2 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:29:58.59 oc7YzO8No 1/16

ポコン

「いて」

比奈「あ、プロデューサーにも飛んで来たっスか?」

「なんだこれ?」

比奈「キノコでスね」

「キノコだな」

比奈「……」

「……」

比奈「…輝子ちゃん…でスかね」

「しかいないな」

元スレ
荒木比奈「なんか飛んで来たっス」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368934145/

3 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:30:44.16 quQxPEQDO 2/16

「おーい輝子ー」

ポコ

輝子「よ、…呼んだ?」フヒ

「…おま、何だその格好…」

輝子「キノコのきぐるみだよ……い、いいでしょ、フヒ」
輝子「ど、どうしてもって言うなら、ぴ、Pにも、着せてあげるよ……」

「いや、大丈夫だ」

輝子「あ、そう」フヒ…

4 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:31:21.21 oc7YzO8No 3/16

モフモフ

比奈「なんだか…取ったら大きくなれそうなあれでスね」

輝子「?」

「…たしかに」
「それは仁奈にもらったのか?」

輝子「う、うん。…この前一緒に、この衣裳で、テレビに出たんだ……」

「どんな番組だ」

「料理番組じゃなかった?」ヒョコ

「いたのか、柚」

「いたよぅ」

5 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:32:09.81 quQxPEQDO 4/16

「え…じゃあ、キノコ料理でもやったのか?」

輝子「う、うん」

「食べられる側のきぐるみを着るのか……まあ、動物じゃないだけましか…」

輝子「仁奈ちゃんは、牛さんだったよ」

「あかん」

「和久井さんのお料理番組、けっこう人気みたいだねー」

「和久井さんそんな番組やってたっけ!? 俺聞いてないぞ!」

留美「当然よ。Pくんには黙っておいてとみんなに言っておいたんだもの」

「うおう!」

留美「……そんなに驚くことないじゃない…」

「あ、すいません…いや、後ろからいきなり声をかけられたもので、つい」

6 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:33:17.34 quQxPEQDO 5/16

「そだった…ごめんね留美さん…」

留美「いいのよ。どうせ、そのうち言うつもりだったんだから」ナデナデ

留美「ねえPくん。どうして君には黙っておいてもらったか、分かる?」

「…ど、どうしてですか?」

留美「いつかあなたに料理を振る舞って、喜んでもらうためよ。驚いて欲しかったの」ニッコリ

留美「それに、努力は黙ってした方が輝くでしょう?」

「……ソウデスネ」

留美「…どうして目を逸らすのかしら」

比奈(ちょっと気軽に受け止められる重さじゃなかった模様でスね…)

7 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:33:56.98 oc7YzO8No 6/16

「そ、そんなことより、ですね」コホン

留美「そんなこととはなによ」

ポコン

留美「きゃ」

「この問題を解決しよう」

比奈「でスね」

ポコポコ

「事務所の中をキノコが飛び交ってるね♪」

「シュールすぎるわ」

8 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:34:43.18 quQxPEQDO 7/16

「おい輝子」

輝子「ひっ、ちょ、P近い……いや、トモダチなら、このくらいがちょうどいい距離……? フヒヒ、いや、私たちは親友だったか……な、ならよし」ウン

「なにぶつぶつ言ってんだ」

輝子「あ、あれだよ。……そろそろ梅雨だから、キノコも、テンションあがってるんだよ、きっと」

「アクティブすぎるだろ」ポコ

「……」ポコポコ

「ええい鬱陶しい! 食ってやろうか!」

輝子「!? だ、だめ、カニバリズムは、ちょっと」

「キノコを食するのをカニバリズムとは言わん」

9 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:35:38.27 oc7YzO8No 8/16

ポーン

「ほっ」

留美「ナイスキャッチ」パチパチ

「…まあ…百歩譲って、キノコがアクティブになった結果だと言うのは、鵜呑みにしてやろう」

比奈「いいんスか」

「話が進まないしな」
「…で? だからと言って、そもそも事務所にこんなにキノコがあった覚えがまずないんだが…」

輝子「う、うん。ちょっとずつ、ちょっとずつ、増やしたんだ……フヒヒ、いいでしょ」

「よくねえよ。仕事もままならんわ」

比奈「プロデューサーの机の上もキノコ塗れでスもんね」

「…まさか一晩でこんなことになるとは…梅雨になったらいったいどうなるんだ…」

10 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:36:25.55 quQxPEQDO 9/16

「事務所ではあんまりキノコを栽培しないでくれって言ったろ?」

輝子「……う、うん。でも……」

「でも?」

輝子「い、…いいんじゃないかって、言われて……つい」

「? 誰に」


「呼びましたか!」


「?」

幸子「ボクですよ!」

「……」ビュ

幸子「あう」ポコ
幸子「い、痛い! 急にキノコをこっちに投げないでください!」

「……」ヒュッヒュ

幸子「あっあっ、やめ、ちょ、無言でキノコを投げるのはやめて…」ポコポコ

輝子「あのぅ、できれば私のトモダチをあんまし投げたりはしないで欲しい…」

比奈(絵面がシュールすぎまスね)

11 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:37:17.43 oc7YzO8No 10/16

幸子「い、いい加減にしてください!」バッ

「俺の台詞だ」ポコ

幸子「あう」

「いったいどういう了見でこんな事態を許容したんだ」

幸子「い、いいじゃないですか。ボク、輝子さんの趣味は、なかなか素敵だと思いますよ」ヒョイ

幸子「キノコ、カワイイじゃないですか。ボクほどではないですけど」

輝子「! ……さ、さっちん…」キラキラ

「可愛ければいいってもんじゃないんだけど…」

12 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:37:56.18 quQxPEQDO 11/16

ポン

「……俺の頭にキノコを乗せるんじゃない」

幸子「ふふ。これから梅雨の、ジメジメした季節がやって来ますからね。ちょっとくらい事務所も、騒がしいくらいの方がいいでしょう?」

「…それは否定しないが」

幸子「えい」グイ

「…眉にキノコを押しつけるんじゃない」グイグイ
「お前、変なキノコでも食べたんじゃないだろうな」

幸子「そんなことありません」

13 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:38:39.98 oc7YzO8No 12/16

輝子「フヒ……ね、ねえ、さっちん。このキノコ、どうかな……今日新しく出て来た子だよ…」

幸子「なかなかカラフルですね。ふふ、悪くないと思いますよ」



「……あいつら、いつの間にあんなに仲良くなったんだ」

比奈「コンビにしたのはプロデューサーでしたよね?」

「まあな。…まあ、いつも通り、適当に決めたんだけど」

比奈「思っても言っちゃだめでしょそれ」

14 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:39:23.67 quQxPEQDO 13/16

留美「食べられるキノコはあるのかしら?」

「専門家に聞いてみる?」

幸子「えっと、ここにあるのだとですね…」

輝子「…さ、さすがさっちん…もうすっかり、キノコのことは詳しい……さすが、私の、トモダチのトモダチ…フヒ」

幸子「いや、ボクはあなたとも直接友達のつもりですよ」

輝子「……お、おう」


ワイワイ


「……まあ、なんか知らんがたしかにみんな楽しそうだな。キノコのおかげで」

比奈「でスね」

15 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:40:10.95 oc7YzO8No 14/16

ポコン

「……まあ、いいか。このくらい、可愛いもんだよな」

比奈「そうでスね」クス

「ただきぐるみを置いとくのは怖いな。あれに胞子がついたら、絶対大変なことになる」

比奈「仁奈ちゃんには注意しとかなきゃでスね」

「仁奈ちゃんには、ちゃんときのこにきを(の)つけるように言っておかないと、ですね」フフ…

「いたんですか」

「(´・ω・`)」イマシタヨ…

比奈(楓さん、頭の上にあるキノコに気づいてないっスね…)カワイイ

「仁奈ちゃんと一緒に、お昼寝してました」ニヘラ

16 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:41:08.44 quQxPEQDO 15/16

「あっ、てことは、仁奈も…」



仁奈「では、輝子おねーさん!」

輝子「う、うん」

仁奈「仁奈と一緒にキノコの気持ちになるでごぜーます!」

輝子「……ま、まかせて。…それは、ばっちり…フヒヒ」

幸子「どんば場所でも、めげずに生えて来る気概ですかね」

「さっちんは真面目っ子だねー」

留美「……キノコの気持ち……キノコにも婚期ってあるのかしら…」ブツブツ



「楽しそうだな」

比奈「でスねぇ」

「そうですね」ニコ



輝子「フヒヒ」

幸子「ふふ♪」

17 : ◆qEJgO2U6bM - 2013/05/19 12:42:51.58 oc7YzO8No 16/16

こんな平和なお話。
ただ幸子と輝子を仲良くさせたかっただけでした。

おわりです。ありがとうございました。

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