1 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:35:31.32 /2NjvOHV0 1/27



前作
池袋晶葉「世のため人のため雪美のためペロのため」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/2683386.html



橘ありす「タクシーフレデリカ?」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/1726908.html
シリーズのありすとフレデリカも出てきます




元スレ
池袋晶葉「世のため人のため雪美のためフレデリカのため」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463279731/

2 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:36:05.85 /2NjvOHV0 2/27


―――――プロダクション内・晶葉ラボ―――――


池袋晶葉(さて……今日は何をするかな……)

ピピピピピピピピ

晶葉「ん? 電話か」

晶葉「もしもし」

宮本フレデリカ『あ! もしもしー! アキハちゃん? フレだよフレ! フレフレ!』

晶葉「オレオレ詐欺みたいになってるぞ!?」

フレデリカ『これを聞いているということは、フレちゃんはもうスタバにはいないのでしょう……』

晶葉「こっちはそもそもフレデリカがスタバにいた事を知らないからな」

フレデリカ『1コール目で出たってことは、何をするわけでもなく椅子に座って、「さて……今日は何をするかな……」とか考えてたのかな!』

晶葉「カメラでもついてるのか!?」キョロキョロ



3 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:36:46.15 /2NjvOHV0 3/27


晶葉「それより、どうして電話してきたんだ? まあ雑談くらいなら付き合うが……」

フレデリカ『そんなヒマやあらへん』

晶葉「切るぞ」

フレデリカ『あ~! まって~! マイケルだよ~!』

晶葉「それを言うならジョーダンだろう!? なんでマイケル・ジョーダンのマイケルの方を引用してきたんだ!!!」

フレデリカ『ここでお便りが届いております! 「ツッコミが上手すぎて逆に引く」 』

晶葉「なぜ貶されなきゃいけないんだ!!!」



5 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:37:35.16 /2NjvOHV0 4/27


晶葉「とりあえず目的を説明してくれ……」

フレデリカ『あれは……、フレちゃんがまだ自由人と呼ばれていた時代……』

晶葉「今でもそうだろう」

フレデリカ『ええ!? マイケルでしょ!?』

晶葉「“ジョーダンでしょ!?”のニュアンスで普通に使うんじゃない! その流れはもう終わっただろ!」

フレデリカ『目覚まし時計が欲しい!』

晶葉「急に本題に!?」



6 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:38:20.38 /2NjvOHV0 5/27


晶葉「ど、どういうことなんだ?」

フレデリカ『フレちゃんねー……、この前、仮眠室でつい寝すぎちゃって、レッスンに危うく遅刻しちゃうとこだったの……』ショボーン

晶葉「それは……、まあ、大変だったな……」

フレデリカ『だから、アキハちゃんなら、起きられる目覚ましを作れるかなーって! お願い!』

晶葉(フレデリカもちゃんと反省するんだな……失礼だが)

晶葉「わかった、作ろうじゃないか」

フレデリカ『ホント!? やったー! これで遅刻しても「いえ、アキハちゃんの目覚ましのせいです」って言えるね!』

晶葉「お前ホントなんなんだ!!!」



7 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:39:10.54 /2NjvOHV0 6/27


晶葉「まったく……。といっても、現実的な改良としては、音を変えるくらいだな」

フレデリカ『ふむふむ!』

晶葉「この音・声なら起きれるっていうのはあるのか?」

フレデリカ『ありすちゃん!』

晶葉「……は?」

フレデリカ『ありすちゃんの声が聞こえると、「はっ! 起きて遊ばなきゃ!」ってなるの!』

晶葉「レッスン行ってくれ頼むから」



8 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:40:10.62 /2NjvOHV0 7/27


晶葉「わかった、じゃあありすに頼むとするよ。何かセリフは決まってるのか?」

フレデリカ『もちろん! でも、クチで言って伝えるとミスっちゃうかもだから、メモに書いたよ!』

晶葉「それが確実だな。取りに行こうか?」

フレデリカ『ううん! もう、メモはそっちに向かってるよ!』

晶葉「え? こっちに来ながら電話してるのか?」

フレデリカ『違うよー! フレちゃんはこれからお仕事なの! じゃ、よろしくしるぶぷれ~♪』

ピッ

晶葉「……」

晶葉「どういうことだ……?」

佐城雪美「どういう……こと……?」

晶葉「うーん……」

雪美「うーん……」

晶葉「……」


晶葉「……ってうわぁぁぁぁ!!! ゆ、雪美!!??」



9 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:41:14.21 /2NjvOHV0 8/27


雪美「こんばんは……」

晶葉「朝10時だが」

雪美「晶葉……ナイスリアクション……」

晶葉「寿命が犠牲になってるんだがな?」

雪美「メモが……運んで……フレデリカで……頼まれた……セリフが書いてある……来た……」

晶葉「文章力ゼロか」



10 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:42:21.42 /2NjvOHV0 9/27


晶葉「なるほど。雪美が持ってくるって意味だったのか」

雪美「そう……」

晶葉「じゃ、早速だが見せてくれ」

雪美「魔法カード発動……! 『手札抹殺』……!」ビリビリビリ

晶葉「なぜ!!!???」



11 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:42:55.94 /2NjvOHV0 10/27


晶葉「な、何をしてるんだ!? 大事なメモが!!!」

雪美「大丈夫……、今のはただの紙……。本物はこっち……」ペラッ

晶葉「単純に心臓に悪い!!!」

雪美「以上……、今日のサジョークでした……」

晶葉「毎回言うけどそれホントやめてくれ……」



12 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:43:40.16 /2NjvOHV0 11/27


晶葉「まあいい……、録音機材を用意するから、ありすを呼んできてもらえるか?」

雪美「合点承知の助」

晶葉「そういうのどこで覚えてくるんだ」

雪美「菜々が……この前……」

晶葉「わーー!!!! もういい!!! やめてやれ!!!!」



13 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:44:12.14 /2NjvOHV0 12/27


~数分後~


ガチャ
橘ありす「お邪魔します……」

晶葉「お、よく来てくれた。そこに座ってくれ」

ありす「は、はい……」

晶葉「……? なんか元気ないな? 雪美、ちゃんと説明したのか?」

雪美「もちろん……!」

晶葉「ならいいが……」

ありす「それで……私の病名は……」

晶葉「おい雪美!!!!! 伝わってないどころの騒ぎじゃないじゃないか!!!」



14 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:44:56.18 /2NjvOHV0 13/27


ありす「え?」

晶葉「ちなみになんて言われたんだ?」

ありす「晶葉さんの発明で、私の身に潜む重大な病が見つかったと……」

晶葉「雪美!!!!!」

雪美「サジョーク……」

晶葉「本日分はさっき使ったんじゃないのか!?」

雪美「別のアイドルには……ノーカン……」

晶葉「なんでもありか!!!」



15 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:45:47.43 /2NjvOHV0 14/27


ありす「え? え? 嘘なんですか?」

晶葉「決まってるだろう」

ありす「ちょっと雪美さん!! タチ悪いですよ!」

雪美「説明責任を……果たして……参りたい……」

ありす「無能な政治家の常套句みたいになってるじゃないですか!!」



16 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:46:42.82 /2NjvOHV0 15/27


ありす「で、本当はどういう理由で?」

晶葉「それがだな……」


~説明中~


橘ありすのウワサ
:フランスに行ったら過労死する気がしているらしい


ありす「デレステのローディング時間じゃないんですから!!!」

晶葉「フランス人がみんなあれではないからな?」



17 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:47:28.55 /2NjvOHV0 16/27


~説明終了~


ありす「いや……事情は分かりましたけど……」

晶葉「すまないが協力してくれ……。ありすも、フレデリカが遅刻するのを見たくはないだろう?」

ありす「まあ、そうですけど……」

晶葉「じゃあ早速……。あ、私は結局メモを見てないな。雪美、ありすに教えてやってくれ」

雪美「わかった……」

晶葉「このマイクに向かって頼む」

ありす「はい。まずは何と言えば?」

雪美『ドンペリはいりまーす!』

ありす「絶対ウソでしょう!!!」



18 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:48:02.38 /2NjvOHV0 17/27


雪美「見間違えた……」

ありす「どうしたらそんなホストクラブみたいな音声に」

晶葉「ちゃんと読んでくれ……」

雪美『朝ですよ』

ありす「朝ですよ!」

雪美『起きてください』

ありす「起きてください!」

雪美『……え? あと5分?』

ありす「……え? あと5分?」

雪美『しょうがないですね……』

ありす「しょうがないですね……」

雪美『……』

ありす「……」

雪美『……』

ありす「……」

晶葉「起こせよ!!!!! 諦めるなよ!!!!!」



19 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:48:49.37 /2NjvOHV0 18/27


雪美『起きなきゃダメですよ』

ありす「起きなきゃダメですよ!」

雪美『遅刻しちゃいます』

ありす「遅刻しちゃいます!」

雪美『……え? 一緒に……?』

ありす「……え? 一緒に……?」

雪美『し、しょうがないですね……』///

ありす「し、しょうがないですね……」///

雪美『ZZZ……』

ありす「ZZZ……」

晶葉「寝るなぁぁぁぁぁ!!!!!!」



20 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:49:38.62 /2NjvOHV0 19/27


ありす「ち、ちょっと! もはや睡眠導入音声じゃないですか!」

雪美「ある意味……売れそう……」

ありす「そもそも売るために録音してません!」

晶葉(そもそものフレデリカの指示がこれなのか、雪美がふざけてるだけなのか判断できないのが恐ろしいな……)



21 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:50:07.83 /2NjvOHV0 20/27


雪美「そろそろ……、終わり……」

晶葉「ちゃんと読んでくれよ……」

ありす「引き受けるんじゃなかった……」


雪美『フレデリカさん、大好き!』

ありす「え゛え゛ぇ゛ぇ゛!?」

雪美「あれ……? 言わないの……?」

ありす「え、いや、ちょっと……流石に……」

雪美「わかった……、フレデリカには……『ありすはフレデリカが嫌いだから、このセリフだけは断固拒否した』って……伝える……」

ありす「追い詰め方に悪意しかないですよね!?」

雪美「どうする……?」

ありす「……」


ありす「フレデリカさん……大好き……です」///

晶葉(拷問か)



22 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:50:46.13 /2NjvOHV0 21/27


雪美「とりあえずは……終わり……」

晶葉「お、お疲れ、ありす」

ありす「恥ずかしい……」

晶葉「では、音声ファイルをまとめて、時計を作るかな」

ありす「……」

雪美「?」

晶葉「どうかしたか?」

ありす「1つだけ……、音声を追加してもいいですか……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

晶葉「も、もももももちろんいいぞ! (怖っ!!!)」

ありす「極稀に出るようにしといてくださいね……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

晶葉「あ、ああ、わかった……」



23 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:51:40.59 /2NjvOHV0 22/27


―――――後日・休憩室―――――

フレデリカ「さーって! アキハちゃんが作ってくれた目覚まし! 早速使ってみよーっと!」

フレデリカ「これで遅刻知らずのパーフェクトフレデリカだね♪」

フレデリカ「1時間後にセットして……」

フレデリカ「おやすみー!」


~1時間後~


フレデリカ(ちょっと……眠りが……浅かったかなー……?)

フレデリカ(そろそろ……鳴る……時間……?)

フレデリカ(どの……セリフ……かなー……?)

目覚まし『ピピピ』

フレデリカ(きたー……)


ありす『宮本さん、二度と私に話しかけないでください』


フレデリカ「!?!?!?!?」バッ!!!!!!!!



24 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:52:14.80 /2NjvOHV0 23/27


―――――晶葉ラボ―――――


ダダダダダダ
ガチャ!!!!!!
フレデリカ「晶葉ちゃん!!!!!」

晶葉「うおおお!? なんだいきなり!!」

ありす「騒々しいですね……」

雪美「どうか……した……?」

フレデリカ「あ! ありすちゃんとユキミちゃん! 元気~?♪」

フレデリカ「……じゃなくて!!! あんな音声は頼んでないよー!!!」

晶葉「あんな音声……って、もう引いたのか!? あれ1%以下だぞ!?」

フレデリカ「あんな音声があるって思ったらフレちゃん8時間しか眠れないよ!!!」

晶葉「健康」



25 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:52:47.52 /2NjvOHV0 24/27


フレデリカ「お願い!!! あれ消して!!!」

晶葉「……だ、そうだが」

ありす「でも目は覚めたんじゃないですか?」

フレデリカ「心拍数エグイことになっちゃうよ! ショック死まで見えたからね!? 三途の川の向こうで加蓮ちゃんが手を振ってたからね!?」

晶葉「加蓮は死んでない!!!」

ありす「ま、いいお灸にはなりましたかね……」

晶葉「じゃあ、消しといてあげるか」

フレデリカ「よかったー……」ホッ…

フレデリカ(やっぱり“大好き”は調子に乗っちゃったかなー……)

雪美「……」



26 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:53:22.09 /2NjvOHV0 25/27


フレデリカ「じゃあ、フレちゃんは失礼するねー!」ガチャ


晶葉「……ちょっとかわいそうじゃないか?」

ありす「……」

ありす「……いい薬ですよ」

晶葉「まあいいが……。あれ? 雪美は?」

ありす「あ、あれ?」


―――――廊下―――――

フレデリカ「……」トコトコ

雪美「フレデリカ……!」トコトコ

フレデリカ「あ! ユキミちゃん! どうかした? なにか忘れ物でもあったー?」

雪美「……」

フレデリカ「?」

雪美「ありすは……照れてるだけ……」

フレデリカ「え?」

雪美「元気……出して……」

フレデリカ「ゆ、ユキミちゃん……」

雪美「ね……?」

フレデリカ「ありがと!」ギュッ

雪美「! ふふっ……、2人が仲悪いと……寂しい……から……」



ありす「……」

晶葉「“照れてません!”って訂正しに行かなくていいのか?」フフッ

ありす「言わせておけばいいんです」

晶葉「そうか、優しいな」

ありす「晶葉さんまで……。もう……」



27 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:54:30.13 /2NjvOHV0 26/27



フレデリカ「ありすちゃんはツッコミ上手で優しいからすごいんだよ!」

雪美「晶葉も……ツッコミ……上手いし……優しい……」

フレデリカ「ああん!?」

雪美「なにみてんだこらー……!」


晶葉「なぜこの流れで険悪になるんだ!!!!」



おわり



28 : ◆i/Ay6sgovU - 2016/05/15 11:54:58.66 /2NjvOHV0 27/27




過去作



橘ありす「帰ってきたタクシーフレデリカ?」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/2870727.html

神谷奈緒「憎めない常務と五月病」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/2973461.html

島村卯月「背伸びと立ち位置」(シリアス系)
http://ayame2nd.blog.jp/archives/3044171.html

智絵里「ほたるちゃんが」朋「風邪を引いた!?」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/3156510.html



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