1 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:21:58.33 8DX99WUj0 1/12

「……ふぅ」

モバP「お疲れ、朋」

「あっ、お疲れさま、プロデューサー!」

モバP「調子はどう?」

「それはもう、絶好調よ!」

「ウエディングドレスが着れるなんて夢にも思わなかったし!」

モバP「やっぱうれしいもんなんだな」

「もちろん! このドレスは女性にとってのラッキーアイテムだしね」

モバP「ん、そうなのか?」

「だって、このドレスって幸せの象徴みたいなものじゃない」

「そんな幸運を呼ぶ衣装を着てお仕事なんて……あたし、とっても楽しいわ!」

「それに、小さい頃から憧れてたからね。このドレス」

モバP「……やっぱ、小さい頃の夢だったのか、お嫁さん」

「そりゃあね。みんな憧れるわよ」

「……今着ちゃったから、その夢からは一歩遠のいちゃったけど」

「あんたも知ってるでしょ、これにまつわる迷信」

モバP「……婚期が遅れるんだっけ?」

「ええ」

「……まあそれはあんたに責任取ってもらうわ」

モバP「……」


元スレ
朋「誓いの言葉って緊張するわね」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507641718/

2 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:24:05.51 8DX99WUj0 2/12

「で、あんたから見たあたしはどう?」

モバP「ああ。普段の朋らしい……いや、それ以上に楽しそうだなって思うよ」

モバP「満面の笑みじゃないときなんてないんじゃないかってくらいだ」

「ふふっ、だって本当にうれしくって、本当に楽しいんだもん!」

モバP「だろうな」

モバP「……俺はそんな朋も好きなんだが」

「……ん、何?」

モバP「……いや」

モバP「もう少し、淑やかにして欲しいそうだ」

「しとやかに……」

モバP「ああ」

モバP「……今の朋だと、元気さが前に出すぎてるんだろうな」

モバP「うれしい……って気持ちが前面に出すぎてる……はしゃぎすぎてるんだと思う」

「……そっか」

モバP「もちろん、それが朋の魅力だと俺は思うけど」

「フォローありがとね、ふふっ」

「……しとやかねぇ」

モバP「難しそうか?」

「んー……」

3 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:25:13.70 8DX99WUj0 3/12

「……今、あたし一人の撮影じゃない?」

モバP「ああ」

「だから、いまいち雰囲気が出ないのよね」

モバP「……ふむ」

「ただドレスを着てるだけ……って感じでさ」

「一生を共にする相手がいて……家族や友達たちもみんな見てて……なんて状況がぜんぜん思い浮かばないの」

「いくら場所が教会で、憧れのドレスを着てるとはいってもね」

モバP「なるほどな……」

「もっと本物の結婚式~って感じの雰囲気になったら……あたしもちょっとは落ち着くかも」

モバP「本物の結婚式か……」

モバP「……たとえば、相手がいれば、なんとかなるかもってことか?」

「そうね……やっぱ結婚式って一人でするものじゃないしね」

「少なくとも相手がいなきゃ……」

「たった一人の……運命の人――」

「――あっ」

モバP「……とはいえ、この現場は朋だけだしなぁ」

「ねぇねぇ、プロデューサー。あたしいいこと思いついちゃった」

モバP「ん、なんだ?」

「あんたさ、スーツじゃない?」

モバP「ああ」

「でさ、結婚式の新郎も大概スーツ着てるわよね?」

モバP「そうだな」

モバP「……おい、まさか」

「ふふっ」

「あんたが隣に立ってくれたら、あたしもちょっとはしとやかな顔できるかもね?」

4 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:26:28.64 8DX99WUj0 4/12

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ほら、プロデューサー。こっちよ?」

モバP「ああ」

モバP「……まさか許可されるとはな」

「ふふ、いいじゃない。どうせ顔は映らないわ」

モバP「そういう問題じゃないんだが……」

「じゃあ、どういう問題?」

モバP「……」

モバP「……秘密」

「何それ」

モバP「何でも良いだろ……ほら、ちゃっちゃと撮るぞ」

「はーい」

5 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:28:22.70 8DX99WUj0 5/12

「……手つないで、だって?」

モバP「ああ」

「……」ギュッ

モバP「……」ギュッ

「……あんたの手って大きいわよね」

「あたしもみんなの中だと結構大きなほうだと思ってたけど……ぜんぜん」

モバP「……」

「……なんか話してよ」

モバP「撮影中だろ」

「まあそうだけど……」

「……あっ」

「もしかして、照れてるとか?」

モバP「……それは朋だろ」

モバP「耳、真っ赤だぞ」

「えっ、嘘!?」

モバP「嘘だ」

「……あんたねぇ」

6 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:29:52.60 8DX99WUj0 6/12

「向かい合って……ってさ」

モバP「ああ」

「……」ジー

モバP「……なんだ?」

「ううん、雰囲気出そうと思って」

モバP「……そうか」

「……」ジー

モバP「……」

「……ねぇ、あたし、いましとやか?」

モバP「ああ」

モバP「……まるで借りてきた猫みたいだ」

「もう、茶化さないでよ」

モバP「はは、悪い悪い」

「……」

モバP「……」

「……本番は、こうして誓いの言葉を聞くのかな」

モバP「誓いの言葉はこの前だな」

モバP「こうして向かい合うときは……」

「……言葉じゃない、誓いなのね」

モバP「……そうだな」

7 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:31:11.41 8DX99WUj0 7/12

「……」

モバP「……」

「……ねぇ、プロデューサー」

「誓い……の言葉、交わしましょ?」

モバP「言葉?」

「ええ……まさか言葉じゃない誓いを交わすわけにもいかないでしょ?」

「せっかく雰囲気も出てきたんだし、もっと出してきましょうよ」

モバP「そうはいってもなぁ……」

「……ダメ?」

モバP「……?」

「ねぇ、プロデューサー……ダメ?」

モバP「……仕方ないな」

「ふふ、ありがと」

「あんたって本当優しいわよね」

モバP「……そうかもな」

「……微妙な顔しないでよ、褒め言葉よ?」

「そんなあんただから……私はずっと一緒にいたいって思ったんだから」

モバP「……」

「それじゃ……ねぇ、プロデューサー」

「あんたは……」

モバP「……」

「……」

モバP「……朋?」

「ちょっと待って……」

モバP「……」

「……」

「……ダメ、誓いの言葉って緊張するわね」

モバP「……別にしなくても良いんだぞ」

「それは嫌」

モバP「……」

8 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:31:50.14 8DX99WUj0 8/12

「……いくわよ」

モバP「……おう」

「……」

モバP「……」

「あんたはさ」

「あたしを……」

モバP「……」

「……これからも、あたしを導いてくれるって……誓ってくれる?」

モバP「……ああ」

「そっか……」

「えへへ、そっか……」

「えへへ……っと」

「今度は、あんたの番よ?」

モバP「……俺も言わなきゃダメか?」

「交わさなきゃ誓いにならないじゃない」

モバP「まあ……そうだな」

モバP「……」

モバP「……朋」

「何?」

モバP「……これからも、俺を信じて、ついて来てくれるか?」

「……うん」

「ずっと、ついていくわ」

モバP「……そうか」

「……」

モバP「……」

「……」

モバP「……」

「はい、オッケー!」

「!」ビクッ

モバP「!」ビクッ

9 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:34:59.46 8DX99WUj0 9/12

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「どう、おしとやかに撮れてた?」

モバP「ああ。前半が別人かってくらいには淑やかだったな」

「……ちょっと癪に障るけど……まあ良いわ」

モバP「朋も見に行ってみたらどうだ?」

「そうね、後でいってくるわ」

「今はもうちょっとあんたと話したいの」

「えへへ、まだ雰囲気が抜けきってないのかもね」

モバP「……」

「……あんな誓いの言葉まで交わしちゃったしね」

モバP「……カメラマンさんたちもよく放置してたな」

「それだけ良い顔だったんじゃない……ううん、良い顔だったのよ」

モバP「自信満々だな」

「だってあんたと一緒なんだもん。見なくたってわかるわ」

モバP「……」

「ほんと、不思議なのよね」

「あんたといるとさ、次から次に明るい未来が見えて、舞い込んできて……」

「ずーっと健やかで、幸せなんだもん……」

「あたし、あんたと出会えたのが一番の幸せだって本当に思ってるのよ?」

モバP「そりゃうれしいな」

モバP「……これから先もそう思われるようにがんばるよ」

「言葉にしなくたって信じてるわよ、ふふっ」

10 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:41:33.19 8DX99WUj0 10/12

「……ねぇ、プロデューサー」

「さっきの誓いの言葉、ほんと?」

モバP「……」

「あたしをずっと導いてくれる……って」

モバP「……ああ」

モバP「朋が嫌だって言うまでは」

「じゃあずっとね。あたしが嫌なんて言うわけ無いし」

モバP「……」

「……ふふ、あたしも本気で誓ったわよ」

「あんたを信じて……あんたについてって……」

「……素敵なアイドルになるってね」

モバP「……ん」

「……そっけない反応ね」

「もしかして別の意味だと思ってたとか?」

モバP「……そんなわけないだろ」

「ふふっ、そうよね」

「その割には、耳真っ赤だけど?」

モバP「……そっくりそのまま返してやるよ」

「!」

モバP「もしかして、別の意味のつもりだったか?」

「……あんたって、意地悪よね」

モバP「……そうかもな」

「ふふっ……じゃ、ちょっと写真確認してくるわ」

「……っと、その前に、一つだけ」

「ねぇ、プロデューサー」

モバP「ん?」

「……ずっと一緒にいてね?」

モバP「……誓っただろ?」

「……うん♪」




おしまい

11 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:42:38.15 8DX99WUj0 11/12

ハピネスウェディング朋ちゃんが滅茶苦茶可愛かったノリと勢いで。
ウエディング朋ちゃんの隣に立ちたい人生だった。

誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。読んでくださった方ありがとうございました。

12 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/10/10 22:43:24.37 8DX99WUj0 12/12

最近書いたの
薫「教会生まれのお姉ちゃんにお礼したい!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507383489/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/19229484.html

モバP「指パッチンで催眠にかけられるのか……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506603612/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/18997918.html

フレデリカ「ありすちゃんが人形をぎゅってしてる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506083320/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/18851933.html

まゆ「まゆ、変わったでしょう♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1504785734/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/18482743.html

よかったらこちらもよろしくお願いします。

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