1 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:18:25.35 tZXqnBnM0 1/42

前の
朋「まゆちゃんとユニットを組むかもしれない」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461766783/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/2796548.html

元スレ
まゆ「朋さんとユニットを組みました」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463933905/

2 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:19:01.29 tZXqnBnM0 2/42

『好き……!』

『あたし、貴方のことが大好きなの!』

『……貴方が、あの子と付き合ってるのは知ってるけど……』

『それでも……それでも……っ!』

『……』

『……ねぇ』

『あたし、貴方のことが好きなの』

『だから』

『あたしと付き合って……!』

『……』

『……』

『そっか……』

『……っく』

『ごめんね……変なこと言っちゃって』

『……』

『……ひっく』

『ぐすっ……っ、もう行くね……っ!』

3 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:19:31.83 tZXqnBnM0 3/42

まゆ「おぉ……」

「……」

まゆ「……」

まゆ「……朋さん、すごくいい演技です」

「そ、そう?」

「……あたしは……ちょっと恥ずかしいんだけど」

「こんな演技してたんだ……って、なんか……うん」

「……恥ずかしい」

まゆ「別に恥ずかしがるような演技じゃないと思いますけどねぇ」

「や、そういうんじゃないのよね……いや、それもあるんだけど」

「でも何よりも……自分の姿をテレビで見るのにまだ慣れてなくて」

「あ、こんな風に見えてたんだ……ってわかると、少し恥ずかしくなるわ」

「それとテレビに出てるところを見られるのもちょっと恥ずかしい……」

「……今、まゆちゃんしかいないわよね?」

まゆ「これを見てるのはまゆだけですねぇ」

まゆ「……でも、テレビで放送されたんですから、色々な人がこれを見ますよ?」

「そうなんだけど……なんていうか」

「知らない人よりも身近な人たちに見られた方が、恥ずかしくならない?」

まゆ「……まあ」

まゆ「確かに、まゆだって少し恥ずかしい気持ちはあります」

まゆ「……というより、きっとみんなどこかにそういう気持ちは隠れていると思います」

「……ありがと」

まゆ「お礼を言われることじゃないですよ、うふ」

4 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:19:57.74 tZXqnBnM0 4/42

まゆ「……それにしても、やっぱりいい演技だと思います」

「……褒め殺しかしら?」

まゆ「いえ、本当に」

まゆ「参考にしたいくらいです」

「……そんなに?」

まゆ「そんなにです」

まゆ「ここまで感情をこめてできるのは……本当にすごいなって」

「……」

「まあ、今のあたしの状況に似てたし」

「そりゃ、感情も入るわよね」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……朋さん」

「ん?」

まゆ「……」

まゆ「……いえ、やっぱりなんでもないです」

「ん、そっか」

まゆ「……」

「……さて、そろそろレッスンの時間ね」

「まゆちゃんは?」

まゆ「まゆもレッスンです」

まゆ「……一緒にじゃないのが、少し残念ですけど」

「そうね、ふふっ」

「じゃ、途中まで一緒に行きましょうか?」

まゆ「はい」

5 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:20:45.40 tZXqnBnM0 5/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


トレーナー「それじゃあ、今日のレッスンはここまでです」

トレーナー「お疲れ様でした」

まゆ「お疲れ様でした……ふぅ」

まゆ「……んーっ」

まゆ「はぁっ……」

まゆ(……やっぱり、ダンスは慣れませんねぇ)

まゆ(あまり、運動神経もよくはないですし)

まゆ(……でも、頑張らなきゃ)

まゆ(頑張って……)

まゆ(頑張って……)

まゆ(……)

まゆ(……)

まゆ(……あ)

まゆ(そうだ、朋さんのレッスンは終わったんでしょうか?)

まゆ(……)

まゆ(……会いに行ってみよう)

まゆ「……」ガチャ

「あ、まゆちゃん」

まゆ「えっ、朋さん……!?」

「お疲れ様、これ飲む?」

まゆ「あ……はい、ありがとうございます」

「いえいえ」

6 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:21:11.33 tZXqnBnM0 6/42

まゆ「……ずっとドアの前で待ってたんですか?」

「ううん、あたしもさっき終わったばっかり」

「で、せっかくだからまゆちゃんを待ってみようかなって」

「ドアの前で飲み物買って、待ってたの」

まゆ「そうですか」

まゆ「……」

まゆ「……もし、終わるのにもっと時間かかってたらどうしたんですか?」

「あー……」

「……あまり考えてなかったわ」

まゆ「えぇ……」

「そういえばそうね……別にレッスンがいつまでとかも聞いてなかったし……」

「すぐ終わると思って、飲み物も買ってたけど……もし長引いてたらどうしてたのかしら」

「うーん……」

「……」

「途中で帰るのも引っ込みがつかないし、ずっと待ってたかも」

まゆ「……うふ」

「な、何?」

まゆ「いえ、きっとまゆもそうしただろうな……って」

まゆ「実は、まゆも朋さんのところに向かおうとしてたんです」

「あ、そうなんだ」

まゆ「ええ」

まゆ「やっぱり似たもの同士ですね、ふふっ」

「ふふ、そうみたいね」

「だからこそ、ユニットを組むことになるかもしれないんだし」

7 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:21:38.63 tZXqnBnM0 7/42

まゆ「……」

まゆ「……まだ、かもなんですよねぇ」

「そうね」

「一応、あたしたちの考えたユニット名も伝えたけど……」

「プロデューサーからは何もないわね」

まゆ「はい……」

まゆ「……」

「……楽しみにしてるのにね」

まゆ「はい」

まゆ「楽しみすぎて夜も眠れません……」

「そんなに!?」

まゆ「そんなにです、うふ」

まゆ「まあ、夜眠れないのは冗談ですけど」

「あ、そうよね……よかった」

「アイドルなんだからちゃんと睡眠は取らなきゃ駄目よ」

まゆ「わかってますよぉ」

まゆ「ただの比喩表現です……そのくらい楽しみだって」

「ふふっ」

8 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:22:07.01 tZXqnBnM0 8/42

「レッスンはどうだった?」

まゆ「がんばりました!」

「ふふ、えらいえらい」ナデナデ

まゆ「……子ども扱いですねぇ」

「がんばったって自信満々に報告されたら子供にしか見えないわよ」

まゆ「……それもそうですね」

「ふふっ」ナデナデ

まゆ「……むぅ」

まゆ「……」

まゆ「ところで、朋さんはレッスンどうだったんですか?」

「あたし?」

「あたしは……まあ……」

「……」

「いつもどおり?」

まゆ「疑問系ですか……」

「いや、本当に、普通にやってたわ」

まゆ「そうですか」

まゆ「……普通にやるって難しいことですよね」

「……まゆちゃん?」

まゆ「そんな難しいことをできたんです」

まゆ「朋さんもえらいですよね?」

「えっ、何――」

まゆ「えらいえらい」ナデナデ

「ひゃっ!」

9 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:22:39.96 tZXqnBnM0 9/42

まゆ「うふふ、仕返し――」

まゆ「――じゃなくて、頑張ったご褒美です、なんて」ナデナデ

「あたしの方がお姉さんなのに!」

まゆ「朋お姉ちゃん♪」ナデナデ

「む……あ、あたしもっ!」

「えいっ!」ナデナデ

まゆ「きゃっ!」

「よーしよーし、いいこいいこー」ナデナデ

まゆ「さっきとニュアンスが違う気がするんですけど……!」

「まゆちゃんは子供だからね」

「子供をあやすようにやらなきゃ」

まゆ「……」

まゆ「この画像を見てもそう言えますかぁ?」

「あ、この前のプリクラ時の!」

まゆ「うふふ、どっちが子供でしょうか?」

「……」

「……ま、まゆちゃん」

まゆ「これを撮ったときは朋ちゃんも自分のほうが年下に見えるって言ってましたよねぇ」

「ほら……コンディションとかでモノの見方って変わるじゃない?」

まゆ「いや、これは百人中百人が――」

まゆ「――あら、メール」

「ん……?」

「あたしも来たみたい」

10 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:23:44.59 tZXqnBnM0 10/42

まゆ「えっと……プロデューサーさんから」

「……」

「……これ、まゆちゃんにも同じのが届いてるわよね」

まゆ「たぶん……」

まゆ「……ユニットのことについて、ですよね?」

「ええ」

「話があるから」

まゆ「事務所に来てほしい……ですね」

「ええ」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……どうなったんでしょうか?」

「いけばわかるわ」

まゆ「それもそうですけど……」

「……でも」

「口頭……というか、集まらせるってことは可能性高いんじゃない?」

「あたしたちがユニットを組む……」

まゆ「……」

まゆ「……はやく、行きましょう?」

「そうね、ふふっ」

11 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:24:13.39 tZXqnBnM0 11/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ただいまー」

まゆ「戻りました」

モバP「おう、二人ともお帰り」

モバP「それじゃあ早速だがこっちに来てくれ」

「はーい」

まゆ「わかりました」

「……」

まゆ「……」

モバP「……さて」

モバP「伝えたとおり、ユニットのことについてなんだが」

まゆ「はい」

モバP「正式に組むことが決定した」

まゆ「!」

「やった!」

モバP「名前も二人が考えてきてくれたもののままだ」

モバP「ええと……そう、レッドオブフェイトだな」

まゆ「よかった……」

「しばらく音沙汰なかったからどうなったんだろうって不安だったのよ?」

モバP「すまんすまん」

まゆ「……でも、これで、本当にまゆと朋さんがユニットになるんですよね?」

モバP「ああ」

「そっか……」

「改めて、これからよろしくね、まゆちゃん」

まゆ「こちらこそ……うふ」

12 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:25:44.07 tZXqnBnM0 12/42

モバP「……で、だ」

モバP「ユニットを組むにあたって、やっぱり曲も必要になってくる」

「あたしたちの曲……」

モバP「ああ」

モバP「それについても、こっちから連絡済みだ……デモが出来上がったら二人にも伝えるよ」

まゆ「……」

まゆ「……どんな曲になりそうなんですか?」

モバP「どんな曲か……」

モバP「……こっちが、依頼したのは」

モバP「一言で言えば、切なさ、だ」

「切なさ……」

モバP「ああ」

モバP「二人とも、ソロ活動ではそういった面をほとんどだしていないだろう?」

モバP「だが、ドラマとかの役で切なさを演じることになれば光るものがある」

モバP「この前の朋のなんかは……本当によかった」

モバP「そこからインスピレーションが来たっていっても過言じゃないくらいだ」

モバP「あれを見てティンと来た」

「……」

モバP「占い系アイドルとして、明るく、元気な姿を見せている朋」

モバP「愛され系アイドルとして、可愛らしさを、そして一途さを見せているまゆ」

モバP「その二人が、切なさを表に出す」

モバP「役でみせるものではなく、実際の姿として、新しい一面を」

モバP「そこに、ギャップが生まれ、いい効果が得られると思っている」

まゆ「……」

モバP「……事後報告という形になってしまい、申し訳ない」

「いや、それはいいんだけど……」

「……ねぇ」

「あたしたち、普通の活動のときもイメージ変えるよう努力しなきゃいけない感じ?」

モバP「いや、今のは曲の話であって、二人自身の話じゃない」

モバP「今までどおりに続けてくれてかまわない……ユニット活動でも」

モバP「自然体のままの二人でいてくれればいい」

まゆ「……それでいいんですか?」

モバP「ああ」

「……よかった」

「急に大人しくなれって言われてもできなそうだったし……」

13 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:26:11.03 tZXqnBnM0 13/42

モバP「……伝えることはこのくらいだな」

モバP「何かほかに聞いておきたいことはあるか?」

「ううん、あたしは何も」

まゆ「まゆも大丈夫です」

モバP「わかった」

モバP「……これから、たぶん二人での仕事が多くなるだろうから」

モバP「よろしくな」

まゆ「はい」

「わかった」

モバP「……よし、じゃ、話はこれで終わりだ」

モバP「じゃ、俺はまた別の仕事をするから」

「ん」

まゆ「ありがとうございました」

「……」

まゆ「……」

「……行ったわね」

まゆ「行きましたね」

「……」

まゆ「……」

14 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:27:11.98 tZXqnBnM0 14/42

「イェイ!」パン

まゆ「いぇいっ!」パン

「ユニット、ちゃんと決まったわね!」

まゆ「決まりましたね!」

「しかも、名前もあのまんまだって!」

まゆ「……あれで大丈夫だったんでしょうか?」

「それで決まったってことは大丈夫ってことでしょ」

「何はともあれ、これから一緒に頑張りましょ!」

まゆ「はいっ!」

「……」

「……しかし、初めてのユニット曲は切ない曲なのね」

まゆ「たぶんバラード……ってことですよね?」

「十中八九そうでしょうね」

「なんだったら占ってみる?」

まゆ「結果が見えてるのに占うんですか」

「絶対に当たるわよ」

まゆ「……」

「……」

「どんな曲がくるのかしら……完成が楽しみね」

まゆ「……そうですね」

「あたしはバラードなんてカラオケでくらいしか歌ったことないから……」

「ちゃんと歌えるかしら?」

まゆ「まゆは朋さんの歌唱力を知らないので……」

まゆ「……よかったら、今度一緒にカラオケに行きませんか?」

「あ、いいわね、それ」

「行きましょ、行きましょ!」

まゆ「はいっ!」

15 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/23 01:27:39.34 tZXqnBnM0 15/42

「……さて!」

「あたし、これで今日はもう終わりなんだけど、まゆちゃんは?」

まゆ「まゆもこれで……」

「そっか」

「じゃ、お祝いパーティしましょ!」

まゆ「……そうですね!」

まゆ「今度はまゆの部屋でやりましょう?」

「まゆちゃんの部屋かぁ……」

まゆ「……ちゃんと綺麗にしてますよぉ?」

「いや、そこは心配してないわよ」

「ただ、初めて入るから楽しみだな……って」

まゆ「……」

「さて……それじゃ、またお菓子をたくさん買ってきましょ!」

「あとジュースと……甘いデザートとかもほしいわね!」

まゆ「……またレッスン頑張らないとですね」

「うっ、そうね……」

「……」

「も、もう、そういうこと言わないでよ!」

まゆ「うふふっ」

19 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:34:41.56 hFToWRZi0 16/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「それじゃ、ユニットの結成を祝して!」

「かんぱーいっ!」

まゆ「かんぱーいっ!」

「んくっ……ぷはぁ」

「まゆちゃんの淹れてくれた紅茶おいしい!」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「茶葉から作ったわけじゃありませんけど……」

「当たり前よ!」

「もしそうだったらビックリなんてレベルじゃないわ」

まゆ「うふふ」

まゆ「さあ、それじゃあお菓子食べましょう?」

「そうね」

「……ふふ」

「今回は前回と違って、ポテチとかじゃなくてクッキーやケーキとかを買ってきたから」

「ちょっと上品なパーティね」

まゆ「上品なんでしょうか……?」

「炭酸飲んでポテチバリバリよりは」

まゆ「確かに……」

「乾杯とかしなければ、もっと上品だったのかもしれないけど」

まゆ「……別に上品さを目指してるわけでもないんですから」

「まあ、そうなんだけどね……んーっ、このクッキー美味しいーっ!」

20 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:37:35.51 hFToWRZi0 17/42

「ほら、まゆちゃんも食べましょ?」

まゆ「そうですね……じゃあ、このショートケーキを」

まゆ「あむっ……んーっ♪」

「美味しそうね」

まゆ「まゆ、ショートケーキが好きなんです」

まゆ「スポンジも、クリームも、イチゴも、全部美味しい……♪」

「そうなんだ……」

「……ねぇ、一番上に乗ってたイチゴ、端に避けて残してるみたいだけど、いらないなら食べてもいいのかしら?」

まゆ「そんなことしたら絶交です」

「ふふ、冗談よ」

「結成初日に解散なんて洒落にならないわ」

まゆ「そうですよ……もう」

まゆ「……」

まゆ「……でも、ケーキの方だったら一口食べますか?」

「いいの!?」

まゆ「はい……その代わり」

「……いいわよ」

「あたしのモンブランも一口上げるから、交換ね」

まゆ「はい♪」

21 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:39:55.76 hFToWRZi0 18/42

「はい、どうぞ」

まゆ「あむ……こっちも美味しいですねぇ」

「なんなら、交換する?」

まゆ「ショートケーキの方が好きなので」

「まあ、そうよね」

「あ、そっちも頂戴」

まゆ「わかりました……どうぞ」

「あむっ……ふふ、美味しい」

まゆ「よかった……うふ」

「……」

まゆ「……」

「しかし、不思議ね」

「ついこの前まであたしたち接点なんてまるでなかったのに」

「今じゃ、こうしてお互いの部屋を訪ねたり、一緒に遊んだり」

「それに、ユニットを組むことになるなんて」

「……不思議よね」

まゆ「そうですねぇ……」

まゆ「……」

まゆ「運命……なんでしょうね」

「……そうね」

まゆ「……」

「……」

22 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:40:31.65 hFToWRZi0 19/42

まゆ「……まゆ」

まゆ「そういう意味では」

まゆ「運命に感謝してます」

「!」

まゆ「朋さんと、こうして仲良くなれたのが運命のおかげなら……まゆは、感謝してます」

「そっか」

「……あたしは」

「あたしは……」

「……」

まゆ「……」

「……うん、あたしも」

「あたしも、まゆちゃんと仲良くなれて、嬉しいわ」

まゆ「……」

「またゲーセンとか一緒に行きましょ!」

「後、ほかにもいっぱい遊びたい……遊園地とかも楽しそうじゃない?」

まゆ「……ええ」

まゆ「……お化け屋敷は苦手なので行きたくないですけど」

「あ、そうなの?」

「じゃ、絶対行こ」

まゆ「何でですか……!?」

「いや、怖がるまゆちゃんって可愛いだろうし」

「見てみたいわ、ふふっ」

まゆ「もう……!」

23 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:41:00.59 hFToWRZi0 20/42

まゆ「朋さんは大丈夫なんですかぁ?」

「あたし……は、うん、大丈夫よ」

まゆ「……本当ですか?」

「本当よ、本当」

「ホラー映画とか、ぜんぜん平気だもん!」

まゆ「……」

まゆ「……あ」

まゆ「朋さん、ノックですよ?」

「え、本当?」

「聞こえなかったんだけど……」

まゆ「でも、まゆには聞こえました」

「そう……はーい!」ガチャ

「……?」

「誰もいないけ――」

まゆ「ばぁ!」

「きゃっ!?」

まゆ「……うふふっ」

まゆ「やっぱり朋さんも怖がりなんですねぇ」

「やっ、い……今のは違うでしょ!」

「今のは不意打ちに驚いただけで……ホラーが苦手とかそういうのじゃないし!」

まゆ「でも、お化け屋敷ってこういう不意打ちの脅かし方多いですよねぇ?」

まゆ「本当に大丈夫なんですかぁ?」

「……大丈夫よ」

「本当に大丈夫だし!」

「今度お化け屋敷に一緒に行って証明してあげるわ!」

まゆ「えっ」

24 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:41:27.18 hFToWRZi0 21/42

まゆ「いえ、まゆは……」

「一人でお化け屋敷入るなんて寂しいじゃない」

「それに、あたしが怖がったかどうかも判定できないでしょ?」

まゆ「いや、あの……」

まゆ「……で、出口で待ってますので」

「それじゃ、中でどうだったかわからないじゃない」

「ちゃんと、あたしと一緒に入らないと」

まゆ「……逃がしてはくれないんですねぇ」

「同じユニットの仲間だもん、一蓮托生よ」

まゆ「うぅ……」

「うふふ、楽しみね、まゆちゃん」

まゆ「……」

まゆ「まゆは、朋さんが忘れることを祈ってます」

「あたしって、記憶力は結構いいほうなのよ?」

まゆ「……じゃあ」

まゆ「頑張ってコーヒーカップで時間をつぶして、お化け屋敷に入れなくさせれば……」

「いつまで回り続けるのよ、それ」

25 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:41:54.17 hFToWRZi0 22/42

まゆ「……どうしても逃がしてくれないんですねぇ」

「逃がさないわよ」

「まゆちゃんにはあたしと一緒に怖い目にあってもらうわ」

まゆ「うぅ……」

「ふふっ」

「でも、それだけじゃなくて」

「一緒に楽しいこともしたいわね」

まゆ「……」

「遊園地じゃなくても……水族館とか、動物園とか」

「海とか、山とか……ほかにも色々」

「たくさんのことを」

まゆ「そうですね」

まゆ「きっとできたら楽しいと思います」

「できたらじゃなくて、しましょ?」

まゆ「……はい!」

「……」

「ね、まゆちゃん」

まゆ「なんですかぁ?」

「これからもよろしく」

「一緒に頑張っていこうね」

まゆ「……うふふ、こちらこそ!」

26 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:42:25.47 hFToWRZi0 23/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「おはよ、まゆちゃん」

まゆ「あ、おはようございます、朋さん」

「……トレーナーさんは?」

まゆ「まだ来てません」

「そっか……」

「……」

まゆ「……」

「まゆちゃん、来るの早いのね」

まゆ「うふふ、楽しみにしてたらいても経ってもいられなくなって」

まゆ「今日はいつもより早起きしちゃいました」

「……ふふ」

「なんか嬉しいわ」

まゆ「うふふ」

トレーナー「おはようございます」ガチャ

「あ、おはようございます」

まゆ「おはようございます」

トレーナー「揃ってるみたいですね」

トレーナー「それじゃあ、レッスン始めましょう」

27 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:43:38.75 hFToWRZi0 24/42

トレーナー「では、今日は初めて二人でレッスンするということで」

トレーナー「まずは、お互いの実力を知ってもらいましょう」

「……お互いの?」

トレーナー「はい」

トレーナー「これからユニットとして活動するのですから」

トレーナー「お互いの実力を、技術を知っていてこそ、相手の足りない部分を補うなどといったことが可能となります」

まゆ「なるほど……」

まゆ「まゆが朋さんを助けられるように」

「あたしがまゆちゃんを助けられるようにってことね」

トレーナー「その通りです」

トレーナー「もちろんそれだけではありません」

トレーナー「相手を知るということは、ユニットで活動する上でとても大切なことです」

トレーナー「ユニットとして、息の合ったパフォーマンスを行うためには、相手が他人のままではいけません」

トレーナー「互いを知ることで、より良いパフォーマンスが可能になります」

「……」

まゆ「……」

トレーナー「……もちろん、技術だけで相手のすべてを理解するということは叶いません」

トレーナー「ですが、その一環となるでしょう」

トレーナー「……ということで、今日はボーカル、ビジュアル、ダンスの3つの基礎レッスンを行います」

トレーナー「ではまず初めに――」

28 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:44:26.96 hFToWRZi0 25/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



トレーナー「――それでは、今日のレッスンはこれで終わりです」

トレーナー「お疲れ様でした」

「ありがとうございました!」

まゆ「ありがとうございました!」

トレーナー「……まだ、ここを使いますか?」

「……どうする?」

まゆ「どうしましょうか……」

まゆ「……」

「……」

「……じゃ、もうちょっとここにいます」

トレーナー「わかりました」

トレーナー「鍵は私が閉めますので、ここを出るときに連絡をくださいね」

「はい!」

トレーナー「それでは」ガチャ

「……」

まゆ「……」

「ふぅ……」

「……結構疲れたわね」

まゆ「そうですね……」

まゆ「いつもは3つの種類の全部を一気にレッスンすることなんてほとんどないですからね……」

「そうそう」

「レッスンって言ってもほとんどテストみたいなもんだったけどね」

まゆ「だからこそ、余計に疲れたというか……」

「……そうなのよね」

29 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:45:28.59 hFToWRZi0 26/42

「しかし……」

「やっぱりまゆちゃんってモデル上がりなんだなぁって」

まゆ「モデルといっても読者モデルですけど……」

まゆ「……急にどうしたんですか?」

「ううん、さっきのビジュアルレッスンを見てそう思って」

「可愛いさだけじゃなくて、かっこよさとか、美しさとか、楽しさ……色々なまゆちゃんが表現できててすごかったなーって」

まゆ「そんなことないですよ」

「ううん、そんなことあるわよ!」

「小悪魔的な表情を見せたまゆちゃんとかキュンときちゃったもん」

まゆ「キュンときちゃいましたか」

「きちゃった!」

まゆ「うふふ、ありがとうございます」

まゆ「……でも、まゆはもともとそういうお仕事してましたから」

まゆ「それよりも、朋さんの歌が予想以上に上手かったことの方が驚きました」

「そ、そう?」

まゆ「はい」

まゆ「バラード歌えるのかな……なんて謙遜する必要がないくらい、素敵でした」

まゆ「……正直、朋さんはダンスが一番得意かなと思っていたので、本当に驚きました」

「あはは……むしろダンスは一番苦手なのよね」

「見てればわかったと思うけど」

まゆ「……」

30 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:45:56.77 hFToWRZi0 27/42

「大きく動くのとかは得意なんだけど、その後ピタッて止まるのとか苦手で」

「かといって流れるようにもできないから……苦手なのよね」

まゆ「……まゆの苦手さとは別方向ですね」

まゆ「まゆはそもそも、体力もそこまでありませんので」

まゆ「どうしても動きは小さくなっちゃいますし……」

まゆ「大きく動かそうとしても振り回されちゃって止まれませんし……」

まゆ「……あれ?」

まゆ「結局朋さんと似た方向で苦手なんでしょうか……?」

「……まあ、どっちも苦手ってことね」

「そう言う意味では、ユニットの曲が切ない曲でよかったかもね」

「たぶんバラード曲だろうけど、そうしたらそこまで激しく動くダンスもないでしょうし」

まゆ「そうですね……」

まゆ「それに、朋さんの歌だったらバラードにもピッタリだと思います」

「ふふ、ありがと」

「まゆちゃんの歌もピッタリだと思うわ」

「透き通ってて、とても素敵な歌声だった」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「うふ、ピッタリ同士でいい歌を歌えそうですね」

「ふふ、そうね」

「……さて」

「そろそろ疲れも取れたでしょうし」

「帰りましょうか?」

まゆ「はい」

まゆ「一緒に帰りましょう?」

31 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/24 21:46:41.73 hFToWRZi0 28/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「それでね――」

「――あら、メール?」

まゆ「あ、まゆにも来ました」

「……ってことは」

まゆ「今確認してみますねぇ」

まゆ「えっと……あ、やっぱりプロデューサーさん」

「なんて書いてる?」

まゆ「……」

「……まゆちゃん?」

まゆ「この前話しましたよね」

まゆ「遊園地に行きたいね……って」

「話したわね」

「お化け屋敷に行くのよね」

まゆ「……忘れてなかったんですねぇ」

「もちろん」

「……で、それがどうしたの?」

まゆ「……まゆたち、すぐ遊園地に行けそうです」

「?」

まゆ「プロデューサーさんからのメール……まゆたちのお仕事について」

まゆ「遊園地の新しくできたアトラクションを体験してくるものみたいです」

34 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:44:11.16 Ld5Mfemp0 29/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「えっと、こんにちは!」

「藤居朋です!」

まゆ「佐久間まゆです、うふ」

「えっと……今日はこの遊園地に新しくできたアトラクションを体験してきます!」

まゆ「……新しいアトラクションって何なんですかぁ?」

「それはね……後ろを見て!」

まゆ「……」

まゆ「……病院?」

「そう」

「廃病院をモチーフにしたお化け屋敷なんだって」

まゆ「お化け……ですか……」

まゆ「……うぅ、なんだか怖くなってきました」

まゆ「まだ入ってもないのに……」

「雰囲気すごいからね……ここだけ遊園地から切り取られたみたいで……」

まゆ「そうですねぇ……」

まゆ「……」

まゆ「……本当にここに入らなきゃ駄目ですかぁ?」

「大丈夫よ」

「いざとなったらあたしが守ってあげるわ!」

まゆ「あら……」

まゆ「……うふふ、ありがとうございます」

「どういたしまして」

「それじゃ、いってきまーす!」

まゆ「いってきます」

「……」

まゆ「……」

『はい、オッケーです』

まゆ「ふぅ……」

「……ふぅ」

35 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:45:18.62 Ld5Mfemp0 30/42

「……まさか、本当にお化け屋敷に入ることになるなんて」

まゆ「しかも二人きりで、ですねぇ」

「うん……カメラとかを渡されて……」

「誰もついてこないんだもん」

まゆ「よりリアルに楽しんでほしいから、だそうですけど……」

「それだったら、カメラもいらないんじゃ……」

まゆ「そうしたら、撮影になりませんから……」

「まあ、そうよね……」

「はぁ……」

まゆ「……」

まゆ「……やっぱり、怖がってます?」

「いや、そりゃあね」

「別に、恐怖を感じないってわけじゃ――」

モバP「――二人とも」

まゆ「あ、プロデューサーさん」

モバP「……まあ」

モバP「だいぶ怖いだろうけど、頑張ってな」

「……ん」

まゆ「ありがとうございます」

まゆ「それじゃ、いってきますねぇ」

「いってきます!」

モバP「ああ、いってらっしゃい」

36 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:45:44.67 Ld5Mfemp0 31/42

「……」

まゆ「……」

「……暗いわね」

まゆ「はい……」

「今にもあそこの角から――」

まゆ「――ひっ!」グッ

「きゃっ!」

まゆ「な、何ですか……何がいるんですか……!?」

「……いや、まだ何もいないわよ」

まゆ「……」

まゆ「も、もう……脅かさないでください!」

「いや、何も脅かしたつもりはないんだけど……」

まゆ「あ、そうですか……ごめんなさい……」

「……」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……あ、あの、朋さん」

まゆ「腕、ずっとつかんでても……?」

「……ふふっ」

「別にいいわよ」

まゆ「ありがとうございます……!」

37 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:46:31.87 Ld5Mfemp0 32/42

「……」

まゆ「うぅ……」

「……」

『ヴァアアアァァ!』

「きゃっ!?」

まゆ「ひゃっ!?」

まゆ「な、なんですか……!?」

「ゾンビ……かしら……?」

「……」

「……お、追っかけてこないわよね?」

まゆ「大丈夫ですか……?」

まゆ「背中向けても、本当に大丈夫ですか……?」

「大丈夫だと思うけど……」

「順路こっちだから……行きましょ」

まゆ「はい……」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……」クルッ

「……」

まゆ「……」クルッ

「……そんなに、後ろ確認しなくても……」

まゆ「だ、だって、いつ襲い掛かってくるかわかりませんし……」クルッ

「でも、そんなに後ろ向いてたら――」

『キィヤャァァァ!』

「ひいぃっ……!」

まゆ「きゃあああぁっ!?」

「あ、あぁ……びっくりした……」

「ほら、こうやって前から――」

まゆ「――」

「――まゆちゃん?」

まゆ「――こ」

「こ?」

まゆ「小鹿の気持ちになりました……」

38 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:47:12.16 Ld5Mfemp0 33/42

まゆ「だ、大丈夫です……ちょっとしたら元に戻るので」

まゆ「足プルプルしたりしないので……」

「本当に……?」

まゆ「本当です……!」

まゆ「ちょっと驚きすぎただけですから……」

「そう……」

「……ね、無理しないでね?」

まゆ「大丈夫です……」

まゆ「……」

まゆ「……でも、腕はもっと強く掴んでもいいですか……?」

「……どうぞ」

まゆ「ありがとうございます」グッ

「ふふっ……」

「やっぱり、怖がるまゆちゃんって可愛いわね」

まゆ「あう……」

まゆ「だって、本当にホラーって苦手で……」

まゆ「……まゆは、朋さんが怖がってないことの方がびっくりです」

「だから言ったじゃない、あたしは大丈夫だって」

まゆ「嘘だと思ってました……」

まゆ「まゆ、強がってるだけかと……」

「まゆちゃんとは違うからね」

まゆ「……どういう意味ですかぁ?」

「そのままの意味よ、ふふ」

まゆ「……むぅ」

「それに、何回も言ってるけど、あたしだって怖いわよ」

「まゆちゃんほどじゃないだけで……一人で行ってたら泣いてたかもしれないし」

まゆ「そうなんですか?」

「たぶん……結構怖いしね」

まゆ「……じゃあ、ちょっと先のほうまで行ってみてください」

「……」

「まゆちゃんは一人で大丈夫なの?」

まゆ「……」

まゆ「……くっ」

「……まゆちゃんって、本当負けず嫌いよね」

まゆ「だって、なんだか悔しいじゃないですかぁ……!」

まゆ「まゆだけがこんなに怖がってるなんて……!」

「……本当、可愛いわね」

39 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:47:52.82 Ld5Mfemp0 34/42

まゆ「……もう大丈夫です」

「ん、そっか」

「じゃ、行きましょ!」

まゆ「はい……!」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……もしかして、歩きづらいですか?」

「いや、そんなことはないわよ」

まゆ「よかった……」

まゆ「……これ以上離れると……」

まゆ「あ、足が動かなくなっちゃいそうで……」

「……さっきも言ったけど」

「何かあったらあたしが助けてあげるわ」

「あたしの方がお姉ちゃんだし、ね」

まゆ「……」

「さ、こっちよ、まゆちゃん」

まゆ「……ありがとうございます」

40 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:48:19.04 Ld5Mfemp0 35/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「……」

まゆ「で……出れた……!」

まゆ「外です……ゴールしたんですね……!」

「そうね……あー、怖かった……」

まゆ「本当に怖かった……」

まゆ「もう終わったんですね……」

「……」

まゆ「……朋さん?」

「いや、まゆちゃんの後ろに……」

まゆ「ひゃあっ!?」

「……まあ、何もないんだけど」

まゆ「えっ……」

まゆ「も、もうっ!」

「あははっ!」

モバP「お疲れ、どうだった?」

「あ、プロデューサー」

「まあ、怖かったわね」

まゆ「本当に……とっても、怖かったです」

モバP「そっか……本当にお疲れ様」

モバP「カメラ貸してくれ、映像確認する」

「はーい」

まゆ「どうぞ」

モバ「ありがとう」

41 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:48:51.27 Ld5Mfemp0 36/42

モバP「確認してきた」

モバP「これで大丈夫みたいだ」

まゆ「……よかったぁ」

モバP「……二人とも、よく頑張ったな」

「あはは……本当に怖かったわよ」

モバP「ああ、その様子がありありと伝わってきたよ」

モバP「特に、まゆ」

まゆ「……本当に怖かったので」

まゆ「幽霊とか……ゾンビとか、本当に全部ダメで……」

まゆ「朋さんがいなければどうなってたか……」

モバP「……確かに、朋にだいぶ助けられてたな」

モバP「腕とかほぼずっと掴んでたし」

まゆ「怖かったので……」

まゆ「朋さん、本当にありがとうございます……」

「ふふっ、大丈夫よ」

「同じユニットの仲間なんだし、ね」

まゆ「朋さん……」

モバP「……朋」

「ん、何?」

モバP「お疲れ」ナデ

「ひゃっ!?」

モバP「頑張ったな」ナデナデ

「え……あ……っ」

「や……」

「やっ……!」バッ

モバP「……朋?」

「あ……え、えっと……」

「……ご、ごめん」

「ちょっと、用事、思い出した、から……えっと」

「ごめん!」ダッ

まゆ「朋さん……!?」

42 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:49:28.47 Ld5Mfemp0 37/42

まゆ「……どうしたんでしょう?」

モバP「……」

モバP「……スキンシップしすぎたか?」

まゆ「プロデューサーさん……?」

モバP「前まではわりと喜んでた……喜んでいたように見えてたんだが」

モバP「ただ……今、明確に拒否されたからな」

モバP「ちょっとスキンシップが過剰すぎたのかもしれない」

まゆ「……」

モバP「いや……もしかして、今までも嫌がってたのか……?」

モバP「そうなら……改めないとだな……」

まゆ「……」

モバP「しかし……どうしようか、撮影はまだ――」

まゆ「――あの」

まゆ「まゆ、ちょっと追いかけてきます」

モバP「ん……あ、ああ」

モバP「ありがとう」

まゆ「いえ……」

モバP「……」

モバP「まゆも、お疲れ様」

モバP「頑張ったな」

まゆ「……」

まゆ「……ありがとうございます」

まゆ「じゃあ、いってきますね」

43 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:50:33.98 Ld5Mfemp0 38/42

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「はっ……はっ……!」

まゆ(……朋さんはどこに……?)

まゆ(さっき走っていったばかりだし、そんな離れたところにはいないはず……)

まゆ「はっ……はっ……!」

まゆ(どこに――)

まゆ(――あっ、いた!)

「――やばい――――ダメな――――」ボソボソ

「考えちゃ――――しよう――――」ボソボソ

まゆ「朋さん!」

「えっ……あ、まゆちゃん!」

「どうして……?」

まゆ「……ちょっと、朋さんが心配になって」

まゆ「朋さんこそ、どうしたんですか?」

まゆ「急に走って……」

「いや、ほら……」

「……よ、用事?」

まゆ「こんな何もないベンチでですかぁ?」

「う……」

まゆ「……まゆは、そんなのでだまされません」

まゆ「どうしたんですか……?」

44 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:51:29.38 Ld5Mfemp0 39/42

「……いや、ほら」

「……」

まゆ「……」

「……その、プロデューサー、さ」

「ちひろさんにプロポーズして……成功して」

「いつか、あの二人って、夫婦になるんでしょ?」

まゆ「……そうでしょうねぇ」

「だったらさ」

「あんまり、ああいったスキンシップっていけないと思わない?」

まゆ「プロデューサーさんが……ってことですね」

「うん……ほら、ちひろさんが嫉妬するかもしれないし」

まゆ「……だから、走って逃げたんですか?」

「うん……一刻も早く離れなきゃ、って」

まゆ「……」

「……本当にそれだけよ!」

「本当に……」

「……」

まゆ「……」

まゆ「……でも、それならプロデューサーさんにちゃんと伝えないと」

「あ……あはは、そうだよね」

「うん、プロデューサーに……」

「……」

まゆ「……朋さん?」

「ううん……なんでもない!」

45 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:52:16.95 Ld5Mfemp0 40/42

「じゃ、プロデューサーにちゃんと伝えてくる!」

「で、まゆちゃん、その後にさ」

「いっぱい遊びましょう!」

まゆ「……朋さん」

「あたしね、ここの美味しいデザートがある店とか、楽しそうなアトラクションとか調べてきたの!」

「だから、一緒にまわりましょう!」

まゆ「……それはとても素晴らしいと思いますけど」

まゆ「まゆたち、まだ撮影終わってませんよ?」

「えっ……」

まゆ「ほら、お化け屋敷を楽しんだ後の撮影がまだ残ってます」

「あ、そっか……」

まゆ「……だから、それも終わって」

まゆ「全部終わって、許可が出たらたくさん遊びましょう?」

「……うん、そうね!」

「あたしが案内するから、いっぱい楽しみましょう!」

まゆ「はい!」

「それじゃ、戻りましょ……あ、プロデューサーにも謝らないと」

「勝手に逃げちゃったし……」

まゆ「……そんなに長く逃げたわけじゃないですし」

まゆ「心を落ち着かせるために散歩をしてたってことにすれば大丈夫だと思いますよ」

「……それでも、無断で出歩いたってことになるし……プロデューサーには謝らなくちゃ」

まゆ「それは……」

「……大丈夫、ちゃんと伝えられるし、謝れるわ」

まゆ「……」

「……さ、行きましょ!」

まゆ「……そうですね」

まゆ「……」

まゆ(どうしたんでしょう、朋さん……?)








おわり

46 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:55:12.25 Ld5Mfemp0 41/42

いったん区切りです。近いうちに続きは書きます。

それと、まゆはぷちデレラのステータスを、ふじともはぷちデレラが実装されていないので、デレステR+のステータスを参考にしました。

誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません、読んでくださった方ありがとうございました。

47 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2016/05/25 18:57:30.95 Ld5Mfemp0 42/42
記事をツイートする 記事をはてブする