1 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:44:20.15 FqcG0Fn80 1/34

前の
フレデリカ「緑色の目をした怪物」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1494245917/
http://ayame2nd.blog.jp/archives/15371907.html

寺生まれのPさんとか、歌鈴ちゃんとか、ふじともとか、みくにゃんとか出ます

元スレ
クラリス「教会生まれのCさん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1501868659/

2 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:44:53.38 FqcG0Fn80 2/34

歌鈴「はぁ……レッスンしてたらすっかり遅くなっちゃいました……」

歌鈴「もうすっかり真っ暗で……あ、月が綺麗……」

歌鈴「まんまる……」

歌鈴(……)

歌鈴(……そういえば、お兄さんが言ってました)

歌鈴(満月の夜は、人ならざるものが現れやすい……って)

歌鈴(……)

歌鈴(……少し、警戒しておこうかな)

歌鈴(……)

歌鈴(……)

歌鈴「……!」

歌鈴(感じた……! 人じゃない何かの気配……!)

歌鈴(おちつけー……おちつけー……歌鈴ー……)

歌鈴(ええっと……気配はどっちから……)

歌鈴「あっち……!」

3 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:45:36.05 FqcG0Fn80 3/34

歌鈴(……道、合ってるかな?)

歌鈴(ううん、気配は濃くなってるんだから、それは大丈夫)

歌鈴(それよりも、もしかしたら誰かが襲われてるかもしれないんだから……もっと早く……!)

歌鈴「はっ……はっ……!」

歌鈴(……あとは、ここを曲がれば――)

「――!」

「ひ、ひぃっ!」

歌鈴(いたっ! 怪物と……襲われてる人!)

歌鈴(よし……歌鈴、行きますっ!)

歌鈴「破ァ!!!」

「――!?」

「なんだ、光……!?」

「……はっ! そ、そうだっ、今のうちに……!」ダッ

歌鈴「ふぅ……」

歌鈴(あの人は……逃げたみたいですね)

歌鈴(うまく邪魔できたみたいです)

「――」ギロッ

歌鈴「!」

歌鈴(……本当は、今ので終わらせたかったんですけど……)

歌鈴(……大丈夫、歌鈴。大丈夫)

歌鈴(たぶん、この怪物はそこまで強くない)

歌鈴(だから……一発でダメならもう一発……!)

歌鈴「すぅ……」

「――!」

歌鈴「……歌鈴、行きま――」

????「滅ッ!!!」

歌鈴「――えっ!?」

歌鈴(突如、空から女の人が現れた)

歌鈴(そして、私たちと同じように手を前に出し、叫び)

歌鈴(手のひらから放たれた光は怪物を包み込んで……)

歌鈴(……光が消えるころには怪物はいなくなっていた)

4 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:46:03.41 FqcG0Fn80 4/34

????「……ふぅ」

歌鈴(……間違いありません。あれは私たちと同じ……!)

????「……地の獄で永久に懺悔なさい」

歌鈴「……」ポカン

????「お怪我はありませんか?」

歌鈴「え……あ、はいっ。大丈夫でしゅっ! ですっ!」

????「ふふ……そうみたいですね」

????「……危難は去りました。もう怯えることはありません」

????「それでは私はこれで……夜道にはくれぐれも気をつけるよう……」

歌鈴「あ……あのっ、待ってくださいっ!」

????「……どうしました?」」

歌鈴「その……お名前聞いてもいいですか……?」

????「私は……」

????「……そうですね、教会生まれのCとでも名乗っておきましょう」

歌鈴「教会生まれのC……」

クラリス「それでは」タッ

歌鈴「あっ!」

歌鈴「……いっちゃった」

歌鈴「……」

歌鈴「私たち以外にも……本当にいたんだ……」

5 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:47:02.08 FqcG0Fn80 5/34

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


歌鈴「ってことが昨日の夜にあったんです」

「手柄を横取りされちゃったのね」

歌鈴「そっ、そんなこと考えてませんっ!」

「ふふ、冗談よ」

「にしても……シスターの除霊師ねぇ……」

「……もしかして、最近うわさになってるあの除霊師かしら」

歌鈴「きっとそうだと思います……藍子さんが話してたうわさの、ですよね?」

「そうそう。歌鈴ちゃんの勘違いしてた、あのうわさのね」

歌鈴「うぅ……それは、忘れてください……!」

「ふふっ」

「シスターの服着て、除霊師……なんてぴったりじゃない」

歌鈴「そうですね……」

歌鈴「それに、教会生まれの……とも言ってましたし」

「……除霊師ってみんななんとか生まれってつけるものなの?」

歌鈴「わ、私はつけてませんけど……でも、お兄さんもCさんもつけてますね……」

「やっぱり歌鈴ちゃんも神社生まれのDさんで活動したら?」

歌鈴「しません!」

歌鈴「……ととっ」

歌鈴「それで、朋ちゃん、話は戻るんですけど!」

「ん?」

歌鈴「よかったら何ですけど……Cさんがいる教会を一緒に行きませんか?」

「教会に?」

歌鈴「はい」

歌鈴「……せっかく同じような力を持つ方に会えたんですから」

歌鈴「その、いろいろお話してみたいな……って思いまして」

歌鈴「……でも、一人じゃちょっと心細いので」

歌鈴「お願いできませんか?」

「もちろん、いいわよ」

歌鈴「わ、やったっ!」

「あたしも、ちょっと気になるしね」

「……でも、その教会の場所はわかるの?」

歌鈴「それは……」

歌鈴「……ち、近くの教会からしらみつぶしに探していこうかと」

「……」

「……まあ、手がかりなんて何もないもんね」

歌鈴「うぅ……」

6 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:47:52.72 FqcG0Fn80 6/34

「……わかった」

「じゃ、あたしが占いでその教会見つけるわ」

歌鈴「……いいんですか?」

「こういうときのための占いよ」

「特定の人物がいる……なんて手がかりさえあれば場所なんて簡単に見つけられるしね」

歌鈴「朋ちゃん頼もしい……!」

「えへんっ……なんてね」

「それじゃ、占うわ」

歌鈴「お願いしますっ!」

「ん」

「それじゃ、携帯の地図を出して……教会で検索っと」

「……わ、結構出てくるのね」

歌鈴「こ、これ全部をしらみつぶしは大変ですね……」

「でしょ?」

歌鈴「朋ちゃんにお願いしてよかった……」

「ふふっ」

「さてとっ、後はこのペンデュラムで……どの教会かなー……?」

歌鈴「……あ、もしかしてペンデュラムが触れたところが……」

「そう、目当ての教会よ」

歌鈴「おぉ……すごい……!」

歌鈴「……でも、これって占いなんですか?」

「あたしが占いと思えば占いよ」

歌鈴「……」

「……あ、反応あったわ!」

「ここの教会みたい!」

歌鈴「……一番近い教会ですね」

「そうね。ラッキーだったかも」

「……じゃ、行ってみよっか」

歌鈴「はいっ!」

7 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:49:32.20 FqcG0Fn80 7/34

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「えーっと……あ、あったあった。ここね」

歌鈴「わぁ……すごい……教会です……!」

「そりゃ、教会だからね」

歌鈴「あっ!……あうぅ」

「ま、いいたいことはわかるわよ」

「あんまりこういう建物ってみないしね」

歌鈴「はい……」

歌鈴「……私の実家も実家でしたし」

「あー」

「……そういやさ、歌鈴ちゃんって教会入って大丈夫なの?」

「神社生まれだけど……」

歌鈴「あ、はい……大丈夫……だと思いますけど……」

歌鈴「そういう風に教えられたこともないし……」

歌鈴「……」

歌鈴「……大丈夫ですよね?」

「あたしに聞かれても」

歌鈴「うぅ……どど、どうしよう、急に不安になってきちゃいました……」

歌鈴「……朋ちゃんだけで行きますか?」

「いや、行きたいっていったのは歌鈴ちゃんでしょ?」

歌鈴「そうなんですけどぉ……!」

「……ごめんね、歌鈴ちゃん。変なこと聞いちゃった……」

歌鈴「いえ……むしろ、私ももっと気にするべきだったのかも……」

歌鈴「……うぅ……!」

????「……あの」

歌鈴「ひゃっ!?」

「きゃっ!?」

????「わっ……す、すいません」

????「門前で話し込んでいたものですから、気になってしまって」

「あ、いや。あたしたちこそごめんなさい」

歌鈴「はい……邪魔でし――あっ!」

歌鈴「Cさん!」

「えっ?」

????「あら、あなたは昨日の……」

????「まさか、こんなにも早く再開するとは……」

歌鈴「あっ、あのっ! Cさん!」

歌鈴「私、Cさんとお話したくって!」

????「私と……?」

????「……」

????「……では、立ち話ではなく、ゆっくり座ってお話しましょう」

????「中へどうぞ」

歌鈴「は、はいっ!」

(……この人がCさん……)

8 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:52:55.29 FqcG0Fn80 8/34

????「こちらへおかけください」

歌鈴「は、はいっ!」

歌鈴「……わぁ……中もすっごい教会……」

「歌鈴ちゃん……」

????「それでは、改めて自己紹介させていただきましょう」

クラリス「私はC……改め、クラリスと申します。以後お見知りおきを」

歌鈴「よ、よろしくお願いしますっ!」

歌鈴「あっ、私は道明寺歌鈴と言います!」

「あたしは、藤居朋よ、よろしくね」

クラリス「歌鈴さんに……朋さん……」

クラリス「……ふふ、よろしくお願いしますわ」

歌鈴「はいっ!」

クラリス「それで……私とお話がしたいと話されていましたが……」

クラリス「……先日のことで何か聞きたいことでも?」

歌鈴「あ、えっと……その、何が聞きたいとか何が話したいとかはなくって……」

歌鈴「ただ……私と同じ力を持っていたみたいなので、少しお話がしてみたかったんです」

クラリス「歌鈴さんと同じ……?」

「……歌鈴ちゃんも除霊の力があるのよ」

クラリス「あら……そうなのですか?」

歌鈴「はい! こんな感じで……破ぁ!!!」

クラリス「まあ……!」

9 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 02:55:01.61 FqcG0Fn80 9/34

クラリス「確かに私と同じ……あなたも除霊ができるのですね」

クラリス「……では、昨日はもしかしてお邪魔でしたか……?」

歌鈴「ああ、いえ。そんなことは!」

歌鈴「わ、私一人だと危なかったかもしれませんし……」

歌鈴「なのでっ、えっと、むしろ……ありがとうございますっ!」

クラリス「いえいえ」

クラリス「……そのような力をお持ちということは、、ここらの平和は歌鈴さんが守っていたのですね」

歌鈴「あ、いえ。私ではなく……お兄さんが……」

クラリス「まあ、ご兄弟が……?」

歌鈴「えっと……兄弟じゃないんですけど……でも、とっても頼れるお兄さんなんです!」

歌鈴「私よりもとっても強くてすっごいお兄さんが……」

クラリス「なるほど……」

「……寺生まれのTさんって、聞いたことない?」

クラリス「存じております」

クラリス「私の故郷にもその名声は届いておりました……あらゆるものを除霊してきた凄腕の除霊師がいると……」

歌鈴「そ、そんなすごいんですね、お兄さんって」

「あいつ全国で修行してたしね……」

クラリス「……もしや、歌鈴さんの言うお兄さんがTさんなのですか?」

歌鈴「はい……きっと、そのうわさと同じ」

クラリス「まあ……!」

クラリス「Tさんは実在していたのですね……!」

「UMAみたいな扱いね」

10 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:00:20.25 FqcG0Fn80 10/34

クラリス「……こほん、失礼しました」

クラリス「Tさんには憧れていましたので……つい、興奮してしまいましたわ」

歌鈴「憧れ……」

クラリス「ええ」

クラリス「彼は、どのような妖でも、退けるほどの力を持っていると聞いていましたから」

クラリス「私もそのような力を、と常々憧れていました」

歌鈴「はわぁ……やっぱりすごいなぁ……」

クラリス「……Tさんを知る貴女たちからしても、やっぱり彼はすごいのですね」

「まあね」

「ずっとそばにいて、見てたから……あのうわさが誇張でもなんでもないこともわかるわ」

クラリス「そうなのですね……」

クラリス「……私は、Tさんのような力を持ちたい、と」

クラリス「Tさんのような力を持ちたかった、と常々思って鍛錬していました」

歌鈴「持ちたかった……ですか?」

クラリス「そう……」

クラリス「力があれば、あのような悲しみを持つこともありませんでしたから……」

「……」

歌鈴「……あの、聞いていいかわかりませんけど……何があったんですか?」

クラリス「単純な話です」

クラリス「だいぶ昔に、私の周りの者が、妖に襲われて亡くなったのです」

歌鈴「!」

クラリス「教会は荒らされ、食料は奪われ、人命は弄ばれ……」

クラリス「すべてがめちゃくちゃになりました」

クラリス「なにもかもが」

歌鈴「……ごめんなさい」

クラリス「昔の話です、気にしないでください」

クラリス「……あの時もう少し力があれば……と思わなかった日はありません」

クラリス「それと同時に、暴虐の限りを尽くす妖への憎しみを忘れた日もありません

クラリス「その悔しさ、憎しみをバネに今日まで鍛錬してきました」

クラリス「そして、これからも」

11 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:01:53.65 FqcG0Fn80 11/34

歌鈴「じゃあ、クラリスさんは……復讐のために……」

クラリス「いえ、復讐はもう済みました」

「……そうなの?」

クラリス「はい。私たちを襲ったものは一人残らず、討伐しましたから」

クラリス「もちろん、その者たちだけでなく、故郷付近にいた妖はすべて」

「ずいぶん時間かかったでしょ、それ」

クラリス「えぇ、とても」

クラリス「……しかし、それによって故郷は平和になりました」

クラリス「もう私のように悲しむ人は誰もいないでしょう」

「……」

クラリス「教会も復興し、故郷には完全に平和が戻ってきたのです」

クラリス「人命を除いて、すべてが元通りになったのです」

「……平和ねぇ」

クラリス「なので、今度は故郷の外……世界のために、私は戦っているのです」

歌鈴「せっ、世界のために……!?」

クラリス「……なんて。ふふ、少し大げさすぎましたね……」

クラリス「本当は、手の届く範囲の妖を殲滅しているだけですわ」

「……」

クラリス「それを続けていけば、いつか妖はいなくなるでしょう」

クラリス「そして私のように妖のせいで大切な人を亡くす人も……」

歌鈴「……」

クラリス「だから、私は戦うのです」

クラリス「平和を求めて」

歌鈴「……そう、なんですか」

12 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:04:15.74 FqcG0Fn80 12/34

歌鈴「殲滅……」

「……そのためにここに引っ越してきたってこと?」

クラリス「はい。近くに教会もあったので」

クラリス「……しかし、まさかTさんがいる町だとは思いませんでした」

クラリス「これなら私が来る必要もなかったのかもしれませんね」

歌鈴「……で、でもっ、クラリスさ――」

みく「――たのもーっ!」バンッ

歌鈴「ひゃっ!?」

クラリス「な、何事ですか……!?」

みく「あ! やっぱりいたっ!」

クラリス「!」

「げ……みくちゃんじゃない」

みく「『げ』って、何『げ』って!」

「いや、えーっと……どしたの?」

みく「散歩中に二人の気配を感じたから来ただけー」

みく「……で、来てみたんだけど。お邪魔だった?」

クラリス「……」

みく「……あんなに睨まれてるし」

クラリス「……」

「……やっぱそうなるわよね」

歌鈴「……ど、どうしたんですか、クラリスさん?」

クラリス「……あなたたちは、あの妖とどんな関係なのですか?」

みく「わっ、みくが妖怪だってわかるんだ」

「……仲間よ、仲間」

クラリス「仲間……?」

「そう、あたしたちのね」

クラリス「……」

「……そんな怖い顔しないでも大丈夫よ、クラリスさん。みくちゃんは悪い子じゃないし」

13 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:06:00.00 FqcG0Fn80 13/34

クラリス「……悪い子じゃない、ですか?」

歌鈴「は、はいっ!」

歌鈴「もう人も襲いませんし……ねぇ?」

みく「やばい奴らに見られてるしね、もうしないよ」

みく「……ま、歌鈴ちゃんたちの害になるなら容赦はしないけどにゃ」

歌鈴「……」

クラリス「……二人はそれを信じているのですか?」

歌鈴「えっ?」

クラリス「あの妖の言葉を、あなたたちは信じているのですか?」

歌鈴「は、はい……信じてますけど……」

「実際ずっと一緒にいる仲間だしね」

「危ない子じゃないってことはあたしたちが保障するわ」

クラリス「そうですか……」

クラリス「なるほど、よくわかりました」

クラリス「……今すぐここから立ち去ってください、皆さん」

歌鈴「えっ!?」

クラリス「ここは聖なる場所……悪しき者が入るところではありません」

みく「だから、別にみく悪いことなんてしないってば」

クラリス「黙りなさい。妖風情が」

みく「……うぇ、感じ悪っ」

14 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:07:27.05 FqcG0Fn80 14/34

クラリス「……そして、妖に絆されるような人間も、この場に立ち入る資格はありません」

クラリス「まして、妖と共に過ごし、妖を仲間と呼ぶなど……人の風上にも置けません」

クラリス「即刻立ち去りなさい」

歌鈴「絆される……って」

「……引き入れたのはクラリスさんじゃない」

クラリス「……そうですね。そこは私の失態でした」

クラリス「妖の臭いを感じ取れないとは……自分で自分が情けないですわ」

歌鈴「あ、あのっ、ほんとに! みくちゃんは悪い子じゃないんです!」

クラリス「帰りなさい」

歌鈴「でもっ!」

クラリス「帰りなさい」

歌鈴「……」

クラリス「帰りなさい」

みく「……いこいこ、歌鈴ちゃん」

みく「こんな奴と一緒にいたらこっちが腐っちゃうにゃ」

歌鈴「……うぅ」

クラリス「それは、こちらの台詞です」

クラリス「穢れた気質を、この場へ持ち込まないでください……二度と」

みく「言われなくても、二度とこないにゃ」

みく「べーっ!」スタスタ

クラリス「……あなたたち二人も」

歌鈴「……」

「……行こう、歌鈴ちゃん」

歌鈴「……はい」

クラリス「……」

クラリス「……残念です。あなたたちとは良き友になれると思ったのですが」

歌鈴「……」

歌鈴「あ、あのっ……!」

クラリス「……」

歌鈴「……」

歌鈴「……妖怪だって、悪い子ばかりじゃないんです、クラリスさん」

クラリス「……」

歌鈴「……また、来ますね」

クラリス「……ここは、悪しき者が立ち入る場所ではありません」

歌鈴「……」

15 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:09:03.96 FqcG0Fn80 15/34

みく「はー……いらいらするー……!」

みく「なんなのにゃ、あいつ!」

「……クラリスさん。大切な人を妖怪のせいで亡くしてるみたいなの」

「だから……」

みく「あー、だから、みくが来たときの朋チャンあんな顔してたんだね……」

みく「……ちょっと傷ついてたんだよ?」

「クラリスさんの話を聞いてドンピシャのタイミングだったからね……ごめんね」

みく「別にいいけどー」

みく「……まあ、同情はできるけどさ」

みく「でもね、妖怪ってだけでひとくくりに見てほしくないにゃ」

「そうね……それができたらクラリスさんも楽だろうけど」

「……そう簡単に割り切れる人ばっかりじゃないのよ。どんなことでもね」

歌鈴「……」

「みくちゃんもわかるでしょ?」

みく「まあにゃ……みくもそれなりにお前らと付き合ってるし、人間も見てきたし」

みく「そりゃあ、気持ちもわかるよ?」

みく「でもね……うーん……」

みく「むー……!」

みく「……うー、でもやっぱムカツくにゃ!」

みく「みく! そんな臭くないし!」

「真っ先に気にするのはそこなのね」

歌鈴「……」

歌鈴「……クラリスさんも、みくちゃんみたいな優しい妖怪と一緒にすごしたら、割り切れるようになるのかな……」

みく「にゃふふ、優しいなんて……照れるにゃ……♪」

みく「……でも、あいつに近づける妖怪なんていなそうだけどにゃ」

みく「……っていうか、あいつなんなの?」

みく「みくのこともぱっと身で妖怪ってわかってたし……」

みく「……もしかして、今のみく、猫耳生えてる!?」

「いや、ぜんぜん」

みく「うにゃぁ……」

「えっと、クラリスさんはね――」

みく「――うぇ!? あいつもみくの天敵!?」

歌鈴「……」

歌鈴(……せっかく同じ力を持っているんだから)

歌鈴(やっぱり、仲良くなりたいな……)

16 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:09:57.66 FqcG0Fn80 16/34

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


歌鈴(……なんて思ってから一週間)

歌鈴(教会に行っても、門前払いされるだけ……ぜんぜん話なんか聞いてくれなくって)

歌鈴(……やっぱり、もう仲良くなれないのかな)

歌鈴(……)

歌鈴(朋さんに……ううん、こんなのは百発百中で占うことじゃない)

歌鈴(それに友達になるのに、変な力なんて使いたくないし……)

歌鈴(でも、ほとんど話してもくれなくって……)

歌鈴「……はぁ」

歌鈴(……あの時、みくちゃんが来なければ……)

歌鈴(……ううん、それも違う)

歌鈴(そもそもみくちゃんは何も悪くないし……)

歌鈴(きっと、いつか自分からこの話はしただろうし……)

歌鈴(だって、大切な仲間だから……)

歌鈴(……)

歌鈴(……やっぱり、無理なのかな)

歌鈴(……)

歌鈴(……)

歌鈴(……!)

歌鈴(また、何かの気配……!)

歌鈴(この前の怪物と同じ感じ……ううん、もっと大きい……)

歌鈴(……違う、いっぱい……?)

歌鈴(……)

歌鈴「……っとりあえずいかなきゃっ!」

歌鈴(また誰か襲われてるかもしれないし!)

歌鈴「はっ……はっ……!」タッタッ

歌鈴(……)

歌鈴(……もしかしたら、クラリスさん、いるかも)

歌鈴(……よしっ!)

17 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:10:42.24 FqcG0Fn80 17/34

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


クラリス(……邪なる気配を感じて来てみれば)

「――!」

クラリス(たくさんの妖が私を待ち構えていました)

「――!」

クラリス(何を言っているのかはわかりませんが、なにやら鬼気迫っている様子)

クラリス(姿形、そしてその気配からして。おそらく先日のものと同一種)

クラリス(……仇討ちといったところでしょうか)

クラリス(……願ったり叶ったりですね)

クラリス(私自ら探す手間が省けます)

クラリス(それに、広い平地で待っていてくれますから、誰かを巻き込む心配もありませんね)

クラリス(……ですから……あとは、ただやるだけ)

クラリス「……かかってきなさい」

クラリス「貴方たちのような悪しき者は私が――」

歌鈴「――クラリスさんっ!」

クラリス「!」

歌鈴「やっぱりいたっ! だっ、大丈夫ですか!?」

クラリス「……平気です」

歌鈴「はぁ……はぁ……間に合ってよかったぁ……」

歌鈴「ととっ! 加勢します、クラリスさん!」

クラリス「……結構です」

クラリス「貴女に手を貸され――」

歌鈴「――嫌って言われても加勢しますっ!」

歌鈴「こんなにいっぱいいるのに、放って帰るなんてできません!」

クラリス「……」

18 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:11:55.88 FqcG0Fn80 18/34

「――!!」

クラリス「……来ますっ」

歌鈴「!」

クラリス「滅ッ!!!」

歌鈴「破ぁ!!!」

歌鈴(よしっ、今回は一発で――)

クラリス「止まらない!」

歌鈴「!」

クラリス「敵は郡です、一匹倒したからといって油断しない!」

歌鈴「はっ、はいっ!」

「――!!」

クラリス「滅ッ!!!」

歌鈴「破ぁ!!!」

歌鈴「はぁ、はぁ……本当にいっぱいですね」

クラリス「……加勢するといったのは貴女ですよ」

歌鈴「わ、わかってますっ!」

クラリス(……とはいえ、確かに多いのは事実)

クラリス(人気の少ない広場に連れ出してきましたから、巻き込む心配はありませんが…

…)

歌鈴「破ぁ!!!」

クラリス(……)

クラリス(……余計なことを考えるのはやめましょう)

クラリス(今は、ただ目の前の妖を)

クラリス(妖を、ただ滅するのみ――!)


………………

…………

……

19 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:12:45.12 FqcG0Fn80 19/34

クラリス「滅ッ!!!」

クラリス(……どれくらい倒したでしょうか)

クラリス(あと、どのくらいでしょうか)

クラリス(……)

歌鈴「破ぁ!!!」

歌鈴「……わわっ!」クラッ

クラリス「!」

歌鈴「ふぅ……ま、まだまだっ!」

クラリス(歌鈴さんも、疲れてきている様子ですね)

クラリス(……無理もありませんか)

クラリス(しかし、どうしましょう……このままでは数に圧殺され――)

「――!!」

クラリス「――ッ!」

クラリス(考えさせる時間もくれませんか)

クラリス(なら、私も)

クラリス(考えず、ただ目の前の敵を――)

歌鈴「あっ、クラリスさんっ!」

歌鈴「後ろっ!」

クラリス「!」バッ

クラリス「しまっ――!」

「――!!」

クラリス「――」グッ

20 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:14:09.82 FqcG0Fn80 20/34

クラリス「――」

クラリス「――」

クラリス「――?」

クラリス(衝撃が……攻撃が、来ない……?)

クラリス(何故……)

クラリス「……!」

みく「……にゃふふ、残念だったにゃ」

クラリス「あ、あなたは……!」

歌鈴「み、みくちゃんっ!」

みく「やっほー、助けに来たよー」

歌鈴「ど、どうしてここが……!?」

みく「そりゃあ、こんなドンパチやってたら嫌でも気づくにゃ」

みく「あ、もちろん、みく一人じゃないよ!」

モバP「破ぁ!!!」

歌鈴「あっ、お兄さん!」

クラリス(お兄さん……)

クラリス(ということは、この方が……)

「大丈夫!? 歌鈴ちゃん! クラリスさん!」

歌鈴「それに、朋さんも!」

歌鈴「わ、私は大丈夫ですっ!」

クラリス「……私も、大丈夫です」

「そう……よかった」

21 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:15:47.44 FqcG0Fn80 21/34

モバP「よくがんばったな、歌鈴」

歌鈴「は、はいっ。がんばりました……」

歌鈴「はあぁ……あ、安心しちゃって、力が……」

モバP「お疲れ」

モバP「もう大丈夫だ。安心して、ゆっくり休んでいてくれ」

モバP「クラリスもな」

クラリス「!」

クラリス「私のことを知っているのですか……?」

モバP「少し前に歌鈴から聞いたんだ」

モバP「私たちと同じような力を使う人がいるってな」

クラリス「……そうですか」

モバP「……積もる話はいろいろあるだろうが……今は後だ」

モバP「離れて休んでいてくれ」

クラリス「……いえ、まだわたくしは」

みく「妖怪風情に助けられちゃうくらい疲れてるのに?」

クラリス「……」

みく「にゃっふふ。今のお前が戦ったところでただの足手まといなんだから、そこで見てにゃ」

モバP「口は悪いが、みくの言うとおりだ」

モバP「後は俺たちに任せろ」

クラリス「……」

クラリス「……わかりました。足手まといになるのなら」

クラリス「しかし……貴女に一つだけお尋ねしても?」

みく「みく?」

クラリス「はい」

みく「ん、手身近にお願いにゃ」

クラリス「……どうして私を助けたのですか?」

みく「お前を助けたつもりはないにゃ」

みく「みくはお前がどうなろうと知ったこっちゃないし」

みく「むしろみく個人としてはムカつくし、やられたほうが清々したかもにゃ」

クラリス「……」

みく「……でも、みくが興味なくても、歌鈴チャンはお前と友達になりたいって思ってる

んだって」

みく「……友達が傷ついたらみんな悲しむでしょ?」

みく「だから、みくはお前を助けたの……歌鈴チャンが悲しまないようにね」

クラリス「……」

みく「もういい?」

クラリス「……」

みく「……ふん」

22 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:17:32.47 FqcG0Fn80 22/34

みく「待たせたにゃ、Pチャン! みくはいつでも準備オッケーにゃ!」

モバP「そうか」

モバP「……それじゃあ行くぞ!」

みく「にゃあ!」

「……よし、じゃああたしたちも移動しましょう」

「ここだとまだ巻き込まれるかもしれないわ」

歌鈴「そうですね……はぁ……」

「……お疲れ様」

歌鈴「あはは……今までで一番がんばったかも……」

歌鈴「でも、私一人じゃなくてクラリスさんもいたからよかったです……」

クラリス「……」

歌鈴「……クラリスさん?」

クラリス「……あの妖怪は、何か弱味でも握られているのですか?」

「あの妖怪……って、みくちゃん?」

クラリス「はい」

クラリス「自らの思いを押し込めてまで、人のことを考える妖など、信じられません」

「弱味ねぇ……」

歌鈴「……あ、魚が苦手なこととか?」

「それは弱味に入るのかしら……」

クラリス「……」

「……まじめに答えるとね。クラリスさんの思ってるようなことは一切ないわ」

「弱味を握ったり、洗脳したり……」

「みくちゃんを操って無理やり守らせるようなことはしてないわ」

クラリス「……」

クラリス「……ならば、どうしてあの妖怪はあそこまで――」

歌鈴「――だって、私たちは友達で、仲間ですから」

歌鈴「……きっと、みくちゃんもそういうと思いますよ」

みく「もちろんにゃぁっ!」

歌鈴「……聞こえてたんですね」

みく「へへんっ! 猫の耳はすごいの……にゃあっ!?」

「ちょっと、危ないわよみくちゃん!}

モバP「もう少しだから集中しろ、みく!」

みく「にゃはは、ごめんごめん!」

みく「ま、こんな数を集めただけの奴らなんか余裕だけどにゃ」

24 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:21:32.08 FqcG0Fn80 23/34

クラリス「……」

歌鈴「……まだ、信じられませんか?」

クラリス「……私にとっての妖怪は、残虐で、残忍で、人をエサとしか思ってないような怪物です」

クラリス「私を襲ってきた妖怪も、私が討伐した妖怪もそうでした」

クラリス「みな、自分が第一でしたわ」

「そうね、それもひとつの像だと思うわ」

(……みくちゃんだって、初めて会ったときはそんな感じだったし)

クラリス「……」

「でも、一つの妖怪の性質が全部の妖怪に当てはまるわけじゃないわ」

「人間だって同じでしょ」

「一人ひとりが違う個を持ってるわ」

クラリス「……」

歌鈴「……クラリスさんの気持ちはよくわかります」

歌鈴「だから、ちょっと残酷なことを言っているのかもしれません」

歌鈴「それでも……」

歌鈴「……みくちゃんのことを、妖怪じゃなく、みくちゃんとしてみてあげてほしいです」

歌鈴「妖怪ってレッテルを通してみるんじゃなくて、みくちゃん自身を」

クラリス「……」

クラリス「……それは、友としての言葉ですか?」

歌鈴「はい」

「そうよ」

クラリス「そうですか……」

クラリス「……」


………………

…………

……

25 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:22:09.83 FqcG0Fn80 24/34

みく「……だいぶ減ったんじゃない?」

モバP「そうだな」

モバP「……よし、後は俺に任せろ」

みく「へ?」

みく「みく、まだまだぜんぜんいけるよ?」

モバP「いや、相手が少なくなると誤射するかもしれないしな」

みく「あー……さすがにそれは大丈夫とはいえないからにゃ」

みく「でもPチャンは大丈夫?」

モバP「疲れているように見えるか?」

みく「……ぜんぜん」

みく「はぁ……こんなやつに喧嘩売るなんて、みくは何考えてたんだろ

モバP「はは、懐かしいな」

モバP「……まあ、そういうわけだ。後は任せろ」

みく「ん、わかった」

みく「やばそうになったら助けてやるね」

モバP「おう、ありがとう」

みく「まあ、Pチャンに限ってそんなことはないと思うけどにゃ」

26 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:23:00.49 FqcG0Fn80 25/34

みく「やっほー」

歌鈴「あれ、みくちゃん……どうしたんですか?」

みく「アイツが後は一人でやるってさ」

「……あ、そう」

みく「だから今からみくもここで傍観ー」

クラリス「……」

クラリス「……みくさん」

みく「んー?」

クラリス「……」

クラリス「……こほん」

クラリス「先ほどは、助けてくれてありがとうございました」

みく「……急にどしたの?」

みく「さっきまでのお前と大違いにゃ」

クラリス「……」

クラリス「……私が助けられたことは事実」

クラリス「ですが、そのことに対しての感謝はまだだったので」

クラリス「それだけです」

みく「ふーん」

27 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:24:19.40 FqcG0Fn80 26/34

みく「さっきの歌鈴ちゃんたちの言葉を聴いて心が変わった、とかじゃないんだ」

クラリス「!」

「あ、それも聞こえてたんだ」

みく「言ったでしょ? みくの耳は猫の耳!」

みく「……ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったよ」

「そっか……ふふ」

みく「で、どうなの?」

クラリス「……私は、妖が大嫌いです」

クラリス「それは、今も昔も変わりません」

みく「あ、そう」

歌鈴「……」

クラリス「……しかし」

クラリス「二人の言葉……そして、貴女の行動が考えるきっかけにはなりましたわ」

クラリス「妖も、それぞれ個を持っているということについて……」

歌鈴「クラリスさん……」

クラリス「私はまだ妖は許せません」

クラリス「顔も見たくないくらいには嫌い、大嫌いです」

クラリス「ですが、私は貴女を個としてみて……」

クラリス「妖怪ではなく、みくさんを見て」

クラリス「……『嫌いではない』という評価にいたりました」

みく「……微妙だにゃ」

「大嫌いからはずいぶん上がったと思うけどね」

クラリス「ええ、大きく上がりましたわ」

クラリス「会話を許せるくらいには」

みく「……」

28 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:26:05.30 FqcG0Fn80 27/34

クラリス「とはいえ、まだ私は貴女を信じきったわけではありません」

クラリス「……変なことをするようでしたら、私が貴女を討伐します」

みく「はん、やれるもんならやってみるにゃ!」

みく「お前なんか返り討ちにしてやるにゃ」

クラリス「……」

クラリス「……今、貴女への評価が『嫌い』に変わりました」

みく「奇遇だにゃ、みくも嫌いだよ」

クラリス「……」

みく「……」

歌鈴「お、お二人ともっ! そんな顔してにらみ合わないで……ねっ、ねっ?」

クラリス「……そうですね」

クラリス「やるなら、万全のときで……」

歌鈴「や、やらないでくだしゃいっ!」

クラリス「ふふ……冗談ですよ」

クラリス「貴女が真に人の害をなす存在となるまでは、手を出しません」

みく「はいはい。そんときは大人しくお前を返り討ちしてやるにゃ」

クラリス「……」

みく「……」

歌鈴「二人ともーっ!」

「ふふ……あ、そろそろ終わるみたいよ」

みく「ん……あ、Pチャンね」

クラリス「……」

モバP「よし……これでおしまいだ」

モバP「破ぁ!!!」

クラリス(……声とともに、彼の右手から光があふれました)

クラリス(その光は私のものよりも強く……)

クラリス(そして、優しい光……のように感じました)

クラリス(……その光は当たりいったいを包み込み)

クラリス(気がつけば、残っていた妖怪はすべて消えていました)

クラリス(そこに立っているのはTさんだけ)

クラリス(……寺生まれってすごい)

クラリス(改めて、私はそう思いました)

29 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:26:47.99 FqcG0Fn80 28/34

モバP「……ふぅ」

「終わった?」

モバP「おう。全部終わった」

「ん、お疲れ」

みく「お疲れー……って感じの顔してないけどにゃ」

モバP「言っただろう、鍛えたんだ?」

歌鈴「……私も、鍛えたらそのくらい体力もつくのかな?」

モバP「ああ、きっとな」

歌鈴「そうですか……が、がんばらなきゃ……!」

クラリス「……お疲れ様でした、Tさん」

モバP「ああ、ありがとう」

モバP「……俺のこと知っているんだな」

クラリス「噂には聞いていて……そして、憧れていましたから」

モバP「憧れか……はは、なんだか気恥ずかしいな」

クラリス「そして、先ほどの戦いっぷりもうわさに恥じぬものでした」

クラリス「話を聞いて、憧れたものと同じ……いえ、それ以上のお姿でした」

モバP「……」

クラリス「……だからこそ、一つたずねたいのです」

クラリス「よろしいですか?」

モバP「……ああ」

クラリス「貴女は……どうして戦うのでしょうか」

30 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:27:35.92 FqcG0Fn80 29/34

モバP「どうして……か」

クラリス「はい」

クラリス「……お聞かせ願えればと思います」

モバP「……」

モバP「……一つだけ勘違いしていることがあるな」

クラリス「?」

モバP「俺は妖怪退治専門じゃない」

モバP「人に害を為すモノを除霊しているだけだ」

クラリス「……」

モバP「だから、それが人に害を為すのなら」

モバP「特に、俺の仲間へ危害を及ぼすのなら」

モバP「人であろうと、霊であろうと、妖であろうと――」

モバP「――神であろうと、除霊するだけだ」

クラリス「……」

モバP「……もっとも、その力はまだ俺には足りてないんだがな」

クラリス「その仲間が……人以外でも?」

モバP「……」

モバP「人に害を及ぼすもののために戦う……これは、寺生まれとしての理由だ」

モバP「そして、仲間に害を及ぼすもののために戦うのは、俺としての理由だ」

クラリス「……」

モバP「クラリスの境遇は聞いた。理解は難しいだろう」

モバP「しかし、これが俺の答えだ」

モバP「仲間だと思ったなら、たとえ人であれ妖怪であれ神であれ仲間であり、敵だと思ったなら敵だ」

モバP「……質問の答えはこれでいいか?」

クラリス「……はい」

クラリス「ありがとうございました」

モバP「どういたしまして」

モバP「……とはいえ、これはあくまで俺の話だ」

モバP「クラリスは、自分が信じる道を進めば良い」

クラリス「……もちろん、そのつもりです」

クラリス「ただ、参考までにと」

モバP「……そうか」

31 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:30:25.43 FqcG0Fn80 30/34

クラリス「さて……本日は助けていただき本当にありがとうございました。皆さん」

クラリス「それでは。私はこれで」

歌鈴「あっ、あのっ! クラリスさん!」

クラリス「……」

歌鈴「えっと……あ、あのっ、わた、私……っ!」

クラリス「歌鈴さんも疲れているでしょう……今日はゆっくりとお休みなさい」

クラリス「そして、また後日……教会でお話しましょう」

歌鈴「!」

クラリス「……おや、来てくれませんか?」

歌鈴「は、はいっ! いきますっ! いきますっ!!」

クラリス「ふふよかった……」

クラリス「あ、でも貴女は来ないでくださいね」

「そこは譲らないのね」

クラリス「あくまで、妖怪という悪しき者は入れられませんから」

みく「はん、頼まれたっていかないから安心しにゃ」

クラリス「……」

みく「……」

クラリス「ふふ……」

クラリス「それでは、またいずれお会いしましょう……」

「ん、またね」

モバP「帰りも気をつけろよ」

クラリス「ふふ、ありがとうございます」

クラリス「……」

モバP「……さて、じゃあ俺たちも帰るか」

「そうね……」

みく「……しかし、朋チャン来た意味なかったね」

「いいのよ、あたしの出番なんてないほうがいいんだから」

歌鈴「でっ、でも! 朋さんがいると安心できますし……」

「ふふっ、フォローしてくれてありがと、歌鈴ちゃん」

32 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:31:50.78 FqcG0Fn80 31/34

クラリス「ふふ……」

クラリス(……仲睦まじいことです)

クラリス(みながみな、仲間のために戦っている……)

クラリス(きっと、これが彼らの力なのでしょうね)

クラリス(それは、私のものとは大きく違うもの)

クラリス(私は平和を手に入れるため……彼らは平和を守るため)

クラリス(同じようで、全く違う力……)

クラリス「……」

クラリス「……」

クラリス(もしも、私も妖怪の言葉を聞き入れていたら)

クラリス(妖怪にも個があると知っていたら……)

クラリス(……いえ)

クラリス(きっと、それでも変わらなかったでしょう)

クラリス(あのときの憎しみも、今持つ憎しみも、薄らぐものではありませんから)

クラリス(……)

クラリス(……それでも、今日のこの出会いで私は)

クラリス(私は……)

クラリス(……)

クラリス(いいえ。やはり、まだ変われません)

クラリス(……この内なる妖への憎しみが消えていませんから)

クラリス(……)

クラリス(しかし、これから……妖の個をみていく上で、いつか変わるかもしれません……)

クラリス(……)

クラリス(……そのためにも、今度会ったときに、みんなの話をもう少し聞いてみましょう)

クラリス(彼女たちを知ることで、また心境が変わるかもしれませんから……)

クラリス(……思えば、私の話ばかりしていましたから……彼女たちのことをほとんど知りません)

クラリス(いえ、追い払ってしまったのは私なんですが……)

クラリス(……)

クラリス(……)

クラリス(……お菓子の用意をしておけば許してくれるでしょうか)








おしまい

33 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:33:26.22 FqcG0Fn80 32/34

寺生まれのPさんと神社生まれのDさんと教会生まれのCさんの3人とか、妖怪みくにゃんとか、占い(?)をするふじともとか、書きたかったことを混ぜました。


誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。
読んで下さった方ありがとうございました

34 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:36:45.44 FqcG0Fn80 33/34
35 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/08/05 03:37:32.15 FqcG0Fn80 34/34

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