1 : 以下、名... - 2015/09/09 22:12:37.08 tpWBQDjvO 1/20

「何でそんな話?」

未央「いや、最近なんだけどね」

「うん」

未央「彼氏が出来たー彼女が出来たーデートしたーって話題で持ちきりなんだよね。ウチのクラス」

「うん」

未央「で、まあ…」

「…」

未央「…じゃん?」

「誤魔化したね」

元スレ
凛「え?彼氏?」未央「うん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441804357/

2 : 以下、名... - 2015/09/09 22:13:31.39 tpWBQDjvO 2/20

未央「いやー…アイドルは恋愛禁止だからねぇ」

「まあ…っていうか今はそういう感じじゃないし」

未央「興味無いの?」

「…無いことは、ない…かな」

未央「そういえばさ」

「うん」

未央「…いるの?」

「察してくれる?」

未央「だって分からないじゃん。しぶりんそういうの普通にいますよみたいな感じ醸し出してるし」

「朝5時から犬の散歩して公園で一人ベンチに座ってる人の何処に?」

未央「…そういえば女子校だったよね」

「うん」

未央「…」

「…」

未央「……え、そっち!?」

「引っ叩くよ」

3 : 以下、名... - 2015/09/09 22:14:15.25 tpWBQDjvO 3/20

未央「んー…何か、女子校っていうと…何か、ね?」

「…じゃあさ、未央は?」

未央「ん?」

「どうなわけ?」

未央「いたらこんな話してないよ」

「ふーん…」

未央「?」

「いや、普通に『彼氏ー!』とか紹介してきそうだったから…」

未央「私そんなキャラじゃないよ!」

「何か…普段明るいから、そんな感じかなって…」

未央「恋愛禁止って話の頭に置いといたよね?」

「…」

未央「…」

「…欲しいの?」

未央「…無いことは、ない…かな」

未央「…」

4 : 以下、名... - 2015/09/09 22:15:25.45 tpWBQDjvO 4/20

「…もし、いるとしたら、だけど…」

未央「ん…」

「…誰?」

未央「……美嘉姉?」

「あー…」

未央「後は…楓さん…」

「うん」

未央「大穴…しまむー」

「…意外と…」

未央「…無いか」

「無いね」

未央「だってさ、コウノトリが子供を運んでくるって言いそうじゃん」

「うん」

5 : 以下、名... - 2015/09/09 22:16:06.72 tpWBQDjvO 5/20

「…」

未央「…」

「…あ」

未央「ん?」

「ちひろさん」

未央「あ」

「アイドルじゃないし、それに美人だし…」

未央「あー…」

「プライベートとか分かんないし」

未央「分かる」

「…」

未央「…プロデューサー…?」

「…無いことは、ない」

未央「…うーん…プロデューサーか…なあ…」

「…」

未央「…」

「…私達が、レッスンで疲れて帰った後」

未央「二人で何処かへ消えてゆく」

「…それは、何か腹立つね」

未央「うん」

6 : 以下、名... - 2015/09/09 22:16:50.06 tpWBQDjvO 6/20

「でもさ」

未央「うん」

「プロデューサーって、いつも夜遅くまで仕事してない?」

未央「そだね」

「…」

未央「…」

「…無い、か」

未央「無いね」

7 : 以下、名... - 2015/09/09 22:17:30.65 tpWBQDjvO 7/20

「…トライアドプリムス」

未央「ん」

「…どう思う?」

未央「んー…まあ、決まったことだし、ねぇ」

「…無責任って、思ってない?」

未央「何で?」

「…あの、あっちに行ったりこっちに行ったりで…」

未央「…当事者じゃないと分からない事もあるよ」

「未央…」

未央「ってプロデューサーが言ってたからさ」

「あ…」

未央「だからほら、私もソロ活動始めたんだよ」

「…そうだったね」

未央「しまむーも最近は美穂ちゃんとユニット組んだって言ってたしさ」

「…」

未央「…」

「…」

未央「…そんな簡単にバラバラになるようなユニットじゃないよ。ニュージェネレーションズは」

「…うん。ありがとう」

未央「へへー」

8 : 以下、名... - 2015/09/09 22:18:04.25 tpWBQDjvO 8/20

「…もし、だよ?」

未央「うん」

「…彼氏出来たってなったら、どうする?」

未央「うぇっ!?」

「いや仮にだからね?」

未央「…んー…正直に、言う…のかなあ…」

「…」

未央「…プロデューサーは、どう思うかな…」

「…」

未央「…」

武内P『………………………』

「…無言で、立ち去って…」

未央「…」

武内P『………………………』

「無言で、書類持ってきて…」

未央「…」

武内P『…申し訳、ありま』

未央「やめよ?」

「うん」

9 : 以下、名... - 2015/09/09 22:18:52.80 tpWBQDjvO 9/20

未央「でもさ、好きな人が出来た、とかならまだOKなのかな」

「いるの?」

未央「いない…いや、まあlikeの方なら…」

「それならみんな大体いるでしょ…」

未央「まあ、うん」

「そもそも何でこんな話?」

未央「いやー…思春期っていったらこれかなあって」

「アイドルがする話じゃないよ…」

未央「アイドル…だとしたら、どういう話が良さげなの?」

「仕事とか…将来どんなアイドルになりたいとか…」

未央「そりゃあ…仕事はたくさんしたいし、超有名で人気のアイドルになりたいよね」

「そう…だね」

未央「…」

「…」

未央「終わっちゃった」

「何で?」

10 : 以下、名... - 2015/09/09 22:19:25.48 tpWBQDjvO 10/20

「そういえばさ」

未央「うん」

「卯月…まだ?」

未央「美穂ちゃんとのレッスンが長引くってのは聞いたけど…」

「長引いてるみたいだね、随分」

未央「しまむーも大変なんだねぇ」

「…最近、三人で集まること少なくなったね」

未央「…しょーがないよ」

「…やっぱり、私の…」

未央「何回言うのさ。しぶりんは結局どうしたいの?」

「…」

未央「それ、かえって逆効果だよ。どうせならシャキッとしなさい!」

「…ありがと」

未央「へへー」

11 : 以下、名... - 2015/09/09 22:20:03.59 tpWBQDjvO 11/20

菜々「お友達を待ってるんですか?」

未央「はい!」

「あ、菜々さん…」

菜々「お互い大変な時期ですけど、頑張りましょう!ウッサミーンパワー注入!ビビビビ!」

未央「ぐわー」

菜々「あっ!違います!今のは元気になる魔法ですよ!」

未央「あ、そうだったん、ですか…」

「…」

菜々「…」

未央「…」

菜々「…飲み物どうです?奢りますよ」

未央「いただきます」

12 : 以下、名... - 2015/09/09 22:20:55.64 tpWBQDjvO 12/20

「前にキャラって言ってたよね」

未央「うん」

「ソロ活動始めてさ、何か見つけられそう?」

未央「うーん…演技派、アイドルなんて個性、アリかな?」

「演技派?」

未央「うん」

「…何かめちゃくちゃ性格悪い人みたいに聞こえるんだけど」

未央「あ、ごめん。演技が上手いアイドル………いや同じだこれ」

「…」

未央「…」

「…○○派ってあるけどさ」

未央「うん」

「それが清純とか、個性派とかなら分かるけどさ」

未央「うん」

「演技派女優ってなに?」

未央「演技が上手いって事じゃないの?」

「だから女優になったんじゃないの?」

未央「あー…本業なんだから、上手くて当然だろう、と」

「演歌派演歌歌手って言ってるようなものでしょ?」

未央「それ極端じゃない?」

13 : 以下、名... - 2015/09/09 22:21:32.06 tpWBQDjvO 13/20

「話戻るんだけどさ」

未央「うん」

「アイドルって恋愛禁止…なんだよね?」

未央「うん。…多分」

「ファンがいるから、かなあ」

未央「だと思うよ。暗黙の了解ってやつ」

「その、相手がいるとやっぱり嫉妬されるのかな」

未央「ほら、たまにあるじゃん。アイドルの人がお泊りデートしてブログが荒れるやつとか」

「…」

未央「どうしたの?」

「……川島さんとか、片桐さんとかって…」

未央「流石にいた事はあるでしょ」

14 : 以下、名... - 2015/09/09 22:22:08.39 tpWBQDjvO 14/20

未央「片桐さんで思い出したよ」

「?」

未央「…おっぱいデカすぎ」

「あ」

未央「後、雫ちゃんとか…」

「名前からして大きそうだもんね…」

未央「ウチで一番おっきいのって誰?」

「…きらりちゃんじゃない?」

未央「かな子ちゃんは?」

「…」

未央「…」

「…」

未央「何してるの?」

「…はちじゅう…」

未央「…」

「…ご」

未央「無い」

15 : 以下、名... - 2015/09/09 22:23:01.39 tpWBQDjvO 15/20

未央「藍子さんとさ、舞台の稽古やってる時にね」

「うん」

未央「なーんか寒気感じるなー、怖いなー、怖いなーって思ってたらね」

「その話のオチそういう空気じゃないよね」

未央「いやまさかと思ったんです。それでもおかしいなーって思って視線を感じる方向をん〜っと、見たの」

「続けちゃってるよ」

未央「そしたらね、すぐ近くだ。こうやってグイイッと、見てるんだ。アタシの胸を。こう寂しげに」

「…」

未央「あー…こりゃ間違いないなって思ってね。その場で思わず立ちすくんじゃった」

「本人が聞いたら流石に怒りそうだね」

未央「言わないよ」

16 : 以下、名... - 2015/09/09 22:23:41.74 tpWBQDjvO 16/20

未央「もし、だよ?」

「ん」

未央「付き合うとしたら、誰が思い浮かぶ?」

「…」

未央「…」

「…未央は、男友達たくさんいるよね」

未央「んー…」

「どうなの?」

未央「…ビジョンが思い浮かばないんだよね」

「そうなの?」

未央「私が特殊なのかな」

「普通なんじゃないの?……もしかして理想が高いとか」

未央「無い…よ。多分…」

「欲を言えば?」

未央「そりゃ、背が高くて、それなりに顔も良くて…優しい人がいいよ」

「…別に悪くないよ?」

未央「うん…」

「…」

未央「…」

「あっ」

未央「あっ…」

「…や、やめよ。この話」

未央「う、うん」

菜々「アイスコーヒーお待たせしましたー!」

「ごちそうさまです」

未央「ゴチになります」

17 : 以下、名... - 2015/09/09 22:24:25.81 tpWBQDjvO 17/20

未央「コーヒーで思うんだけどさ」

「うん」

未央「あそこのコーヒーが美味しいとか、不味いとか言う人いるじゃん」

「うん」

未央「どうなの?実際」

「どういうこと?」

未央「私コーヒーの良し悪しなんて分かんないんだけど」

「分かる人には、分かるんじゃない?」

未央「しぶりんは分かる?」

「缶コーヒーと店の違いくらいは…」

未央「缶コーヒー買うんだ」

「たまに…」

未央「…ってか缶コーヒーこそ、どうなの?」

「?」

未央「何とか製法とか、高級豆とか焙煎とか言ってるけど、値段同じじゃん?」

「あー…」

未央「もうさ、一缶200円の缶コーヒーとか出てもいいんじゃないの?」

「逆に買いたくなるね、それ」

未央「…」

「あ、それやるんだ」

未央「え?」

「フレッシュでかき混ぜるの」

未央「あー…何かもったいないじゃん?この辺に残ってるやつとか」

「そういうの気にするんだ…」

未央「え」

18 : 以下、名... - 2015/09/09 22:25:14.13 tpWBQDjvO 18/20

未央「いつだったかなー。プロデューサーがストーカーに遭ってるとか言ってた事件」

「ちょっとくらい前…かな」

未央「なんでまたまゆさんも疑われるようなことするかなー…」

「疑われる…?」

未央「いや、まあそっちは分かってるよ。なんとなく」

「プロデューサーに対してってこと?」

未央「うん。流石にあの写真は寒気がしたもん」

「よく保存出来たね」

未央「割と早めに消したよ。…でもしぶりんが隠れるってのは意外だったなぁ」

「怖いものは怖いよ。本物なら尚更」

未央「何かの間違いだよ…とか言って平然と眺めてそうなのに」

「無理だよ。未央の方こそ面白がってなかった?」

未央「そんなわけないじゃん。画面見てなかったもん」

「プロデューサーガン見してたもんね」

未央「…もしかしたら、心当たりがあったとか?」

「…」

未央「…」

卯月「何のお話ですか!?」

未央「どわあああ!!!」

「ッ!!!」

卯月「ひえっ!!」

19 : 以下、名... - 2015/09/09 22:25:52.00 tpWBQDjvO 19/20

未央「びっくりさせないでよしまむー!」

卯月「え、え?」

「…レッスン、長引いてたんだって?大丈夫?」

卯月「はい!大丈夫です!」

未央「ん!…んー…!じゃ、帰ろっか!しまむーも来たし!」

卯月「あれ?で、でも…先に帰っててって…」

「え?」

未央「んー?聞いてないなー」

卯月「え…」

未央「さー帰ろー」

「…どこか寄ってく?」

未央「いいね。しまむーはどこがいい?」

卯月「………」

未央「しまむー?」

卯月「…ありがとうございます!」

未央「…へへー」

「ふふっ…」

未央「いやー、何か懐かしささえ覚えるねぇ。この感じ!」

「…そうだね」

卯月「えー?まだそんな前じゃないですよー」

「…でも、懐かしいんだ」

卯月「…?」

未央「ま、なんでも良いから!どこ行く?」

「じゃあ…あー…ごめん。ファミレスでいい?」

未央「ん?良いよー。しまむーは?」

卯月「どこでも大丈夫です!」

20 : 以下、名... - 2015/09/09 22:27:50.25 tpWBQDjvO 20/20

奈緒「…」

加蓮「…」

周子「どーしたの二人とも」

奈緒「え?あ、いやー…」

周子「?」

加蓮「凛を誘おうと思ったんですけどね…」

周子「んー?…ああ、あれは無理だよ」

加蓮「…ですよね」

奈緒「何か、良いなあ。ああいうの」

周子「…人間、やっぱ家が一番落ち着くって事だよ」

加蓮「ふふっ…本当ですね」

周子「じゃあ、私達も帰ろっか」

奈緒「あれ?家こっちでしたっけ?」

加蓮「寮でしたよね?」

周子「同じ道歩かせる気?めちゃくちゃ気まずいじゃん」

奈緒「あー…ですよね」

加蓮「じゃあ、マック寄っていきましょ!」

周子「はいはい」

奈緒「(家、かあ…)」

奈緒「(やっぱ、そうだよなあ)」

奈緒「(…アタシ達も、頑張ろう)」


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