あやめ2nd

P「さて、漫才はその辺にして、ライブのスタンバイはいいか？特に千枝は今日が誕生日だから主役なんだぞ」

千枝「はいっ！千枝、頑張ります」ﾀﾞﾌﾞﾙﾋﾟｰｽ

智絵里「千枝ちゃん、それは卯月ちゃんのネタだよ……」

千枝「だ、大丈夫ですよ。本番では智絵里さんと一緒に考えた前フリがありますから」

P「心配だなぁ……まぁ今日は菜々と夕美も応援で呼んでるし、しっかりやってこい！」

ちえちえり「はいっ！！」

―会場裏

ｽﾙｯ

千枝「おはようございます」

智絵里「おはようございま…す」

菜々「あ、二人ともおはようございます。キャハッ！」

夕美「二人ともおはよう。あと、千枝ちゃん。お誕生日おめでとう。これ、私と菜々さんからだよ」ﾊﾟｻｯ

千枝「わぁ……ありがとうございます」

智絵里「これは…クチナシとツツジと……」

菜々「ベンジャミンです！花言葉は自分で調べてくださいね。菜々達からの宿題ですよ」

夕美「大丈夫だよ。とってもいい花言葉ばかりだから」ﾆｺｯ

千枝「あ、ありがとうございます！」

ﾎﾝﾊﾞﾝｼﾞｭｯﾌﾟﾝﾏｴｰ

智絵里「あ……これどうしよう」

夕美「花瓶もあるから……帰りはいつものワープでしょ？」

千枝「は、はいっ。何から何まで……千枝、感激です！」



？「ちえきかんげき……ふふっ！」

？「わからないわ」

ﾜｰﾜｰﾜｰ

千枝「皆さん、今日はいっぱい、いーっぱい来ていただいてありがとうございます！」

ﾜｰﾜｰﾜｰ

「千枝、今日の誕生日のこと絶対忘れません。だから皆さんにも忘れられないようなライブにしちゃいます！」

ﾜｰﾜｰﾜｰ

智絵里「じゃ、じゃあ…私たち【ちえちえり】の曲を聞いてください」

智絵里「♪緒方のOと智絵里のCに～」

千枝「♪佐々木のSと千枝のCを合わせて～」

ちえちえり「♪不思議の宇宙の不思議の地球から、無限大の完成～」

―ライブ終了後

ｵﾂｶﾚｻﾏｰ

ｵﾂｶﾚｰ

ｵﾂｸﾗｻﾏｰ

千枝「……」

夕美「？どうしたの千枝ちゃん？」

菜々「ライブが終わったあとの余韻ですかね？」

智絵里「このあと、かな子ちゃん達がケーキとかいっぱい作ってくれてるから、早く帰らないとみんなに怒られちゃうよ」

千枝「いえ……」

「去年までの千枝は……アイドルになる前はただの……普通の小学生でした」

「それが……千枝の想いが叶ってアイドルとしてみんなの前で歌って踊ることができます」

「……でも千枝、時々不安になります」

「これって、実はただの千枝の頭の中の物語じゃないかって……」

「たまに……違う千枝が……その夢の中にでてくるんですよ」

智絵里「千枝ちゃん……」

夕美「千枝ちゃん、そんな……」

千枝「えへへ、ごめんなさい。じゃあ」

菜々「……わかりますよ。千枝ちゃんの気持ち」

「菜々も今年、皆さんに励まされ応援されてシンデレラ№１になりました」

「でも、ウチに帰って……いえいえウサミン星に帰るとたまーに、実感が湧かなくて」

「……一人だけの夜なんか特にそうです」

夕美「菜々さん……」

菜々「でもそういうときは手を、足を見るんですよ」

「頑張ってきた証拠があちこちに残ってますからね。この傷はあの時ターンに失敗した痕。この指の爪の色が少し残っているのは、加蓮ちゃんやガールズパワーのみんなに遊ばれた跡」

「そんないっぱい、いっぱーい、みんなとの絆を見て菜々はいつも思うんですよ」

「頑張って来てよかったなって……」

菜々「だ か ら」

「千枝ちゃんは菜々よりも若いんですから」

智絵里「十代で産んでいれば実子ぐらいですねっ」

夕美「緒方」

菜々「こほん。だからまだまだ苦労と一緒に絆という輪を見ていけますよ」

「あの一番星から始まって、次々に繋がる星座みたいに……ねっ」

智絵里「……流れる星は生きているですね」（注

菜々「緒方」





注。満州移民のソ連侵攻後、戦後の本土帰還までの苦労を書いたノンフィクション

千枝「……菜々さん」

菜々「はい」

千枝「千枝、菜々さんと一緒にアイドルをできてよかったです」

「もちろん夕美さんと智絵里さんもです」

「だから、もっともっと色んなことを勉強して、トップアイドルを目指します！」

「まずは菜々さんの地位を脅かす存在になりますね」

菜々「ｦｲｦｲ」

「……でも、ちゃんと着いて来て下さいね」

千枝「はい！」

ﾎﾟﾝｯ

夕美「じゃあ、みんなが待ってるから帰ろうか」

智絵里「ケーキと料理ですねっ！」

夕美「もう！」



ｱﾊﾊﾊﾊ






HAPPY BIRTHDAY TO CHIE SASAKI