1 : 名無しさ... - 2016/07/21 04:27:08 OLn 1/82※キャラ崩壊あり。百合少々。下ネタ多め。
【デレマスSS】美優「仁奈ちゃんがママって呼んでくれないんです」乃々「はぁ……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1461437696/l50
http://ayame2nd.blog.jp/archives/13995717.html
【デレマスSS】七海「グラタン」仁奈「お子様ランチ」沙理奈「ミックスグリル」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1463768549/l50
http://ayame2nd.blog.jp/archives/13999652.html
【デレマスSS】乃々「最近Pさんがひどいんです」奈緒「はぁ……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1466625202/l50
http://ayame2nd.blog.jp/archives/13999786.html
【デレマスSS】周子「Pさん、まだかなー」まゆ「……」ありす「……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1462466687/l50
http://ayame2nd.blog.jp/archives/13997546.html
あたりの設定を引き継いでます。読まなくてもある程度大丈夫かもしれませんが、良ろしければお時間ある時にでも。
元スレ
【デレマスSS】あやめ「別れましょう」忍「……」乃々「……」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1469042828/
工藤忍「……どうして? アタシ、何か悪かった?」
浜口あやめ「いや、そうではござらん。ただ…」
森久保乃々「ちょっと待ってください」
忍「え?」
あやめ「どうしたでござるか?」
乃々「シリアスなところ申し訳ないんですけど……なんで、もりくぼはこんなところにいるんでしょうか?」
あやめ「こんなところとは?」
乃々「なぜお二人の別れ話に巻き込まれてるのか、と疑問を呈してるんですけど。
いや、そもそもお付き合いされてたこと自体初耳ですが」
あやめ「こういった話には冷静な目を持った第三者に立ち会ってもらうのが得策であると聞いています。
おそらくわたくし達ふたりでは感情的なやり取りになってしまうと思い、日頃から冷静沈着で、過去、様々な難題における、相談、解決実績のある乃々殿にご助力をお願いした次第です」
乃々「買い被り過ぎなんですけど!? どこ情報ですか、それ!?」
あやめ「美優殿です」
乃々「あの時安請け合いしたばっかりに……!」
忍「アタシ、別れるつもりはないよ!」
あやめ「しかしこのままでは!」
乃々「待って下さい。修羅場を再開しないで下さい!」
忍「……もう、何が気に入らないの?」
あやめ「……このままでは話が進まないのでござるが」
乃々「理不尽なんですけど! 理不尽なんですけど!!
……じゃ、じゃあ、仕方ないのでもう一つだけ聞かせて下さい」
あやめ「何でござるか?」
乃々「なぜ、こんな場所を話し合いの舞台に選んだんですか。普通、自宅とか、せめて落ち着いた喫茶店とかじゃありません?
なんか、お寿司が回ってるんですけど!?」
あやめ「回転ずしなら乃々殿の腹ごしらえにもなりますし、程よく緊張感も和らぐかな、と」
乃々「さすがに真横で別れ話をされたら食事も喉を通らないんですけど!?
ていうか、四人掛けの席で奥に座らされたら絶対逃がさないって意思表示にしか思えないんですけど!?
嫌がらせですか? 嫌がらせですよね!?」
忍「悪いところがあったなら言って! アタシ直すからっ!」
あやめ「そもそもわたくしは!」
乃々「ストーップ! なんですけどっ!! つ、づ、け、る、なっ!って言ってるんですけどっ!?」
あやめ「ちなみに食事の代金はわたくしの奢りですよ」
乃々「あ。もりくぼは隅っこの方で贅沢にも一貫モノのお寿司を中心に食していくので、気にせず続けて下さい」
忍「喉を通らないんじゃ……」
乃々「タダ飯なら話は別です。心を無にして雑音シャットアウトでお寿司を堪能してるので、思う存分修羅場って下さい。
あ、お二人の分はタッチパネルで適当に注文しておきますね」
あやめ「……存外たくましいでござるな」
乃々「もりくぼには茶碗蒸し、あやめさんに味噌ラーメン、しのぶさんに酢飯のカレーライス(辛口)っと……」
忍「ちょっ!?」
乃々「あ、気にせず続けて下さい。へぇ。珍しいネタがありますね。
自分で頼むのは怖いから、とりあえずお二人に……と」
あやめ「気になって続けられないんですけど!?」
乃々「口癖真似しないで欲しいんですけどっっ!!!」ガタッ!!
あやめ「ガチ切れっ!?」
忍「な、なんでこんな人に相談したのっ!?」
乃々「ふぅ……20皿は食べて元をとるんですけど」
あやめ「なにやら恐ろしいことを!?」
忍「乃々ちゃ…乃々さんってこんな人だっけ!?」
あやめ「そもそも元をとるの概念が分からぬでござる!」
乃々「あ。店員さん。熟成中トロ、面倒なので、もう大皿に特盛りくぼで」
忍「店員さんを呼び止めてまで!? 迷惑だからそれはやめよう!? ほらパネルで注文してあげるから」
あやめ「そもそも『盛りくぼ』ってなんでござるか!?」
乃々「食には関心があります」(低音)
忍「会話にならない!?」
乃々「食には関心があるわ……」(食仙人)
あやめ「なぜ2回言いました!?」
乃々「あ、お二人の為に頼んだ、みか◯サーモンが届きましたよ」
忍「◯かんサーモンってなに!?」
あやめ「毒味役を押し付けるのはやめて欲しいのでござるがっ!?」
乃々「毒味とか、生産者やお店に失礼なんですけどっ! 謝って下さいっ!!」ガタッ!!
あやめ「す、すまないでこざる!?」
忍「勢いで誤魔化そうとしてるけど、そもそも食に関心があるんなら自分で」
乃々「あ。酢飯のカレーライスも到着したんですけど。感想期待してますね」
忍「他力本願!? 水を得た魚のようにキラキラした眼でパネルを操作してるんですけど!?」
乃々「口癖を真似しないで欲しいんですけどっ!!」ガタッ!!
あやめ「誰が助けて!!」
忍「情緒不安定かっ!!」
※ ※ ※ ※ ※
P「なんか向こうの席、騒がしいな」
イヴ「そこはかとなく聞き覚えのある声な気もします~」
浅利七海「気のせいれすよ~」
P「うどんとかウナギ丼とかもあるみたいだけど、何か頼むか?」
イヴ「きつねうどんと茶碗蒸しを~」
七海「赤だしをお願いするれす~」
P「うい。へー、カレーとかもあるのか。
となりココ◯チなのにわざわざ寿司屋で頼む人いるのかねー」
イヴ「さっきレーンを流れていきましたよ~」
P「マジでか」
七海「レジ横でレトルトパックも売ってたのれす」
P「く。少し気になってきたぞ……」
七海「これ頼んでもいいれすか~?」
P「おう。なんでも頼め……えっ!?」
イヴ「どうしたんですか~?」
P「それ……みか◯サーモンってなんだ?」
イヴ「みかん汁がかかってるんでしょうか~?」
七海「みかんオイルを含む飼料で育てたサーモンらしいれす。
実は今日ここに来るおねだりをした目的の一つがこれだったり~。
さっぱりとしたみかんの風味がするらしいれすよ~」
P「さ、さすがだな。うん。じゃあ、俺もそれ一つ。あとは……う~ん。やっぱカレーかなぁ?
カウンター席の時にこれ頼んだら隣の席の人に舌打ちされたりしそうだな。においの強さ的に」
イヴ「なら今日は大丈夫ですね~」
七海「そうれすね~。……ちっ」
P「!?」
七海「冗談れす。むしろひと口味見させて欲しいのれす」
P「お、おう。……了解した。そういう冗談は心臓に悪いからやめてくれよ?」
七海「はいれす!」
P「けど、七海に冷たい眼で吐き捨てるようにこき下ろされたら少し興奮するかもしれない」
七海「かれー臭がキツイんれすよ。気持ち悪いれす。この豚♪」
P「おお……。笑顔でってのもいいな。 ありがとうございます!」
イヴ「他のお寿司は取り敢えず好きなのを適当に頼んでいきますね~」
P「……イヴがタッチパネルをこれ程の速度で扱うとは」
七海「カタカタカタ……ッターン!って感じれす~」
イヴ「まずは定番どころを10皿ほど~。どんどん行きますよ~」
P「俺の財布が軽くなるな!」
イヴ「向こうの席の人も中トロを大量に頼んでたみたいです~。負けてられません」
七海「トロの大名行列れす~」
P「スタッフの指手首がヤバイ。あと勝ち負けを競うところでもないからね」
イヴ「シャリ作りは機械化されてるでしょうし、大丈夫ですよ~。きっと」
七海「超高速な参勤交代れす~」
P「……シャリといえばこの前ナターリアと一緒に別の回転寿司行った時、飯を炊くの失敗したとかで、レーン上をサラダばかりが大量に回ってた事があったな」
七海「サラダの大名行列れす~」
イヴ「ブリッツェンが喜びそうですね~」
P「空腹時にオール回転サラダだったせいで店内に険悪な雰囲気が漂ってたけどな」
イヴ「あ。デザートやコーヒーもこれで注文できますね~。Pさん、アイスコーヒー頼みますか~?」
P「んー。食後でいいよ。
ムースにティラミス、へぇー、豆乳ドーナツなんてのもあるのか」
椎名法子「呼びました?」
P「うわぁ!? なんでテーブルの下に!?」
法子「今、あたしのこと、呼びましたよね?」
P「よ、呼んでないよ? ていうかどこから湧いて出た!?」
法子「Pさんの声帯がドーナツの波長で震えたはずなんですけど。それはもうあたしを呼んだのと同義ですよね」
P「怖い! 眼にハイライトがない! なんか良くわかんないけど、認識方法諸々含めて、この子怖い!!」
七海「Pさん、試しに『眼鏡』って言ってみて下さいれす~」
P「言わないよっ!?」
法子「Pさんとあたしは切っても切れないギャラクティカドーナツで結ばれてるんですよー。えへへ」
P「人の股で何言ってんだ!? お前はもりくぼかっ! 誰か助けて!!」
※ ※ ※ ※ ※
乃々「Pさんに、シャリ4:ネタ1:ワサビ5くらいの比率のお寿司を、無理やり口にねじ込まれたいんですけど」
あやめ「唐突にどうしたでござるか!?」
乃々「大量に生温かいモノを口に含んで涙目な私の唇を、ちょっと乱暴に摘んで『おら。飲み込めよ』ってドスの効いた声で言って欲しいんですけど」
忍「本当にいきなりどうしたの!? あと、ワサビの話だよね? 念のため」
乃々「……それ以外に何があるんですか? しのぶさんが意外にむっつりな件」
忍「うっ!?」
あやめ「忍殿はむっつりどころか結構ガッツリ」
忍「あーあーあーっ!! 何言ってんの!? ほんと何言ってんの!?」
あやめ「あ。ちなみにわたくし達2人はまだプラトニックな関係でござるよ」
乃々「聞いてないんですけど。そして今の流れじゃ、とても信じられないんですけど」
あやめ「むぅ。しかし本当でござるよ。あやめはP殿に操を立てておりますがゆえ!」
乃々「Pさんはもりくぼのものなんですけど。むしろもりくぼがPさんのモノなんですけど」
忍「Pさんはみんなのものでしょ!? ちなみに、あやめっちはアタシのものだけどね!!」
乃々「あやめっち!? ていうか相関図がもう訳わかんないんですけど!?」
あやめ「し、忍殿。さすがに公衆の面前で宣言されると恥ずかしいのでござるが……」
忍「ううん! 何度でも言うよ! アタシは確かにあやめっちを愛している!
フリスクのみんなや、Pさんも大好き。
それと同じくらい、いえ、それ以上にあやめっちのことが大好きだよ!!」
あやめ「忍殿……!!」
忍「あやめっち……」
乃々「あー。コーヒーが甘いんですけど! 甘ったるいんですけど!」
忍「一度Pさんへの夜這いが失敗したくらいで落ち込まないで! また一緒に頑張ろう!!」
あやめ「忍殿……!!」
乃々「おいこらちょっと待って欲しいんですけど」
あやめ「そうでごさるな。たった一度、2人で寝室に押しかけてドン引きされたくらい何でござろう!
次はむしろあえて、あずき殿も誘ってよんp」
乃々「シャラップ! なんですけど!!何ですかそれは! それがお二人の不和の原因ですか!
ライバルが減るならと、ピエロを演じて2人を仲直りさせようとしていたもりくぼが馬鹿みたいなんですけど!
お二人とも敵ですね、敵ですよね、敵なんですよね!」
忍「あ、あの傍若無人な振る舞いにそんな意図が……!?」
あやめ「うむむ。さすが正妻候補の一角だけありますな。あなどれません」
乃々「……!? せ、正妻……ですか!?」
あやめ「Pさん宅に勝手に上がり込んでるわたくし達とは違い、正式に合い鍵を得ている三傑の一人なだけはあります」
乃々「その設定初耳なんですけど!? 誰ですか!? 残り2人は誰なんですか!?」
忍「その他にも既に鍵の偽造に成功してる娘がいるとかいないとか」
乃々「それが誰なのかは、大体予想がつきますけど!」
あやめ「謎の人物による、ドリンク購入を条件とする、合い鍵横流し疑惑もあるとかないとか」
乃々「鬼! 悪魔! 謎の人物!」
忍「もうここまで来たら、ほとんどみんな何かしらの侵入方法持ってそうだよね」
※ ※ ※ ※ ※
P「ん? なんだろう。急に寒気が?」
七海「風邪れすか~?」
法子「風邪にはドーナツですよ。ドーナツ!」
イヴ「ヘレンさんは全裸で乾布摩擦が効くって言ってました~」
P「体調不良時は油物も全裸露出も遠慮したいな~。
あと法子はちゃんと普通のモノも食えよ。エンドレスでドーナツだけを頼まない」
法子「えーっ? ……車にコーラを入れて走ると思う?」
P「走らないけど」
法子「みちるちゃんにライスを与えて動くと思う?」
P「みちるも人間だし、パン以外でも動くんじゃないかなぁ?」
法子「春菜さんの眼鏡を叩き割っても動くと思う?」
P「もうそれただの暴力じゃね?」
法子「みくちゃんからネコ耳ネコキャラを奪いとっても…」
P「…………」
法子「…………」
P「…………」
法子「……可愛くなるだけだね」
P「そだな」
法子「うん。よく分かんないけど、あたし、うどん食べるよ」
P「そうしろ。あとタンパク質もとれよ」
法子「あ、うどんで思い出したんだけどさ。近くにミ◯ドカフェが出来たんだよね」
P「おう。……なんでうどんで思い出した?」
法子「今度いっしょに行こうよ。お洒落な感じで一人じゃ入りにくくってさ」
P「……なんでうどん……。まぁ、いいけど」
法子「そして……じゃじゃん!
なんと! あたしがCMに出た時スポンサーに貰ったこのどんぶりがあれば、ドーナツ一杯無料で食べられるんだよ!」
P「誰が分かるんだこのネタ。そしてドーナツどんぶり一杯の概念が俺には理解できない」
イヴ「ついでにそれは無料にしてもらえないフラグですね~」
七海「炎上れす~」
法子「あ、ちなみにその店、ランチメニューでパスタとドーナツをセットで注文できるみたいなんだ。
斬新だよね! その発想はなかったかな!」
P「一応言っとくけど、パスタの上にドーナツを乗っけろって意味じゃないと思うぞ。
……あ。パスタ! それでうどんから!」
七海「謎は解けたれす~。セットのドーナツも溶けそうれすが~」
P「やめろ。うどんに沈むドーナツを想像しちゃっただろう」
法子「……!!」ぽん。
P「その手があったか!じゃない!!
あ、こら! うどんとドーナツを一緒に注文するな!」
法子「フロンティアすぴりっと!!」
P「そっちは魔境だ!!」
イヴ「七海ちゃんは追加の注文いいんですか~? あんまり食べてませんよね?」
七海「七海は小食なのれす」
P「この前、俺の財布持ってファミレス行った時、2万円くらい使ってなかったか?」
七海「あれは奈緒さんが大量に食べただけれす。
七海は乙女なので野菜スープと地中海サラダだけだったのれす」
Message body
※ ※ ※ ※ ※
神谷奈緒「嘘つけやぁぁぁぁっっ!!!」
北条加蓮「うわっ!? な、奈緒? 急にどうしたの?」
奈緒「あ、ご、ごめん。なんか急に突っ込まなきゃいけない気がして……」
加蓮「ライヴリハの反省会中なんだからしっかりしてよね。さっさと終わらせて帰ろう」
奈緒「わ、悪かった。凛もゴメン。なんか無性に名誉が毀損されてる気がしてさ」
渋谷凛「わん」
奈緒「そうだな。いつまでも事務所に居座るのも悪いし、さっさと終わらせよう」
加蓮「…………」
奈緒「ん? どうした加蓮?」
加蓮「いや……さっきから凛が……」
凛「わふ?」
奈緒「? ああ。一仕事終えて事務所に帰って来たからな。オフモードに入ってるんだろ。前は帰宅するまでマトモだったけど、最近はちょっと日中に侵食気味だな」ジャラ
加蓮「…………」
奈緒「うん? 今度はあたしの方を向いてどうした?」ジャラ
加蓮「いや……その鎖のついた手枷足枷は何かなー……って」
奈緒「ああ。私服だよ私服。まぁ、ファッションってやつかな」
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮「…………そっか」
奈緒「どうした? 疲れてるのか? 今日はもうここまでにしとくか?」
凛「くぅーん……」
加蓮「…………」
加蓮「うん。そう……だね。そうかもしれない。今日はここまでにしてもらっていいかな?」
奈緒「おう。じゃあ、反省会はここまで。この後は明日の本番に備えてお休みってことで。解散!」
加蓮「……ありがと」
凛「わん」
加蓮「…………」
加蓮「…………」
.
加蓮「……よし」
奈緒「……なぁ、加蓮?」
加蓮「え? 何?」
奈緒「さっきから気になってたんだけど、その大きなリュックとボーイスカウトみたいな衣装は何なんだ?」
加蓮「あー、うん。早めに切り上げてもらって悪いけどさ。この後、夕方になったらちょっと山に行く予定があって……」
奈緒「山っ!?」
加蓮「ほら、最近Pさん忙しくって……凄く疲れてるじゃない?」
奈緒「お、おう」
加蓮「だから、私に何か出来ないか、私をここまで育ててくれたPさんの為に何か恩返しが出来ないか、そう考えて、少し前からお料理の練習を始めてるんだ」
凛「…………」
加蓮「元気がでるもの、疲れがとれるもの、いっぱい調べて色々試してみようと思ったの」
奈緒「…………」
加蓮「それで取り敢えず体力回復に良いって言われてるイモリの黒焼きを作ってみたんだけど、あんまり効果なかったみたいでさ……。食べた翌日もPさん、ゲッソリしてたんだ……」
凛「…………」
加蓮「私、諦めきれなくって、もっと良い料理はないかと思って色んな人に聞いて回ったの。そうしたら他の事務所の先輩が教えてくれたんだ。カブトムシが美味しいって……」
奈緒・凛「…………」
加蓮「だから今朝、莉嘉ちゃんに教えてもらって罠を仕掛けてきたんだ。今晩待ち合わせして、一緒に捕まえに行く予定」
奈緒・凛「…………」
加蓮「莉嘉ちゃん、相談したら凄く嬉しそうに色々教えてくれてさ。ほんと、良い子だよね」
奈緒・凛「…………」
加蓮「じゃあ、行ってくるね。Pさんの為にも頑張らないと! 帰ってきたら明日は盛大なライヴにしようね!」
奈緒・凛「…………」
加蓮「じゃあ、おつかれー」
バタン
奈緒「…………」
凛「…………」
奈緒「良い子だったのに、なんであんな風になっちゃったのかな……」ジャラ
凛「ワフュ」
※ ※ ※ ※ ※
七海「ごちそうさまれした~」
P「うん。ちゃんと食べたな。七海1人で25皿か……。お、思ったよりも食ったが、育ち盛りだしな。い、いいと思うぞ。あははは……」
イヴ「Pさんが、たくさん食べる女の子って可愛いよな、って言った途端すごい勢いでしたね~」
法子「分かりやすいよね。話題をさり気なくそっちに誘導したイヴさんの手腕もなかなかでしたけど」
イヴ「なんのことでしょう~。けど、ご飯はみんな楽しくいっぱい食べた方が幸せですよ~」
法子「……それはまぁ、わかります」
P「よ、よし、お会計に行くかな」
法子「Pさんはちょっと涙目ですけどね」
イヴ「ごちそうさまです~」
法子「Pさん、ごちそうさま! ありがと♪」
P「お、おう。まぁ、4人分くらい大したことないさ。なんか10人分くらいの金額に思えなくもないけど気のせいさ!」
七海「今日は連れて来てくれて嬉しかったのれす!」
P「ん。……また来ような。あ、席に忘れ物するなよ~」
P「レジはあそこの……あれ?」
あやめ「おや?」
忍「わっ!?」
乃々「……!!」
P「なんだ、お前達も来てたのか? 全然気がつかなかった」
あやめ「わたくし達も気づきませんでしたよ。世間は狭いですね」
忍「乃々ちゃん一瞬でPさんの左腕確保したね。全力でしがみ付きつつも、お会計を邪魔しないよう、利き腕を避けるささやかな気配り!」
七海「うがーっ!」
乃々「むがーっ!」
P「喧嘩すんな。喧嘩すんな。あやめ、幾らだ? 俺がまとめて払っておくよ」
あやめ「ま、まことでござるか!? かたじけない!!」
P「ん。くるしゅーない。あ、そうか。伝票番号をレジに持って行ったら金額が分かるのか」
忍「ごちそうさまです!」
乃々「ごちそうさまです……」ぶらーん
P「ぶら下がるな、ぶら下がるな」
P「…………」
P「こっちと合わせて15000円!? ……ちょっと高くね!? お前達、どんだけ食ったんだ」
乃々「しのぶさんがひとり20皿はノルマだって……」
忍「言ってないよ!?」
乃々「極度のストレス下で、もりくぼは過食気味になるんですけど……」
あやめ「それは申し訳なかったと思っておりますが!」
乃々「そういえばPさん、あやめさんと忍さんに夜這いかけられたって本当ですか?」
イヴ「…………」
七海「…………」
法子「…………」
忍「嬉々としてストレス下に飛び込んでるよねっ!?」
P「ん、夜這い? 何のことだ?」
乃々「……?」
P「ああ、もしかしてあれか! 昨日の夜、寝ようと思って寝室に行ったらベッドがこんもりしててな。不審に思って布団をめくったら、そこには、なぜか揃って全裸に縄で亀甲縛り状態のあやめと忍が!」
乃々「うわぁ……」
P「意味がわからないので、思わずそっと閉じましたよ。そっと」
乃々「それで、ひゃっほー! 据え膳だぜーっ! ってなる人はあんまりいないでしょうね」
P「あれ、夜這いだったのか……」
乃々「ええ、残念な人達です……」
あやめ・忍「…………」
七海「ちょっと待って下さい。おかしいれす」ぶらーん
P「いつの間にか右腕にぶら下がってるお前も相当おかしいぞ? なんか左の乃々と左右対称で合体ロボみたいだな、俺」
乃々「くっ……」
七海「ふたりとも亀甲縛りで待機って物理的、作業的に無理じゃないれすか?
いえ、七海はピュアなので亀甲縛りの意味はわからないれすが」
法子「わかっとるやん」(関西人感)
P「そう言われてみればそうだな。手足共に拘束する形式だった。自分達でああは縛れない。けど事実そうだったし……。む? そういえば……」
イヴ「どうかしたんですか~?」
P「この件と関係あるかどうかは分からない……多分、無関係だとは思うんだが、今朝事務所ですれ違った穂乃香に、虫ケラでも見るかのような目で『最低です。死ねばいいのに』って言われたんだが」
乃々「思いっきり核心ですよ。ていうか親友に何頼んでるんですか、しのぶさん」
忍「ゴメンナサイ……」
P「あの冷たい眼、正直、興奮した」
乃々「そっちには行かないで下さい」
イヴ「はいは~い。レジ打ちが真奈美さんだからって赤裸々に話し込み過ぎですよ~。早く出ましょう~」
木場真奈美(バイト)「ありあっしたーっ!!」
P「ごちそうさん!」
乃々「ええーっ……?」
※ ※ ※ ※ ※
P「いやー、食った食った。当分、寿司は……」
??「P……?」
P「えっ?」
忍「あ、ナターリアさん」
ナターリア「P……今、ミンナと、おスシ屋サンから……出てきた……ノカ?」
P「え……う、うん。そう……だけど」
ナターリア「な、ナンデ……ナンデ、ナターリアは誘ってくれなかったノ? ……な、なんでナターリアだけサラダ屋サンに……」
P「い、いや、あれは別にサラダ屋さんだったワケではなくて……」
乃々「ナターリアさんの眼が深淵のように暗く染まってるんですけど……。もりくぼはあれと同じ様な眼を最近、別の所で見た記憶があります」
P「ど、どうした急に?」
乃々「この前、パジャマパーティーにお呼ばれした時に、深夜のガールズトークでPさんのpちゃんのサイズについて議論になったんですけど」
P「意味がわからない。わかりたくないけど、少なくともそれはガールズトークじゃないだろう」
乃々「そこでもりくぼがPさんのpちゃんのサイズとPさんのPさんのサイズを、ミリ単位で正確に教えてあげた時の、まゆさんの眼がちょうどあんな感じでした」
P「何してくれてんの!? なんでよりによってまゆにそういうこと言っちゃうわけ!? 絶対邪推されてるよ!? いや、そもそもなんでミリ単位でそんなもん把握してるわけっ!?」
乃々「ちなみに響子さんとゆかりさんは満面の笑顔でした。貼り付けたような」
P「質問に答えろ! いや、メンツやばいな、それっ!? その状況でよく生きて帰れたな、もりくぼぉっ!」
乃々「智絵里さんはちょっと泣いてました」
P「天使を泣かすなっ!」
乃々「美優さんや留美さんは」
P「聞きたくない聞きたくない」
乃々「いませんでした」
P「おちょくってんのか!」
イヴ「Pさん。放置されたナターリアちゃんが泣いちゃいそうなんですけど~」
ナターリア「うう、うぇ、うえぇぇぇ……」
法子「大丈夫だよ~。すでにデート先約済みのあたしが言うのもなんだけど、きっとまた連れて行ってくれるって。よしよし」
ナターリア「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
P「とどめをさすなっ!!
ご、ごめんなー。ナターリアも誘おうと思ったんだけど電話が繋がらなくて……。
あと、俺が連れてきたのは七海とイヴだけで他は偶然会っただけだからな~」
ナターリア「う、うぇっ……」
P「すぐにってワケにはいかないけれど、また今度一緒に行こうな~。だから泣き止め~」
ナターリア「…………」
ナターリア「……回るスシ? 回らないスシ?」
P「ぐっ……! ど、どっちでもいいぞ~」
ナターリア「回るスシがイイ!」
P「そっちがいいのか……」
ナターリア「ミンナといっしょニ!!」
P「……はい」
イヴ「楽しみですね~」
P「イヴは向こう1週間、ふりかけご飯のみな。ごま塩で」
イヴ「お、横暴です~。あんまりです~。せめて卵かけ御飯とのローテーションに~」
あやめ「それで良いのでござるか……」
忍「なんでごま塩縛り?」
乃々「イヴさんの献立を当然の様にPさんが決めてることにはもう誰も突っ込まないんですね」
ナターリア「約束だゾ! P!」
P「お、おう! 約束だ!!」
法子「良かったね!」
七海「一件落着、れす~」
乃々「……そろそろPさんの腕から離れませんか?」
七海「……お断りれす~」
あやめ「の、乃々殿……! のちほどPさんのPさんのサイズについて詳しく……」
P「何きいてんのっ!?」
イヴ「Pさんのアレは意外と~」
P「イヴさん!? あなたまで何をっ!?」
七海「興味深いれす」
法子「アレ言うなや」(関西人感)
54 : 名無しさ... - 2016/07/21 04:56:13 OLn 48/82
社会的に
おしまい。
真奈美さんには寿司職人のイメージがありますよね。
ドーナツが予想外に美味しくて驚きました。
お目汚し失礼しました。
※ ※ ※ ※ ※
おまけ
その日の夜
P「あー、今日も疲れた~。帰ったぞ~愛しの我が家~。あれ? なんだ? 鍵が開かないぞ?」
ガチャ
松尾千鶴「あ、お帰りなさい、Pさん」
P「あれ?」
千鶴「何惚けてるんですか。さっさと入って下さい」
P「う、うん」
バタン。ガチャガチャン。
P「…………」
千鶴「さて。あらためて、おかえりなさい。あ、あなた」
P「なんで呼び方変えた?」
千鶴「ご飯にします? お風呂にします? そ、それともわ、わ……」
P「ごはんで」
千鶴「え?」
P「ごはんで」
千鶴「……なるほど、がっつかない大人の余裕という奴ですか、悔しいけど……す、素敵ですね」
P「誰だお前」
千鶴「さぁ、さっさと中に入ってください。はい。足を上げて、靴を脱ぎ脱ぎしましょうね~」
P「おい。自分でっ、自分で出来るからっ! やめっ……!」
千鶴「くんかくんか。はい。次はスーツを脱ぎ脱ぎ……」
P「なんで靴を嗅いだ!?」
千鶴「は? 何を言ってるんですか?」
P「!? そ、そうだよな。真面目でクールな千鶴がそんなことするわけないよな。なんだろう、俺、疲れてるのかな」
千鶴「はすはす。スーツも程良いスメル」
P「だから嗅ぐなっ!!」
千鶴「は?」
P「いや、だからなんで逆ギレ気味なんだよ!!」
千鶴「ご飯の用意は出来てますよ」
P「会話をしろ! あとさっきから気になってたんだけど、なんでメイド服なんか着てるんだよ!」
千鶴「今夜は鶏肉と旬のお野菜がメインのお鍋ですよ」
P「……それと知らないうちに俺の家の鍵が見慣れない2連式になってるんだけど」
千鶴「お昼にお寿司をいっぱい食べたみたいでしたから、味付けはあっさりめに仕上げました」
P「なんで俺の昼飯知ってるの?」
千鶴「え? それはもちろん盗聴k……イヴさんに聞いたからですよ?」
P「なんか9割方、言いかけなかった?」
千鶴「頭頂部も最近怪しいんじゃないですか?って言いかけただけですよ」
P「イタズラに傷つけないで! 俺のグラスハート! あと『も』って何っ!?」
千鶴「ストレス性ですかねー」
P「どこ見てるの!? 冷静に分析しないで!」
千鶴「そうこうしてるうちにお鍋が温まりましたよ。さぁ、座って下さい」
P「うん。……うん? なんか色々誤魔化されてないかな?」
千鶴「よそってあげますね。あなたはどの具を食べますか……。ハッ、 つ、ついでだから! ただのついでですから!」
P「とって付けたようなツンデレ!」
千鶴「え? 私をとって食いたい?」
P「肉食系の難聴アイドルとか、性質悪りぃなっ!!」
千鶴「……あーんとか、してあげるわけないじゃない。……しないってば」
P「あ、熱っ!! 言ってる事は、ほぼ公式の台詞だけど、やってる事が……熱いって!! 押し付けんな!!」
千鶴「こうしてると本当の家族になったみたいですね……ハッ、いえ、なんでもないです! なんでもないっ!」
P「はー。熱かった。ん。普通に食うと美味いな。優しい出汁の味が胃に染みるね」
千鶴「…………」
千鶴「やっぱりどうしても私に食べさせて欲しい? 仕方ないですね。はい。あーん」
P「…………」
千鶴「あーん」
P「…………」
千鶴「あーん」
P「…………」
千鶴「……口を開けてくれないと、このメイド服のまま、ご近所に『妻です。服装は夫の趣味です』って挨拶して回ります」
P「……あ、あーん」
千鶴「ふふ。仕方ないですね。はい。あーん」
P「……理不尽だ。そして普通に……いや、思った以上に美味いから困る」
千鶴「次は何を食べたいですか?」
P「一回だけじゃなく、ずっと続くのか、これ」
千鶴「不思議ですね。ただのお鍋なのに、あなたと一緒に食べるといつもよりもずっと……」
P「しかも意外と悪意を感じないからやりにくい」
千鶴「ただあなたが喜んでくれるなら、それだけで良いんですよ」
P「…………」
千鶴「はい。次はこれ。お野菜も食べましょうねー。あーん」
P「は、恥ずかしい……」
※ ※ ※ ※ ※
P「ふー……。食った食った。最後の方は食べさせてもらう事に慣れてきていた自分が怖い」
千鶴「なら、あなたのお箸は処分してしまっても構わないよね?」
P「それはやめて」
千鶴「ふふ。さすがに冗談です」
P「今のお前は線引きが分かりづらいんだよ」
千鶴「さて、食器もあらかた洗い終わりましたし、あ……あなた。こっちに来て下さい」
P「…………」
千鶴「…………」
P「……その座って自分の脚を叩く仕草は一体……?」
千鶴「見て分かりませんか? 膝枕ですよ。してあげるからこっちに来て下さい」
P「…………」
P「いやいや。それはないだろう。それはナシだろう。なんか色々麻痺しつつあるけど、越えちゃいけないラインってのが」
千鶴「今なら耳掃除のオプション付きですよ?」
P「…………」
千鶴「それに私、ダンスレッスン頑張ってますけど、結構柔らかいですよ?」
P「…………」
千鶴「珍しく他に誰も居ませんし、チャンスだと思いますけど……前のお仕事の時、たまに私のここ、見てましたよね?」
P「…………」
千鶴「……私、口は意外と固い方ですし、……誰にも言いませんよ?」
P「…………」
千鶴「メイド服だとスカートで露出が減るのが気にくわないですか?
こ、これくらいなら……はっ、こ、これ以上は……見えちゃうからダメですよ?」
P「…………」
P「…………」
P「…………」
千鶴「……気持ちいいですか?」
P「うん」
P「…………」
P「…………」
P「はっ! 俺は一体……!?」
千鶴「あっ……動いたら危ないですよ。じっとしてて下さい」
P「は、はい」
P(心頭滅却、心頭滅却、心頭滅却すれば火もまた太もも、股太もも、太もも、太もも! すべすべ!」
千鶴「声に出てますけど……」
P「はっ! 今のは違う! 違いますからね!」
千鶴「それ私の……いえ、構いませんが、あんまり動かないで下さい」
P「はい……」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「……手とか指くらいなら多少動かしても良いですよ?」
P「さ、触らないよっ!?」
千鶴「触れとは言ってませんが」
P「うぐ」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「……触っても良いですけどね」
P「…………」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「…………」
P「そ、そういえばイヴ達はどうしたんだ? 珍しく誰もいないみたいだけど」
千鶴「なんか女子会? らしいです。大惨事すーぱーパジャマパーティーZ 天獄編とかなんとか。乃々ちゃんとかも一緒に。私は体調不良ということにして今回は辞退しました」
P「そ、そうか……。いや、なんだそれ!?」
千鶴「はい。こっち側は終わりです。次は反対側をしますから、私のお腹の方に顔を向けて下さい」
P「は、はい」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「…………」
P(この体勢で深呼吸したい)
千鶴「別に良いですけど」
P「心を読まないでっ!!」
千鶴「あなたの考えてる事は、ほぼ手に取るように分かりますし」
P「マジで……!?」
千鶴「まじです」
P「マジか……」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「…………」
P「マジかぁ……」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「……遠慮しなくてもいいですよ」
P「…………」
千鶴「そもそもあなたは周りに気を遣いすぎなんです」
P「え? そうかな?」
千鶴「詳しくは知りませんが、どうせ今日のお昼もみんなに奢ってやる、とか格好つけたんでしょう?」
P「うっ……」
千鶴「プロデューサーだからって無理して全員分自腹を切る必要はないでしょう」
P「う、う~ん。でも」
千鶴「でもじゃありません」
ぎゅっ。
P「ち、千鶴!? お、おま、お前、なに抱きしめて……」
千鶴「動かないで下さい。じっとして。……温かいでしょう? 嫌じゃないですよね?」
P「は、はい。うん。温かい……嫌じゃ……ない」
千鶴「じゃあ、じっとしてて下さい」
P「…………」
千鶴「…………」
P「…………」
千鶴「あなたは格好つけ過ぎ、意地を張り過ぎなんです。たまにはこうやって力を抜いて、誰かを頼ってもいいんですよ」
P「し、しかし」
千鶴「あなたの立場は分かります。いえ、分かってるつもりです。けど、時々はこうやって誰かを頼って、誰かに甘えてもいいと思うんです。ずっと意地を張っていたら、いつか壊れちゃいますよ」
P「…………」
千鶴「意地っ張りだった私にそれを教えてくれたのは他でもない、あなたです」
P「…………」
千鶴「誰も見ていません。誰にも言いません。私に頼って下さい。私には……甘えて下さい」
P「…………」
千鶴「いつでもきっと、いつまでもずっと、こうやってあなたの望むままに……抱き締め続けてあげますから」
P「…………」
P「…………」
P「…………」
P「…………はい」
※ ※ ※ ※ ※
押入れの中
佐久間まゆ「せっかく作った鍵が使えなくなってたのはこういうことだったんですね」
奈緒「千鶴が丸ごと付け替えたのか。意外とやるなぁ。ていうか、あんな所からこの押入れの中に繋がってたんだな。知らなかった」
まゆ「本来はオンザルーフメンバーと輝子ちゃん専用の出入り口なんですけどねぇ。今日は特別です」
奈緒「おう。さんきゅ。まゆが居なかったら入れず、途方に暮れるところだった」
まゆ「パジャマパーティー不参加と聞いて念の為、確認しに来て正解でしたね。危ないところでした」
奈緒「危ないところ? なんかPさん陥落でアウトっぽいんだけど」
まゆ「ええ、まさかそういう方向性で攻めてくるとは……想定外でした。最後のPさんの返事が『はい』じゃなくて『うん』だったら完堕ちでしたね」
奈緒「違いがわからんが……そういうものなのか」
まゆ「今回は7割堕ちと言ったところでしょうか」
奈緒「それでも結構アウトだな」
まゆ「あら?」
奈緒「どうした?」
まゆ「Pさん、眠っちゃったみたいですね」
奈緒「ほんとだ。ちょっとイビキかいてる」
まゆ「うふ。可愛い……」
奈緒「どうする? 突撃するか?」
まゆ「あら? 千鶴さんがPさんをそっと置いて、こちらに……」
ガラッ!!
奈緒「ひっ!?」ジャラ
千鶴「何やら騒がしいと思えば……」
まゆ「…………」
千鶴「…………」
まゆ「…………」ピッ
奈緒「お、おい。まゆ? その眼鏡なんだ? 見つかってから変装なんてしても……」
まゆ「いえ、これはただの眼鏡ではありません。某博士作、ヤンデレスカウターです」
奈緒「ヤンデレスカウター!?」
まゆ「千鶴さんの病み力は……5MAYUか。ふん。ゴミめ……です」
奈緒「お、おう。それ、どれ位の数値なんだ?」
まゆ「ちょうどまゆの5倍ですねぇ」
奈緒「ヤバいだろっ!!!?」
千鶴「…………」
まゆ「…………」
奈緒「…………」
千鶴「あなた達……」
まゆ「差し入れを」
奈緒「!?」
まゆ「食後のデザートの差し入れを持ってきました。ショートケーキ、チーズケーキ、チョコ、モンブラン。お好きなものをお選び下さい♪」
奈緒「取り入ろうとしてる!?」
まゆ「人聞き悪いですねぇ。相手を認めての一時休戦。和平、同盟の持ちかけですよぉ」
千鶴「け、ケーキ……」
奈緒「あ、効いてる」
まゆ「少ししたらPさんも起きてくるでしょうし、まゆが紅茶を淹れますね。お皿の用意、お願いしてもいいですかぁ?」
千鶴「し、仕方ないわね。あなたの思惑に乗るわけじゃないわよ。Pさんの為なんだからっ」
奈緒「メイドさん……。ツンデレのメイドさんだぁ……」
かくして千鶴達の間柄は危ういながらも平穏を保たれることとなった。
その後、目を覚ましたPが3人の仲の良さに着眼し、新ユニットを結成する。
ユニット名はなぜか「まゆ参上」と付けられたが、その真の意味に千鶴と奈緒はまだ気づいていない。
おしまい。
90 : 名無しさ... - 2016/07/21 05:08:45 OLn 81/82
above the eyes とか Eyebrows とかもカッコ良いですね。
重ね重ね失礼しました!
91 : 名無しさ... - 2016/07/21 05:10:45 OLn 82/82関連
【デレマスSS】モバP「ただいまー」まゆ「お帰りなさい。Pさん」
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【デレマスSS】乃々「もりくぼ、Pさんに騙されたいみたいなんです」
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