あやめ2nd

愛「面白いニュースでもあったんですか？　どれどれ……『我那覇響、沖縄マラソンでギネス認定』『菊地真、リフティング世界記録へ』ですか。765プロの皆さんは凄いですね！」

絵理「それも凄いけど……これ」ｽﾞｲｯ

愛「え？　『雄ヤギから母乳』！？」

絵理「うん」

愛「お、雄からですか！？」

絵理「この雄ヤギの奥さんが病気で母乳が出なくなって……子ヤギがミルクほしさにないてたら、出るようになったんだって」

愛「へぇー、愛情ですね！！」

絵理「それで、思ったの」

愛「？」

絵理「涼さんも、出るんじゃない？」

愛「！？？？！！？」

絵理「出るんじゃない？」

愛「え、いや……出ないんじゃないですかね」

絵理「出して、欲しい」ｷﾗｷﾗ

愛「えぇー……」

絵理「と言うことで、行こう？」

愛「きょ、拒否権は……」

絵理「ないよ？」

愛「今日の絵理さん、何だかパワフルですね」

……

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

夢子「はーい」

絵理「どうも」

愛「お邪魔しまーす！」

夢子「げっ、アンタ達」

絵理「涼さん、借りにきた」

夢子「はぁ？　涼なら今出てるけど、何の用？」

愛「えっと、かくかくしかじかでー」

夢子「まるまるうまうま……ってアンタ達、出番少なすぎておかしくなったんじゃないの？」

絵理「夢子さんよりは、マシ」

愛「私も夢子さんと一緒にされるのはちょっと……こないだ出番あったばっかりですし」

夢子「うっさいわね」

絵理「夢子さんにも、協力して欲しいの」

夢子「は？　何で私がそんなことしなきゃいけないのよ」

絵理「これは、二人の将来の為でもあると思う」

愛「そうなんですか？」

絵理「考えてみて？　もし涼さんが母乳を出せるようになれば、赤ちゃんのお世話も楽になる」

夢子「そりゃそうかもしれないけど」

愛「究極のイクメンですね！」

絵理「雄ヤギにも出来たんだから、元からオスだかメスだか曖昧な涼さんなら、きっと出来る」

愛「愛情の証明ですよ！　二人の愛がホンモノなら、きっと出ます！！」

夢子「いや、出ないでしょ」

絵理「……夢子さん、もしかして自信ない？」

夢子「は？」

絵理「涼さんとの愛が本物じゃないかもって……」

夢子「んなわけないでしょ！　涼なら私が言えば母乳の1ガロンや10ガロンくらい楽勝よ！」

絵理「じゃあ、決まり？」

夢子「ええ、行くわよ！」

愛「レッツゴー！！」

……

絵理「と、言うわけ」

涼「えぇ……」

愛「涼さん、私涼さんの母乳が飲みたいです！！」

夢子「ほら涼！　いつもミルクみたいなの出してんだから母乳くらいささっと出しなさいよ！」

愛「え、涼さんミルク出せるんですか？」

絵理「愛ちゃんには、まだ早い？」

涼「いやちょっと待ってよ。皆いったん落ち着こう」

愛「？」

涼「まず、ボクの性別は知ってるよね？」

愛「男の人ですよね？」

涼「じゃあ、男から母乳は出ない。これもO.K.？」

絵理「でも、こんな現象もある」ｽﾏﾎｽｯ

涼「ヤギじゃない！？」

夢子「逆に考えなさいよ。ヤギにも出来るならってね」

涼「順当に考えてよ。ボク人間だよ？　というか何で夢子ちゃんそんな必死なの！？」

夢子「そうね。私も、最初は876のアホ共がまたアホなこと言い出したと思ったけど……」

絵理「酷い言われよう？」

愛「まあ一言も反論出来ませんけどね」

夢子「でも、涼の雄っぱいから母乳が出たらと思うと……」ﾊｧﾊｧ

愛「この人にアホ扱いされるのはショックですね」

絵理「愛ちゃん、結構辛辣？」

夢子「というわけで、おとなしくお縄につきなさい！」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

愛「正直私はどうでも良いんですけど、面白そうだから出して下さい！」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

絵理「涼さん。ジ、エンド？」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

涼「ぎ……」

ぎゃおおおおおおおおおおおおーん！！！

……

夢子「いやぁ……」

絵理「……」

愛「……」

夢子「まさか本当に出るとは思わなかったわね」

愛「結構美味しかったですね」

おわり