1 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:55:36.12 MK2MIxXL0 1/21

【読書】

 
「まーきちゃん!」

真姫「な、何よ」

「何やってるの?」

真姫「何って、読書してるの」

2 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:56:58.72 MK2MIxXL0 2/21

「へー、何読んでるの?」

真姫「凛が読まなさそうな本よ」

「漫画じゃないのかぁ」

真姫「当然でしょ」

「で、何読んでるの?」

真姫「これよ、これ」

 

 

 
『美味しいトマトの育て方・初級編』

3 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:57:36.22 MK2MIxXL0 3/21

「絶対に凛が読まなさそうな本だってのは分かるよ」

真姫「でっしょー」

「多分、真姫ちゃんくらいしか読まないと思うよ」

真姫「失礼ね。トマト好きにとっちゃ必須アイテムよ」

「初級編なのに?」

真姫「これからどんどんステップアップするの」

「凛にはよく分からないよぉ」

4 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:58:29.21 MK2MIxXL0 4/21

【食欲】

 
花陽「みんな遅いね」

真姫「掃除やら生徒会やらなんやらでしょ」

「三年生組は説明会で遅れるって」

ぐぅ~

「お腹すいたね」

花陽「秋だからかなぁ」

真姫「秋はトマトが美味しい季節よ」

「真姫ちゃんの頭の中はトマトばっかにゃ」

5 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:58:59.02 MK2MIxXL0 5/21

真姫「失礼ね。トマト以外にも秋刀魚が美味しいわよ」

「凛は魚が苦手にゃ」

真姫「猫っぽいのに?」

「それはそれ、これはこれ」

真姫「よく分かんないわね」

6 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 22:59:49.99 MK2MIxXL0 6/21

花陽「二人とも!」

「んー?」

真姫「どうしたの?」

花陽「秋といえばアレに決まってるよ!」

真姫「アレ?」

「かよちんのことだからアレだよ」

真姫「は?」

花陽「秋といえばそう! 新米の季節だよ!」

 

 

 
花陽「新米の季節だよ!!」

7 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:00:36.08 MK2MIxXL0 7/21

真姫「あぁ、そっか新米ね」

「この時期いっつもこうなんだ」

真姫「好きなモノだからかしら?」

「凛にとってのラーメン。真姫ちゃんにとってのトマトだよ」

真姫「トマトはすんごいのよ」

「訳分からないにゃ」

8 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:01:14.73 MK2MIxXL0 8/21

真姫「それで、花陽はもう新米は食べたの?」

花陽「ふっふっふっ」

真姫「何よ」

花陽「愚問だよ真姫ちゃん」

真姫「はぁ?」

花陽「とっくに食べてるに決まってるよぉ!」

「いつものことにゃ」

9 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:01:42.29 MK2MIxXL0 9/21

花陽「昨日、早速お母さんに頼んで買って来てもらったよ」

真姫「で、どうだったのよ」

花陽「もちろん、旨い!!」

「確かに美味しかったね」

真姫「なんで凛が知ってるのよ」

「カップラーメン買った帰りにお呼ばれされたんだよ」

真姫「なら私も誘いなさいよ!」

花陽「ごめんごめん」

10 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:02:20.48 MK2MIxXL0 10/21

「かよちん。パクパク食べてたよ」

真姫「美味しいと食が進むと言うわね」

「凛がおかわりする前に、炊飯器空っぽになってたよぉ」

真姫「それ、食べ過ぎじゃない?」

「いつものことだよ」

真姫「いつもそれだとマズイわよ!」

11 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:03:00.81 MK2MIxXL0 11/21

花陽「あぁ~、今日も帰って新米を」

真姫「花陽」

花陽「何?」

真姫「貴女、太ってない?」

花陽「ふ、太ってないよぉ!!」

真姫「ほんとぉ?」

花陽「ほ、ほんと……だ、よ」

真姫「怪しいわね……」

12 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:04:19.35 MK2MIxXL0 12/21

花陽「だって新米だよ! 美味しいんだよ!」

真姫「美味しいのは分かるわよ」

花陽「お米さんは私に食べられたいんだよ!」

真姫「何事にも限度ってものがあるわ」

花陽「私から白米を取り上げるのは、凛ちゃんからラーメンを取り上げるようなものだよ!」

「それは拷問にゃあ……」

真姫「凛、貴女まで」

「じゃあ真姫ちゃんからトマト奪うよ?」

真姫「トラナイデ!!」

13 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:04:58.15 MK2MIxXL0 13/21

花陽「好きなモノを奪われるのは死を意味してるんだよ!?」

真姫「私もトマトを奪われたら怒り狂って、最終的には死んじゃうわね」

花陽「でしょでしょ」

真姫「でっしょー」

花陽「だから、私は食べる! 白米を食べる!」

「で、お腹の辺りがぷにぷに~っと」

花陽「やめてぇー」

真姫「やっぱり体重増えたんじゃ」

花陽「多少はね」

14 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:05:26.57 MK2MIxXL0 14/21

「では、体重計に乗ってみますか?」

花陽「うぇっへ、ちょっとそれはぁ」

「増えた分が分かりますよ」

花陽「やだよぉ……って」

「そして」

花陽「なんで!」

「増えた分は!」

花陽「なんでいるの!?」

 

 
花陽「海未ちゃん!」

15 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:06:22.79 MK2MIxXL0 15/21

海未「生徒会の方が早く終わりましたので、穂乃果とことりもすぐに来ます」

真姫「そう」

海未「それより」

花陽「うぇっ!」

海未「花陽、増えたのは本当ですか?」

花陽「ふ、増えたって言ってもちょっとだけ」

海未「どのくらいですか?」

花陽「ほ、ほんの……ちょびっと」

海未「それでは確かめましょう」

16 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:07:21.12 MK2MIxXL0 16/21

花陽「きょ、許容範囲内だからぁ」

海未「測ってみないと分かりません」

ガシッ

ズルズル

花陽「あっ、あっ、あああああ!!」

17 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:07:48.08 MK2MIxXL0 17/21

真姫「連れてかれたわね」

「うん」

穂乃果「おっまたせー」

「あっ、穂乃果ちゃんことりちゃん」

ことり「さっき海未ちゃんが花陽ちゃんを連れてったけど、何かあったの?」

真姫「何て言うか、食べ過ぎには注意ってことかしらね」

ことり「?」

穂乃果「?」

 

 

 
海未「花陽! 今日からダイエットメニューです!!」

花陽「ダレカタスケテェー!!!」

18 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:08:16.93 MK2MIxXL0 18/21

【行楽とスポーツ】

 
真姫「紅葉狩りに行きたいわね」

「どこかいい場所あるかなぁ」

花陽「うーん」

海未「いい場所ならありますよ」

「えっ、ほんと」

19 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:08:48.44 MK2MIxXL0 19/21

海未「ですが少し」

真姫「遠いの?」

海未「いえ、遠くはないですよ」

「じゃあ」

海未「少し山を登っていただきますが」

真姫「山の紅葉とか綺麗そうね」

花陽「うん」

20 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:09:22.34 MK2MIxXL0 20/21

海未「では、今度の休みにみんなで行きましょう」

「わーい」

海未「登山道具一式はこちらで準備しておきます」

「はい?」

海未「山を登るのです。それくらい」

真姫「どこ行く気なのよ」

海未「とりあえず、標高1000メートルくらいの山を!」

「……」

真姫「……」

花陽「……」

海未「黙らないでくださいよ」

21 : ◆U8q6OIlszM - 2017/09/23 23:09:49.78 MK2MIxXL0 21/21

「近場で済まそっか」

真姫「そうね」

花陽「じゃあ何処へ……」

海未「花陽はダイエットの為、私と登山です!」

花陽「えっ!?」

海未「紅葉狩りという行楽、登山というスポーツで二つの秋を満喫です!」

花陽「よぉ……」

「かよちん、がんばれにゃ!」

 

 
おしまい

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