1 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:02:17.25 s+L/SVO/0 1/18

前の
朋「まゆちゃんと」まゆ「朋さんと」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465471200/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/3817063.html

続き物ですが、以前のを読まなくても大丈夫だと思います

まゆとふじともが仲良いです

元スレ
朋「あたしとまゆちゃんと梅雨」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466701336/

2 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:03:18.30 s+L/SVO/0 2/18

「……」

「今日のレッスンは普通……というかちょっと失敗しちゃったし」

「……外、雨降ってる」

「……」

(事務所に来るまでは雨降ってなかったから大丈夫かなって思ってたんだけど)

(今日占いはいい結果だったのに……)

「……あたし、今日の運勢良かったはずなんだけどなぁ」

「……」

「……どうしよ」

(……誰かの置き傘でも借りて――)

(――いや、今雨降ってるんだから、そんなのダメよね)

(その誰かが使うはずだし……)

(……あー)

「……」

「……ま、考えても仕方ないわよね」

「とりあえず、プロデューサーのとこに戻ろ」

「……」

「……あら?」

「まゆちゃんから連絡……あ、結構前に」

「……」

「『今日、傘持って行きましたか……?』」

「……」

3 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:04:51.61 s+L/SVO/0 3/18

『遅くなってごめん、レッスンしてて見れなかった!』

『あたし今日傘持ってくの忘れたのよね』

まゆ『あ、やっぱり……』

『やっぱりって何よ!』

まゆ『いえ、なんとなく……持っていっていないだろうなぁって』

まゆ『朝は雨降ってませんでしたし』

『……まあ、まゆちゃんの予想通りなんだけどね』

『朝降ってないし、運勢も良かったし大丈夫かなって思ったんだけど』

『外見たらすっごい降ってるじゃない!』

まゆ『そうですねぇ……どしゃぶりってほどではないですけど……』

まゆ『しとしと雨でもなくて……それなりに強い雨ですねぇ』

『……そうよね』

『ちょっと走って寮に帰るには辛いし……』

『あたし、どうしよ』

まゆ『うふふ、大丈夫ですよ』

まゆ『まゆが持ってきてますから』

『え?』

『持ってきてる?』

まゆ『はい』

まゆ『事務所で待ってます♪』

「……」

「……え、本当に?」

4 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:06:00.00 s+L/SVO/0 4/18

「レッスン終わりましたー」ガチャ

モバP「ん、お疲れ」

まゆ「お疲れ様です、うふ」

「わっ、本当にいる……」

まゆ「……」

「あ、ごめん……なんか驚いちゃって」

まゆ「もう……」

モバP「朋、ちょっといいか?」

「あ、うん!」

「ごめん、まゆちゃん、ちょっと待っててね」

まゆ「……はい」

「何、プロデューサー?」

モバP「ああ、今日の調子とか今後のスケジュールについてなんだが――」

5 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:06:30.05 s+L/SVO/0 5/18

モバP「――っとこんな感じだ」

「ん、了解!」

「じゃ、あたしまゆちゃんのところ戻るわね」

モバP「わかった」

「……」

「……ふぅ」

「お待たせ、まゆちゃん!」

まゆ「あ、お帰りなさい」

まゆ「お話は終わりましたかぁ?」

「ええ、バッチリ」

「後はもう自由よ」

まゆ「うふふ……」

「……で、まゆちゃん」

まゆ「はい」

「傘、本当に持ってきてくれたの?」

まゆ「ええ……ほら、あそこの傘立てに」

「ん、どれ?」

まゆ「一番端のやつです」

「ああ、あれね」

「……ありがと、まゆちゃん」

まゆ「いえいえ」

6 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:07:30.90 s+L/SVO/0 6/18

まゆ「朋さんならきっと持っていってないって思ったので」

まゆ「届けに来て正解でした」

「……なんなのかしら、その妙な信頼」

「いや、あたしのことわかってくれてるってことだから嬉しいんだけどさ……」

まゆ「うふふ」

まゆ「朋さんといろいろありましたから」

まゆ「人一倍朋さんのことはわかってるつもりです」

「……そっか」

「あたしも、まゆちゃんのことは人一倍わかってるつもりよ」

まゆ「本当ですかぁ?」

「ええ、もちろん」

「まゆちゃんだけの一方通行なわけないじゃない」

まゆ「ふふ、嬉しい……♪」

「たとえば……そうね」

「まゆちゃん、特に用事ないのにここに来たでしょ?」

まゆ「いえ、傘を届けるっていう立派な用事が――」

「――いや、それを除いてってことよ」

「あたしのために届けにきてくれたんでしょ?」

まゆ「……そうですね」

8 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:09:45.04 s+L/SVO/0 7/18

まゆ「朋さんが困ってるかも……と思ったら……」

まゆ「つい、行動しちゃってました」

「……本当ありがとね、まゆちゃん」

「ちょっと照れるけど……あたしすっごく嬉しい!」

まゆ「いえいえ……うふふ」

「お礼にあたしが何か買ってあげる!」

まゆ「……えっ?」

まゆ「別に、大丈夫ですよ……?」

「いや、さすがにこんなことさせておいて、何もお礼しないなんて無理だし」

まゆ「いえ、まゆが好きでやっただけですから……」

「それでもよ!」

「帰り道、コンビニにでもよっていきましょう!」

まゆ「……わかりました」

まゆ「ありがとうございます、朋さん」

「お礼を言うのはこっちのほうだってば、ふふっ」

「……さて、それじゃ帰りましょっか」

まゆ「はい」

9 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:10:37.86 s+L/SVO/0 8/18

「……わー」

「雨脚やんでないわね……」

まゆ「そうですね……さっき来たときと同じくらい……」

「じゃ、ありがたく借りるわね」

「よいしょっと……ふふっ、これで濡れずに帰れるわ!」

「……上半身は」

まゆ「傘さしても下半身は濡れますからねぇ」

「レインコートでも着ればまた別なんだろうけど……」

「まあ、持ってないしね」

まゆ「そうですね……」

「……あれ、まゆちゃん、傘は?」

「もしかして、事務所においてきちゃった?」

まゆ「いえ、まゆは折り畳み傘です」

まゆ「ほら」

「あ、本当……」

まゆ「よいしょ……っと」

まゆ「うふふ、これで二人とも濡れずに帰れますね」

「ええ」

「じゃ、行きましょ」

11 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:12:06.63 s+L/SVO/0 9/18

まゆ「……」

「……まゆちゃんの傘、ちょっとちっちゃくない?」

まゆ「えっ……そうでしたか?」

まゆ「……ごめんなさい」

「あ、ううん、こっちじゃなくて!」

「その、折り畳み傘のほう」

まゆ「あ、この傘のことですか……」

まゆ「……まあ、その傘よりは小さいですけど」

まゆ「でも大丈夫ですよ?」

「そう?」

まゆ「はい」

「ふーん……そっか」

「……」

「……ね、この二つを重ね合わせたら雨を防げる範囲広がらないかしら?」

まゆ「……重ねても、重なった部分は水滴がたれてきますから……」

「……むしろ濡れる範囲増えるわね」

「じゃあ、これはだめかー……」

まゆ「別にこのままでも大丈夫だと思いますよ?」

まゆ「無理に雨を防ごうとしたらもっと大変なことになりそうですし」

「確かにそうね……」

12 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:16:45.59 s+L/SVO/0 10/18

「あーあ……雨って憂鬱よねー」

まゆ「……まゆは嫌いではないんですけどね」

「そうなの?」

まゆ「はい……なんて言うんでしょう」

まゆ「しっとりとした雨が降ってるときの……空間……?」

まゆ「それはすごい好きなんです」

「そうなんだ……」

「でも、ちょっとわかるかも」

「パワースポットめぐってるときなんか、霧雨が降ってるからこそが風情があるし、効力の強そうな場所もあるのよね」

「そういう場所だったら雨降っててもちょっとはいいかなって思えるわ」

まゆ「きっとそんな感じだと思います……まゆはその範囲が広いんでしょうけど……うふ」

まゆ「……もっとも、こんな強い雨は苦手ですけどね」

「……まあ、そうよね」

まゆ「朋さんは?」

「さっきも言ったけど……雨ってちょっと憂鬱になっちゃうし……」

「あたしはやっぱり晴れが好きね!」

まゆ「うふ、朋さんらしいですね」

「『あーしたてんきになーれっ!』って毎日占ってたくらい!」

まゆ「それって好きの指標になるんでしょうか……?」

「ちなみに5割くらいの確立で当たってたわ!」

まゆ「へぇ……それはすごい……すごい?」

「……他の人のはどのくらいか検証してないからすごいかわかんないけど」

まゆ「……」

「……」

13 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:19:34.41 s+L/SVO/0 11/18

まゆ「あら、あんなところにアジサイ……」

「ん……あ、本当だ」

「ちょっと見てみる?」

まゆ「そうですね……ちょっとだけ……」

「……」

まゆ「……」

まゆ「……アジサイ、かわいいですね」

「そうねー……」

「……」

まゆ「……どうしたんですか?」

「……いや、なんでも――」

「――ううん……見て、この二つ」

「こっちが赤色で」

「こっちが紫色」

「……あたしたちみたいね」

「……って、ちょっと思っちゃった」

まゆ「……」

「……あー」

「やばっ……やっぱ、言わなきゃ良かったかも」

「変なこと言っちゃった……恥ずかしい……」

まゆ「変なんかじゃないですよ」

まゆ「素敵です……本当に……うふ」

「……そう言ってくれると嬉しいわ」

「恥ずかしさは消えないけど……」

まゆ「うふふ」

まゆ「……せっかくですから、写真も撮っちゃいましょう」

「あ、じゃあ傘もつわ」

まゆ「ありがとうございます……後で朋さんにも送りますねぇ」

「ん、ありがとね……ふふっ」

19 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:24:42.84 s+L/SVO/0 12/18

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ただいまー!」

「ふぅ……なんとか帰ってこれたわ」

「ありがとね、まゆちゃん」

まゆ「いえ……あ、お邪魔します」

まゆ「……」

まゆ「あの……まゆ、ちょっと濡れてますけど大丈夫ですか?」

「ぜんぜん大丈夫よ、あたしだって濡れてるんだし」

「こっち来て座って、買ったの食べましょ!」

「ささ、どうぞどうぞ」

まゆ「どうもどうも……なんて……うふふ、ありがとうございます」

「ふふ、どういたしまして」

「……さて」

「ええっと……この飲み物はまゆちゃんので、こっちがあたしので……もうコップとかはいらないわよね」

「買ったのもクッキーだけだし……うん、これで準備万端」

「それじゃ……」

「……乾杯する?」

まゆ「別にパーティでもないので、いらないと思いますけど……」

「……そうよね」

「じゃ、この辺の袋開けちゃうから、自由に食べてね」

まゆ「はーい♪」

15 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:20:47.17 s+L/SVO/0 13/18

「……でも、今日は本当まゆちゃんがいてくれて助かったわ」

「あたしあのままだったら事務所に閉じ込められてたかも」

まゆ「それは大げさだと思いますけど……」

「でも、やむ気配なかったじゃない?」

まゆ「……まあ、そうですね」

「だから、もしかしたら……雨がやむまであたしは事務所から出ることができず――」

「あたしが外に出たのは翌日のお昼だった――なんてことも!」

まゆ「ふふ……それは大変ですね」

まゆ「お腹が空いちゃいそうです」

「うん……最初は、かばんの中にたまたま入ってたおやつを食べてなんとか凌ぐんだけど」

「深夜になるころにはもう何もなくって……でもお腹も減っていって」

「何かほしい……何かほしい……って事務所をさまよい歩いて……」

「見つけたのが……」

まゆ「……ごくり」

「ちひろさんのクッキーだった!」

まゆ「あっ!」

「食べたいという欲求……でも食べたら怒られるという葛藤……!」

「どうしよう……どうしよう……あたしの中で答えがでず、座って、じっと考えて……」

「……いつの間にか、日の光が窓から差し込んでて……あ、雨やんだ!……って言って、外に出て家に帰って……おしまい、みたいな!」

まゆ「……ふ」

「……自分で話しておいてなんだけど、何これ?」

まゆ「ふふっ……!」

まゆ「本当になんですかこれ……うふふっ!」

「ね、なんだろうねこれ……ふふっ!」

16 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:21:46.98 s+L/SVO/0 14/18

まゆ「ちひろさんのおやつ見て、深夜からお昼になるまで葛藤してた……って……ふふっ」

「というか、そんなにお腹空いて困ってるなら、ちょっと我慢して外に出て買いに言ってくればいいのにね!」

まゆ「そもそも、事務所のみんなは朋さんが帰れないのを放置して帰ってったんでしょうか……」

「うわっ、ひどっ!」

「あたしの扱いどんなことになってんのよ!」

まゆ「さあ……?」

まゆ「事務所で買ってるペットだったり……?」

「わんっ!」

まゆ「あら、朋わんちゃんかわいい♪」

「わんわん……なんちゃって、ふふっ」

まゆ「うふふ」

「あたしが犬ならまゆちゃんは何だろうね?」

まゆ「何だと思いますか?」

「うーん……」

「……雉?」

まゆ「き、雉……!?」

まゆ「……」

まゆ「け、ケーン!」

まゆ「……って、どうやればいいかわからないんですけど……」

「ふふっ、冗談よ」

まゆ「むぅ……」

「まゆちゃんなら……まゆちゃんも犬じゃない?」

まゆ「わん♪」

「わん♪」

まゆ「……うふふっ」

「ふふっ、何これ?」

まゆ「何でしょうね……うふふっ♪」

17 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:22:20.23 s+L/SVO/0 15/18

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「んくっ……ぷはぁ」

「あ……ジュースなくなっちゃった」

まゆ「結構いっぱい話してましたからねぇ」

「そうね……ほとんどくだらない話だったけど」

まゆ「まあ、そんなもので――」

まゆ「――あ、見て下さい……!」

「ん?」

「……あっ、晴れてきた!」

まゆ「はい……!」

まゆ「……いつのまにやんでたんでしょう?」

「ぜんぜん気づかなかったわね」

「まゆちゃんとのお話楽しくって」

まゆ「ふふ、まゆもです♪」

まゆ「……でも、こうして晴れるなら……まゆ、傘持ってかなくてもよかったかも」

「ううん、そんなことないわよ」

「ほら……この写真、忘れちゃった?」

まゆ「あ……帰り道のアジサイ……」

「まゆちゃんと帰らなきゃこれも見つからなかったかも」

まゆ「そうですね……うふ」

まゆ「朋さんが一緒じゃなきゃ、これがまゆたち二人に似てるだなんて――」

「――それ恥ずかしいからやめてほしいんだけど」

まゆ「こっちがまゆで、こっちが朋さんですよね?」

「やーめーてー!」

まゆ「うふふ」

18 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:22:47.79 s+L/SVO/0 16/18

「……それ以外にも、楽しいことたくさんあったし」

「ありがとね、まゆちゃん……傘届けてくれて」

まゆ「まゆこそ、お菓子買ってもらっちゃって」

「あたしこそ」

まゆ「まゆこそ」

「……ふふっ」

まゆ「……うふふ」

「……あ!」

「見て、まゆちゃん、虹!」

まゆ「えっ……あ、本当!」

まゆ「すごい……きれいですねぇ……!」

「ね!」

「あたし久しぶりに見たかも……!」

まゆ「まゆはこの前ロケに行ったときに見ましたよぉ」

「え、本当!?」

まゆ「本当です……ほら、写真」

「あ、本当だ……ちょっとうらやましいかも」

まゆ「うふふ」

まゆ「……ボーっとしてるとあの虹も消えちゃう」

まゆ「写真に撮っておかないと……♪」

「あ、そうね、あたしも!」

(……今日、占い外れちゃったかなーって思ったけど)

(楽しいことたくさんあったし)

(やっぱり、今日の運勢はバッチリだったわね!)






おしまい

20 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:27:04.47 s+L/SVO/0 17/18

ふじともに紫色のイメージがついてるのは、私がフォーチュン★スターのふじともが好きだからです

今後もこんな感じでふじともとまゆが仲良くしてくと思います

誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。読んでくださった方ありがとうございました

21 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/06/24 02:27:46.39 s+L/SVO/0 18/18

最近書いたの
ありす「フレデリカさんが小さくなりました」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466357323/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/4073426.html

小梅「あの子がいなくなった」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466248507/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/4046659.html

まゆ「プロデューサーさんの車……」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465991082/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/3971848.html

モバP「藍神ィ……お前らホント可愛いなァ……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465804990/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/3911112.html


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