杯!?」

「もう30は超えてるぞ……」

貴音「梅おろしちきんかつを」

「はいお冷!」

113 : 眠いよー - 2012/05/05(土) 04:14:18.26 6eLrHA2W0 250/462

貴音「ダシ巻き卵を」

すうつ「お冷!」

貴音「ろうすかつ丼を」

店主「へいお待ち!」

子供A「な、すげーだろ?」

子供B「フードファイターだぜ!!」

子供C「おばさんスゲー!!」

子供D「食い過ぎだぜ!」

貴音「ふぅ、うどんせっとを」

店主「了解しやし」

強盗「おい! 動くんじゃあねえ! 金をよこせ!!」

117 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:18:35.00 6eLrHA2W0 251/462

「きゃあああ!」

「ご、強盗!?」

強盗「貴様らも財布をよこしな! おいそこの銀髪の姉ちゃんもだ! 店員! 何作ってやがる!!」

貴音「御馳走様でした。次は力うどんせっとを」

店主「あいよ!」

強盗「おい! 聞こえてんのか!? 無視するんじゃねえよ!」

貴音「はて、肉も汁につかり、深みが生まれましたね……」

強盗「食うのを辞めてこっちに金を出しやがれ! お前も作るんじゃねえよ!」

店主「なあ、あんた。邪魔しないでやってくれないか?」

強盗「ああ!?」

119 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:22:33.22 omaxPBq10 252/462

店主「見てくれよ、この素敵な食いっぷりを」

貴音「ふむ……、これはなかなか」

強盗「な、なんていい顔で食いやがるんだ!」

店主「な? 今日の俺は何でも作れそうだ。君も強盗なんて馬鹿な真似を辞めて、ここで食べてかないか?」

強盗「ば、ばかにするんじゃねええ!!」

パーン!!

「いやああっ! ってあれ?」

強盗「あ、あわわわわ……」

貴音「まだ、食べている最中です」

貴音「すみませぬ店主。銃弾を箸で直に持ってしまったので、交換したいのですが」

強盗「な、なんだと……」

120 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:26:05.51 omaxPBq10 253/462

貴音「食事は、あらゆる生命活動の原点です。それを妨害しようとするなど、言語道断。万死に値します」

強盗「な、なんだ? なんなんだここは!?」

店主「ただの定食屋だよ」

貴音「いかにも。それと麻婆豆腐定食を」

店主「あいよ!!」

強盗「お、おれはどうすればいいんだ?」

「最後まで見届けよう。店主と、彼女の戦いを」

強盗「あ、ああ……」

「残り3食よ!!」

貴音「御馳走様でした」

121 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:32:23.65 sPxdux1b0 254/462

貴音「御馳走様でした」

「あと2食、なにがあるんだ!?」

貴音「天そば定食を」

店主「あいよ!」

強盗「お冷だ……」

貴音「感謝いたします」

貴音(天ぷらがぷりぷりですね。まるで彼女のかつての髪形のような形状ですね)

ラジオ『さあここで最終バッターになるか!? それとも奇跡の大逆転なるか!?』

貴音「御馳走様でした」

子供ズ「後一つ! 後一つ!」

一同『あと一つ! あと一つ!』

店主「これが最後のメニューだ!」

貴音「ころっけ定食を」

「ラストキター!!」

『うおおおおお!!』

125 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:38:28.80 omaxPBq10 255/462

貴音「ふむ……、これはこれは……。どこか懐かしい味、このころっけは不思議と故郷で食べたものと似ていますね……」

店主「ぜぇ……、ぜぇ……」

貴音「御馳走様でした」

「完食だぜ!!」

『うおおおお!』

強盗「なあ、俺自首するよ。いつまでも金目の物狙うわけにいかないしな」

すうつ「それがよいでしょう」

店主「お、終わったのか!?」

「なあ、女。高校出たら結婚しような」

「ええ、そうしましょう! 毎朝目玉焼きよ!!」

貴音「ふぅ……」

店主「やりきったぜ……」

すうつ「今ひとたび、この二人に拍手を!!」

127 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:42:54.23 GKaIbN1o0 256/462

店主「あっ、勘定だけどよ……」

貴音「親子丼」

店主「へ?」

貴音「親子丼を注文いたします」

店主「え?」

貴音「それと、お冷も下さい」

『ええええええええ!?』

貴音「? はて、おかしなことがございましょうか?」

店主「も、もう勘弁してください……」

貴音「左様でございますか。では御馳走様でした。支払いは、事務所の方まで……」

貴音「ではいつか、またお会いしましょう」

店主「は、はい……」


貴音「はぁ。お腹がすきました。どこかにらぁめん屋は……」

128 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:46:59.03 6eLrHA2W0 257/462

ラジオ『おーっと! 大暴投だー! まさかの押し出しサヨナラです!!』

「それにしてもお腹がすきましたね」

「普段何気なく行く食堂、その隣に座る人は、もしかしたら奇妙な世界の住人かもしれません」

「どこかラーメン屋ないなかぁ」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

131 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 04:56:38.28 sPxdux1b0 258/462

玉置浩二のハイヌーンよりアイデアを失敬。かなり簡略化した上に、盛り上がらなかったですが、眠いので勘弁してください。
今宵はこれぐらいで。続きはどうしましょうかね? 律ちゃん編と春香編がなんか出そうだけど、眠いので寝ます。
お付き合いいただき、ありがとうございました。



1 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 11:48:18.87 sPxdux1b0 259/462

「心配性と言うのは、その人しかわからない辛さがあります。他人からしたらどうでもいいことでも、その人にしたら死活問題なのかもしれません」

「ちゃんと録画したのか、ちゃんと鍵を閉めたのか……。人によって程度は有りますが、彼女の場合はどうでしょうか?」



律子「ふぁーあ、えっと時間は6時半ね。事務所に9時だから多少余裕があるわね」

律子「~♪」

律子「よっと! 我ながらおいしそうな目玉焼きね。醤油醤油っと……。あっ、切れてる。帰りに買わなきゃ」

律子「それじゃあ行きましょうか」

4 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 11:56:04.96 sPxdux1b0 260/462

車内にて

律子「えっと今日の予定は……」

律子「あれ? 家の鍵ちゃんと閉めたかしら?」

律子「大丈夫よね……」

律子「……」

律子「気になって仕方ないわ……。時間に余裕があるし戻りましょう」

律子「ふう、ちゃんと閉めてたわね。安心安心。それじゃあ行きましょう」

律子「えっと、ラジオでもつけようかしら」

ラジオ『タバコの不始末は火事になります。タバコの火は消しましょう』

律子「私には関係のない話ね」

律子「あれ? ガスの元栓閉めたかしら?」

6 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:01:53.34 sPxdux1b0 261/462

律子「一度心配しだしたらドキドキして仕方ないわ……。戻って確認しましょう」

律子「鍵を開けて、靴を脱いで……」

律子「ガスの元栓は……、あっ、閉まってるわね」

律子「なんだろ、今日は妙に心配になってくるわね。時間もそろそろやばいわね、遅刻したら美希に怒れないわ」

律子「行ってきます」

車内にて

律子「あれ? 鍵閉めなおしたかしら?」

『心配な女』 秋月律子

10 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:06:31.88 6eLrHA2W0 262/462

『あれ、律子。どうしたんだ?』

律子「すみません。少し遅れちゃいそうです」

『遅刻か? お前が遅刻って珍しいな。寝坊でもしたのか?』

律子「いえ、そうじゃないんです。ただ……」

「ただ?」

律子「鍵を閉めたかが心配になりまして」

『はっ?』

律子「だから鍵を閉めたかが心配で何度も戻ってるんです。他にもガスの元栓閉めたかとか、テレビの電気つけっぱじゃないかとか……。極めつけは」

『極めつけは?』

律子「お手洗いに行くと、手が汚れてしまったかのように思えて、時間をかけて手を洗わないと気が済まないんです」

『心配し過ぎじゃないか、それ?』

11 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:10:25.53 6eLrHA2W0 263/462

律子「そうかもしれません。でも……、あっ信号が変わったんで行きますね」

『ああ、気を付けて来いよ』

律子「ふぅ、一体全体どうしちゃったのかしら……」

事務所

律子「遅れてごめんなさい!!」

社長「おや、珍しいね。いつもなら30分以上前には来て、今日のスケジュールの確認をしているというのに」

律子「ちょっと道中色々ありまして……」

伊織「しっかりしなさいよ? あんたはプロデューサーなんだから、これがこっちの営業なら大惨事よ」

律子「そうね、しっかりしなきゃね」

「うっし、全員揃ったな。じゃあ軽くミーティングだ」

社長「うむ、今日の流行情報はこれだ!!」

12 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:16:18.90 GKaIbN1o0 264/462

律子「それじゃあ今日のスケジュールは……」

伊織「どうしたの、律子」

律子「ちょっと待って、この時間で合ってたかしら?」

伊織「は? 何言ってるのよあんた」

律子「ちょっとまって、確認するわ。おはようございます、竜宮小町のプロデューサーですが……」

亜美「なんか今日の律ちゃん変だね」

あずさ「なにか余裕がありませんね」

伊織「撮影時間いつもと同じじゃないの?」

律子「あっ、左様でございますか。ありがとうございます!!」

律子「撮影時間はこれで良しっと」

伊織「じゃあ行きましょう。どこでやるの?」

律子「場所は……。これで正しかったかしら?」

伊織「へ?」

13 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:19:45.01 GKaIbN1o0 265/462

律子「そういえば場所が取れなかったとか言ってたような言ってなかったような……」

伊織「聞いてないわよそんなこと」

律子「え? でも……、もう一回確かめましょう。もしもし、何度もすみません。竜宮小町の……」

亜美「しんぱいしょーだね」

あずさ「そうですね~」

伊織「心配にあるのが悪いとは言わないけど、これは気にし過ぎじゃないかしら?」

律子「あっ、そうですか。ありがとうございました!!」

律子「場所変更はなしね。行きましょう」

伊織「気にし過ぎよ」

律子「そうなんだけどね……」

14 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:24:37.15 sPxdux1b0 266/462

車内

亜美「律っちゃん、今日の予定なぁに?」

律子「料理番組と歌番組ね」

伊織「料理って作る方よね?」

律子「そうね。ちなみに今回は私も出るみたいよ?」

あずさ「まぁ、楽しみですね~」

律子「サプライズライブ以来私にも仕事が入るようになったのよね。どこがいいんだか」

伊織「過小評価し過ぎよ」

律子「自分のことは自分が一番分かってるわよ」

伊織「その割には自分の行動に自信が持ててないじゃない」

律子「そ、それは……。あれ?」

伊織「何よ、急に思い出したみたいな顔をして」

律子「タイムカード、通したかしら?」

15 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:30:28.12 sPxdux1b0 267/462

律子「そ、そう思うと手が震えて……」

亜美「わわっ! 律っちゃん危ないYO!」

律子「ご、ごめんなさい……。いつも決まった時間にしてたけど、今日は遅れちゃったし……」

伊織「ちょっと! なに引き返そうとしてるのよ! 間に合わないじゃない!」

律子「き、気になって仕方ないの!! そうじゃなきゃ事故に遭いそうで……」

あずさ「あのー、今小鳥さんに聞いたら、ちゃんと通ってるって」

伊織「あずさ、ナイスアシスト!!」

律子「も、もしかしたら見間違えじゃ……」

伊織「どこまで小鳥は無能なのよ!!」

あずさ「えっと、じゃあプロデューサーさんにも聞いてみますね?」

亜美「前に進んでYO!!」

16 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:34:04.98 omaxPBq10 268/462

あずさ「プロデューサーさんも入ってると言われましたが……」

律子「も、もしかしたら!」

あずさ「社長もそうおっしゃってましたよ?」

伊織「3人が同じこと言ってるんだから大丈夫でしょ! 早く行きなさーい!」

律子「は、はいぃ!!」

亜美「今日の律っちゃん面白いけど、なんか嫌だなぁ」

伊織「石橋をバズーカで壊して川の水をすべて抜いてから渡らないとダメとか言いそうね」

律子「だ、だ、大丈夫よね? ちゃんとお給料入るわよね?」

あずさ「どうしたのかしら?」

17 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:36:30.88 omaxPBq10 269/462

スタジオ

律子「すみません、ギリギリになって」

スタッフ「大丈夫ですよ。楽屋に着替えは有るので、着替えてこちらに集合してください」

律子「行きましょう。時間はあまりないわ」

伊織「誰のせいだと思ってるのよ」

律子「そ、それは反論できないわね……」

亜美「うーん、なんだかなぁ」

あずさ「変ですね~」

律子「わ、私は大丈夫ですから!!」

19 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:41:45.89 omaxPBq10 270/462

楽屋

亜美「メイド服だYO!」

あずさ「あらあら、コックさんですね~」

伊織「私のは……、給食を作る人みたいな服ね、これ」

亜美「いおりん似合ってますなぁ」

あずさ「給食のおばさんって感じです」

伊織「褒めてないわよね、それ!?」

律子「何してるのよ。えーと私は、チャングムみたいな服ね……。あら?」

伊織「どうしたのよ、固まって」

律子「い、いや……。これ解れてるわよね?」

伊織「あら、ホントね。でも気にするほどでもないんじゃ……」

律子「だ、誰か裁縫道具持ってない!? このまま出て服が解れて下着になったら……」

伊織「んなアホなことがあるか!!」

20 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:45:25.68 omaxPBq10 271/462

律子「で、でも可能性は0じゃないし生放送でそんな痴態を見せつけたら……」

あずさ「あのー。私持ってるんですけど……」

律子「ホントですか!? 助かります!」

伊織「何で持ってるのよ」

あずさ「今日のラッキーアイテムって占いで言ってたの」

伊織「あー、随分ピンポイントな占いね」

亜美「当たっちゃったね」

律子「これをこうして……。痛っ」

あずさ「どうしました、律子さん」

律子「針が刺さっちゃって血が……」

伊織「こ、今度はどうしたのよ!」

23 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:49:56.10 6eLrHA2W0 272/462

律子「し、死んじゃうの?」

伊織「あるかー!!」

亜美「そうだよ、これぐらい舐めたら治るって!」

律子「でももし、私のつばに毒が入っていたら?」

亜美「律っちゃん人間でしょ!? ドクドクの実食べたの!?」

伊織「毒は舌だけにしなさいよ!」

あずさ「あらあら、消毒液はあったかしら……」

律子「し、し、死んじゃうの私……」

あずさ「ありました~」

伊織「あずさナイスよ!」

あずさ「何時でも怪我をした人に手当てが出来ると思って」

律子「ぐああ……、血が抜けていく……」

亜美「オーバーだね」

24 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:54:15.18 sPxdux1b0 273/462

律子「し、死ぬかと思ったわ……」

スタッフ「竜宮さん、出番です!」

律子「は、はーい。今いきます……」

伊織「律子、包丁の扱いには気を付けてよね……」

律子「大丈夫よ。これでも料理は涼に教えてもらってるんだから」

亜美「涼ちんに料理を……。あんま面白くないよ?」

あずさ「そうですね~」

律子「ギャグのつもりはないわよ!!」

伊織「はいはい、ショートコントはその辺にして頂戴」

律子「だからそんなつもりじゃ……」

26 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 12:59:50.20 GKaIbN1o0 274/462

リーダー「愛があればラブイズオーケー!! 愛のエプ□ン!」

竜宮「この後すぐ!!」

律子「とか言いながら本当はCMもあってすぐじゃないのよね……。これで詐欺だって訴えられないかしら……」

伊織「律子、あんたわざとやってない?」

律子「ち、違うわよ! 私は常に本気よ!!」

亜美「なんかあざといよ?」

あずさ「まぁまぁ、律子さんは心配性なだけですよ」

律子「そうなら良いんですけどね」

伊織「いや、ここまで来ると……」

亜美「どったのいおりん」

伊織「何でもないわ」

リーダー「それじゃあ調理開始や!」

28 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:05:49.26 omaxPBq10 275/462

あずさ「えっとお味噌を……」

亜美「折角だからデスソース使っちゃえ!」

伊織「きゃあ! この伊勢海老まだ息があるじゃない!!」

律子「料理は余裕よ、余裕を持っていけば……」

律子「あ、あれ……。包丁ってこんなとがってたっけ?」

伊織「どうしたのよ、包丁を持ってフリーズして……。ってまさか……」

律子「ど、ど、ど、どうしよう……。包丁でざっくり切ってしまったら……。生放送で指つめちゃったらどうしよう……」

伊織「律子! しっかりしなさい!」

律子「もし前回の放送でフグをさばいて徹底的に洗浄していなかったら……」

伊織「考えすぎよ! そもそもフグを調理するのに免許がいるのよ!?」

律子「でも……」

伊織「でももテロもないわよ! 包丁は私がするわ!」

30 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:12:58.43 omaxPBq10 276/462

律子「お、お願いするわ! 私の指紋を拭いて……」

伊織「時間がないからいいわよ! 律子はフライパンで野菜を炒めて頂戴!」

律子「わ、分かったわ! 火を強火……」

伊織「律子っ、ってまたフリーズしてるし……」

律子「どうしよう……、火を消し忘れて大惨事になったら」

伊織「なるかー! って野菜焦げちゃうわよ!」

律子「え? あっ、ホントだ! えっとこうして」

律子「どうしよう、焦げた野菜を食べさせて癌に発展したら……」

伊織「気にし過ぎよ! ああ、もう! 律子は胡椒とか塩もってきて!」

律子「わ、分かった!」

伊織「一体全体律子に何があったのよ……」

31 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:17:25.76 sPxdux1b0 277/462

律子「胡椒を……」

伊織「それをかけたら良いのよ。って今度は何!?」

律子「もし胡椒をかけてくしゃみをして料理を汚してしまったら……」

伊織「貸しなさい! 次塩!」

律子「これ、塩よね? 砂糖じゃないわよね?」

伊織「書いてるじゃない」

律子「で、でも実はシールの下には砂糖って書かれててドッキリ成功だなんて看板が出たら……」

伊織「塩ぱっぱ!!」

律子「もし醤油が中国産なら……」

伊織「味の素がスポンサーなのよ!」

伊織「ぜぇ……、ぜぇ……。まさか律子の心配性がここまでひどいとは……」

律子「ゴメンナサイ……」

伊織「もう良いわよ。でも仕事が終わったら病院に行った方がいいわよ?」

32 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:23:25.84 GKaIbN1o0 278/462

律子「びょ、病院って……。まさか黄色い救急車で……」

伊織「違うわよ! あんたのその異常な心配性、下手したら強迫性障害かもしれないわ」

律子「きょ、強迫性障害!?」

伊織「声がおおきいっ! マスコミに変に勘ぐられたらいやでしょ?」

律子「そ、そうね……」

伊織「まあ聡明なあんたのことだから、意味は分かると思うけど。とにかく今日の収録が全部終わったら病院に行くことを勧めるわ。私からも紹介しておくわ」

律子「伊織、助かるわ」

伊織「律子がこんなんじゃ仕事になんないもの。早く何とかして頂戴」

律子「き、期待されてる……。もしその期待に応えられなかったら私は水瀬の地下組織で……」

伊織「無いわよ!!」

リーダー「料理できたか? そんじゃあ死食や!」

33 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:26:25.11 GKaIbN1o0 279/462

リーダー「なぁ亜美ちゃん、なんでしょうかこれは……」

亜美「食材ぜーんぶ使ったミックスお味噌汁だYO!」

リーダー「試食した?」

亜美「のヮの」

リーダー「いやいや。もしかしたら奇跡のケミストリーを……、ぐふっ!!」

亜美「リーダー!!」

リーダー「か、核兵器や……。アトミックや」

あずさ「あら、塩入れ過ぎちゃいましたね」

亜美「砂糖入れちゃったから中和すると思ったんだけどなぁ」

伊織「じゃあ次は私らの番ね……。律子?」

34 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 13:30:41.12 omaxPBq10 280/462

律子「どうしましょう……。そこまで美味しくなかったら、逆に微妙なまずさだったら……」

伊織「何を心配してるのよ」

律子「中途半端な料理を出したなら番組の空気が最悪になるわ! そして私は今後この局に入れなくなって……」

伊織「あのね、これはリアクションを見る番組じゃないわよ?」

律子「でも……」

伊織「この伊織ちゃんの手料理なんだから、美味しいに決まってるじゃない! ね?」

リーダー「うん、普通にまずい」

伊織「ぬわあんですってえええええ!!」

律子「ああ、両者不味いだなんて……。今後正統派料理番組には出れないんだわ……。
そして私たちみたいにアイドルは料理下手ってレッテルを張られて……」

伊織「考えすぎよ!!」

39 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:00:52.91 GKaIbN1o0 281/462

リーダー「お疲れ様でしたー!」

竜宮『お疲れ様でしたー!』

亜美「亜美たちさ、扱い悪くない!?」

あずさ「青森まで名札を持っていかれましたからね~」

伊織「あんたらは紛れもなく料理の天災よ……」

律子「どうしうおうどうしようどうしよう……」

伊織「あんたはしゃきっとしなさい! 次は歌番組ね」

亜美「気を取り直していくよ!」

あずさ「頑張らなくちゃね」

律子「どうしよう移動中車で子供を轢いてしまったら……」

伊織「……、もしもし新堂。ヘリを出してちょうだい」

40 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:03:50.83 6eLrHA2W0 282/462

律子「ヘ、ヘリ……。もし落ちたら、もしUFOとぶつかったら……」

伊織「後ついでに強い睡眠薬も持ってきて」

律子「わ、私殺されっ」

伊織「あんたは黙ってなさい!!」

律子「今のって心臓の音もって意味じゃ……」

伊織「Be silent!?」

亜美「律っちゃんさ、生きにくくない?」

あずさ「そうですよ? 可能性の低いことで悩んでても仕方ありませんよ?」

律子「な、何でわかってくれないの……? こんなに怖くて仕方ないのに……」

伊織「こりゃ重症ね」

律子「わ、私だけなの? コワイノハワタシダケ?」

伊織「変態プロデューサーに代打頼もうかしら?」

41 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:09:10.55 GKaIbN1o0 283/462

律子「え? 私いらないの? ね、ねえ!? いらないの!?」

伊織「うわっ!」

律子「どうしてどうしてどうしてどうしてどうして? 今まで一緒に頑張って来たじゃない!」

亜美「律っちゃん落ち着いて!」

あずさ「ど、どうしましょう……」

律子「竜宮は私のもの私のもの私のもの私のもの……」

亜美「いおりんが死にそうだよ!」

伊織「し、新堂……。早く……」

律子「どうし……て……」パタン

伊織「遅いわよ、馬鹿。私たちはプロデューサーに送ってもらいましょう。新堂、律子を病院までお願い」

新堂「承知いたしました」

伊織「あっ、プロデューサー? アンタ今暇よね。じゃあ私たちを迎えにきなさーい!!」

42 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:16:34.91 GKaIbN1o0 284/462

律子「ん、ここは……」

医者「目が覚めましたか?」

律子「病院? はっ、歌番組は!? 竜宮小町は!?」

伊織「律子、もう終わったわよ」

律子「え? どういうこと?」

伊織「昨日の話よ。あまりにも律子が追い詰められていたから、勝手で悪いけど入院してもらったわ」

律子「にゅ、入院って……。それじゃあ竜宮は……」

伊織「変態プロデューサーに代理頼んでるわよ。もっとも、あいつは私たち以外もプロデュースしてるから、
早いとこ治って貰わないと、私たちも満足に動けないわ」

伊織「律子、私たちはあんたがいらないなんて思ったことないわ。あんたも入れて竜宮なんだから」

律子「伊織!」

伊織「なに?」

律子「私の家、泥棒入ってないわよね?」

45 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:20:44.40 6eLrHA2W0 285/462

伊織「へ?」

律子「換気扇つけっぱじゃないよね? 鍵あけっぱじゃないよね? ガスの元栓閉まってるよね?」

伊織「し、知らないわよ……」

律子「心配だ心配だ心配だ……」

伊織「分かったわよ! うちのスタッフ送るから安心して頂戴!」

律子「で、でもそのスタッフが泥棒なら……」

伊織「私を信用しなさいよ!!」

律子「ひぃ!」

伊織「そこまで心配なら、ガードマンもつけてあげるから。なんなら従弟に見張らせるわよ。じゃあね律子。また来るわ」

律子「い、伊織……。私、信じていいんだよね? 伊織たちのこと信じていいんだよね?」

46 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:28:02.01 omaxPBq10 286/462

律子(それから、私は少しずつリハビリを始めるのでした。しかし――)

「律子姉ちゃん、お見舞いに来たよ」

律子「涼?」

「765プロの方から聞いてたんだ。仕事が忙しくて、なかなか時間が取れなくてごめんね。はい、これでも食べて元気だしなよ?」

律子「これ、何?」

「あっ、うん。お菓子作ったんだ。みんな美味しいって言ってくれたし、味は自信あるよ?」

律子「先に食べて?」

「へ?」

律子「心配なの。もしこの中に針が入ってたら、もし毒が入ってたら、もし腐ってたら……」

「だ、大丈夫だよ! もう、毒見なんて酷いなぁ。うん、これ美味い」

律子「だ、大丈夫なのね……」

「お菓子一つにここまで心配になるなんて……。伊織さんが言ってたのは大袈裟なことじゃなかったんだ」

律子(分かってはいるけど、心の中で心配になってしまう自分がいるのも事実。次第に私は人を信じれなくなりました……)

47 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:33:41.06 sPxdux1b0 287/462

「竜宮以外立ち入り禁止……、どうしちゃったの律子姉ちゃん……。あんなやせ細ってく姿見たくないよ」

伊織「状況は最悪ね……。こんなの張り出されたら、こっちも心配になってくるじゃない」

「どうしてこんなことに……」

亜美「律っちゃん、元に戻るのかな」

あずさ「早く戻ってほしいのですが……」

伊織「律子の心の持ちようとしか言えないわ。でも、これはゆゆしき事態よ……」

「それにしてもみなさんは律子姉ちゃんに信頼されてるんですね。少しうらやましいかも。僕なんか従弟なのに何もできなくて……」

伊織「今の律子が異常なだけよ。次期に戻って、あんたにまた女装させるわ」

「ぎゃおおおおん!」



律子「わ、私には竜宮しかないの……。あっ、竜宮の番組録画出来ているのかしら? 心配よ心配よ心配よ……」

49 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:42:00.09 GKaIbN1o0 288/462

律子(そして、私の最も恐れてた事態が訪れました)

司会『本日の一位! 竜宮小町の新曲、憂鬱が初登場1位! デビュー以来初のミリオンヒットとなりました!』

律子「え? ミリオンヒット? 100万枚?」

司会『プロデューサーの秋月律子さんが心労で入院し、最悪のピンチを迎えた竜宮小町ですが、ここで奇跡の巻き返し!』

伊織「まっ。100万枚なんか大したことないわ」

亜美「よゆーだよ!」

あずさ「あらあら~」

「お、お前らなぁ……」

司会『となかなか強気なコメント! これなら律っちゃんも安心か!?』

律子「う、嘘よ」

律子「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ
嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ」

律子「ウソヨソンナコト、ワタシイラナイノ?」

50 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:48:59.17 omaxPBq10 289/462

医者「秋月さーん、けんし……。い、いないぞ!? 大変だ! 秋月さんが失踪したぞ!!」


律子(心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配)

真美「じゃあね亜美~」

亜美「まったあっとで~♪」

亜美「あれ? 律っちゃん、退院したの?」

律子「ええ、心配だから……、ねっ!!」バチッ

亜美「あっ……」

律子「大丈夫。少し眠っててもらうだけよ。さて、お次はあずささんが心配だわ。道に迷ってないかしら?」



あずさ「あらあら、ここはどこかしら~。岡科町? おかりょうまちっていうのかしら?」

あずさ「そうね、プロデューサーさんに……」

あずさ「あら? 律子さん? どうしてここに?」

律子「すみません、心配でしたので」バチッ

あずさ「え……」

律子「伊織も心配だわ。あの子、責任感強いから、潰れちゃうんじゃないかしら?」

51 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 14:58:05.23 omaxPBq10 290/462

伊織「な、なんですって!? 律子が脱走した!? 分かったわ、すぐに行くわ!!」

伊織「亜美とあずさにも連絡しなきゃ! もしもし、亜美!?」

亜美『あ、ああ……』

伊織「亜美!? どうしたの亜美!?」

亜美『り、律っちゃんが……。気を付けていおりん……』

伊織「律子がどうしたの!? まさか……」

律子「伊織、見つけたわ」

伊織「!?」

律子「心配したのよ? リーダーとしてみんなをひっぱてるみたいだったけど、潰れちゃうんじゃないかって」

伊織「り、律子……」

律子「でも大丈夫。もう何も心配しなくていいんだから」バチッ

伊織「あっ……、が」

律子「これで竜宮小町のみんなが揃ったわ。さあ最後の仕事に行きましょうか?」


52 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 15:04:37.81 omaxPBq10 291/462

伊織「う、うう……、ここは車?」

律子「あら、目が覚めた?」

伊織「律子!? あんたいったい何をする気なの!?」

律子「なにって、お仕事よ。竜宮小町は私を合わせてこそでしょ? あんな男がプロデュースしていいものじゃないわ」

伊織「な、何言ってるのよ!!」

律子「入院してて気づいたの。竜宮は私以外がふれちゃダメなの。100万ヒットだってそう、あの男が陰でいろいろしたに決まってるわ」

伊織「違う! あいつはそんな奴じゃない! 私たちは律子を励まそうと頑張って来たのに! あっ……」

律子「ごめんなさいね、少し眠ってて頂戴。これから私たちは竜宮城に行くのよ。何も心配せず、ずっと4人でね……」

律子「だって……」


律子「私たちはずっと……でしょう?」

54 : 以下、名... - 2012/05/05(土) 15:10:58.79 omaxPBq10 292/462

律子「あっ」






律子「部屋の鍵、ちゃんと閉めたかしら?」

――

「これから死のうという人にも、心配ごとはあります。残された家族、仲間。
しかし彼女は最後まで、結局は自分の心配しかしていなかったのです」

「この後、この4人が無事竜宮城へたどり着けたか、それは誰にもわかりません」


「……、そう言えば俺も部屋の鍵閉めてきたっけ? ちょっと見てきていいですか? え、ダメ?」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

1 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:09:21.92 KTuVlA6t0 293/462

「古代ギリシアのオリンピアの祭典をもとに開催する事を19世紀末にソルボンヌ大における会議でフランスのクーベルタン男爵によって提唱、決議されたもの、それがオリンピックです」

「アスリートたちがしのぎを削り、国の代表として頂点を目指す、スポーツの祭典です。今年もロンドンでありますね」

「それにちなんで、オリンピックと名のつく物はたくさんあります。数学オリンピック、情報オリンピック。そのいずれも、その分野の頂点を決めます」

「この物語の主人公も、あるオリンピックに出ることになります。一体、何で頂点を決めるのでしょうかね?」

どんがらがっしゃーん

「あらま」

5 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:13:35.10 J7z4PLqT0 294/462

スタジオ

春香「天海春香、アイドルやってます! ってうわぁ!!」

どんがらがっしゃーん

天海春香 765プロ所属

春香「いたたた……」

「おい、大丈夫か?」

春香「いつものことですよ~」

「そうだがな、なんで毎日転ぶんだ? ノルマでも強いられてるのか?」

春香「そんなんじゃないですよ~。私だって好きで転んでるんじゃないのに」

「そうか? そこまで来ると職人技だと思うぞ。それにだ。なんで下ジャージをはいてるんだ?」

春香「あはは……、本を読もうとして、ペンキ塗りたてのベンチに座っちゃいまして」

6 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:17:58.95 4oqnmTwV0 295/462

春香「しかもその本前に買ってたやつなんですよ」

「布教用か? 春香は本当にドジだよな。まあそこが良いんだが」

春香「ドジならだれにも負けてませんよ!」

「いや、ドジの時点ですでに負けてると思うのは俺だけか?」

春香「それは言わないでください!!」

「でも確かにドジの頂点を決める大会が開かれたら、春香はいいとこまで行くかもな」

春香「全然嬉しくありません! それに世界は広いんですよ? もしかしたらドジって、電気点けようとして、間違えてミサイルのボタンを押したぐらいの猛者がいるかもしれませんよ?」

「嫌だな、そんな猛者」

春香「本当にどうしたら治るんでしょうか?」

「治そうと思って治る物でもないだろ?」

春香(好きでドジなわけじゃない。ただ単に歩いているとなぜかこけてしまうだけ。おかげで受験生からは縁起の悪い存在として扱われてます)

10 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:22:55.25 4oqnmTwV0 296/462

春香「はぁ……、今日もこけちゃったよ。しかも歌詞を間違えるし、ダンスで美希の足を踏むし、千早ちゃんと壁を見間違えるし……」

春香(番組でも一種の名物として扱われてるけど、ドジなんて私は望んでない。なんか真の気持ちがわかる気がするな)

春香「ただいまー」

春香パパ「おかえり! 春香!!」

春香ママ「おめでとう春香!!」

春香「うわぁ! いきなりクラッカー!? どうしたの急に? 誕生日はとっくに過ぎてるけど」

春香パパ「いやぁ、俺たちは鼻が高いぞ」

春香ママ「ドジでのろまな亀だった春香がこれだけ出世する日が来るなんてねぇ……。お母さんもう涙が止まらないわ……」

春香「ド、ドジでのろまな亀って……。えーと、なんのこと? オーディションに受かったとか? でもそれじゃあ事務所に来るよね」

春香パパ「ああ、受かったんだ! オリンピックに!」

春香「へえ、オリンピックか。それは凄いな……。ゴメンお父さん、今何って言った?」

11 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:26:37.34 J7z4PLqT0 297/462

春香パパ「オリンピックだ!!」

春香「そうそうそれそれ! なに、私たちロンドンにまで見に行くの? 猫ひろし見るの?」

春香ママ「いいえ、あなたが出るのよ」

春香「あっ、そっかぁ。私が出場するんだ。まあオリンピックって参加することに意味があるし……」


春香「パードゥン?」

春香ママ「出場するのよ! オリンピックに!」

春香「誰が?」

春香パパ「お前が」

春香「私が、何に?」

春香ママ「オリンピックに!!」

春香「私がオリンピックに……。へえへえ、金メダル狙わなくちゃ……」

12 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:29:21.84 KTuVlA6t0 298/462

春香「のヮのつ」





春香「えええええええええ!? 私が出るの!? オリンピックに!!」

春香ママ「ええ、そうよ。今日うちにこんなのが来てたの」

春香「えーとなになに、IOCから……。ってIOC!? それって国際オリンピック委員会のことじゃん!」

春香ママ「そうよ、天下のIOCよ! 流石由伸と同じ誕生日なだけあるわ!」

春香「貴君は……、うわぁ、ホントだ。出場って書いてある。何に出場かは書いてないけどね」

春香パパ「なぁ、凄いだろ!?」

春香「でも一体何の……。ん、あれ?」

16 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:34:33.54 KTuVlA6t0 299/462

春香パパ「どうした、春香」

春香「ねえ、このアルファベット3つを順番に言ってみて」

春香ママ「I」

春香パパ「O」

春香「C。なんだよね?」

春香パパ「当然だろう!」

春香「でさ、このOなんだけど……」

春香「これ、よく見たらOじゃなくてDじゃない?」

春香パパ「へ? IDCってこと? 母さん知ってるか?」

春香ママ「聞いたことないわよ……」

18 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:38:29.47 J7z4PLqT0 300/462

春香「IDC……。検索わっほい」

春香パパ「どれどれ?」

IDC  International Dojilympic Committee

春香「インターナショナル」

春香パパ「ドジリンピック」

春香ママ「コミッティー……」

春香「え、えーと……。ドジリンピック?」

『ドジリンピック2012』 天海春香

22 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:41:53.73 4oqnmTwV0 301/462

春香(ドジリンピック……。それは世界一の『ドジ』を決める、言うなればドジっ子オリンピック。私はそれに、日本代表として選出されたのだ。)

春香「って意味が分かりません! 何で私なんですか!?」

「そりゃあ、ねえ……」

委員「はい、我々日本ドジリンピック普及委員会がなぜ天海さんを選んだのか、それにはいくつか理由があります」

春香(日本ドジリンピック普及委員会――。その代表が765プロまで来てくれました)

春香「理由ですか?」

委員「はい、まずは誰よりもドジであること。国民に転倒と言えば尋ねると、真っ先にあなたの名前が出ます。今井メロよりも有名です」

春香「うわぁ、全然嬉しくないや」

「今井メロなんて名前、今年に入って初めて聞いたぞ」

24 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:46:33.45 4oqnmTwV0 302/462

委員「次に、あなたはアイドルという、人に夢を与える仕事についています。私たちはそれに着目しました」

春香「アイドルだからってことですか?」

委員「ええ。毎日カメラがあろうがなかろうが、あなたはこけています。養殖ものではない、天然のドジです」

春香「て、天然のドジって……」

委員「純度100%です」

「伊織が好きそうだな」

春香「言い直さなくても!!」

委員「それがあなたを選んだ理由です。そして、国際ドジリンピック委員会も、天海さんのエントリーを承認しました。ゆえに天海さん、あなたはこの国の代表として、ドジを競ってもらいます」

春香「わ、わけがわかりません」

委員「ではこれが、選考対象となった映像です」

春香「あっ、これ前の生っすか!?だ」

春香『いだっ!!』

春香「……ゆうパック事件?」

27 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:49:52.38 4oqnmTwV0 303/462

委員「はい、生放送という緊張の中、あざといぐらいの大ドジをやらかしたことが評価されました。それだけではありませんよ?」

春香「ま、まだあるんですか?」

委員「297,840」

春香「はい?」

委員「あなたがこれまでに、転んだ回数です」

春香「約30万!? 何でわかるんですか!?」

委員「ある日の転倒回数をもとに割り出した数字です。恐らく大きくは外れてないかと。これはギネスレベルです。もっとも、ギネスはそんな記録を作る気はないようですが」

春香「そ、そんなに……」

委員「つまり、あなたは世界と戦えるドジなのです!!」

春香『な、なんだってー!!』

28 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:53:55.71 4oqnmTwV0 304/462

委員「詳しい連絡は追っていたします。それでは」

春香「あっ、ちょ!」

「春香、なんか凄いことになってきたな」

春香「凄さがいまいち分からないんですけど……」

「ああ、俺もいまいち知らなかったから、いろいろ調べたんだ」

春香「調べたんですか?」

「気になったからな。で、これは知らなかったんだが、ドジリンピック自体はかなり長い歴史を持っているんだ。第1回がアテネから始まり、その後も4年おきに各地で行っているみたいだ」

春香「でも聞いたことないですよ?」

「それなんだが、実はうちの国のテレビでも放送プログラムを組んでいるらしい」

春香「そうなんですか!? でも見たことも聞いたこともないですね」

30 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 00:58:19.07 4oqnmTwV0 305/462

「だが、いつも何らかのドジで放送されないんだ。前回は配線ミスで見れなかったんだとさ」

春香「ドジですね……」

「ああ、ドジだな。だからイマイチメジャーになれないんだろうな」

春香「それでアイドルの私がってことですね」

「そうかもな。知名度のある人間が出ることで、世間の関心を集めることが目的だろう」

春香「そんな大仕事、私に勤まるんでしょうか?」

「ああ、お前にしかできないよ。自信を持て」

春香「プ、プロデューサーさん……」

「だって今お前、服が前後逆だぞ?」

春香「そんなぁ」

「ははは! その調子なら金メダルも夢じゃないな!」

春香「それはそれは……。心から不必要です!!」

春香(でも日の丸を背負うってことだよね。それって凄いことじゃないかな……)

32 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:01:55.26 KTuVlA6t0 306/462

春香(そして私は、ロンドンへ旅立つのでした)

千早「春香! あなたなら出来るわ!」

「春香! 頑張ってドジってきなよ!!」

雪歩「頑張ってください!」

伊織「うちの系列がスポンサーについてるわよ」

やよい「うっうー! 春香さん凄いです!」

亜美「いってら~」

真美「やってら~」

あずさ「あらあら~。ここはどこかしら~」

律子「あずささん! そっちに行ったらだめですよ!」

美希「よく分からないけど、春香なら優勝できると思うな」

「自分の分も頑張るさー!」

貴音「ええ、栄冠はあなたの手に」

小鳥「行ってらっしゃーい!」

社長「私たちも見に行くぞー!!」

33 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:05:14.17 J7z4PLqT0 307/462

春香「私、頑張ります! ってあれ?」

プロデューサー「どうした、春香?」

春香「パスポート忘れた……」

小鳥「いきなり高レベルなドジが発動したわ!」

「そんなこともあろうかと用意しておいたぞ」

伊織「流石扱いに長けてるわね」

律子「もはや夫婦よ」

美希「それは嫌なの!」

春香「行ってきまーす! ってうわぁあ!」

どんがらがっしゃーん

春香「痛たたたた」

「体持つのか、これ」

34 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:07:33.93 J7z4PLqT0 308/462

春香「プロデューサーさん! ロンドンですよ、ロンドン!!」

「ああ、ロンドンだな」

春香「ホント霧の都って感じですよね! 特に美しい川々が……。あっ、鹿がいますよ! こんにちわー!」

「ああ、鹿がいるな。まさしくここはロンドンだ」

春香「ホント、ロンドンですよね!」

「これ以上なくロンドンだな」

春香「……いや、分かってはいるんですよ? 自分たちが無理していることぐらい」

「そう、ここは紛れもなくロンドンだ。しかし、1つ補足するなら……」



「ここ、カナダのロンドンなんだよね」

35 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:11:35.90 J7z4PLqT0 309/462


「そのドジを働いたのは、お前だぞ?」

春香「ロ、ロンドンなんてどこだって同じじゃないですか! 飛行機が悪いんです! 紛らわしいんですよ!」

「まさか会場に着く前に終わってしまうとは……」

春香「これじゃあ世界中の笑いものですよ~! 帰ったらみんなに何言われるか……」

「アイドル辞めて芸人に転向するか? 考えても仕方ない。開き直って観光でもするか」

春香「あれ? あの人こっちに向かってきてません?」

「おっ? なんかいかにもな黒人さんだな」

外人「ヘイ! アーユードジリスト?」

春香「ド、ドジリスト?」

「ドジな人間のことじゃないか?」

37 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:14:53.01 J7z4PLqT0 310/462

春香「じゃ、じゃあイエスアイムドジリスト! マイネイムイズハルカアマミ、アイムアイドル!」

外人「HAHAHAHA! ユーアーアイドル? オーケー! ゴーカクデース! オメデトーゴザイマ-ス」

春香「へ?」

外人「イチジヨセンツーカデース!」

春香「え? そ、それどういうことですか?」

委員「春香さん! お待ちしておりましたよ!」

春香「あれ、委員の人」

委員「おめでとうございます。ドジリンピック1次予選通過です」

春香「え?」

委員「ドジリンピック1次予選通過です」

春香「いや、2回言わなくても」

「つまりどういうことだってばよ?」

春香「私が知りたいんですけど……」

38 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:17:24.54 J7z4PLqT0 311/462

委員「いえ、実はロンドンに行くことから既に予選が始まっていたんです。普通の人は、イギリスのロンドンに行きます。しかし、本当にドジな人は」

外人「キャナダニキマース!」

春香「ってことは開催地って……」

外人「ココ、ロンドンデース!」

春香「えええ!?」

「それは……」

天海春香 一次予選突破!!

「おめでとう春香! いや俺は最初からこうなるんじゃないかと思ってたね!」

春香「こ、これがドジリンピック……。既にドジバトルは始まっていたなんて……」

委員「ええ、この予選において、多くの選手がイギリスのロンドンに到着しました。残念ですが、彼らは皆失格です」

41 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:22:47.90 J7z4PLqT0 312/462

「つまりこの先は」

春香「本物のドジしか生き残れない!!」

「そのようだな」

委員「ええ。各国名だたる選手が出場しています。例えば、KGBの国家機密を酒の席でうっかり喋ってしまったスパイ、眼鏡を頭にかけたまま4年間気づかなかった者、コーラを溢して核戦争を起こしかけた軍人。
かなり厳しい戦いになると思いますが天海さん、日の丸を背負って頑張ってくださいね」

春香「はいっ!!」

「春香、日本人のドジっぷりを見せてやれ!!」

春香「日本に金メダルを持って帰ります!」

委員「ははっ、みんな期待していますよ?」

春香(そして、4年に一度のドジの祭典、ロンドン(カナダ)ドジリンピックの幕が上がりました)

42 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:25:08.05 J7z4PLqT0 313/462

ドジリンピック第2次予選(ドジスゴロク)

春香「えいっ! ってうわぁ!!」

どんがらがっしゃーん

「さっきから1マスずつしか動いてないぞ!! なんて不運なんだ!」

春香「す、好きで出してるんじゃ……、しかも3マス戻る!?」

「さ、先に進めないぞ……」

春香「ゴールが見えませーん!」

委員「いえ、これが正しいのです」

「ってことはまさか……」

委員「第2次予選はゴールしてはいけないスゴロクなのです」

春香「ふ、複雑な心境です」

「しかしダントツ最下位だ!」

委員「このまま行けばいいんですが……」

??「負けられないネー」

2回戦突破!

43 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:28:11.49 J7z4PLqT0 314/462

ドジリンピック第3予選(実技)

春香「お客様、お飲み物をってうわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

実況「天海、華麗なる転倒30連発です! そして彼女の持っていたコーヒーは宙を舞い、」

「あっづあああああ!! じんじゃううううう!!」

実況「ダイレクトアタック! これは点が大きいか!?」

春香「わ、私ったらアイスコーヒーと間違えてお汁粉を溢してしまいました!!」

「んぎゃあああ!!」

審査員A「ビューティフォー!! スバラシイドジデース」

審査員B「この5分間で30回の転倒、10秒ごとにこけ、そしてその全てが芸術のように美しい!」

「は、春香! 見えてるぞ!!」

春香「え? きゃっ、私ったら勝負下着と間違えて褌はいてました!!」

44 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:30:38.45 zlJFHMv00 315/462

実況「怒涛のドジは終わらない! まさかの褌! この国の誇りをかけて、天海身を削ります!」

審査員A「ジャパニーズヒストリックラグジュアリーデース!!」

審査員B「世界一嬉しくないパンチらだ、しかし見事なドジだ!!」

「お、女捨ててないか……」

春香「い、今すぐ作り直してきます! ってうわぁ!!」

「31回目……、だと……」

委員「天海さん、いいペースですね!!」

春香「うう、嬉しくないですよ……」

実況「さあ点数が出そろいました。果たして、転倒のスペシャリスト、天海は次へ駒を進めることが出来るのか!? 結果は――」

3回戦突破!!

春香「わっほい!」

「見事だ春香!!」

46 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:33:31.72 KTuVlA6t0 316/462

「そうですか、それは残念ですね。多分動画サイトに上がってるんじゃないかと……」

春香「誰と話してたんですか?」

「ああ、社長とな。日本での放送状況を確認したら、どうやら放送局のドジで、ひたすらズッコケ三人組が流れてドジリンピックが放送されてないみたいなんだ」

春香「が、頑張ってるのに報われない……」

「ま、まあ少しずつドジリンピックの知名度も上がってきたみたいだし、決勝に行く頃には春香はヒーローになってるよ」

春香「それは頑張らないと! 私は自分の部屋で寝ます。おやすみなさい」

「ああ、お休み」

春香「あっ……」

「どうした、春香」

春香「カードキー部屋に入れっぱだ……」

「お、おう……。この部屋で寝るか?」

春香「そうします!!」

「わっ! 急に元気になったなおい」

春香(ドジもいい結果につながることがあるんだね!)

春香「明日も頑張ります!!」

47 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:36:45.50 zlJFHMv00 317/462

春香(そして私は、ドジにドジを重ね、熾烈な戦いを経て、順調にコマを進めました)

ドジ自慢コンテスト

相手「んふっふ、私はねぇ、ボタンを押し間違えてミサイルを発射しちゃったんだよ。いやぁ、あれはドジったなぁ」

春香「いいえ、人を不幸にするのはドジとは言いません」

相手「なに?」

春香「私の最大のドジは、生まれた時から始まっています!!」

相手「こ、これは!?」

春香「出産予定日よりうっかり1ヶ月早く生まれちゃいました! イエイ!! あっ、その時の写真見ますか?」

相手「ぐはぁ! う、生まれつきのドジリストだと……。なんて笑顔だ! 勝てるわけがない!!」

春香「ドジは笑顔を生まなきゃいけないんです。誰かが悲しむなんて、それはドジといいません!」

(俺奈落に落ちたんだけどなぁ……)

4回戦突破!!

49 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:39:58.82 J7z4PLqT0 318/462

春香(そしてドジリンピック決勝へ――)

前夜

春香「みんな! 来てくれたんだ!」

千早「ええ、応援に来たわ」

やよい「ファイトですよー!!」

伊織「テレビで活躍を見てたわ」

美希「すっごく輝いてたの!」

律子「今春香は、日本全国のドジっ子の憧れなのよ!!」

社長「うむ、ドジっ子アイドルの時代の始まりだ!!」

春香「私の……、時代……」

50 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:44:44.20 J7z4PLqT0 319/462

春香(想像してみよう、私の時代……。みんなリボンでどんがらがっしゃーん!)

春香「リボンと傷薬の売り上げがすごいことになりますね!」

律子「ええ、ハンカチ王子の時と同じ現象よ。今春香のリボンが売れに売れてるの。街を歩けばそこら中に春香がいるわ」

「ハルラーって言うんだってさ!」

社長「うむ、故に私たちもつけているのだよ!」

春香「しゃ、社長まで……」

律子「侮っちゃだめよ? 今男だってリボンを付けるのよ。ジュピターだって付けてるわよ」

春香「それだけは想像したくないな……」

社長「黒井もつけてるぞ」

春香「うへぇ」

52 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:47:32.59 zlJFHMv00 320/462

「いま日本は春香に夢中なんだ。著名人からも応援の声が届いているぞ!!」

N田『天海さん、あなたのドジで私も勇気づけられました。これからも総理として世間の声に負けず頑張っていこうと思います』

O沢『秘書のドジで捕まりそうになった私ですが、検察側のドジで何とか生き延びることが出来ました。ドジは人を傷つけ、救うもろ刃の剣。天海さん、あなたが世の中のドジを正しい方向へ導いてください』

S谷『ドジで二人の彼女に愛想付かされちゃって、自分のドジさ加減を恨みましたが、天海さんのようなドジを目指して、シュシュっと頑張っていきます! 』

伊織「ロクな面子じゃないわね」

春香「私のドジが、みんなを救っているんだ……」

「ああ、もう誰もお前のことを無個性だとかリボンが本体と馬鹿にしないよ」

春香「日本のため、みんなの笑顔のため、私、金メダルを持って帰ります!!」

「帰ってきたら凱旋コンサートだ!」

春香「頑張っちゃいますよ!!」

53 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 01:56:09.93 J7z4PLqT0 321/462

O沢のセリフミスっちょる
『――天海さん、あなたのドジをで、日本を正しい方向へ導いてください』
です。まあモノホンは言わないだろうけど。

実況『さあ、世界一のドジを決めるドジリンピック2012、美しい自然に包まれたカナダのロンドンから数日間に渡ってお届けしました』

実況『そして今、頂上決戦が始まります。世界一のドジは誰か? 果たして我らが天海は金メダルを得ることが出来るのか?』

実況『それとも、中国代表楊が勝つのか!?』

春香「ここまで来たら銀メダルだなんて言いません! 金メダルですよ、金メダル!」

「そういうわけにもいかないヨー! 国にもって帰るネ!!」

実況『それでは、決勝スタートです!!』

55 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:02:51.30 J7z4PLqT0 322/462

春香「うわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

「いいぞ、完璧な転倒だ! パンチラもさりげなくてグー!!」

委員「いや、あれを見てください!!」

相手「イヤー!」

鈍柄合社杏!

春香「そ、そんな!? 私のこけ方とまるで同じ!?」

「どういうことだ!!」

委員「同じドジリスト同士の戦い!? いや、違う。ドジリストが100人いれば、100人とも違うドジを見せる。だからドジが被るなんてあり得ない……」

「そ、それじゃあまさか!」

委員「ええ、恐らく彼女は天海さんのどんがらを完全にコピーし、それ以上に昇華させているんです」

「な、なんということだ……」

57 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:09:43.58 zlJFHMv00 323/462

(フフフ、菲○の国コピー得意ヨー! もう劣化製造機なんて言わせないんダヨー!)

春香「で、でも! 私のドジは17年間付き合ってきたもの! それをパッと見のあなたなんかに……」

「ドジは量じゃなくて質ダヨー! 中国4000年の(ねつ造の)歴史、食らっちゃえ!」

春香「ド、ドラゴン!?」

「青龍ダヨー。そう、菲○の国の守り神ダヨー!」

「春香は何に怯えてるんだ!?」

委員「いま、私たちには理解できない世界が繰り広げられているのでしょう」

春香「ド、ドジが怖い!!」

「ずっとびびってるが良いヨー!」

59 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:13:26.33 zlJFHMv00 324/462

春香「こ、ここまでなのかな……」

「あきらめるな春香! 日本のみんなは、お前にかけているんだぞ!」

春香「で、でも」

「ドジを怖がるな! 誇りを持つんだ!!」

春香「プロデューサーさん……」

「これは決勝が終わったら言おうと思ってたんだが……」

春香「え?」

「この戦いが終わったら、2人でどこかに旅行に行こう。金メダル記念にな」

委員「そ、それは死亡フ……」

「お前のドジなら、なんだって越えられる! お前はドジと言う翼で、世界を包むんだ!!」

61 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:20:46.00 4oqnmTwV0 325/462

春香「ドジの翼……」

春香『天海春香、アイドルやってます! ってうわぁ!』

どんがらがっしゃーん!

春香(そう言えば、生まれた時からこけたんだっけ。通算30万回だっけ? 17歳でそんなにこけるって、呪われてるのかな?)

春香(ドジな自分を恨んだこともあるけど、それでも誰かを笑顔にできた)

「アイヤー?」

春香(そして、私がこけた時、いつもみんなが傍にいてくれた……!!)

春香(千早ちゃん、雪歩、真、やよい、伊織、亜美、真美、律子さん、あずささん、美希、響ちゃん、貴音さん、小鳥さん、社長……)

春香(お父さん、お母さん……。そして、大好きなプロデューサーさん)

春香(迷惑ばっかりかけてごめんなさい。そしてこれからもきっと……)

「は、春香の様子が変だぞ!?」

春香「You still have lots more to work on・・・(まだまだですよ、まだまだ!)」

64 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:25:05.69 4oqnmTwV0 326/462

「春香、なのか……?」

春香「Now, let's go.(さあ、行きましょう)」

委員「あ、あれは……20年に一人現れるという、選ばれしドジのみが到達できる、ドジの境地!!」

「な、なんですかそれは!?」

委員「私も始めてみました……。しかし、覚醒した天海さんを止めることはできません!」

春香「Uwaxtu!」

DONGARAGASSYAAAAAN!!

「こ、こんなの聞いてないネ!!」

鈍柄合社杏!!

「い、いいぞ! 春香が優勢だ!!」

委員(今更だけど、これの採点基準がわからない件について)

66 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:30:11.16 KTuVlA6t0 327/462

「み、認めないネー!! 中国4000年の青龍……」

春香「This way…(こっちだ…)」

「な、なな……」

(その時俺は目を疑った。まるで春香の背中から、大きな羽が生えて、世界を包んだような……)

「こ、これがドジの境地……」

「天衣無縫の極みアルか!?」

「ま、負けたヨー」

春香「あれ? 私何してたんだろう?」

「春香ぁ!!」

春香「うわっ! プロデューサーさん! 何がどうなったんですか!?」

「ああ、お前の勝ちだ」

春香「え?」

69 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:34:11.48 J7z4PLqT0 328/462

「春香、お前がナンバーワンだ!!」

春香「ってことは……」

審査員「楊菲○試合続行不能! よって2012ドジリンピックを制したのは、」

委員長「ジャパニーズアイドル、ハルカアマミ!!」

観客『わあああああああ!!』

春香「よ、良く分からないけど……」

春香「わっほい!!」

「日本が……、最強のドジだ!!」

実況『金メダルは我らが代表天海! さあ、長きにわたってお届けしてきたドジリンピックもフィナーレを迎えようとしています』

観客『春香! 春香! 春香!!』

72 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:38:28.11 4oqnmTwV0 329/462

実況『それでは、授賞式に移ります』

春香(お父さん、お母さん、みんな……。わたし、やったよ! 最強のドジだよ!!)

「春香」

春香「あっ、プロデューサーさん! 約束、覚えてますよね?」

「ああ、今度は2人で、ロンドン五輪を見に行こうか」

春香「はい!」

実況『今受賞台に上がる天海……』

春香「うわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

「なはは。やっぱり春香は春香だな」

観客『春香! 春香! 春香!!』

春香(ドジな私を、好きになってよかった!)

74 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:44:43.98 KTuVlA6t0 330/462

委員長「アマミハルカ、アナタハメイヨアル……」prr prr

委員長「シツレイ、ケイタイノデンワキリワスレテマシタ……」

委員長「キヲトリナオシテ、アマミハルカ……」prr prr

春香「あのー、またかかってますよ?」

委員長「ああ!? なんやこちとら忙しんじゃい!」

春香「関西弁!?」

委員長「今授賞式中ってゆうてるやろうが! あぁ? な、なんやて……、それ、ホンマかいな……」

春香「?」

委員長「アマミサン」

春香「いや、日本語喋れるならわざわざ片言じゃなくても!」

委員長「いやな、言いにくいんやけど……」

春香「なんですか? まさか服が逆とか……」

委員長「あんた、銀メダルや」

77 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:47:18.21 KTuVlA6t0 331/462

春香「そうですか、銀メダル……」

春香「のヮの……」

観客『のヮの』

委員長「のヮの」

春香「ってえええええ!? 私決勝で勝ったじゃないですか! ドジの中のドジは私ですよ!!」

委員長「それがやなぁ……」

??「あれー? 今日が開会式じゃありませんでしたっけ?」

春香「」

委員長「ギンメダル、オメデトウゴザイマス」

80 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 02:52:48.00 zlJFHMv00 332/462

「勝負は時の運、誰が最初に言ったのでしょうか? どんなに劣勢でも、諦めなければ最後の最後に奇跡を起こすことが出来ます」

「勝ってた方からしたら、それは不運以外の何物でもありませんけどね」

「さて、今回はどれだけメダルを貰えるのでしょうか? 楽しみです」


世にも
奇妙な
アイどんがらがっしゃーん

90 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:08:15.71 zlJFHMv00 333/462

「居なれた場所でも、1人でいると心細く感じます」

「そんな時、不安を煽るようなものを見つけてしまったら?」

「これは、そんな空間に1人留守番するだけの物語です」


小鳥「黒子×火神……、ホモホモしいわぁ」

小鳥「……飽きちゃった」

小鳥(いつもは騒がしくて狭いはずの事務所も、みんながいないと寂しいものね。こんなに広かったかしら?)

小鳥「いいなぁ、旅行」

『お留守番』音無小鳥

92 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:13:48.02 zlJFHMv00 334/462

小鳥「あっ、765プロです! いつもお世話になってます!」

小鳥「えっと、今社長も事務所にいなくて……、こちらから連絡しておきます。今後とも765プロをよろしくお願いいたしますね」

小鳥「……社長まで行くことないじゃない」

小鳥「仕事はあるけど、暇ね……」

小鳥「こういう時は、ネット循環しちゃおっと! 今日も元気にステマをするわよ!」

小鳥「えーと、この曲良いよね。同じ日に発売した天海春香の歌もいいけどね……、完璧ね! これでステマとバレルわけがないわ」

小鳥「ふぅ……。暇ね」

小鳥「あら、着信。メールかしら?」

小鳥「あら、楽しそうね。水着でハッスルしちゃって。私なんか見せる相手も……」

小鳥「ちくしょー!!」

小鳥「みんなしてわがままボディを見せちゃって! BBAに対するあてつけ!? いや、BBAじゃないけど」

96 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:18:58.91 zlJFHMv00 335/462

小鳥「はぁ……、することないわね。なーんか面白いことないかしら?」

小鳥「目をつぶって音無小鳥17歳って打ってみよっと」

小鳥「オトンSSぢ子予知28D氏」

小鳥「これは酷い」

小鳥「でも暇で仕方ないわ。いつもはアイドル達で妄想世界に飛び込めるのに、その餌……、じゃなくてアイドルもいないし」

小鳥「アイドル達がいなくて出来ること……」

小鳥「……折角だしロッカー見てみましょうか」

小鳥「って待ちなさいよ小鳥! それはさすがに犯罪じゃないの!? いくら暇だからってアイドルの私物を覗くなんて……」

小鳥「すごく面白そうね」

98 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:25:04.74 4oqnmTwV0 336/462

小鳥「こ、これはあれよ! 抜き打ち持ち物検査よ! 万一大麻君みたいになんか持ってたら洒落になんないしね! 大人の女としての責務よ! ノブオリよ!」

小鳥「べ、別に売ろうなんて思ってないしね! それじゃあ、チェックしましょうか」

小鳥「まずは春香ちゃん! あの子のロッカーは同じ色のリボンが大量に出てきそうだけど……」

小鳥「……鍵がかかってるわね」

小鳥「そりゃそうね。諦めましょう……」

小鳥「テレビでも見て過ごしましょうか。2時間ドラマかしら?」

F越『ちっ、鍵がしまってやがる。あんましたくねえが……』

小鳥「あら、ピッキング。F越さん泥棒の役なのかしら?」

小鳥「ピッキングか……」

小鳥「えっと、ピッキング、やり方……」

101 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:31:04.37 zlJFHMv00 337/462

小鳥「それじゃあ第一回、アイドルのロッカー確認大会!! わー!」パチパチパチパチ

小鳥「それじゃあ春香ちゃんのを……」

小鳥「えっと、これを回して……」

小鳥「開いたわ! それじゃあ中身ちぇーっく!」

ドサドサドサ!!

小鳥「ってきゃああ!!」

小鳥「な、雪崩の如く写真が……」

小鳥「ん? これも、あれも、あれも……」

小鳥「プロデューサーさんのばっかりじゃない!」

102 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:37:02.98 zlJFHMv00 338/462

小鳥「確かに春香ちゃんはプロデューサーさんが大好きだけど……。でもこれじゃあストーカーじゃ……」

『ん? おかしいな。背後から気配がするぞ……』

春香『ええ、ずっといますから! プロデューサーさん?』

小鳥「こわっ! 全部後ろからとってたなら滅茶苦茶愛が重いじゃない!!」

小鳥「こんなに人のロッカーが精神的に来るものだったんんて……」

携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「うひぃ! な、なんだ私の携帯か……」

小鳥「もしもし? あっ、春香ちゃん!? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? えっと、どの番組かしら?」

小鳥「ふぅ……、まさかロッカーを見てるのがばれたかと思ったわ。次は……」

小鳥「千早ちゃんね。千早ちゃんなら、音楽関係の雑誌かしら? それとも……、胸関係かしら」

104 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:42:26.28 4oqnmTwV0 339/462

小鳥「千早ちゃんのロッカーも青色なのね。一応黒髪だけど、青にちなむことが多い子よね」

小鳥「えっと、これをこうして……」

小鳥「御開帳~」クパァ

小鳥「中は整理されてるわね。と言うより、荷物が少ないだけか」

小鳥「著名なオーケストラのCD、有名なオペラ歌手……。あら、こっそりやよいちゃんのCDもあるわね」

小鳥「ん? 紛れ込んでなにも書いてないCDがあるわ。PCで見れるタイプね、何を入れてるのかしら?」

小鳥「私、気になります!!」

小鳥「……折角だから見ちゃいましょう!」

108 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:47:33.61 zlJFHMv00 340/462

小鳥「あの機械音痴な千早ちゃんがわざわざPCで見るぐらいなんだから、一体何が入ってるのかしら?」

小鳥「ファイル名、Yuu? 事故で亡くなったって言う優君のことかしら?」

小鳥「一気に重くなってきたわね。見ちゃっていいのかしら?」

小鳥「そうよ、この好奇心を抑えたままじゃ後悔するだけよ!」

小鳥「いんすとーる」

小鳥「さて、何が出てくるか……」

小鳥「? この子が優君? 千早ちゃんと髪の毛の色が違うのね」

小鳥「あれ、今度は違う子が出てきたわね。さっきのこと同じぐらいの子だけど」

小鳥「ま、また違う子が……。こ、これってもしかして……」

110 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:52:02.92 J7z4PLqT0 341/462

子供『キャッキャ!』

千早『ね、ねえ……。そ、そこの君ぃ?』

子供『え? なぁに?』

千早『お、お姉ちゃんって言ってくれるかしら?』

子供『お姉ちゃん?』

千早『そ、そうよぉ! もっと心を込めて! ビックリマンチョコあげるら!』

子供『ほんと、お姉ちゃん!?』

千早『ユニバーーーース! お姉ちゃん頂きましたー!!』

子供『ママー!』

千早『んあー!!』


小鳥「いやいやいや! 優君にシツレイでしょ! 何個人を馬鹿にするような妄想をするのよ、私! そんなの妄想じゃないわ!」

小鳥「しかし千早ちゃん、まさかショタっ気があるとは……。見たくないもの見ちゃったわ」

112 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 03:57:46.52 zlJFHMv00 342/462

携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「ぴよっ! ち、千早ちゃんから着信が……」

小鳥「えっと、音無ですけど千早ちゃん? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? はじめてのお使いね。分かったわ」

小鳥「ちょっと、これはガチなんじゃ……。録画しないと殺されそうね」

小鳥「もうやめた方がいいかしら……」

小鳥「私、気になります! ……誰よ、無茶するなって言うのは」

小鳥「気を取り直して、次は平和そうなやよいちゃんを!!」

小鳥「うちの事務所の癒しだし、これまでみたいなえげつないのが来るなんてこと……」

小鳥「オープンザロッカー」

小鳥「用途に分けてきれいに纏められてるわね。やよいちゃんらしいかな」

113 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:03:06.37 KTuVlA6t0 343/462

小鳥「あら? なにかしらこれ。宝くじ? 最近の奴ね。夢を買うって言うのかしら? ギャンブルなんかしなさそうなのに意外ね」

小鳥「番号は……7753150。菜々子最高? どこの番長よ」

小鳥「交換期日はまだ先ね。でもそろそろ当選が発表されてるんじゃ……」

小鳥「ググってあげましょう!」

小鳥「~♪」

小鳥「7753150っと」

小鳥「どれどれ、2000万円の当たりくじ、盗まれる――」

小鳥「ふぇ? 当たりくじ盗まれた?」

小鳥「ば、番号が一致した……?」

小鳥「じゃ、じゃ、じゃあ! この当たりくじって……」

115 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:11:50.91 J7z4PLqT0 344/462

やよい『うっうー! 命が惜しけりゃ金をよこすですー!』

被害者『か、金目のものなんて何も……』

やよい『じゃあ高価なものよこしやがれです!』

被害者『じゃ、じゃあ宝くじの当たり券を……』

やよい『うっうー! そんな紙切れ……。2000万円の価値があります! 毎日もやし祭りが出来ます!!』


小鳥「うわっ、ちょっと萌えた」

小鳥「じゃなくて! あのやよいちゃんに限ってそんなことはないと思うけど、この宝くじを持ってたら、」

小鳥「泥棒ですよ、泥棒!!」

携帯『つが』

小鳥「ひゃい、音無です! あっ、876プロの。どうかなさいましたか? はい、分かりました。また本人に連絡します」

小鳥「ふぅ、ここでやよいちゃんから電話がかかってくると思ったけど、そんなことなかったわね」


117 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:16:55.99 4oqnmTwV0 345/462

小鳥「それじゃあ次は誰を……」

小鳥「そうね、まだマシそうな伊織ちゃんにしましょう」

小鳥「ロッカー一つにしても、妙に高価そうね。金持ちはロッカーにも力を入れるのかしら?」

小鳥「うげっ、ここでまさかのセキュリティ、パスワードなんかわかるわけないじゃない!」

小鳥「ためしに誕生日を……0505っと」

小鳥「あっ、開いた。なんか拍子抜けしたわね……」

小鳥「ふむふむ、ウサギちゃんの服まで置いているのね。なんというか、意地っ張りだけど可愛いわね」

小鳥「まぁ流石に伊織ちゃんは……、あら? 何かしらこの手帳。黒皮?」

小鳥「もう嫌な予感がプンプンするんだけど……」

119 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:27:02.42 J7z4PLqT0 346/462

小鳥「えっと……。O沢、H山……。政府の用人と、隣に日時が書かれてるわね」

小鳥「あら? 今ちょうどO沢の時間ね。何が……」

テレビ『緊急ニュース速報』

小鳥「え? 地震かしら?」

テレビ『逆転無罪のO沢氏急死。原因は不明』

小鳥「ぴ、ピヨヨ……」

伊織『リュ○ク、見てなさい』

死神『んほっ? なんだ?』

伊織『今の世の中は腐っているわ。自分本位な政治家、二股する忍者、クラスで6,7番目ぐらいに可愛い女子×48のごり押し……。だから私は、世界を変えるの』

伊織『この、DEATH N○TEでね』

死神『人間って、面白!』

える(千反田)『キラが誰か、私気になります!!』

小鳥「んなわけないよね! ね!?」

携帯『つ』

小鳥「ひゃあ!」

121 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:34:37.56 zlJFHMv00 347/462

小鳥「い、伊織ちゃん……。どうしたの?」

小鳥「え? お土産は何がいいかって? そうね……、何でもいいわよ。ありがとうね」

小鳥「ふぅ。まさか触った者も殺されるなんてことがあったらどうしようかと思ったけど……」

小鳥「死神も見えないし、これは気のせいよね、うん!!」

小鳥「さて次ぐらいで最後にしましょうか。もうメンタルがやばいわ。全部見ないのかって? それならそれでスレ立てるわよ!!」

小鳥「最後は……、そうね、プロデューサーさんのロッカーを見ましょうか」

小鳥「まぁあの真面目好青年プロデューサーさんのことだから、特に怪しいものはないと思うけど……」

小鳥「いや待てよ? こんなに美女、美少女に囲まれてるんだから、もしかしたら出来心で……」

小鳥「私の写真もあったりして?」

123 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:39:22.43 4oqnmTwV0 348/462

小鳥「それじゃあプロデューサーさんのをグイグイっと入っちゃうわよ!」

小鳥「あれ? なかなか開かないわね……」

小鳥「んしょ、んしょ……。えいっ!!」

ドサッ

小鳥「きゃっ!! な、なにか落ちてきた……」

小鳥「え? ……首?」

小鳥「きゃあああああああああ!!!」

小鳥「だ、誰の!? 誰の首なの!?」

小鳥「こ、これ……」

小鳥「私の顔?」

124 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:43:44.18 4oqnmTwV0 349/462

小鳥「う、ウソよね! そんなわけ……。あれ? これって、マネキン?」

小鳥「はぁ……、マネキンと死体を間違えるなんて、どうかしてるわよ」

小鳥「でも、どうして私の顔なの? 凄く似てるけど……。なんでかしら? 違和感があるのは」

小鳥「鏡に映る私とマネキン。歌のタイトル?」

小鳥「似てるけど……、マネキンの方が若いかしら? まるで私が現役のころみたい」

小鳥「ってそうじゃなくて!  なんでプロデューサーさんのロッカーから私の首だけのマネキンが出てくるの?」

小鳥「あれ? このロッカーも少し変ね」

小鳥「奥にまだ、何かあるのかしら?」

126 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 04:55:19.82 J7z4PLqT0 350/462

小鳥「叩いたら空洞があるみたいなのよね……」

小鳥「壊してでも開けるべきかしら……。い、いや気のせい……?」

小鳥「何もなかったら、どう言い訳したらいいか分からないし……」

小鳥「でも気になるというか……。旺盛な性欲と好奇心は止まらないというか……」

小鳥「こ、これは正当防衛よね! うん、きっとそうなるわ!」

小鳥「ロッカーを移動しようとしていたら、落としてしまって偶然開いた! そのプランで行きましょう!!」

小鳥「そうと決まれば、あちょー!!」

ドンっ!

小鳥「はぁ……、はぁ……。ロッカーが壊れちゃいましたね。さあ、一体何があるのか……」

127 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 05:00:41.99 4oqnmTwV0 351/462

小鳥「み、見ますよー」

小鳥「やっぱり奥にまだスペースが有ったんだ。手首とか落ちてませんよね?」

小鳥「え、えっと……。これは、アルバム?」

小鳥「み、見ていいよね……」

小鳥「こ、これって……」

小鳥「私のアイドル時代の、写真?」

「そうですよ、小鳥さん」

小鳥「ぴよっ!! ぷ、プロデューサーさん!? ど、どうして……」

「急いで帰ってきました。だって小鳥さん、暇そうだったし、みんなのロッカー見てたからさ」

小鳥「ど、どうしてそれを……」

「ああ、隠しカメラって便利ですよね。ずっと見てたんですよ? この子がね」

小鳥「ま、マネキン……」

129 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 05:05:13.46 zlJFHMv00 352/462

「ええ、目にカメラが入ってるんです。アイドルのみんなには、忘れ物をしたって言って戻ってきました。意外と遠くないですよね、海から」

小鳥「こ、このマネキンはいったい……」

「それですか? そっくりでしょ?」

小鳥「そういうことを聞いてるんじゃ!」

「おれね、この業界に入ったの、小鳥さんが理由なの」

小鳥「え?」

「俺ずっとファンだったんだ。だからこんな風に一緒に仕事できてうれしかった」

「でも、悲しいことに気づいちゃったの」

「小鳥さん、どんどん歳を取ってくの」

小鳥「え?」

「俺が好きだった、アイドル小鳥さんは、その辺のおばさんと同じように、劣化していくのが見えたんだ」

135 : さるくらった - 2012/05/07(月) 05:39:19.23 zlJFHMv00 353/462




「それが赦せなかった。俺の大好きな小鳥さんは、もっと若々しかったから」

小鳥「い、いやぁ……」

「でもさ、まだ今なら大丈夫かな。このまま小鳥さんの時間を止めたら、きっと……」

小鳥「こ、来ないでください……」

「一人ぼっちのお留守番で寂しかったでしょ? でも大丈夫。今日から小鳥さんは、」

「ずっと俺の家にいるんだから……」

小鳥「きゃあああ!!」

「ずっと、美しくかわいい小鳥さんのままで……。他の誰にもあーげない」

小鳥「」

「俺たちは、永遠になるんだから」

136 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 05:44:09.45 zlJFHMv00 354/462

社長「ううむ……」

律子「小鳥さんとプロデューサーがいなくなってから、どれぐらい経ったんでしょうね。警察も必死に探してるみたいですけど……」

社長「忘れ物を取りに行くと言っていたが、あの後なにが起きたというのだ?」

美希「あっ、律子」

律子「律子さん、でしょ」

美希「律子、さん。これ見て欲しいの」

律子「なによこれ、結婚式場のカタログ?」

美希「うん。それでね、このマネキンだけど……」

美希「そっくりじゃない?」


「好奇心は猫をも殺す」

「あなたが普段使っているロッカー、その隣には、何が入っているのでしょうか?」

「いや、もしかしたらこの世界じゃないどこかと……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

154 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 09:35:01.20 4oqnmTwV0 355/462

「秘密と言うのは、親しい人にも話せないでいます」

「友人、親、兄弟姉妹。打ち明けるのには、少し勇気がいりますね」

「さてここに双子の姉妹がいます。この2人、腹に何を秘めているか、見てみましょうか」


真美「その……、えっとね……。好きなんだ、兄ちゃんのことが……」

「ありがとうな、真美。全く、女の子に言わせるなんて、俺は情けないな」

真美「え?」

「俺も好きだよ、真美」

真美「兄ちゃん!!」

155 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 09:40:47.52 4oqnmTwV0 356/462

真美「えへへ……」

亜美「ねーねー、真美。最近良いことあった?」

真美「なんでそう思うの?」

亜美「そりゃそんなにやけ顔されたら、誰だってそう思うっしょ」

真美(顔に出てたのかな。さすが我が妹、目ざとい)

律子「亜美ー、そろそろ行くわよ?」

「真美も行くぞー」

亜美「あっ、待ってよ律っちゃん!」

真美「今いくよー!」

双海真美、双海亜美。恐らく、いま日本で一番有名な双子。思春期に入った姉の真美と、まだ幼さの残る妹の亜美の姉妹は、今日も今日とて収録だ。
納税長者に名が乗るだけはある。

真美「兄ちゃん」

「なんだ、真美」

真美「呼んでみただけ!」

「なんだそりゃ」

156 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 09:44:34.04 J7z4PLqT0 357/462

「えっと今日の仕事だけど……。あれ?」

律子「プロデューサーと真美? 同じ仕事でしたっけ」

「そうなのか? 特に聞いてなかったけど……」

真美「亜美と仕事って久しぶりかも」

亜美「そうかもね!!」

「じゃあこの企画の相手ってのは……」

律子「姉と妹?」

亜美「?」

真美「?」

企画書『暴露コロシアム』


『暴露コロシアム』 双海亜美、双海真美

158 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 09:50:49.22 KTuVlA6t0 358/462

司会『相手に隠してることって、いっぱいありますよね?』

司会『例えばとあるお笑いコンビ。突っ込みは実はボケに恋愛感情を抱いていた。一体何を突っ込むのか!?』

司会『例えばとある夫婦。夫には節約生活を送らせる一方、自身はホストのジャガー君と毎日遊んでる!』

司会『そんな言いにくい胸の内を、今ここでぶちまけあいましょう!!』

司会『暴露コロシアム! 今宵は、人気双子アイドル、双海亜美、双海真美。互いの口から、どんな爆弾が飛び出るのでしょうか!?』

亜美「ねえ律っちゃん、なに付けるの?」

律子「心拍数を図るやつよ。この番組は、互いに自分の秘密、相手に思っている不満をぶつけ合って、より動揺させた方が勝利みたいなの」

亜美「えっと、暴露大会みたいなの?」

律子「そういうとこね。暴露ネタが攻撃ってとこかしら?」

亜美「良く分からないよ」

159 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 09:55:51.27 KTuVlA6t0 359/462

律子「まあ秘密を言えばいいんじゃない? ほぼ毎日悪戯してんだから、あんたらたくさんあるでしょ?」

亜美「そうだけどさ~」

律子「それに、向こうは戦闘態勢よ?」


真美「暴露バトルか……」

「ああ、気負わずに行けば勝てるさ」

真美「ねえ兄ちゃん、真美が勝ったらさ……」

「ああ、一緒に飯でも食うか」

亜美「……」

律子「亜美?」

亜美「あっ、うん! で、なんだっけ?」

律子「別に何も言ってないわよ」

スタッフ「本番五分前です!」

律子「はーい! じゃあ亜美、行ってらっしゃい」

亜美「なんだかなぁ」

160 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:04:18.57 KTuVlA6t0 360/462

司会『秘密と不満を武器にして、栄冠をつかめ!! 暴露コロシアム、今宵の選手入場です!』

司会『赤コーナー、上から78、55、77……。竜宮小町のロリ担当、史上最強の腕白少女!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、あぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

司会『青コーナー、上から78,55,77……。絶賛ソロで活躍中、思春期お姉ちゃん!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、まぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

亜美「真美とこうやって戦うって久ちぶりだね」

律子「ちなみに私はセコンドよ」

真美「真美が勝つもんね」

「俺は真美側のセコンドだ」

司会『それでは、暴露コロシアム。第一ラウンド、ファイト!!』

161 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:13:33.91 4oqnmTwV0 361/462

司会『ここに剣はない! しかし、剣闘士よ! お前たちの武器は、そのマイクだ!! 先行は双海亜美!』

亜美「これで相手に暴露したらいいの?」

律子「みたいね」

真美「どんな暴露もかかってこいやー!」

亜美「じゃ、じゃあ……」

亜美「真美の写真、ピヨちゃんに売ったの、亜美なんだ!」

真美「へ?」

司会『おっと、双海真美! ちょっと動揺したぞ! 心拍数+5!』

真美「ピヨちゃんに売ったって……、なんのこと?」

亜美「実はね……」

162 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:18:33.94 4oqnmTwV0 362/462

亜美『あー、金欠だよー。給料ほとんど貯金されちゃうもんなぁ』

小鳥『あっ、亜美ちゃん』

亜美『ねえピヨちゃん、手っ取り早くお金を稼ぐ方法ないかな?』

小鳥『お金を稼ぐ方法?』

亜美『うん、ちょっと今月ピンチなんだ』

小鳥『そうね……。あっ、良いこと思いついた』

亜美『?』

小鳥『ねえ、亜美ちゃんにお願いがあるんだけど……』

亜美『なに?』

小鳥『真美ちゃんのヌード写真、欲しいかなぁ。なんちゃって!』

亜美『いいよー。でも高くつくかんね!』

小鳥『え?』


真美「ちょ、ちょっとなにしてんのさ!!」

亜美「いやぁ、あのピヨちゃんの笑顔忘れられないよ」

163 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:25:54.97 J7z4PLqT0 363/462

真美「さいてーだよ! 普通姉を売る!?」

亜美「ち、ちかたないじゃん! VITAが欲しかったんだYO!」

真美「真美の裸=VITA!?」

司会『双海真美、妹の裏切りに動揺が隠せません!!』

真美「こ、これが暴露コロシアム……」

「次は真美の番だ。亜美にお返ししてやれ!!」

真美「う、うん!!」

司会『双海真美の反撃だぁ! 一体どんな暴露が飛び出るのか!?』

真美「え、えーと真美は……」

真美「ネットの掲示板で竜宮に双海亜美はいらないスレを立てました」

亜美「えええ?!」

司会『おっと、とんでもないカウンターが来たぞ! 双海亜美、心拍数が上がっていくぞ!』

164 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:31:13.49 KTuVlA6t0 364/462

真美『はぁ……、退屈だなぁ』

真美『ピヨちゃんみたいにネット掲示板でも見て回ろうかな』

真美『うはぁ、さすが社会の最底辺の集まり。今日も今日とて不毛だね~』

真美『そうだね、真美もスレ立ててみようかな。面白そうだし』

真美『えっと……、何を立てようかな』

テレビ『今週の1位は、竜宮小町! 竜宮と言えば、双海亜美ちゃんのお姉さんもアイドルとして活躍していますね』

真美『い、今真美おまけみたいに言われなかった?』


真美「っていきさつで」

亜美「意味が分からないYO!」

真美「ほらっ、竜宮ってさ、いおりんはリーダー役だし、あずさお姉ちゃんは包容力と歌唱力があるけど、」

真美「亜美である意味ある?」

亜美「ぐはぁ!!」

律子「気を確かにもって、亜美! 私はあんたを入れて正解だと思ってるわよ!!」

166 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:38:09.10 KTuVlA6t0 365/462

「真美、ホントにそんなスレ立てたのか?」

真美「うん。レベルが足りないとか言われたから、代行してもらったYO!」

「そこまでして書きたかったのか……」

亜美「あ、悪意しか感じないよ……」

真美「まあそんなスレ立てたら、逆にこっちが叩かれたけどさ。お前真美だろって」

律子「ほらっ! 世間の目も亜美を求めてるわよ!!」

亜美「り、律っちゃん……」

真美「あっ、でもやたらはるるんを推す声があったかな……。しかも同一IDで」

「その暴露の方がえげつないと思うのは、俺だけか?」

司会『さて、第1ラウンドの結果はこうだ!』

双海亜美 +13

双海真美 +10

司会『第1ラウンドは辛くも双海真美が勝利だ!!』

167 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:42:37.69 J7z4PLqT0 366/462

亜美「うぅ……、律っちゃん……」

律子「よしよし……」

真美「兄ちゃん、第1ラウンドは貰ったよ!」

「ああ、いい感じだ! って素直にいえないんだよな、うん」

真美「亜美なんか知らないよ! 人の裸売るなんて、どういうつもりさ!」

「ネットで妹叩く姉もどうなんだ? Lイージとか赤い雪男が頭をよぎるぞ」

司会『それでは第2ラウンド、開始します!』

「よし、行って来い!」

真美「ストレートで勝っちゃうよ!」

律子「あんたの思いのたけ、しっかりぶつけてきなさい!」

亜美「おうよ!!」

169 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 10:54:14.19 J7z4PLqT0 367/462

第2ラウンド!!

真美「真美が先行だよ!!」

亜美「な、なんでも来なよ!」

真美「んじゃどうしようかな……」

真美「はいはーい! 実は……」

真美「亜美と間違えて告白してきた先輩に、亜美の代わりにオーケーだしときました!」

亜美「えええええ!?」

司会『おっと! 双海亜美、一気に心拍数が上がったぞ!』

律子「ちょ、ちょっとええ!?」

「真美、マジなのか?」

真美「あっ、うん」

171 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:00:48.20 J7z4PLqT0 368/462

イケメン『亜美ちゃん! 俺、亜美ちゃんのことが……』

真美『え? 亜美じゃな……』

イケメン『好きなんだ!!』

真美(この人って、学校1のイケメンだよね? 亜美が好きって、ロリコンさん?)

真美『えっと、その……』

真美(亜美が好きなら何で間違えるかなぁ。まあ真美も昔は、自分がどっちだったか分からなくなってたけどさ)

イケメン『だめ、かな……』

真美(あっ、まてよ? 亜美は学校1の人気者、人気者には、人気者の彼氏の方がが映えるよね)

真美『うん、いいよ……』

イケメン『え? マジ!? へへっ、やーりぃ!』


真美「てな感じで」

亜美「てな感じで、じゃないよ! だから最近妙に付きまとってきたのかあの先輩!!」

172 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:10:32.84 zlJFHMv00 369/462

真美「めーわくだった?」

亜美「当たり前だよ!! しつこくて仕方ないんだから!」

真美「ほら、亜美友達が彼氏出来たみたいなこと言ってたし」

亜美「だからって押し付けないでよ!!」

司会『さて、双海亜美はどんな反撃を見せるのか!?』

律子「落ち着いて、亜美。勝機は必ずあるはずよ」

亜美「ねえ、律っちゃん。あれ、ばらしてもいいかな?」

律子「あれ? ま、まさか!?」

亜美「うん、あれだよ」

律子「あ、あれを暴露したら、あんたはあんたじゃいられなくなるわよ!」

亜美「いいんだよ、もう」

亜美「今の亜美は、修羅だかんね!!」



174 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:18:12.22 zlJFHMv00 370/462

真美「へえ、亜美もあるんだ」

亜美「うん、これだけは使いたくなかったけど……」

亜美「実は亜美、スリーサイズを詐称してました」

真美「へぇ、スリーサイズを……」

真美「え? 今何って言った?」

亜美「スリーサイズ、実は嘘」

真美「ええええええ!?」

律子「言ってしまったのね、ついに!!」

「なん…だと…」

176 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:23:59.12 zlJFHMv00 371/462

真美「う、ウソだよね? 亜美と真美っていつも同じで……」

亜美「んふっふ~。一体いつから、姉と同じって思ってたの?」

真美「え?」

亜美「双子キャラが壊れるー、だとか真美が傷つくかもー、って黙ってたけど、実はさ、亜美の方が大きんだよね」

真美「そ、そんな!? だって温泉回じゃ……」

亜美「それは錯覚なのだ! 亜美は真美と同じぐらい、と言う先入観がそう見せてただけだよ」

亜美「ホントのサイズはね」

双海亜美 80、56、77

真美「ま、負けてる……?」

178 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:29:08.12 KTuVlA6t0 372/462

亜美「亜美の方がせくちぃなのに、ホント、思春期ぶっている真美の姿はお笑いだったよ!」

真美「あ、ああ……」

「真美! 真美いいいいい!!」

司会『これは勝負あったかぁ!?』

双海亜美 +18

双海真美 +23

司会『第2ラウンドは、双海亜美が勝利だー!!』

亜美「イエイ!」

真美「うそうそうそ……、姉に勝る妹なんて……」

「真美……」

181 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:38:03.14 J7z4PLqT0 373/462

司会『1対1での第3ラウンドを迎えるが、両者満身創痍だ! 特に双海真美のショックは計り知れないぞ!』

亜美「トーゼンの報いだよ、トーゼンの!!」

律子「あんた結構えげつないわよね……」

亜美「そう? でも真美の方がひどくない!? 勝手に告白うけちゃうんだよ!? そもそも亜美には……」

律子「亜美?」

亜美「い、いや! なんでもないよ!」

律子「そうなら良いんだけど……」

律子(今、何を言いかけたのかしら?)

真美「うう……」

「真美、自分を保つんだ」

真美「無理だよぉ。あんな核弾頭が来るなんて誰も思わないよ」

183 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:51:17.19 J7z4PLqT0 374/462

「これから大きくなるさ。なんなら俺がしてやろうか?」

真美「さ、触らないでよ! もう、兄ちゃんのスケベ!!」

「はっはっは! 良いじゃないか。胸の大きさだって違うんだ、別に真美と亜美が一緒であり続ける理由なんてないだろ?」

真美「あっ……」

「真美は真美だ。それ以外の何物でもない。例え亜美でも真美になんかなれないさ」

「行って来い! 暴露コロシアムなんて大袈裟な名前付いてるけど、所詮は姉妹喧嘩なんだしさ」

真美「兄ちゃん……」

「俺さ、兄弟姉妹いないから、そんな風に喧嘩できるお前たちが羨ましいんだ」

真美「嬉しくないよ? 妹なんていても……」

真美「ははっ、なんか気が楽になって来たや」

真美「兄ちゃんありがとう、行ってくるね?」

「ああ、負けんじゃねえぞ!」

184 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 11:56:21.16 zlJFHMv00 375/462

亜美「なんか真美も覚悟入ったって感じ? じゃあ律っちゃん行ってくるね」

律子「ええ、行ってきなさい。姉妹喧嘩なんだから、負けちゃだめよ?」

亜美「うん!」

司会『さぁ両者立ち直ったようです!』

真美「亜美、こうやって向き合うの久しぶりかも」

亜美「そうかもね。逃げてたんじゃないの?」

真美「んなわけないじゃん!」

司会『さあ、最後のラウンドは同時に秘密を暴露してもらうぞ!!』

亜美「真美、言っとくけどさっきのよりもキツイかんね」

真美「亜美こそ。覚悟しなよ?」

185 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 12:05:41.18 KTuVlA6t0 376/462

亜美「じゃあ行くよ、真美!」

真美「おう! いっせーのでっ! で行くよ!」

亜美真美『いっせーのでっ!!』

亜美真美『兄ちゃんと付き合ってる!!』

亜美「え?」

真美「へ?」

亜美真美『えっ?』


――


置手紙『旅に出ます。探さないでくださいbyP』

世にも
奇妙な
アイドルマスター

206 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:21:45.03 J7z4PLqT0 377/462

「人生には思わぬ転機があります。ゲームを起動したら、プロデューサーに誘われた、良くある話です」

「しかし、その転機はいつどこで起きるか分かりません」

「もしかしたら、今この瞬間にも、訪れるのかもしれませんよ?」

社長「ふぅ。事務所内ではタバコを吸えないからな、喫煙者には辛い世の中になったものだ」

「あっ、お疲れ様です。社長」

社長「おや、君もタバコを吸うのかね?」

「いえ、そうじゃなくて、社長にお会いしたいという方が来られまして」

社長「私に金?」

「ええ」

208 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:26:20.53 4oqnmTwV0 378/462

社長「私にかね?」

「ええ」

??「初めまして高木さん。私、芸能事務所OGプロの者なんですが……」

社長「ふむ……、なかなか大きな事務所ではないか。OGプロの方が私に何用で……」

OG「ええ。実は……」

OG「高木さんをプロデュースしたいと思いまして」

社長「はっはっは、私をプロデュースかね? なかなか面白いことを言うじゃないか、君」

OG「いえ、これは冗談でもなんでもないんですけど……」

社長「へ?」

OG「高木さん、あなたをわが社のオジドルとして、プロデュースさせてください!!」

社長「お、オジドル?」

『社長アイドル』 高木順ニ郎

212 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:33:51.97 4oqnmTwV0 379/462

OG「今の世の中、ゆとり教育だとか、年金だとか、不安な社会です」

OG「そんな中、若者たちに元気を与えようと、オジサマオバサマ方にもう一度輝いてもらおうという主旨で、オジドル……OYG40肩を企画しました」

社長「お、オヤジ40肩……」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 社長がアイドルになるんですか!?」

OG「ええ、そうなりますね」

社長「き、君! もう少し冗談はリアリティがある方が……」

OG「冗談ではありません。現に私たちはすでにプロジェクトを進めています」

「これは?」

OG「候補者リストです。」

社長「これは……っ」

「名だたるビッグネームが並んでますね」

213 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:38:39.47 4oqnmTwV0 380/462

OG「ええ、今の社会において、年よりの発言は老害と揶揄されます」

「まあ実際そんな人もいますけどね」

OG「今の社会、若者が目上の方を敬っていない、それもこの国の衰退の原因の一つでしょう」

「しかしですね……」

OG「しかし私たちは、65歳以上を殺すようなビデオも見せませんし、平和的、かつ革新的な手段で、オジサマ方の威光を取り戻そうとしているのです」

社長「それが……、オジドルというのかね?」

OG「はい。このアイドル絶対社会、31歳のアイドルだってデビューするんです。ナイスミドルな皆様がデビューしちゃいけない決まりがありますか!? いや、ない」

「ですが、社長は多忙で……」

OG「そうでしょうか? 朝に流行情報を提供して、夜に結果報告をするだけの、簡単なお仕事に見えますが」

「見えないところで頑張ってんです!」

214 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:43:24.64 zlJFHMv00 381/462

「どうかしてますよ。社長も一つ言って……」

社長「私が、アイドルになれるのかね?」

「えー、社長?」

OG「はい。全力でプロデュースいたしますよ」

「あ、あれ? この流れってまさか……」

社長「もう1つ、なぜ私を選んだのか、教えてくれないか?」

OG「そうですね、アイドル事務所経営者としてのノウハウもなんですが、何より」

OG「ティンときました」

社長「そうか! ティンと来たか!」

OG「ええ、ティンと!!」

社長「私も君にティンと来たよ!!」

(ティンティンうるせーよ)

218 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:48:34.46 J7z4PLqT0 382/462

社長「君、私はデビューするよ!!」

「ああ、そうですか……。っては?」

社長「その間、事務所の経営は君に任せよう」

「ちょちょちょ! 何言ってるんですか社長!?」

社長「オジドルとしてデビューすると言っているのだよ」

「はああああ!? どうかしてますって!! 大体年を考え……」

社長「どっせーーーーい!!」

「ごふぅ!」

社長「君! 夢はな……、夢ぐらいは……」

社長「おじさんになっても見てるものなのだよ!!」

「!?」

219 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:54:16.49 J7z4PLqT0 383/462

社長「そもそもだ、私が芸能プロダクションを設立したのは……」

社長「私がアイドルになりたかったからなんだ」

「えー」

社長「かつて私は、みんなと同じようにアイドル候補生だった。しかし、目が出るまもなく終わってしまったよ」

社長「ただ私の人を見る目は正しかったらしく、アイドルを辞めても、事務所に残って数年間スカウトを行っていたよ」

社長「そして独立した。今は娘のようなわが社のアイドル達の活躍を楽しみにする一方で、私の中の夢は燻ったままだった」

社長「しかし今! 最後の転機が来たのだよ! 形式も目的も何でもいい! あのころの夢をかなえるためにも私は……」

「社長……」

社長「アイドル達には、最後の最後で迷惑をかけてしまったな。しかし、これだけは譲れない夢なのだよ……」

社長「すまない……。みんなには、私から説明しよう」

??「その必要はありません!」

「この声は!?」

220 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 16:56:47.82 zlJFHMv00 384/462

春香「社長にもそんな夢があったなんて、親近感わきますね」

「お前たち……」

律子「社長、私たちはみんな社長の夢を応援しますよ」

やよい「がんばってください!」

社長「き、君たち……」

春香「当然ですよ! だって私たち、」

社長「仲間だもんげ!!」

(あんたが言うんかい)

OG「ははっ、皆様、理解が早くて助かります」

社長「ああ、自慢の娘たちだよ」

224 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:03:10.15 zlJFHMv00 385/462

社長(こうして、私は社長から、プロデュースされる側、オジドルへと転向した)

社長(しかしそれは、老体に鞭を打つような、厳しくしんどい日々の始まりでもあった)

トレーナー「はい、ワンツーワンツー! 高木さん、ハンテンポ遅い! 黒井さんは動きが違います!!」

社長「ぜぇ……、ぜぇ……」

黒井「はぁ……、はぁ……」

社長「黒井よ、今日もいい汗をかいたな……」

黒井「ふ、ふん! これぐらい、私にとってはウォーミングアップにもならんわ!!」

トレーナー「そうですか、じゃあ黒井さんと高木さん、もう一周しましょうか」

黒井「なに!? 貴様、私を誰だと……」

トレーナー「アイドルでしょう? 芸能プロダクションの社長だろうが、ホームレスだろうが、ここにいる限りは平等であり続けますよ? はい準備して! ワンツーワンツー!! 今度は早い!!」

高木「ぜぇぜぇ」

黒井「コヒュー」

225 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:13:10.13 4oqnmTwV0 386/462

社長(しかし辛いことばかりでもない。私もよく知る顔が、同じくプロジェクトに参加していたのだ)

黒井「げ、限界だ……」

社長(961プロ社長、黒井崇男。根は悪い奴ではないが、やることなすことが度を過ぎており、幾度もわが社に迷惑をかけてきた旧友だ)

社長「まさかこんな形でお前と組むことになるとはな」

黒井「組む? 甘ちゃん弱小事務所はこれだから困る! 誰も組んだとは言っておらん! 周りにいるやつ全員が、蹴落とすべき敵だ!!」

社長「その通りかもしれんが……、だんとつ落ちこぼれのお前には言われたくないだろう」

黒井「お、落ちこぼれじゃないもん! 少しペースがつかめないだけだもん!」

社長(昔から運動はダメ、歌もダメ、ビジュアルは普通より上ってぐらいだからな。その割にプライドが高いのがこいつの悪い癖だ)

黒井「い、今に見ておれ! 私が頂点に立ち、貴様ら全員を見下してやるわ! ふーっはっはっは!!」

社長「まあ元気そうで何よりだな」

228 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:20:34.31 4oqnmTwV0 387/462

社長「ふむ……」

テレビ『~♪』

社長「なるほど、このよう表現があるのか!!」

社長(アイドルと言う立場になって見えて来たものもある。それは、私たちの娘、765プロのアイドル達のポテンシャルの高さだ)

黒井「ふん! 1人では何もできない小娘どもが群れているだけではないか!」

社長「確かに、1人1人は弱いかもしれない、しかしだ。それを正しく導く者と、彼女たちを向かいいれる場所、そして絆があればどんな困難にも立ち向かえるのだよ」

黒井「下らん理想論を! 私はもう寝るぞ!!」

社長「そうか、お休み」

黒井「高木」

社長「なんだ?」

黒井「枕が違って眠れない……」

社長「修学旅行の女子かね?」

229 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:29:03.73 KTuVlA6t0 388/462

トレーナー「それじゃあボーカルレッスンしますよ!」

社長「~♪」

トレーナー「高木さん、しっかり音程は取れてますね。しかしもう少しこうした方が……」

社長「ふむ、勉強になるな」

トレーナー「つぎ、黒井さん」

黒井「俺はガムリン 格好いい軍人 見上げれば俺の乗った 黒いヴァルキリー♪」

トレーナー「黒井さん! 無理に歌わないでください! それと音程が滅茶苦茶ですよ!」

社長「お、おう……」

黒井「くそっ! なぜだ! なぜ私は音痴なのだ!! こうなったら地獄のカラオケ……」

社長「くだらないぞ、そんなもの」

トレーナー「はぁ……。黒井さん、あなたは確かに指導者としては光るものがあるかもしれません。しかし、プライドを捨てなければ……」

黒井「う、うるさいうるさいうるさい! もうやってられるかバーカバーカ! お前の母ちゃんでべそー!!」

トレーナー「黒井さん! 行っちゃった……」

231 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:38:39.15 zlJFHMv00 389/462

社長「すみません、あいつはこんなやつなんです。呼び戻してきますので、気になさらずレッスンを続けたまえ」

トレーナー「は、はぁ……」

社長「黒井よ……。お前はまた逃げるのか……っ?」

トレーナー「行っちゃった……。んじゃ次は、菊地真一さん」

社長「黒井……、お前のことだ。あの日のままのお前でいたならば……」


子供「見ろよー、おっさんがブランコ漕いでるぜ」

子供「ぎゃっはははは! 負け犬って言うんだぜ!!」

子供「やーい負け犬ー! ティンティンしろよー!!」

黒井(そうだ……、私は負け犬と同じじゃないか! 高木に勝っていたつもりでも、常に世間は765プロの味方だった。正しいのは力だろうが!!)

社長「ぜぇ……、ぜぇ……。やはりここにいたか、黒井……」

232 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 17:47:56.95 zlJFHMv00 390/462

>>230 正式名称そんなんだったっけ? かなり昔のだからあまり覚えてないや。

黒井「高木か……、私を笑いに来たのか?」

社長「笑うものか。後で何されるか分かったもんじゃないからな」

黒井「ふん、言ってくれる」

社長「お前のことだ。どうせこの公園に来ると思ってたよ。こうやってブランコに乗るのも久しぶりだな。あの頃はおとな」

黒井「過去のことはもういい!! あれは……、もう終わったことだ!」

社長「ああ、悲しいがな。しかし、彼女は私たちを恨んでなどいない。うちで事務員しているぐらいだからな」

黒井「全く、物好きな女だ」

社長「しかし彼女は幸せそうだ。少なくとも、あの頃よりはな」

234 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:01:26.13 4oqnmTwV0 391/462

社長「黒井よ……、戻らないか?」

黒井「ふん! 今更戻れるか! あんなもの、私に何のメリットもない! 下らん!」

社長「じゃあ何で来たんだ?」

黒井「貴様がいたからな……。貴様の邪魔を徹底的にするのも悪くないと思ったが、思ってた以上に状況が悪かった。それだけだ」

社長「世間では、ツンデレと言うんじゃないのか?」

黒井「断じて違う!」

社長「まあ何でもいい。とにかく、トレーナー君を待たせてるんだ。社長がレッスンを逃げるなんて聞いたら、961のスタッフはどう思うかね?」

黒井「クッ……」

社長「やれやれ、かつて一緒にデビューしようと言った男はどこへ行ったのやら」

黒井「貴様が変わっていないだけだ! 数十年もあれば、心境の変化の一つや二つ起きる」

社長「そうかもしれんな……」

235 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:08:37.69 J7z4PLqT0 392/462

社長(レッスンに戻った私たちは、これまでの遅れを取り戻そうと必死に頑張った)

黒井「~♪」

トレーナー「良いですよ黒井さん! 今のは音程もリズムも表現も完璧です!」

黒井「当然だ!! 今までのは手を抜いていただけだ」

社長「黒井……」

社長(1人カラオケに通っていたって言うのは黙っておくか)

OG「それじゃあOYG40肩のお披露目ライブの日にちを発表します!!」

社長(ライブは1か月後……。それまでに歌と振付をマスターしなければ!!)

OG「世間の関心も集まっているので、思っている以上にお客さんが来るかもしれません。ですが、皆様の年の功を見せつけてやってください!」

OYG『うっす!!』

237 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:16:41.38 zlJFHMv00 393/462

テレビ『今話題のOYG40肩! 今日はそのレッスン風景に密着取材です!!』

春香「あっ、社長だ!」

「レッスンが厳しいのか、ちょっと痩せたか?」

伊織「黒井社長もいるじゃない」

小鳥「あら……。社長、夢が叶ったんですね」

「そうですね」

テレビ『OYG40肩、まだまだ若者には負けていません!!』

社長『はっはっは、私もまだまだ現役だよ』

黒井『当然だ!!』

やよい「仲良さそうです」

小鳥(仲直りできたんだ)


社長(そして……、ライブの日が近づいてきたある日のこと……)

239 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:25:28.32 zlJFHMv00 394/462

社長「どうした黒井、顔色が悪いぞ」

黒井「ふん、顔が黒いのはもともとだろうが! そんな気になるほ……」バタッ

社長「お、おい……。黒井?」

黒井「ど、どうしてだ? 体が動かな……」

社長「黒井! すみません、救急車を!!」


医者「ふーむ、無理な運動が祟ったみたいですね。命には別段影響は有りませんよ。ただ、本番は遠慮しておいた方が……」

黒井jr「そうだよオヤジ! 馬鹿じゃねえの!? タバコ吸って酒飲むくせに、無理してアイドルの真似事なんかしちゃってさ!」

社長「武人君!」

武人「大体おっさんなんかにそんなの無理に……」

社長「どっせーーーい!!」

武人「なはぁん!!」

241 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:31:04.90 4oqnmTwV0 395/462

黒井「た、高木……」

武人「殴ったね! オヤジにもなぐら」

社長「人の夢は、終わらないのだよ!!」

武人「!?」

社長「武人君、君は知っているか知らないが、私と黒井は昔アイドルだったんだ」

武人「オヤジがぁ!? こんな悪人笑いしかできないのに!?」

社長「それでもだ! 夢は叶わなかったが、私たちは同じ夢を後進に託し、アイドル事務所を設立した」

社長「そして今! 私たちにもう一度チャンスが来たんだ! それを……」

社長「奪う資格は誰にもない!」

医者「し、しかし……」

黒井「私は滅びぬ! 何度でもよみがえるさ!」

黒井「ここで逃げたら、ずっと後ろ指差されそうだ。それは不愉快極まりない」

243 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:40:56.33 4oqnmTwV0 396/462

社長「黒井……」

黒井「高木、貴様に譲れないものがあるように、私にもある。それだけだ。武人」

武人「な、なんだよオヤジ……」

黒井「オヤジは何も出来ないかどうか、その目にしっかりと焼き付けるのだな」

社長「そういうことだよ。殴ってしまって悪かったね」

武人「クッ、好きにしろよ!」

黒井「ふん! 一体誰に似たんだか」

社長(お前以外にだれがいるよ)

黒井「そういうわけだ、俺はライブに出るぞ。そして馬鹿にしてきたやつの鼻をあかしてやる!」

社長「うむ、私も若い者に何かを伝えることが出来ればよいのだが……」

244 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:50:21.57 KTuVlA6t0 397/462

そしてライブ当日

「凄い客だな……」

律子「あれだけバンバン宣伝してましたからね」

「父さん大丈夫かな……」

雪歩「真ちゃんのお父さんもオジドルになったんだっけ?」

「そうだよ。ホント、無茶しちゃってさ。この前なんかボクにダンスを教えてくれなんて言うし……」

「おっ、舞台の幕が開くぞ――」



社長「OYG」

全員『40肩!!』

「これ、AKBじゃ……」

律子「大丈夫です。秋元氏も踊ってますから」

246 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 18:57:42.39 KTuVlA6t0 398/462

♪♪ 親父REST@RT ♪♪

四十までの生き方を否定するだけじゃなくてこれから進む道が見えてきた
口だけの男より我慢とか加齢臭がしてもカッコつけた自分が好きだから

今すぐ心のドアちょっと開いて旅に出てみたい気分
ぼやぼやしてると大切なチャンス逃してしまいそう

輝いたステージに立てば最高の気分を味わえる
すべてが報われる瞬間いつまでも続け夢なら覚めないでいて

大空を飛ぶ鳥のように翼を広げて羽ばたきたい
どんなに遠くても行こう 憧れの世界 夢だけでは終わらせたくない

「殆ど原曲ママじゃねーか!」

249 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 19:04:55.41 KTuVlA6t0 399/462

「でも、みんな」

美希「すっごく輝いてるの!!」

伊織「新堂、やるじゃない」

「へへっ、父さん、ダンスちゃんとできてんじゃん」

武人「オヤジ……」

「社長、今のあなたを俺は尊敬しますよ……」


輝く舞台に、最後の花火を打ち上げよう。笑われたってもいい、それでも大きな夢を見たい。
まだ死んじゃいないんだ、いつだって新しい自分へと変われるんだから――。

社長『ドキドキで壊れそう』

一同『1000%ラブ!』

251 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 19:15:41.28 J7z4PLqT0 400/462

キャスター「次のニュースです。今世間では元気なオジサマ方が大活躍! 暗い話題で落ち込んだ日本を、盛り上げていっています!」

社長「すまないね、今日はサーフィンに行くんだ。頑張ってくれたまえ、新社長」

黒井「当然! 私もだ!」

「な、なははは……」

武人「なんで俺が社長に……」

社長「そうそう、今日は秋元も来るんだ」

黒井「秋元の奴、前回のボーリングでの恨みを晴らしてやるぞ!!」

「なーんか、元気になったな、あの人たち」

小鳥「ふふっ、なんか若返ったみたい!」

「小鳥さんもアイドルになれば若が……」

小鳥「あぁ?」

「ひっ! なんもないですよ!」

社長「黒井、車まで競争だ!」

黒井「負けるか!!」

「今日も今日とて平和だなぁ」

252 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 19:18:38.07 J7z4PLqT0 401/462

「夢を見るのに制限はありません。もしかしたら、永久の眠りについた者も夢を見るのかもしれないのですから」

「このオジサンたちは、機会がありました。皆様も、周りを見たら落ちているんじゃないでしょうか?」

「歳をとっても、いつまでも心だけは若くありたいですね」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

261 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 19:59:14.11 KTuVlA6t0 402/462

「ある日急に死神に出くわし、人生の残り時間を知らされたら、あなたはどうしますか?」

「運命を変えるために奔走する、残された時間で精一杯の贅沢をする。それは人それぞれでしょう」

「さて、彼女の場合はどうなんでしょうか?」



やよい「今日はお肉が安いです!」

肉屋「おっ、やよいちゃん! 今日はおじさん機嫌が良いから、やよいちゃんには半額で売っちゃうよ!」

やよい「ほんとですか?」

奥さん「あんた! 何勝手なこと言ってんだい! ごめんねやよいちゃん、半額には出来ないけど、ちょっと安くしとくわよ?」

やよい「ありがとうございます!」

??「ふむ」

263 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:03:57.76 KTuVlA6t0 403/462

やよい「お肉買っちゃいました! 今日のもやし祭りはお肉つきです!」

??「ちょいちょい、そこの君」

やよい「うん?」

??「そうそう、君だよ君」

やよい「あれ? プロデューサー?」

??「プロデューサー? なんだそれ……。って成程、この体の持ち主がプロデューサーとやらなんだな。ってことは知り合いか?」

やよい「どうかしました?」

P?「ああ、ごめんごめん。えーと……、ゴメン、誰だっけ?」

やよい「高槻やよいですよ~。プロデューサーもしかして記憶そーしつですか?」

P?「そう言うわけでもないんだけど……。高槻やよいちゃん?」

264 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:10:44.38 4oqnmTwV0 404/462

やよい「はい」

P?「うーん、気を失わずに聞いてほしいんんだけど……」

やよい「?」

P?「君さ、残り人生24時間なんだよね」

やよい「え? それどういう……」

P?「あっ、実はわたくしこういう者でして……」

やよい「えっと、読めません!」

P?「ありゃ、日本語に変えるの忘れてたか。信じてくれるかどうかは分からないけど、」

P?「俺、死神なんですよね」

やよい「死神?」

死神「そう、そしてやよいちゃんの寿命は」

死神「残り24時間です」

『24時間』 高槻やよい

266 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:18:03.99 4oqnmTwV0 405/462

やよい「えーと、意味が分からないんですけど……」

死神「まあそうですよね、だから簡単に説明します。残された時間を無駄に使わせるのは趣味じゃないし」

死神「さて、俺は死神です」

やよい「死神ってあの鎌とか持ってるやつですか?」

死神「ああ、そうなりますかね。でもまあ実際は普通ですよ、普通」

やよい「じゃあなんでプロデューサーに?」

死神「ああ、この人ね。さっき事故ったんですよ。でまだ一命は取り留めてんだけど、俺が間借りしてるわけです。
死神って人の目じゃ見えないから、こうやって人間の体レンタルするしかないんですよね、はい」

やよい「で私の寿命が……」

死神「うん、残り23時間54分3秒。まあ今53分になったけどさ」

やよい「ど、ど、どうして死んじゃうんですか?」

死神「あー、それは俺も知らないわ。事故に遭うかもしれないし、心臓麻痺で死ぬかもしれない。でも逆に言えばこの24時間は死ぬことないんだよね」

267 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:26:00.42 zlJFHMv00 406/462

やよい「そうなんですか?」

死神「そうなんじゃない? だって死ぬ時間がすでに決まってるし。気になるならトラックにでも突っ込んだら?」

やよい「痛いのはいやです!」

死神「普通死ぬと思うけどなぁ。まあいいや、で俺たち死神は、元来忌み嫌われる存在なんだけど、実際はそんなことないんだよね」

やよい「?」

死神「そりゃ昔は気まぐれで魂刈ってるのもいたけど、最近は死神のイメージアップを図って、死神協会日本支部では、対象の死ぬ24時間前に案内を出して、残された時間を有意義に使ってもらおうと決めました」

やよい「それで私のところに?」

死神「そういうこと。死神のノートみたいなのが流行ってるみたいだけどさ、あれ嘘っぱちだからね。死ぬにしても、ちゃんと準備期間はあるよ」

やよい「……」

死神「ああ、やっぱり信じれませんよね。もうすぐ自分が死ぬなんて、急に言われても」

やよい「なんで……、私なんですか?」

死神「それは……、返答に困るな。こればっかりは俺たち末端の人間には口出しできる範囲じゃないし」

死神「伝えたいことだけ伝えて、混乱させて申し訳ないけど、俺たち死神協会日本支部は、やよいちゃんが天寿を全うするまで、最善を尽くすよ」

269 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:32:09.20 zlJFHMv00 407/462

やよい「……」

死神「えっと、凄い聞きにくいんだけど、質問ある?」

やよい「これって他の人に言ったら……」

死神「それはイエローカードなんだわ。言ったところで信じるかは知らないけど、死神協会は変に硬いからなぁ。基本的に死にゆく者の前しか姿を見せないんだよ」

やよい「イエローカードって……」

死神「レッドカードになると強制終了。その場でお陀仏、来世は……。たぶん人じゃないよ」

死神「だから、死神に会ったなんてことを言う人いないでしょ? あってもそれは守秘義務があるし、死人に口なしってとこで」

やよい「分かりました……」

死神「おっと。残り23時間46分34秒。どうか後悔のない余生を……」

271 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:35:52.00 zlJFHMv00 408/462

やよい「えっと、プロ……、じゃなくて死神さん!」

死神「イエローカード!」

やよい「あっ……」

死神「ってのは冗談で、あんまり俺のこと死神って言わない方がいいよ? 俺がいなくなったとき、この体の持ち主は死神と呼ばれ続けることになるし」

やよい「じゃ、じゃあプロデューサーで」

死神「じゃあプロデューサーか。本名知らないの?」

やよい「あっ、じゃあはいらないです。本名は……、なんでしょう?」

死神「さあ、それは俺に聞かれても。で何の用事?」

やよい「えっと、その……」

やよい「もやしパーティに来ませんか?」

272 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:43:06.34 zlJFHMv00 409/462

死神「もやしパーティー? もやし党っていう政党があるのかい?」

やよい「?」

死神「ああ、今のはパーティーと政党の英語のパーティを……。自分で解説するのは寂しいな」

やよい「まだ習ってません」

死神「そうなの? まあいいや。面白そうだし行こうっと」

やよい「あっ、でもプロデューサーさんの体は……」

死神「心配ご無用。死神ってさ、軽くなら相手に命を与えれるんだわ。それで今プロデューサーは生きてはいる。
全部が終わったら責任を持って病院まで送るよ」

やよい「プロデューサーと過ごせないのは淋しいです」

死神「そうだなぁ。俺が入ってる時点で、君の知るプロデューサーじゃないしな。どうしたものか」

やよい「でも死……じゃなくてプロデューサーも来てください。たくさんいる方が楽しいですから」

死神「んじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな。プロデューサーとやらの分も楽しまないとな」

273 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:47:18.88 4oqnmTwV0 410/462

残り22時間13分 高槻家

やよい「うっうー! みなさんいらっしゃい!!」

春香「やっほー、やよい来たよー! ってプロデューサーさん!?」

死神「ん? 」

春香「どうしてやよいの家に? ってどうかしました、固まっちゃって」

死神「……え、閻魔の娘!?」

春香「へ?」

死神「なんで閻魔の娘がここぶふっ!」

やよい「プロデューサー、ちょっと来てください」

春香「え、閻魔の娘?」

千早「そんなニックネーム付けた覚えないわよ」

伊織「それ他作者のネタでしょ!」

貴音「はて、面妖な」

「貴音はいつもそれだぞ」

274 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:52:26.09 zlJFHMv00 411/462

やよい「死……、プロデューサー! 閻魔の娘ってなんですか?」

死神「あー、うん。あのリボンの子が、地獄のボスの閻魔の娘そっくりでさ。リボンが角に見えたぜ」

やよい「違いますよー。春香さん達は私の仲間です!」

死神「ああ、それなんだけどさ。俺誰が誰か分からないんだよね」

やよい「あっ、そうですね」

死神「だからさ、誰が誰って教えてくれたらそれはとっても嬉しいなって」

やよい「えっとですねー……」


死神「なるほど、個性の宝庫だな」

やよい「間違えないでくださいね?」

死神「大丈夫だって。俺仕事柄人の顔と名前覚えるの得意だし」

278 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 20:59:37.64 4oqnmTwV0 412/462

やよい「お待たせしましたー! もやし祭り開催ですよ!」

高槻家『Uryyyyyyyyy!!』

貴音「すでにおいしそうな匂いが……。じゅるり」

「すっごく美味しいんだぞ!」

伊織「そうよ! 特にこのたれが絶品で……」

死神「うん、美味い」

伊織「プロデューサー?」

死神「え? なに?」

伊織「なにタレをダイレクトで飲んでるの?」

死神「あれ、これってそういうものっじゃ……」

やよい「プロデューサー、それコーラじゃありませんよ?」

死神「え? へ? あっ、はい」

春香「プロデューサーさんドジだなぁ」

美希「春香だけは言っちゃダメなの」

やよい「気を取り直して、もやし祭り開幕です!」

279 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:09:09.06 KTuVlA6t0 413/462

「これもーらいっと!」

「そうはいかないぞー!」

あずさ「あらあら、漁夫の利ですね~」

伊織「あんた達もっとエレガントに食べなさいよね。こうやって」

亜美「もーらい!」

真美「げっちゅー!」

伊織「ちょ、あんたら怒るわよ!!」

貴音「美味でございます」

死神「そうだな、みんな楽しそうだ」

やよい「おかわりも有りますよー!」

281 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:12:27.43 KTuVlA6t0 414/462

長介「姉ちゃんも食べなよ?」

やよい「うーん、私はあんまりお腹すいてないかなー。みんなが食べてるだけですっごく幸せだよ!」

千早「高槻さん、天使ね……」

死神(そして俺は死神)

やよい「じゃんじゃん食べちゃってください!」

一同『Uryyyyyy!!』


残り21時間2分

律子「あー、食べたわね」

あずさ「ダイエット頑張らないと……」

雪歩「お肉美味しかったですぅ」

春香「雪歩肉ばかり食べてたよね……」

283 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:18:33.78 KTuVlA6t0 415/462

やよい「みなさん今日はありがとうございましたー!」

春香「ううん、こっちも楽しかったよ!」

「また来てもいいか?」

やよい「は……、はい」

美希「どうかしたの、やよい」

やよい「え? ううん、何でもないですよー!」

貴音「いいえ、やよい。私たちに何かを隠してはいませんか?」

やよい「な、なんもないですよー!」

死神(嘘つくの下手なんだな、この子……。仕方ない、ちょっと助け船を)

死神「ああ、隠してるんだ」

やよい「プロデューサー!?」



284 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:23:22.09 KTuVlA6t0 416/462

貴音「あなた様、それはなにを……」

死神「実はな……」

チュッ

やよい「プ、プ、プロデューサー……」

春香「!?」
あずさ「!?」
美希「!?」

死神「まあ、そういうことだ、うん」

春香「死ーん」
あずさ「死ーん」
美希「死ーん」

伊織「う、うわ大胆……。ってそうじゃなくて! あんたやよい何歳だと思ってるのよ!」

死神「え? 享ね……」

やよい「プロデューサー!」

死神「あっ、ごめんなさい」

286 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:28:46.63 KTuVlA6t0 417/462

死神「でもな凸ちゃん」

伊織「凸ちゃん言うな!」

死神「俺たちは愛し合ってるんだよ、なあ、やよいちゃん」

伊織「やよいちゃん?」

死神「え? 名前合ってるよね?」ボソッ

やよい「プロデューサーは私のこと呼び捨てです」ボソッ

死神「あっ、そうなの?」

伊織「怪しいわね……。あんたホントにプロデューサー?」

死神「な、何言い出すんだよ! 俺ほどのプロデューサーがこの世に……」

律子「なーんかいつものプロデューサーと違うのよね」

春香「なんでだろ……」

美希「宇宙人がハニーに擬態したみたいなの。ってハニーはどこ!?」

288 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:33:20.38 zlJFHMv00 418/462

死神「うおっ!」

美希「ハニーをどこへやったのこの偽物!!」

死神「お、俺がハニーだっての!」

死神(なんだなんだこの金髪! 中身は閻魔娘じゃないか!!)

やいのやいのやいの

貴音「おやめなさい!!」

美希「貴音?」

貴音「目の前にいるのは、紛れもなくぷろでゅうさあです。私が保証いたします」

「貴音が言うなら、そうなのかな……」

雪歩「四条さんは絶対ですから!!!!!」

「貴音が嘘なんか言うわけないぞ」

美希「うーん、なんでだろ……」

死神(助かったのか?)

291 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:37:11.18 zlJFHMv00 419/462

貴音「長居してもしかた有りませんね。それではまた明日に」

伊織「そうね、あんまりいても迷惑でしょうし」

亜美「じゃあね→」

真美「歯磨けよ→」

雪歩「さようなら」

「まったねー!」

千早「泊まっていいかしら?」

春香「千早ちゃん!」

「ケーライー(じゃあなー)!」

あずさ「帰りましょうか」

律子「あずささん! そっちじゃありませんよ!」

美希「じゃあね、ハニー?」

292 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:43:36.91 zlJFHMv00 420/462

やよい「み、みんなー!」

やよい「ありがとうございましたー!!! また来てくださーい!!」

死神(ありがとうございました、か)

貴音「あなた様」

死神「わっほい! 急に現れないでくれるかな、うん!」

やよい「貴音さん、どうかしたんですか?」

貴音「ええ、少し。あなた様、いえ、ぷろでゅうさあの姿を借りた、また別の存在」

死神「あちゃー」

やよい「貴音さん、分かるんですか!?」

貴音「ええ、終始面妖な気を放っていましたので。恐らくあなた様は……」

貴音「死をつかさどる神、と言ったところでしょうか?」

死神「バレテ-ラ」

やよい「す、すごいです……」

294 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:48:32.74 zlJFHMv00 421/462

貴音「そしてやよいのもとに現れたということは……」

死神「ああ、こっちからは言えないんだ。察してくれ」

貴音「そうですか……」

やよい「貴音さん……」

貴音「やよい、私にあなたの運命を変える力は有りません。恐らく、ちょっとやそっとでは覆らない運命なのでしょう」

貴音「それは……、誠に心苦しいことです……」

やよい「貴音さん、泣いてるんですか?」

貴音「当たり前です! 大切な仲間が死に行くとわかってるのに、何もできない! 私は無力です!」

やよい「良いんですよ、もう。だから泣かないで下さい。私まで泣いちゃいそうですから」

295 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 21:54:04.06 zlJFHMv00 422/462

貴音「やよい……」

やよい「まだ死んじゃうんだって実感は湧かないけど、でもクヨクヨしてたら後悔だけ残っちゃうかなーって」

貴音「あなたは、強いのですね……」

やよい「ううん、今にも泣いちゃいそうです。でも、私誰かがいる前では泣かないって決めてるから。お姉ちゃんだし」

貴音「ふふっ、それはそれは……。私も見習わなければいけませんね」

貴音「あなた様」

死神「あー、俺?」

貴音「残された時間、やよいのために全力を尽くしてあげてください。それだけが願いです」

死神「言われなくてもそうするよ。最後のひと時まで幸せに、それがうちのモットーだ」

貴音「左様でございますか」

死神「ああ、だから俺は、全力でここからいなくなろう。30分ぐらい、な」

貴音「それでは、やよい。今まで、ありがとうございました。そして」

貴音「さようなら……」

やよい「さようなら、貴音さん」

297 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:01:25.09 4oqnmTwV0 423/462

やよい「行っちゃった……。死神さんもいないです」

やよい「うん、我慢したんだよ……」

やよい「泣きたいのずっと我慢してたの……」

やよい「ひぐっ……、えぐっ……」

やよい「わあぁぁぁ! うあぁぁぁぁぁ!」

やよい「怖いよぉ……」

やよい「すごくこわいよ……」



長介「姉ちゃん、何で泣いてるの?」

やよい「泣いてないもん」

長介「でも姉」

やよい「泣いてなんかないもん!!」

298 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:06:20.03 4oqnmTwV0 424/462

長介「嘘ばっかり。姉ちゃんさ、嘘吐くの下手なんだから……」

やよい「何でわかるの?」

長介「家族だから」

やよい「長介の癖に生意気だよ……」

長介「うるさいなぁ! 俺だってさ、男だもん。姉ちゃんが相手でも、泣いている女の子を放っておけないよ」

やよい「かっこつけちゃって」

長介「わ、悪い?」

やよい「ううん、ちょっと安心したかも。長介、背中大きくなったね」

長介「て、照れるな……」

死神(あの空気には入れそうにないな……)

残り 19時間00分

300 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:11:54.18 4oqnmTwV0 425/462

やよい「はぁ……」

死神「やぁ」

やよい「窓から入ってこないでください!」

死神「いや、正面から堂々と入るのもねえ?」

やよい「普通に入ってくださいよ」

死神「次回からそうするよ」

やよい「さっきまでどこ行ってたんですか? 気づいたら貴音さんと一緒にいなくなってましてけど」

死神「ああ、空気を読んだんだわ」

やよい「?」

死神「気にしないで、忘れてくれ」

301 : やよい編他のに比べて長くなるかも - 2012/05/07(月) 22:16:34.60 4oqnmTwV0 426/462

死神「ん? 何書いてるんです?」

やよい「皆にメッセージを遺そうかなって」

死神「メッセージ? ダイイングメッセージって奴?」

やよい「違うと思います。私が死んだ後に、みんなの手に渡って欲しいかなーって」

死神「明日も会うんじゃないの?」

やよい「みんなバラバラの仕事です。私のために邪魔するのも申し訳ないです」

死神「ほんと、君は良い子だね。ここまでまっさらな人間はは久しぶりに見たわ」

やよい「?」

死神「いいや、親御さんの教育がよかったんかなと思ってね」

やよい「変な死神さんです」

304 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:23:47.27 4oqnmTwV0 427/462

死神「君ってさ」

やよい「なんですか?」

死神「最後の夜って言うのに、特別なことしないよね。俺が見てきた人ってたいてい最後は無茶するのに」

やよい「えーと、例えば?」

死神「時間が来るまで死なないことをいいことに、犯罪に手を出したやつとかさ。あれは上にこっぴどく叱られなっけな……。他には、子供たちに遺産を残したくないから、最後の最後まで贅沢を極めたばあさんとか。人生色々、死も色々だよ」

やよい「人殺しはいけません!」

死神「俺ら死神からしたら、仕事が増えるから面倒な話でもあるんだけど……。にしてもここまでいつも通りを貫く子も珍しいな」

やよい「もやし祭りしました!」

死神「最後の晩餐には、ちょっと味気ないんじゃないかい? まあ好きですけどね、あのタレ」

やよい「でも家ではちょっとした贅沢です!」

死神「そんなものですかね」

やよい「そんなものです」

307 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:29:43.48 4oqnmTwV0 428/462

残り18時間

やよい「夜更かししちゃいました」

死神「まだ0時じゃんか。夜はこれからですよ! これから!」

やよい「夜更かしはいけませんよ?」

死神「えー。金持ちそうな車に花火ぶち込むとかしたかったなぁ」

やよい「死ぬからって迷惑かけちゃダメです! あっ、でも……」

死神「どうしました?」

やよい「死ぬ前に行きたい所があるんです」

死神「ほう?」

やよい「でも少し遠いです。けど車を出せないし……」

死神「車ね、ちょい待ち」

やよい「?」

309 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:35:03.13 KTuVlA6t0 429/462

やよい「これは? 真っ赤なベンツです」

死神「死神界の車だよ。かつてオーストリアの皇太子殺害事件の際に使用され、その後も次から次へと所有者を殺害したという、呪いの車」

やよい「私呪われちゃいます!」

死神「まー、大丈夫だって。最近は事故の話も聞かないし。それじゃあ、目的地まで行きますよ。シートベルト付けてくださいね」

やよい「は、はい!」

死神「んじゃ、やよいちゃんの行きたい所へ行きますかね!!」



やよい「星がきれいです!!」

死神「こりゃ驚いたな。こんなにきれいな星空が、こんな都会で見れるなんてな」

311 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:40:18.52 KTuVlA6t0 430/462

やよい「はじめてのお仕事で、大失敗したときにプロデューサーが連れてきてくれたんです」

死神「へえ、やよいちゃんとこの男にとって特別な場所なんだ」

やよい「はいっ! あの日ここで見た星はもっと凄かったです!」

やよい(本当はプロデューサーとが良かったけど、贅沢なのかな?)

死神(それは一緒に見た人もあるんだろうな。ん?)

死神「え? 起きちゃいました? 良いですけど、あんま長い間やると死にますよ? 2分ぐらいですからね」

やよい「死神さん?」

死神「ちょっと待って頂戴……」

「こんばんわ、やよい」

やよい「え? プロデューサー?」

「ああ、プロデューサーだ。といっても半分死神みたいなもんだけ」

やよい「プロデューサー!!」

「うわぁ!!」

312 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:46:13.50 KTuVlA6t0 431/462

やよい「プロデューサー! 私、私……」

「く、苦しい……」

やよい「あっ、ごめんなさい……」

「良いよ、美希よりはマシだし」

やよい「プロデューサーさん、私……」

「ああ、分かっているよ。ゴメンな、やよいが苦しんでる時に、何も出来なくて……」

やよい「ううん、プロデューサーがいてくれるだけで、私はすっごく安心します!! 手、握っていいですか?」

「ああ、俺の手なんかで良ければ」

やよい「暖かいです……」

「そうか? あまり気にしたことがない……けど……」

313 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 22:51:01.36 J7z4PLqT0 432/462

やよい「プロデューサー?」

「悪い、時間……ぽい……」

やよい「冷たっ」

死神「そうか、それは勝てるわけがないな……」

やよい「死神さん?」

死神「そうだね。良い空気の仲割り込むのも気が引けたけど、これ以上していたら、プロデューサーの方が先に死んでしまいそうだったし」

やよい「手、冷たいんですね……」

死神「俺たちはこれが普通なんだよ……」

やよい「死んじゃうってこんなことなのかな? 冷たくなって眠る、すごく寒そうです」

死神「火葬は熱すぎるけどね」

やよい「ふぁああ……。ごめんなさい、眠くなっちゃいました……」

死神「ここで寝ちゃダメだって。ありゃま、寝ちゃったか」

死神「家にまで送るかな?」

316 : ふぇぇ…さるさんうざいよぉ - 2012/05/07(月) 23:04:27.55 zlJFHMv00 433/462

残り時間 11時間41分

長介「姉ちゃん、おはよう」

やよい「あれ、早起きさんだね」

長介「もう俺一人で起きれるし!」

やよい「あっ、そうだったね」

かすみ「おはようお姉ちゃん……」

やよい「おはよう、かすみ」

死神「おはようやよいちゃん……」

やよい「おはようございます死にが……」

死神「チャオ☆」

やよい「なんでいるんですかああああ!?」

317 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:10:31.09 4oqnmTwV0 434/462

長介「プロデューサーの兄ちゃんじゃん。昨日姉ちゃんとデートしてたんでしょ? 母さんカンカンだったよ?」

死神「俺が怒られたよ……。まあ話せば分かる人で、一緒に酒を飲んでたんだけど……」

やよい「いきなり現れたんでびっくりしました!」

死神「そりゃ寝てたからなぁ。それより、仕事有るんでしょ?」

やよい「なんでそれを?」

死神「そりゃあプロデューサーだしね」

「ああ、そうだな」

やよい(今、入れ替わらなかった?)

死神「だから朝ごはんを食べたら、事務所に行かないとね」

やよい「あっ、朝ごはんは……」

長介「偶にはさ、俺が作ろうかなって」

やよい「長介?」

319 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:16:11.87 4oqnmTwV0 435/462

高槻家死神『いただきまーす』

長介「ど、どうかな……」

死神「長介君、君砂糖と塩をま……」

やよい「おいしいよ、長介!」

死神「え? いやでも」

やよい「お・い・し・い・で・す!」

死神「お、おいしいです!」

長介「そ、そうかな……。えへへ……」

やよい「でも調味料を間違えないようにだけ気を付けてね」

長介「さ、さすがにそんなコントみたいなことはしないよ!」

死神(してんだよ、それが)

やよい「あっ、もうこんな時間だ! プロデューサー、行きましょう!」

死神「えっ、ちょ待てよ!」

長介「いってらっしゃーい」

321 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:20:44.23 4oqnmTwV0 436/462

やよい「行ってきまーす!!」

死神「やよいちゃん、良いの?」

やよい「え?」

死神「いや、ナチュラルにスルーしかけたけどさ、残り時間はあまりないよ? 家族に最後のお別れは……」

やよい「あっ……」

死神「もしかして忘れてた?」

やよい「はい。でも、最後のあいさつってのもなんか変かも」

死神「何で?」

やよい「私が死んでも、家族はみんな一つです! 悲しむかもそれないけど、きっとみんなすぐに立ち直っちゃいますから!」

やよい「それに、お別れを言っちゃうと、私まで寂しくなっちゃいそうだから――。メッセージにお全部託しました」

死神「そっか。君が言うなら無理強いはしないよ」

323 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:26:16.17 zlJFHMv00 437/462

残り時間 9時間56分

やよい「10時間を切っちゃいました」

死神「そうだね……」

やよい「どうしました?」

死神「いや、なんも。こっちで良いのかな、プロデューサー」

「反対ですって!」

死神「あり? そうなのじゃあ逆走……」

「道交法違反!!」

やよい「プロデューサーと死神さんでコントみたいです!!」

「頼みますよ、死神さん」

死神「わ、分かってますって!」

やよい「仲良しです」

324 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:34:25.13 zlJFHMv00 438/462

残り時間 8時間35分

スタジオ

やよい「高槻やよいと、」

伊織「水瀬伊織の!」

やよいおり『2人はやよいおり!!』

律子「なんかやよい、いつもより気合入ってますね。まるで番組が終わっちゃうから全力を出そうって感じです」

死神「ああ、例えば病に侵された人が、テレビで最後にやよいを見たとき、手抜きのやよいじゃ失礼だろ? だから、全力なんじゃない?」

律子「良い心構えですね。竜宮にも言っておこっと。誰の言葉ですか?」

死神「偉大なる我らの先輩だよ」

律子「?」

??「やよいおりー! お前たちにひとつ物申す!!」

伊織「きゃああ! こっちくんな変態!!」

??「ドーン!」

やよい「伊織ちゃん、頑張れ~!」

325 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:39:52.87 KTuVlA6t0 439/462

残り時間 6時間51分

伊織「はぁ……、なんで私が芸人紛いのことをしなきゃいけないのよ……」

やよい「おつかれさま、伊織ちゃん!」

伊織「お疲れ、やよい。さっきの収録でどっと疲れたわよ……」

やよい「肩揉んであげるね」

伊織「あぁっ……、そこ……ぃぃゎ……」

律子「マッサージ中悪いけど、伊織は次の現場よ」

伊織「うげ……、結構経ってたのね。それじゃあやよい、またね」

やよい「……」

伊織「やよい?」

やよい「う、うん! またね」

やよい(ゴメンね、伊織ちゃん……)

327 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:45:25.32 zlJFHMv00 440/462

死神「お別れはすみました?」

やよい「はい。もう会えないと思うと淋しいけど、これ以上いたら私が死に切れそうにないから……」

死神「そっか……。そうだ、お昼取りません?」

やよい「お昼ですか?」

死神「晩餐ではないけど、最後のランチってぐらいでさ。高くてもプロデューサーが払ってくれるよ」

「お前なぁ……」

やよい「え……、でも悪いです……」

「気にするなって。俺だってやよいに最良の終わりを迎えて欲しいんだ。ホントは、もっと生きていて欲しいんだけどな……」

やよい「プロデューサー……」

死神「はいっ、辛気臭い話はこの辺にして……。折角だからこの辺で一番高い店行きますか!」

「出来れば、俺の財布事情も考慮してくれよ……?」

329 : 以下、名... - 2012/05/07(月) 23:51:11.43 4oqnmTwV0 441/462

残り時間 5時間37分

死神「えーと、本当にここで良いの?」

やよい「はい、十分です!」

死神「ここって、サイ○リアじゃ……」

やよい「でも私あまり入ったことないです」

死神「そうですか……。プロデューサー?」

「やよい、本当にここで良いのか? 俺に遠慮してないか?」

やよい「してません! 私からしたらすごいごちそうです!」

「や、やよい……」

死神「残り時間もあんまりないし、ちゃちゃっと頼んじゃいましょうか!」

やよい「はい!」

333 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:06:07.19 SpyZZQvn0 442/462

残り時間 4時間23分

やよい「美味しかったです!」

死神「ふぅ、この値段でこの味だからなぁ。下界は侮れないや」

死神「さて、この後はどうしますかね……」

やよい「あっ、1つ死ぬまでにやっておきたいこと、見つけました」

死神「といいますと?」

やよい「でーと、デートしてみたいです」

死神「デートか……。よし、プロデューサーさん、出番ですよ」

やよい「え? でも、プロデューサーさんが死んじゃうんじゃ……」

死神「昨日よりかは回復しているからね。なんとかやよいちゃんの最後までは持つだろう」

「ああ、死神さんの力のおかげで、何とか持ちそうだ……」

やよい「プロデューサー! 無茶しないで……」

「大丈夫だよ。俺、小さいころから入院しても割とすぐ復帰したし。それに、俺のプロデュースは、墓に入るまで続くんだぞ?」

やよい「もう、プロデューサー……」

335 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:09:40.03 SpyZZQvn0 443/462

死神(後は頼みますよ、プロデューサー)

「頼まれたぜ」

やよい「プロデューサー、どこ行きましょう?」

「よし、色々回るか!」

やよい「はいっ!!」


やよい「たこ焼き美味しいです!」

「おいおい、口元に青のりついてるぞ?」

やよい「あっ、ホントです」

「あんまりがっつくなよ? 火傷するか熱っ!!」

やよい「プロデューサーも気を付けてくださいね」

「は、はひ……」

337 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:13:55.31 azU9/KAX0 444/462

とある撮影スタジオ

やよい「どうですかー?」

「うーん、色っぽい服なんだけどなぁ……」

やよい「?」

「素材が可愛いからあまり似合わないな。服に着られてるぞ?」

やよい「えー。じゃあこれは?」

やよい「小悪魔系か。やっぱり可愛い!」

やよい「可愛い服しか似合わないのかな……」

「ちょっと待ってろ、すみません。ここってあれ、置いてますか?」

やよい「あれ?」

「ああ、それですそれ」

やよい「それって……、」

「ああ、ウェディングドレスだ!」

341 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:21:08.64 SpyZZQvn0 445/462

「そして、花嫁には花婿がいないとな」

「つうわけで僭越ながら、俺が新郎役だ」

やよい「プロデューサーと、結婚ですか?」

「あー、嫌だったか?」

やよい「そんなことないです!」

「おっと、そう言ってくれると助かるよ。それじゃあ着替えてくれ。スタイリストさんが綺麗にしてくれるよ」

やよい「うっうー! 嬉しいです!」

「ふぅ、結婚できる年齢になる前に死んでしまうんだもんな……。もしそのまま育っていけば、すごく美人になってたんだろうな」

スタイリスト「新郎さん、準備できましたー!」

「あっ、はーい! 今いきまーす!」

343 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:27:42.91 SpyZZQvn0 446/462

「お、おう……」

死神(これはこれは……)

やよい「ど、どうですか?」

「か、可愛い……。可愛すぎるよやよい!!」

やよい「本当ですか?」

「ああ、今まで見てきた中でも最高に可愛いよ」

やよい「ぷ、プロデューサー!」

「なんだ、やよい」

やよい「私のこと、お嫁さんに貰ってくれますか?」

「……」

やよい「だ、ダメですか……?」

「こちらこそ、俺をお婿さんに貰ってくれ」

やよい「プロデューサー!!」

「その、指輪なんて洒落たものがなかったからな……。これ、さっきの店のレシートなんだけどな……」

やよい「?」

346 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:32:42.93 SpyZZQvn0 447/462

「これをこうやって丸めると……」

やよい「指輪になりました」

「ああ、なんかチープで悪いな」

やよい「安っぽくなんかないです!」

(チープの意味分かったんだ)

やよい「私、プロデューサーから貰えて、あれ? 何で泣いているんだろ……」

「や、やよい!? その、気に障ったか?」

やよい「嬉しくて泣いてるんですよ。プロデューサー」

「なんだ、やよい?」

チュッ

「え、え……」

やよい「神様ごめんなさい、誓う前にキスしちゃいました!!」

347 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:37:22.58 SpyZZQvn0 448/462

「や、やよい……」

やよい「えへへ……」

死神(甘くて見てらんないですって!)

やよい「プロデューサー、私もう満足です」

「やよい?」

やよい「アイドルのみんなには悪いけど、大好きな人と結婚できて、私幸せです」

やよい「だからもう、思い残すことはないかなーって」

「や、やよい……」

やよい「泣かないでくださいよ。何でみんな泣いちゃうんだろ……。私だって泣きたくなっちゃうよ」

やよい「幸せなのに、寂しいかな……」

残り時間 1時間21分

349 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:42:31.93 L2om6yfx0 449/462

やよい「あの……、プロデューサー」

「なんだ、やよい」

やよい「最後に……、あの丘に行きませんか?」

「あの丘、か……。星が見える時間じゃないぞ?」

やよい「良いんです。私、死ぬなら大好きな場所で、大好きな人に看取られて死にたいから」

「それは、責任重大だな……。良いのか、俺で。きっと俺はやよいが死んだら、何にも手に着かないぐらい悲しむぞ?」

やよい「大丈夫です。だって、私の大好きなプロデューサーですから」

「……そっか、分かった。行こうか、やよい」

やよい「はい」

残り時間52分

353 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:51:54.28 EAOW17Sh0 450/462

やよい「プロデューサー、寝転がりませんか?」

「よっと。いたたた……」

やよい「大丈夫ですか?」

「ああ、こっちも死神さんの力が薄まって来たのかな……、ちょっとずつ痛みが……」

死神(プロデューサー、やよいちゃんの最期を看取ったら、救急車を呼ぶんだ。プロデューサー自身も事故に遭った怪我人なんだ。
幾分か俺の力で回復したといっても、何日か入院しないといけないぞ)

「や、やよいの最期を見届けれるのなら、何日でも入院してやるよ……」

やよい「も、もう十分です! だから救急車を……」

「い、良いんだ、お前の感じた怖さに比べたら、こんなもの屁でも無いぞ!」

やよい「プロデューサー……」

「なあ、最後の時までさ……、手を繋がないか?」

やよい「……はい」

355 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 00:58:05.65 L2om6yfx0 451/462

やよい「やっぱり、プロデューサーの手、安心します」

「そうか? やよいの手だって、小さいのに体温をしっかり感じる。ずっと触れ合っていたいぐらいだよ……」

やよい「プロデューサーは、お父さんみたいに大きいです。だからかな、安心するのは……」

やよい「だからもう怖くないです。私は死んじゃうんじゃなくて、どこか皆のいない所に引っ越すだけだから……」

「そうか、なら俺もいつかは行かないとな」

やよい「でも、長生きしてきてから来てくださいよ? そうじゃなきゃ追い返します!」

「それは嫌だな……」

やよい「だから、出来れば来ないでほしいかなーって」

「ははっ、どっちだよ……」

やよい「プロデューサー……」

「なんだ?」

やよい「最後に、あれしましょう」

「あれ、か。ああ、あれをしたら俺も元気が出そうだ」

やよい「私も怖がらずに逝けます……」

356 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:04:10.45 EAOW17Sh0 452/462

やよい「立てますか?」

「ああ、何とかね……」

やよい「じゃあ、行きましょう」

やよい『ハイ、ターッチ!』

「イエイ!」

やよい「……」

「やよい?」

やよい「あり……、う……、だい……なプロ……サー」

「やよい……」

「馬鹿野郎……」

358 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:10:30.88 SpyZZQvn0 453/462

死神「すみません、○○丘なんですが……、至急お願いします! プロデューサー、体は返すよ」

「……」

死神(救急車は呼んでおきました。全く、死神が人命救助ってどういうことだか)

「……」

死神(だんまりですか。やよいちゃん、最後に君と過ごせて良かったんだと思う。そうでもなきゃ、いくら死に際でもあんなセリフ出ませんよ)

「死神さん、俺……、どうしたらいいのかな……」

死神(決まってるだろ。長生きしろ、それだけです)

死神「では、またいつかどこかで……」

「やよ……、い……」

救急隊員「お、おいあんた! 大丈夫か!? おい!!」

359 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:18:45.22 EAOW17Sh0 454/462

数十年後――

社長「それでは、今週の流行情報だ!! 流行は日々変わっていく! 常に注意して、目ざとく過ごしてくれ!」

アイドル『はいっ!』

新人アイドル「あのー、先輩」

先輩アイドル「なぁに?」

新人「どうして社長って、薬指にレシートで出来た指輪つけてるんですか?」

先輩「ああ、あれ? うーん、私もあまり知らないのよねぇ。小鳥のお婆さんなら知ってるかもしれないけど、お婆さんもあんまり話したがらないわね」

新人「謎ですね……。気になります!」

先輩「もしかしたら人に言えないことかもしれないし、そっとしておいてあげなよ?」

362 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:25:07.95 EAOW17Sh0 455/462

??「社長、今日の予定ですけど……」

社長「うむ、いつもすまないね、高槻君」

高槻「もう、私は高槻じゃ無いですよ? 中学2年の娘だっているんですから」

社長「ああ、すまないね。いつもの癖で……」

高槻「もう……」

??「こんにちわー!」

高槻「あら、弥生。どうしたの?」

弥生「えっと、社長さんいる?」

社長「うん、どうしたんだね、弥生君」

弥生「えーと……、ゴメン。お母さん少し外してもらえる?」

高槻「社長にあんまり迷惑かけないでよ?」

弥生「うん、大丈夫だよ!」

高槻「では少し外しますね」

社長「うむ、今日も助かったよ、かすみ君」

かすみ「いえいえ、失礼します」

364 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:33:09.38 azU9/KAX0 456/462

弥生「出て行ったね……」

社長「どうしたんだい、弥生君。今日はクラブがあるんじゃ……」

???「久しぶりです、プロデューサー!!」

社長「え?」

弥生「その……、言っても信じて貰えるか分からないんですけど……」

???「プロデューサー、私こういうものです――」

社長「そうか……、そうなんだな……。そろそろ社長も長介君に譲らないとな……」

???「えっと、その……。言いにくいんですけど……」

社長「分かっているよ……。どうやら私も、引っ越す時が来たみたいだ――


「おかえり、やよい」

やよい「ただいま、プロデューサー!」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

367 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:36:30.85 azU9/KAX0 457/462

「死と言うのは、怖いものです。ですが、それは新たな旅立ちであるともいえます」

「運命を変えることが出来なくても、クルクルと回る世界で、いつか会えることが出来るのですから」

「この2人がどうなったか? それは皆様のご想像にお任せします」

374 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:44:12.28 azU9/KAX0 458/462

エピローグ

「さて、今私の目の前には、15もの扉があります」

「パラレルワールド、と言えばいいでしょうか? このどれを選んでも、奇妙な運命に翻弄されます」

「ある時は、巨乳主義の変態、ある時は迷子探しの鉄人、ある時は芸能事務所の社長、ある時は偏愛主義者」

「どの扉が、どの私に繋がっているかは分かりません。もしかしたら、私がいない世界にたどり着くかもしれません」

「奇妙な世界への入り口、それはあなたの部屋のドアなのかもしれませんよ?」

「おや、まだ1つ開いていないドアがありますね。入ってみましょうか。果たして、どこへ出るのやら……」

「では、またいつかどこかでお会いしましょう」

ガチャ

??「ようこそ、765プロへ!!」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

386 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:55:12.30 EAOW17Sh0 459/462

『道案内』 三浦あずさ
『バストアップ』 如月千早
『私じゃない』(顔を盗まれた、他) 萩原雪歩
『眠れず姫』(そして、繰り返す) 星井美希
『方言禁止令』(ダジャレ禁止令) 我那覇響
『未来同窓会』(未来同窓会、他作者様、ありがとうございました) 天海春香
『プリンセス・シンドローム』 菊地真
『Noblesse oblige』 水瀬伊織
『孤高のグルメ』(ハイヌーン) 四条貴音
『心配な女』 秋月律子
『ドジリンピック2012』 天海春香
『お留守番』 音無小鳥
『暴露コロシアム』 双海亜美、双海真美
『社長アイドル』 高木順二郎、黒井崇男
『24時間』 高槻やよい
ストーリーテラー P

387 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 01:58:46.02 EAOW17Sh0 460/462

これで世にも奇妙なアイドルマスターをすべて終わらせました。キャラによって出来不出来が激しかったり、手抜きが有ったりと非常に申し訳ございませんでした。
数日にわたって何度もスレを立て、ようやく制覇しました。今まで見てくださった方々、支援、保守してくださった方、
未来同窓会の作者の方、お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
また世にものシーズンになれば、876とかも書いてみたいと思っています。
では、またいつかどこかで。

391 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 02:05:10.08 E7DNSeIN0 461/462

このスレじゃないけど伊織「昨日公園」とかもあったな



伊織「昨日公園」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/2554080.html

393 : 以下、名... - 2012/05/08(火) 02:08:24.81 L2om6yfx0 462/462

>>391 実はそれも1だったり。オチまで同じだったから、いっそのこと開き直って自分で世にものSSを作ってみた。
昨日公園から読んでくださった方も、長い間付き合っていただきありがとうございます。

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