1 : 以下、名... - 2018/01/01 22:34:13.86 PvqJV2Te0 1/14

モバP(以下P)「寒い寒い寒い。もうコタツ出してくれてるかなー」

ガチャ

P「おはようございまーす」

ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん」

P「お、コタツ出してありますね。やっぱ寒い日はこれですよね~」

ちひろ「コタツで仕事するのも良いですけど、しっかりやってくださいね?」

P「わかってますって。では早速……」ゴソゴソ

元スレ
モバP「飛鳥と冬の日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514813653/

2 : 以下、名... - 2018/01/01 22:35:09.35 PvqJV2Te0 2/14

ガシッ

P「ん、何か足に当たったな」

スースー……

P「飛鳥がコタツで寝てる」

ちひろ「飛鳥ちゃんにコタツ出すの手伝ってもらったんですよ。あとそのみかんは飛鳥ちゃんの実家からだそうです」

P「出したあとに入ってたら眠くなった感じですかね」

ちひろ「ふふ、まぁそんなところです」

P「猫はコタツで丸くなるとはこのことか」

3 : 以下、名... - 2018/01/01 22:36:13.68 PvqJV2Te0 3/14

飛鳥「誰が猫だって……?」

P「うお、起きた」

飛鳥「んー……。おはよう、プロデューサー」

P「おはよう、飛鳥。この時間に来るのは珍しいな」

飛鳥「あぁ、寒さで目が覚めてしまってね。みかんを持っていくついでにもしや、と思っただけさ」

P「それで狙い通りコタツを出そうとしているちひろさんがいたと」

飛鳥「イグザクトリィ」

ちひろ「プロデューサーさんが少ししたら来るって聞いて待ってたんですよ」

飛鳥「ち、ちひろさん! それはっ……」

P「ほほー。あの、飛鳥さんが俺に会いたいとは。ほほ~ん?」

飛鳥「……ウザい。キミの分のみかんはナシにするよ」

P「ひどい」

4 : 以下、名... - 2018/01/01 22:36:57.96 PvqJV2Te0 4/14

飛鳥「まぁそのアレだ。宿題でもやろうと思ってね。コタツもあることだし」

P「なるほど。家は一人で寂しいと」

飛鳥「本当にみかんナシにするよ」

P「スミマセン。それだけはどうかご勘弁を」

飛鳥「全く、キミってやつは……」

P「みかん剥いてやるからさ」

飛鳥「元はボクが持ってきたものだが……」

P「まぁまぁ硬いこと言わずに。ほら」

飛鳥「……ありがとう」



飛鳥「おいしい」モグモグ

P「おいしい」モグモグ

5 : 以下、名... - 2018/01/01 22:37:33.75 PvqJV2Te0 5/14

カタカタ カキカキ

ガシッ

ガタッ

P(飛鳥め、俺が足を伸ばそうとすると邪魔してきやがる)

飛鳥(ボクが最初に入っていたんだ。なんなら出したのもボクだ。安々と伸ばさせはしない)

ガタガタ

P(とか思ってるんだろうなコイツ……。だがこのコタツは俺が社長に直談判して手に入れたものだ)

ガシッ ガシッ

飛鳥(くっ……強い。腐っても男ということか……)

P(流石に14歳の女の子には負けないぞ!)

飛鳥(プロデューサーめ……譲る気は無いようだ。諦めて少し斜めに伸ばすしか……)

6 : 以下、名... - 2018/01/01 22:38:30.83 PvqJV2Te0 6/14

ちひろ「二人とも顔が怖いですけど、どうかしましたか?」

P「え、いや、なんでもないですよちひろさん。なぁ飛鳥」

飛鳥「あ、あぁ。何も無い。何もなかったさ」

ちひろ「? お茶を持ってきましたので、休憩しませんか? 私もコタツに入りたいです」

P「どうぞどうぞ。ゆっくりしていってください」

ゴソゴソ

ちひろ「暖まりますねぇ……」

P(一時休戦だ、飛鳥)

飛鳥(次は負けないさ)

ちひろ「あ、このみかん美味しいですね」モグモグ



ちひろ「それと、場所取り合戦なんかしないで仲良く足を伸ばしてくださいね」

P飛鳥「バレてた……」

7 : 以下、名... - 2018/01/01 22:39:47.71 PvqJV2Te0 7/14

別の日

飛鳥「地上に降る雪は多くの人々、車などによってだんだん汚れ、溶けていき、消えてゆく」

飛鳥「だが、この屋上は別だ」

飛鳥「冬になり、立ち入り禁止となるこの地は、さながら空中庭園とでも言えるか」

飛鳥「誰も踏み入らないここは、ただ純粋に雪が降り積もる」

飛鳥「穢れを知らない、白銀の草原……」

飛鳥「もっとも、ボクが踏み入り汚してしまったわけだけどね。フフッ」

飛鳥「……プロデューサーに見つかる前に戻ろう」


ガチャ

飛鳥「あ」

P「やっぱりここか。立ち入り禁止って書いてあるだろ。勝手に鍵持ち出すなよ……」

飛鳥「いいじゃないか。見てみなよ、良い景色だ」

P「わかったよ。あと少しだけだぞ。寒くて死にそうだ」

8 : 以下、名... - 2018/01/01 22:41:48.62 PvqJV2Te0 8/14

P「これだけ雪が積もってると雪合戦とかしたくなるな」

飛鳥「フフッ」

P「何かおかしいか?」

飛鳥「いや、子供っぽいな、って思っただけさ」

P「たまには童心に返りたくなるんだよ」

飛鳥「ボクにはまだわからない感覚だな。雪合戦の方も含めて、ね」

P「あと十年すればわかるさ。あの頃に戻りたくなる感覚が」

飛鳥「十年……ボクは何をしているだろうか。アイドルか、社会人か、はたまた別の何かに」

P「飛鳥ならそうだなぁ……ファッションデザイナーとか、美容師とか似合いそう」

飛鳥「ファッションデザイナー、美容師……悪くないね」

9 : 以下、名... - 2018/01/01 22:42:50.50 PvqJV2Te0 9/14

P「まぁ俺としてはまだまだアイドル続けてて欲しいけどなぁ」

飛鳥「ほう?」

P「十分飛鳥には伸びしろがあるからな。まだまだこれからだぞ」

飛鳥「そうだね。ボクたちの物語はまだ終わらない。終わらせないさ」

P「俺らが紡ぐこの物語を、たくさんの読者に、観客に届けないとな」

飛鳥「フッ、相変わらず、キミは痛いね」

P「まぁ飛鳥には負けるけど。とりあえず今日のところはそろそろ戻ろう。寒い」

飛鳥「同感だ」

10 : 以下、名... - 2018/01/01 22:44:11.15 PvqJV2Te0 10/14

ザクザク、スッ

飛鳥「プロデューサー!」

P「なんだ?」

ドサッ

P「おい! 不意打ちはダメだろこちとらスーツだぞ!」

飛鳥「ハハハ! たまにはこういうのもいいだろう?」

P「雪合戦は子供のやることじゃないのか!」

飛鳥「ボクはまだまだコドモだよ! それ!」

P「お前がそのつもりならこっちも容赦しないからな!」

飛鳥「担当である現役アイドルにそんなことするのかい?」

P「関係ねぇ! おら!」

飛鳥「おっと危な」

ドサッ

P「やりぃ! フェイント決まり!」

飛鳥「……理解った。その気ならこっちも本気で行くよ!」フンッ

P「おっと、そんなの当たらないぞ! はは!」

11 : 以下、名... - 2018/01/01 22:44:53.15 PvqJV2Te0 11/14

────────

──────

────

ちひろ「で、こんなことになったんですか?」

P「はい……」

飛鳥「あぁ……」

ちひろ「全く、はしゃぐのも良いですけど、危ないんですから屋上はやめてくださいね?」

P飛鳥「わかりました……」

飛鳥「くしゅん」

ちひろ「風邪を引く前に早くコタツで暖まってください」

P飛鳥「はい」

12 : 以下、名... - 2018/01/01 22:47:30.66 PvqJV2Te0 12/14

P「まさか後ろから雪を投げられるとは思わなかった」

飛鳥「キミが雪合戦をしたいと言っていたからね」

P「……本当は」

飛鳥「少しはしゃいでしまった」

P「ま、所属直後と比べて打ち解けたと言うか、丸くなった、のか?」

飛鳥「かもしれないね。人との関わりというものは、人を変えていくものだよ」

P「そういうものか」

飛鳥「そういうものさ」

P「三年後、五年後はどんな飛鳥が見れるのか、楽しみだな」

飛鳥「変わりすぎて、ファッションデザイナーになってるかもね」

P「最低限アイドルは続けてて欲しい」

13 : 以下、名... - 2018/01/01 22:48:14.70 PvqJV2Te0 13/14

飛鳥「そうならないように、しっかりプロデュースを頼むよ、P」

P「あぁ、任せとけ」



飛鳥「くしゅん」

P「……台無しだな」

飛鳥「……」ゲシゲシ

P「やめて、蹴らないで」

14 : 以下、名... - 2018/01/01 22:50:21.61 PvqJV2Te0 14/14

おしまい

飛鳥とコタツでぬくぬくしたいだけの人生だった

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